アップルミントと雑草
どこかから種が飛んできて生育したとは考えにくい。ミントの一種なので誰かが家庭で要らなくなった苗を植えたか捨てるかしたのでしょうか。去年は道路脇のこの場所にミントは見かけなかったと思います。現在は街路樹用の植栽場で街路樹(プラタナス)を取り囲むようにどんどんと繁茂しています。
以前、別の記事にも書いたことですが、ミントは雑草以上に生命力が強いハーブです。僕の経験では、ミント類でいちばん繁殖力が強いのはアップルミント(上の写真)です。地面に植えると背の高さは50~60センチメートルくらいにはなり、彼女の登場以前にそのあたりでわが世の春を謳歌していた雑草などは(写真の左上に写っていますが)簡単に駆逐されてしまう。
時間があれば(そして覚えていれば)1ヶ月後にどうなったか確かめてみようと思います。おそらく、そのあたりはアップルミントの産業集積地になっている。ノマド(遊牧民)風に気楽な生活を楽しんでいた雑草は生活基盤を失っている。
雑草にとってはアップルミントも似たような仲間ですが、ミントのようにぼくたち(植物分類学者をのぞく)が比較的よく名前を知っている種類の草はそうでないのよりも優遇されるので、その他の雑草にとっては腹立たしいに違いない。13世紀初頭から「華は愛惜にちり、草は棄嫌におふるのみなり」(きれいな花は惜しまれつつ散り、そうでない雑草は嫌われつつ生い茂るものである)ということに変わりはないようです。
ペパーミントも強いミントですが、よく考えずにアップルミントと寄せ植えなどしてしまうと非常に分が悪い。ペパーミントにはほとんど勝ち目がない。
| 固定リンク
「植物と花」カテゴリの記事
- 雨の中の早咲きの桜、そろそろ春(2021.04.19)
- 梅の花が待ち遠しい(2021.04.15)
- 日本酒のにおい(2021.04.06)
- 酒を飲むから、花見(2021.04.05)
- 午前6時の外気温が7℃だと桜を想う(2021.03.24)
「存在が花する」カテゴリの記事
- 梅の花が待ち遠しい(2021.04.15)
- 春は小説よりも漢詩(2021.03.30)
- 般若心経はとても哲学的なお経(2021.02.12)
- 札幌の秋は「ななかまど」の赤(2020.10.05)
- 「神社に狛犬、寺院に狛犬」、「阿形(あぎょう)の狛犬、吽形(うんぎょう)の狛犬」(2020.09.14)
コメント