難しい名前のカボチャ
メロンというと贈答用の高級果物のイメージがつきまといます。しかし、札幌の日常で食べるメロンはそういう種類の果物ではありません。リンゴと同じです。地元産の穏当な値段のリンゴを気楽に楽しむように、穏当な値段のメロンを楽しみます。贈答用の美形メロンは当然ありますが、それは日常生活とは無関係です。
今年はメロンが例年よりも水っぽかったのですが、カボチャも去年より水っぽいようです。雨が多すぎたせいかもしれません。
水っぽいカボチャではなく粉っぽいホクホクカボチャを食べてみたいと思いました。選んだのは、宿儺南瓜(すくなかぼちゃ)。読み方が難しくておどろおどろしい字面のカボチャです。写真の「宿儺カボチャ」は北海道で生産されたものですが、もともとの出身は岐阜県高山市丹生川(にゅうかわ)町周辺です。
丹生川には宿儺(すくな)という土地の神様がいらして、その神様の名前にちなんで宿儺南瓜(すくなかぼちゃ)と名づけられたそうです。といってもこれは西洋カボチャの一種です。
丹生川の丹(に)とは朱砂のことで、その鉱脈のあるところには、たいていは丹生(にう)の名前があります。日本各地に丹生の名は多い。朱砂を精錬すると水銀になります。空海は高野山を開くときに「丹生都比売(にうつひめ)」から広大な土地を譲ってもらいました。天皇から高野山を拝領したからといって、その土地の神様に挨拶なしに勝手に入り込むわけにはいきません。
「へちま」のようなカボチャなので「へちまカボチャ」という手もあるのですが、安易な名づけを嫌って「宿儺カボチャ」というブランドにしたのだと想像します。そういうノリでいけば、日本酒の肴に向いたカボチャというのをどなたかが作ったら「般若カボチャ」と命名してみてはいかがでしょう。般若とは智慧のことなので、頭がよくなる般若カボチャというコピーもいいかもしれません。
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