栗の青いイガ
散歩途中に栗(くり)の樹があるのですが、毎年、8月の声を聞くか聞かないかの時期に、かわいらしい若緑のイガが地面にバタバタと落ち始めます。もったいない気もしますが、しかたない。モノの本を調べてみると、近くにお相手がいないのが原因のようです。
以下、モノの本から関連情報の引用してみます(「・・・」部分)。
「(クリの)収穫時期は8月~10月。イガが茶褐色になって落果したものを収穫。結実させるには受粉樹が必要。」「クリは自家受粉では結実しにくいので、結実させるには受粉樹(他品種)の混植が必要。」「受粉樹が近くに植えてあれば、風媒で受粉するので(花粉の届く範囲は10~20m)、人工授粉する必要はない。」
「イガが茶褐色になり、落果したものを収穫する。」「果実は成熟すると、イガが茶褐色になり、裂けて落下するので、落ちたものを拾って収穫をする。」
その近所の栗の樹はすぐ近くにお相手がいないので、イガがまだ青いうちに地面に落とすと決めたのでしょう。雪の重みによる倒壊を避けるために広葉樹は冬になる前に葉を落としますが、まあ、同じことです。植物は生存のための意思決定にあまり迷いがない。
「花が散る」とか「実が落ちる」というのは日本人の感性を刺激します。だから、ぼくもその感性を写真に撮る。
下は、3年前の8月上旬の同じ場所の風景。イガがいっぱい地面に転がっていました。一部はまだ落ちたばかりです。強い風で吹き落とされた枯れ葉が枯山水の庭に迷い込んできたのを前にしているのに近い気分でした。
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