「香り」と「香りの害」
シャネルの5番はどうも嫌いだというかたもいらっしゃる(いらっしゃった)かもしれないし、プアゾンが漂ってくると発生源が気になってそれとなくその人を確認するというかたもいらっしゃる(いらっしゃった)と思いますが、自然香料を使った香水や、きちんとしたオーデコロンなど自然香料が融け込んだものは好き嫌いはあっても、そこまでです。
とても広く解釈すれば自然香料でも特定の香りが特定のひとの「気分を害する」場合もありますが、最近話題になることが多くなってきた人工香料による「香害(香りの害)」とは別物です。
最近問題になっている「香害」は「柔軟剤、消臭除菌スプレー、制汗剤、芳香剤、合成洗剤などの強い香りをともなう製品による健康被害のこと。体臭は含まれない。」と定義されています(日本消費者連盟)が、納得のいく考え方だと思います。
「柔軟剤、消臭除菌スプレー、制汗剤、芳香剤、合成洗剤などの強い香り」に満たされている学校や職場で健康被害が出ているし、通勤・通学時やその他の混雑時の公共交通機関を利用できないひとたちも少なくないようです。
ぼくは、そういう人工的な香りは好きではないし、また心地よくも感じないのですが、幸いなことに健康被害を受けるまでの繊細な感受性は持ち合わせていないようです。しかし、そういう種類の香りの漂う場所には長くはとどまりたくはない。
エレベータの中やその他の場所で洗いたての制服を着た職員さんと応対するときはまだしも、歩道ですれ違う若い女性の身体や彼女の衣服から流れ出してくる「人工芳香」は勘弁してほしいと思います。しかし、消臭効果と芳香添加を謳った「柔軟剤、消臭除菌スプレー、制汗剤、芳香剤、合成洗剤」のコマーシャルが世にあふれているので、人工香料からの逃避は、今のところ不可能に近い。
ぼくはオーデコロンなどには縁のないタイプですが、エッセンシャルオイルのお世話にはなっています。外出するときは、仕事であれレジャーであれ、即席の自家製おしぼりを鞄(かばん)やバッグに放り込みます。たいていは自分で作る。
用意するのは30センチメートル角の白い薄めのタオルと、ジップロックの値段の安いタイプとハーブのエッセンシャルオイル。僕の好みのおしぼり用のエッセンシャルオイルはラベンダーかユーカリ。タオルをビニール袋に入る大きさに畳み、少し広げ戻し、エッセンシャルオイルを2~3滴振りかけ、また畳み、水道からの細い水でタオルを湿します。形を平たく整え、封のついたポリエチレン袋に入れたら即席おしぼりの出来上がりです。
ちょっと汗っぽいときに顔や手や首筋を拭くと爽快感でほっと一息つけます。おしぼりのハーブの香りを深く吸い込むとリラックスできます。
列車の指定席に出発時刻の数分前にあわただしく座ったあとなどに、その自家製おしぼりを鞄から取り出して使っていると、ハーブの香りがかすかに回りに漂い出ます。香りが届いたあたりから、女性のものと思しき柔らかい視線が感じられることもあります。
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