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2017年7月19日 (水)

ダイエット本の読者レビューの楽しみ方

先日「味噌と醤油とヒスタミン」という記事を書くまえの前提として(というか、そのきっかけとして)読んだのが「最強の食事」という中年(1973年生まれ)の米国人男性の手になる本です。原題は”The Bulletproof Diet”なので、ダイエットに関する書物です。なぜそんな本を読んだかというと、そこで、味噌や醤油や納豆のような大豆の発酵食品がけなされているらしい、という風のうわさを聞いたからです。(ここでは、味噌・醤油については触れません。)
 
ダイエットというのは多義性のある言葉で、「ぼくたちの日常の食べものや食事」という意味から「治療(たとえば糖尿病治療)のための特別食」や「体重調整のための(といってもたいていは痩せるための)食事方法、食事療法や食事制限」まで幅広い。「頭のコンディションを含めて体全体を良好な状態に保つための日常の食べものや食事」というのもダイエットという用語の持つ意味のひとつです。
 
「最強の食事」の目的は「自分に向いた『頭のコンディションを含めて体全体を良好な状態に保つための日常の食べものや食事』の発見と継続的実践」だと思いますが、そのために、著者は米国という生活環境のなかで、栄養学や関連医学分野の知見を横断的に(幅広く学際的に)集め、調べ、相談し、そしてそういう知見にもとづいた食材を実際に、自分の体を実験材料に、食べて評価しています。
 
食材や調味料に関しては、IT出身の裕福な米国人らしく徹底して体や頭に良いものを世間常識にかかわりなく追い求めていく姿勢に好感が持てます。なかには出発点が素朴な刷り込み知識だったり(たとえば、塩)、亜麻仁油についての勘違いがあったりして、驚くこともありますが、考え方の枠や方向がぶれないところがいい。
 
この本の内容にどこまで同意するかは別にして、あるいはこの本の主張が異なった伝統を持つ食文化にどこまで妥当するかは別にして(なぜなら、米国には、おそらくは食べものが原因で日本人二人分くらいの巨大なお尻や腰まわりの持ち主も多いので)、ぼくは彼のこういうやり方(方法論)は嫌いではない。
 
ダイエット本ではあるのですが、研究論文風の雰囲気もそれなりに強く、要はデータや論文などへの参照箇所がいっぱいの、理屈っぽい文字だらけの本です。もうちょっと痩せたいな、と思っている軽いノリのオネーサンが手にするとすぐに放り出してしまう種類の本です。
 
「頭を使うダイエットは女性向きではないわ。」と、ぼくの配偶者が言いました。「これを食べたら大丈夫というような、絵や写真がいっぱいのお手軽ダイエット本でないと女性には売れないと思う。女は理屈っぽいダイエット本は苦手なのよ。」
 
なるほどと思い、この本を取り扱っている通販サイトでこの本の「カスタマーレビュー」を拝見してみました。ぼくが拝見した時点で233件のレビューがあり、平均評価は5点満点で3.9点でした。
 
全部に細かく目を通したわけではありませんが、評価が高いものも低いものも普通のものも総じて斜めに(一部は丁寧に)目を走らせてみると、面白いことに気づきました。文章や文体から判断すると90%以上が男性のレビューです(と、思われます)。なかには2000文字近い感想を書いた「アラフィフ女性(原文のまま)」や1000文字レビューの「家庭をあずかる主婦(原文のまま)」もいらっしゃいますが、お二人とも理知的、分析的な内容の感想をお書きになっている。
 
こういうタイプのダイエット本は、どうも、男性が熱心に書いて、男性が熱心に読むものらしい。
 

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