« TPP協定関連資料に目を通す(農業や遺伝子組み換え農産物に関して)(その2) | トップページ | 規格外野菜を利用する農家、規格外野菜は使わない農家 »

2016年3月14日 (月)

北海道らしい、日常食材の贅沢

食の贅沢というのは、日常のあたりまえの食材の賢い選択のことだというのがぼくの考え方です。だから贅沢といっても、あたりまえの食材やあたりまえの加工食品をどう選ぶかということなので、その贅沢によって追加的にとくにお金がかかるわけではありません。

しかし、追加的にお金がかからないといっても、素材の調理にはそれなりの手間ひまはかかるし、自家製の基礎加工食品を作る場合には、素材の購入段階や加工の段階でもそれなりの手間ひまはかかっています。出費金額も、当然のことながら、スーパーの特売加工品購入よりは多い。

あたりまえの食材といえば、たとえば毎日の朝ごはん。土鍋で炊いたご飯、自家製の味噌を使った味噌汁、干し海苔、自家製の季節の漬け物と自家製の梅干し、(冬は)自家製のタクアン、北海道産の納豆、平飼い(ひらがい)鶏の卵の目玉焼き、というのが定番メニューですが、飽きることがない。

ここでの贅沢は、朝ごはんのご飯(コメ)と納豆に関して、です。

ご飯は北海道産米を土鍋で炊いたものですが、コメは最近人気の「ゆめぴりか」でも「ななつぼし」でもなく「ゆきひかり」です。「ゆきひかり」については二世代前の食味のコメと評する人もいるくらいです。なぜ二世代前の米かと云うと、近ごろの人気米の特徴であるところの「白くて甘くて粘りが強い」という性質、「『もち米』風味が強くなった『うるち米』」という特性を持っていないからです。

二世代前のコメという表現がわかりにくいなら、「コシヒカリ」が食卓を席巻する前に家庭でよく食べられていた「うるち米」と言い換えます。その方(ほう)が、熟年以上の方には味の雰囲気がわかりやすいかもしれません。土鍋で炊く「ゆきひかり」は穏やかであっさりとしていて、噛むと甘みが口の中にゆっくりと広がってくるような種類のお米です。わが家では七分搗きが好みです。

日本の大豆の自給率は低くて、食用油用(サラダ油など)と食品用(納豆・豆腐・煮豆・味噌・醤油など)を合わせた大豆全体の自給率は5~6%です。その内訳は、大豆消費量が圧倒的に多い食用油用は自給率がゼロ、しかし、消費量が少ない食品用だと自給率は21%~22%と少し高くなります(農水省データ)

ザックリと云えば、納豆や豆腐や味噌・醤油に使われている大豆の80%近くが輸入大豆ですが、世界で生産されている大豆の75%(作付面積比率)が遺伝子組み換え大豆なので(ISAAA 国際アグリバイオ事業団データ)、輸入大豆の大部分が遺伝子組み換え大豆だと考えた方がよさそうです。納豆や豆腐、味噌や醤油なども、材料欄に明瞭に国産大豆と記載されていないものは、どういう素性の大豆が使われているのかよくわからないということになります(【註】)。

日々口にしているサラダ油用の大豆が全部輸入という状況なら、納豆・豆腐・味噌・醤油について今さら素性を気にしても仕方ないという方もいらっしゃると思いますが、それもひとつの考え方には違いない。

我が家で食べている納豆は、大豆の生産地が明らかな地元産の納豆で、大豆は中札内(なかさつない)という北海道の十勝平野の村で栽培されたものです。近所の小売店で売っていますが、地味な人気商品みたいです。付属のタレ・カラシは使いません。わずかに塩を降りかけ、わずかにω3(オメガ3)系オイルを垂らしてかき混ぜます。贅沢ならこういうあたりまえの日常食材の贅沢、というのが我が家の流儀です。

Photo 5kg

【註】この「素性のよくわからない大豆」という状況に関連するのは、たとえばTPP協定では「第二章 内国民待遇及び物品の市場アクセス」、「二十七条 現代のバイオテクノロジーによる生産品の貿易」のなかの LLP <Low-Level Presence>(遺伝子組み換え植物や遺伝子組み換え食品の少量の混入)に関する箇所です。以下はその定義的な部分の引用。

<「LLPの発生」とは、組換えDNAによる植物性の材料であって、その利用が少なくとも一の国において承認されているが輸入国においては承認されていないものが植物又は植物性生産品の貨物に不注意によって微量に混入することをいう。>

米国から輸入される牛肉の不適切な部位の混入と同じで、不注意による混入かどうかは確かめようがありませんが、まあ、そういうことにしてあるようです。

人気ブログランキングへ

|

« TPP協定関連資料に目を通す(農業や遺伝子組み換え農産物に関して)(その2) | トップページ | 規格外野菜を利用する農家、規格外野菜は使わない農家 »

漬物と塩辛」カテゴリの記事

米と麦」カテゴリの記事

」カテゴリの記事

食べもの」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1317632/64343418

この記事へのトラックバック一覧です: 北海道らしい、日常食材の贅沢:

« TPP協定関連資料に目を通す(農業や遺伝子組み換え農産物に関して)(その2) | トップページ | 規格外野菜を利用する農家、規格外野菜は使わない農家 »