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2016年6月 1日 (水)

ブロッコリーの茎

全粒粉のパンやパスタや有機野菜が好きで、しかし、料理がそれほど得意とは思えない知的な仕事を持っている中年女性がブロッコリーの料理をはじめました。彼女のボーイフレンドがビールを瓶のまま飲みながら、その様子を見ています。彼女は、ブロッコリーは花の部分だけを切り取り、茎は何の未練もなく捨ててしまいます。「ぼくなら茎の皮を剥いて冷凍しておいておいしいスープを作る時に使うのだけれど」と彼が云います。「美味しいスープを作ろうなんて思ったことは今までの人生で一度もないわ」と中年女性は答えます。

ロバート・パーカーのスペンサーシリーズの後半作品のひとつに「ダブルデュース」というのがあります。前半の傑作である「初秋」がスペンサーという白人探偵と15歳の白人の男の子の成長物語なら、「ダブルデュース」はスペンサーの相棒であるところの黒人のホークと黒人の青年との似たような種類の物語です。筋の流れとは関係がないのですが、そのなかに、上述のように、あっさりと捨てられてしまうブロッコリーの茎が登場する場面があります。

ブロッコリーとは花蕾(からい、花のつぼみの部分)を食用とする野菜ですが、野菜売り場には、花蕾が茎にくっついた形で並びます。ブロッコリーにはポリフェノールの一種であるスルフォラファンが含まれていますが、スルフォラファンは体内の解毒酵素の働きを促進し発がんリスクを抑えたり、抗酸化酵素の働きを促進して活性酸素を除去したりします。そのスルフォラファンの含有量を通常の3倍に増やした機能性強化ブロッコリーも生産・販売されている(関連記事は「機能性食品と食材の機能性(その1)」。

これはぼくの偏見ですが、有機野菜などに薀蓄(うんちく)が深くて、有機野菜をレストランや料理店で食べ歩くのがお好きな女性がいらっしゃるとして、そういう女性とお話しする機会があるとすると、間違いなく上述の中年女性を思い出すと思います。茎の外側の硬い部分を切り取って(あるいは剥いて)長く火や熱を通し、花蕾といっしょに食べようなどとはつゆ思わない、そういうタイプの女性。況やスープに於いておや。

ところが、最近では、スティックブロッコリーや茎ブロッコリーとよばれるブロッコリーが市場に登場してきました。長く伸びる花茎が特徴です。ブロッコリーはおもに主枝の花雷を収穫しますが、スティックブロッコリーは側枝の花雷(側花蕾)を収穫します。次々と20㎝くらいの長さに伸びる側花蕾を長期間収穫できる種類もあります。

ブロッコリーの茎を捨てる女性の出てくる物語は1992年の米国の作です。そのころには茎ブロッコリーはなかったと思いますが、もしあったらどういう展開になっていたのか。しかし、かりにあったとしても、作者は従来タイプを登場させたに違いない。

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