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2016年4月27日 (水)

古い梅の樹が開花するとき、世界は起こる・・・

道元の「正法眼蔵」「第五十三 梅花」に次のような一文があります。

「老梅樹忽開花のとき、花開世界起なり。花開世界起の時節、すなはち春到なり。」(老いた梅の樹がにわかに開花するとき、花が開いて世界は起こる。花が開き世界が起こるとき、すなわち春の到来である。)

この一文の形而上的な意味合いの光景ではなく(華厳哲学はこういう事態の静かな側面をを「事事無礙(じじむげ)」と呼び、空海はもっと動的に「六大無碍(むげ)にして常に瑜伽(ゆが)なり」と詠みましたが)、その形而下的な光景は、今の札幌の中心部をぶらぶらすると簡単に眼にすることができます。

梅の花が開くときには、ほかの花も開く瞬間を競うように一斉に花開きます。ピンクの花だと「梅」と「桜」、そして「桃」。彼らがおたがいの違いを意識しているかどうかはわかりませんが、それぞれの微妙な濃淡をぼくたちは楽しみます。黄色だと、人の目線くらいの高さに「れんぎょう」があり、地面近くには「水仙」が咲き、もっと地面寄りには「タンポポ」が上を向いて風に揺れています。白は、黄色の隣に白い「水仙」。ブルーや紫だと「ビンカ・ミノール」。車道の植え込みや公園の歩道際の植え込みに絨緞のように広がって青い小さな花を並べています。

この前の日曜日の午後、帰宅途中の歩道に、三枚の桜の花びらの根元が一緒になった状態で落ちていました。風で落ちたのか、カラスが悪戯でもしたのか。落ちたばかりかとてもきれいだったので、持ち帰って、冷酒用のグラスに活けました。

  Photo

桜は、多くの花びらが作りだすぼんやりとした淡い空間が昼も夜も美しい。しかし、目の前に一樹だけある場合は、梅の凛とした風情のほうがぼくには好ましい。

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