台風とタマネギと農産物貨物列車
下の図は「朝日新聞デジタル」(2016年9月4日)のある記事から引用したものです。その記事は以下のような記述で始まっています。「台風10号の豪雨は、秋の味覚にも大きな打撃を与えた。ジャガイモなどの一大産地である北海道・十勝地方で農地が広範囲で冠水し、流通網も寸断された。食卓への影響が懸念されている。」
北海道での収穫量・出荷量が多くて、かつ、北海道の全国に占めるその割合(シェア)が非常に高い野菜にはジャガイモ(シェア66%)、タマネギ(シェア61%)、カボチャ(シェア59%)、ニンジン(シェア32%)などがあります。
今回の複数の台風(7号・11号・9号・10号)で被害の大きかった十勝地方(帯広・芽室・音更・幕別など)や上川地方(和寒・名寄・富良野など)やオホーツク地方(北見・網走など)はそうした野菜の産地です。ニンジンのようにすでに出荷が始まっているのもありますが、これからが旬です(下の図参照)。
(大根が囲まれていますが、特に意味はありません。)
北海道でタマネギ収穫量が、例年だといちばん多いのは北見ですが、その北見のタマネギ畑も相当が冠水してしまったそうです。全国2位の生産量を誇る佐賀のタマネギも今年は「べと病」というタマネギの成長を阻害する病気の影響で不作です。タマネギ好きの消費者としては、値段が高止まりしていてどうも落ち着きません。
北海道の鉄道流通網も打撃を受けています。道東から本州へ向かうJR根室線は複数の橋が流され、復旧のめどは立っていないらしい。タマネギやジャガイモなどを運ぶ貨物列車も運休しています。
ちなみに、北海道と青森をつなぐ青函トンネルは、新幹線専用ではなく、新幹線と貨物列車が共用しています。以前に書いたブログ記事「北海道新幹線の乗車率と他の新幹線の乗車率、羽田-札幌便の搭乗率」に次のような一節があります。
「青函トンネルを新幹線といっしょに通過する貨物列車はJR(JR貨物)にとって高収益ビジネスであるはずで、しかも、旬の季節には北海道の三大農産物であるところのジャガイモ・タマネギ・ニンジンなどの農産物が北海道から本州に臨時便で大量搬送されていく。だから、そういう意味では、新幹線は貨物列車の隙間を、貨物列車の速度で走らせてもらっていることになる。」
道央からの農産物貨物列車が運休中です。北海道新幹線は、当面は、青函トンネル内をいくぶんかの貸し切り状態で運行することになるのでしょう。
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