規格外野菜を利用する農家、規格外野菜は使わない農家
トマトの季節に、ミニトマトを二つに割り、強い太陽で天日干しをしてセミドライトマトをつくると、パスタ料理やその他の料理が楽しめます。
イタリアやトルコ、カリフォルニアなど地中海性気候の地域のトマトは種類が加工用トマトなので、そこで作られるドライトマトも加工用のトマトを使ったものです。しかし、日本のトマトはほとんどが生食用トマトです。生食トマトを使ってドライトマトを作っている農家(農業協同組合)が熊本にあります。
「冬春トマト」の熊本らしく1月から6月までの季節限定商品ですが、規格外トマトや熟しすぎたトマトを捨てるのはもったいない、それらを捨てずに付加価値商品を作り出そうということでドライトマトを製造し始めたそうです。大玉トマトを10等分程度にカットしてドライトマトにします。
その商品に初めて出合ったのは数年前ですが、興味深かったのでその農協のドライトマト担当の女性に電話をして、ドライトマトが生まれた背景や作り方などをおうかがいしたことがあります。何度か購入してトマト向きの料理に使ってみました。小さくカットしてパン生地に投入するとトマトパンになります。規格外や熟し過ぎを利用したビジネスですが、このドライトマトはロングセラーになっています。
北海道に、有機栽培野菜をカットし冷凍加工して袋詰めにした「冷凍有機野菜」を製造販売している農家(農業法人)があります。対象野菜は、ミックスベジタブル用にはスイートコーンとニンジンとインゲン。それから、カボチャ。甘みを出すために熟成させたあと食べやすいサイズにカットし蒸気で蒸したあと冷凍パックします。
当初は、規格外の野菜を農閑期(冬場)に加工するという意図で始めたらしいのですが、「規格外」というキーワードと「農閑期限定」というキーワードの組み合わせでは、上手くいかなかったそうです。つまり、採算が合わない。
したがって今では、冷凍有機野菜という加工食品作りは通年業務になり、それから、規格外野菜の利用というと形の悪いものや傷ものも対象なので作業効率が悪く商品そのものも満足できるレベルにはならなかったので、規格外の利用は断念し加工食品向けの品種の栽培に切り替えたそうです。熊本のドライトマトとは別のアプローチです。
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