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2018年1月 5日 (金)

平均寿命と食べもの

電子書籍にいちばん向いているのは、読み捨てが基本の雑誌類(週刊誌や月刊誌)です。それから気になる箇所をわりに頻繁に参照するという意味で辞書のような使い方をする本も電子書籍媒体向きです。タブレットやスマートフォンなどに放り込んでおけば、いつでもどこでも必要部分を参照できて便利です。
 
そういう雑誌のなかで興味深い(牽強付会的だが興味深い)記事が目につきました。その記事のタイトルは「青森県はなぜ早死にするのか 平均寿命最短でV9、衝撃的すぎる食生活」です(「週刊新潮」2017年12月28日号)。
 
その記事の内容骨子は、以下の通り。
 
「厚生労働省は今月(2017年12月)13日、2015年の都道府県別「生命表」を発表したが、それによると青森県の平均寿命は記録的だった。1位は男性が滋賀県の81・78歳、女性が長野県の87・67歳だったのに対し、青森県は78・67歳と85・93歳。ともに全国で最下位であるばかりか、男性は9回、女性は4回連続で、最下位街道を驀進中なのだ。しかも、調査が行われるのは5年に1度。青森県の男性は40年以上、女性も20年にわたり、底に沈みっ放しということだ。」
 
ある年齢の人が、平均あと何年生きられるかを算出した統計値を「平均余命」と云います。とくに、「0歳の人(ある年に生まれた0歳児)の平均余命」のことを「平均寿命」と呼んでいます。平成28年度(2016年度)におけるわが国の平均寿命は、男性が80.98年、女性が87.14年でしたが、これは平成28年に生まれた赤ちゃんは、男の子は約81年、女の子は約87年生き続けるだろうという統計的な予測です。ただし、たとえば、平成28年にすでに70歳だった男性の平均余命は(69歳までに亡くなった方のデータの影響を受けないので)、11年(81年-70年=11年)よりも長くなる。15.72年です(平成28年の簡易生命表等による)。
 
ところで、その記事における寿命も今回のこのブログ記事における寿命も「平均寿命」「平均余命」の話で「健康寿命」「健康余命」の話ではありません。食べものとの関連を云々するには「健康寿命」「健康余命」のほうがいいのですが、そういうマクロの統計データは手元にありません。
 
その週刊誌によれば、男女とも青森県が平均寿命で全国最下位を継続している理由は、食生活にあるらしい。関連部分を引用します。
 
「『塩分は多く摂って野菜は食べない食生活、喫煙率の高さ、多量飲酒者が多いこと、運動不足などが挙げられ、これらが複合的に原因になっていると見ています。塩分については、昭和40年代から問題視されていますが、味覚は一朝一夕には変わりませんからね』」
 
「(青森県の)カップ麺の消費量は全国2位、インスタントラーメン全体では1位、缶コーヒーも1位。食塩摂取量は男性が2位で女性は5位。全国模試なら立派な結果だが、1日の歩数は男性が全国46位で女性は41位……。要は、塩分と糖分はたんまり摂って運動しないのだ。全国9位という肥満者の割合も、それを裏づける。喫煙率は全国2位、飲酒習慣者の割合は1位である。」
 
だからといって、青森県民全員が塩辛い漬物を肴に大酒を飲み、腹が減ったら締めにインスタントラーメンを食べ、煙草をプクプクしながら人工甘味料がいっぱいの缶コーヒーを飲んでいるというわけではありません。そういう食生活をしていない方も多い。逆に、雑誌記事のような食生活をしている人たちは、青森以外にも当然多い。
 
この記事によれば青森県と1位県との「平均寿命」の差は、男性が3歳強、女性が2歳弱です。この81歳や87歳に対する3歳や2歳という差を「大きな差」と考えるか、それとも「わずかな差」と考えるか(なお、平均寿命の詳細については、厚労省の「生命表」に関するウェブサイトを参照)。
 
たとえば、青森にお年寄りの知り合いがいてその男性が79歳でなくなった。もうひとりの高齢のお知り合いは滋賀のかたで、最近82歳で亡くなった。かりにそういう知らせが届いたとして、ともに、普通は、早すぎる死とは考えない。どちらかというと天寿を全うしたという思いに近い思いを抱く。そういう意味では82歳と79歳の間に差はありません。お二人はもっと長く生きられたかもしれないとも考えられるし、すでに十分長く生きたとも考えられる。82歳と79歳の差は食べものの違いによるかもしれないと考えてもいいけれども、そういう場合にはそういう発想はしない。
 
ここから、毎日カップラーメンを食べ、毎日缶コーヒーを飲み、大酒を飲んでもそれほど統計的な平均寿命に差はないので、食生活に関しては好き勝手をやるかという結論に至るかたもいらっしゃるに違いない。それはそれで一つの考え方です。こういう食べものを気にしない層が平均寿命を押し下げる。福島原発事故から6年が経過しましたが、メルトアウトした放射性物質の人体への悪影響結果については、この数字ではよくわからない。
 
もう一つの考え方は、健康寿命、健康余命の維持のためには、食べものが重要というもので、こういう考え方の層が平均寿命を(一定程度までは)押し上げます。それから、モダンな部品交換治療であるところのiPS治療などは、平均余命を長くする方向に働きます。
 
1898年(明治31年)から2016年(平成28年)までの、日本人の平均寿命の推移をグラフにしてみました。第二次世界大戦終了時期くらいまでは、若くして亡くなった方も多かったので、人生50年というのは、体験的な事実でした。しかし、そろそろサチュレーションモードに入ったようです。
 
18982016

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