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2018年7月24日 (火)

「Under Control」という状況の持つ表情のひとつ

以下のようなニュースが目に入りました(NHK NEWS WEB 2018年07月20日)。一部を引用します(『・・・』部分)。

『ヒラメから自主基準超放射性物質』

『福島県沖で行われている試験的な漁で、20日、水揚げされた主力魚種のヒラメから、県漁連の自主基準を超える放射性物質が検出され、安全が確認できるまでの当面の間、ヒラメの出荷を見合わせることになりました。

福島県漁業協同組合連合会によりますと、福島県沖で行われている試験的な漁で、いわき市の久之浜沖で20日捕獲されたヒラメから、1キログラムあたり59ベクレルのセシウム137が検出されたということです。

この値は、1キログラムあたり100ベクレルとしている国の出荷基準を下回っているものの、県漁連がより厳しく定めている1キログラムあたり50ベクレルの自主基準を上回っています。

福島県沖でとれる「常磐もの」の代表格として知られるヒラメは、主力魚種の1つで、おととし9月に試験的な漁の対象となって以降、自主基準を上回ったのは今回が初めてだということです。』

「Under Control」という現在の状況が持つ表情のひとつです。

2011年3月17日までの日本の飲料水(水道水)の放射性物質の基準値は以下のようでした。水1リットルの重さはほぼ1キログラムなので、飲料水の放射性物質の最大許容量は、1リットルあたり10ベクレル(Bq)。つまり、

・ヨウ素 I-131:       10ベクレル(Bq)/L
・セシウムCs-137:   10ベクレル(Bq)/L

ヒトが地球上で自然に浴びたり吸収したりしている放射線量(平均値で年間2.4ミリシーベルト)以外に、「年間1ミリシーベルトまでの『追加的な』放射線量」を、従前は(飲料水に関しては今も)、安全・安心な被曝量としていました。

被曝量は、「外部被曝量」と「内部被曝量」の合計で、「内部被曝量」は「呼吸による量」と「飲料水や食べ物による量」の合計です。ヒトは水がないと生きられませんが水だけで生きているのではありません。いろいろと食べる。

「全体で1ミリシーベルト」という「追加的な許容放射線量」のなかで飲料水に割り当てられる量をその「10分の1」(0.1ミリシーベルト)とすると(あと、魚や肉やコメや野菜や茶などさまざまなものをヒトは食べたり飲んだりしますが)、年間のヒトの飲料水摂取量は約730リットルなので(1日に2リットル、365日で730リットル、実際はもっと飲みますが730リットルとして)、0.1ミリシーベルト(放射性物質の人体への影響度)を、ベクレル(放射能:放射性物質が放射線を出力する能力)に変換すると、「1キログラムあたり、すなわち1リットルあたり10ベクレル」という基準値になります。

だから、どんな食材どんな加工食品でも、そこに含まれる放射性物質が1キログラムあたり10ベクレルという測定範囲に収まっていたら、水なみに安心ということになります。

しかし、福島原発事故直後は、飲料水以外の基準が確定していなかったこともあり、政策当事者と基準決定者が動揺・混乱して、食べものの放射性物質基準は1キログラムあたり500ベクレルという無茶苦茶な「政策数値」を提示しました。結果は大騒ぎで、その後、政治と健康の綱引きがあって、「国の定める(現在の)基準値」、すなわち、1キログラムあたり100ベクレルに落ち着きました。

【「高いお米、安いご飯」によるコメント: 

日本人ひとりあたりの平均的な年間消費量は、コメが60kg、小麦が30kg、肉が50kg、魚が55kg、野菜が130kg(野菜の130kgは厚労省のお勧め数字です、1日350gの野菜を365日食べると130kg)。これらを飲料水の年間消費量730kg(730リットル)と比べると、個々の食材の消費重量は飲料水という単一食材の消費重量の10分の1以下くらいなので、飲料水の10ベクレルに対して100ベクレルという値を採用したのでしょう。

しかし各個人の食材摂取量には相当な開きがあるはずで、魚を年間150kg以上食べるひとはけっこういるだろうし、我が家の野菜消費量も半端ではありません。厚労省のお勧めの倍くらいは食べています。だから、10ベクレルを基準にして、自分で納得できる家族のための数値を持っていた方が便利です。】

新聞記事などで「1キログラムあたり100ベクレルとしている国の出荷基準」というのはその100ベクレルのことです。

北海道のウェブサイトに「水産物・海水の放射性物質モニタリング結果」というページがあり、そこでは2011年4月からの北海道で獲れた水産物の検査結果が全部見られます。現在は、海外マーケット向けに、英語、中国語(繁体字、簡体字)、朝鮮語、ロシア語の5言語対応になっています。

なお、以前の関連ブログ記事は「北海道の水産物の放射性物質濃度」(2011年9月 5日)や「北海道は鯖(さば)の季節、そして放射性物質モニタリング」(2013年9月 5日)など。

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