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2018年8月31日 (金)

企業がお金をあまり使いたくない種類の業務と、消費者が接するとき

一消費者としての視点で、企業の提供するサポートサービスというものの一部を眺めてみます。企業がお金を回したくない種類の業務を利用する羽目に消費者が陥るとイライラする、という当たり前の話についての雑感です。

顧客からの問い合わせやクレームへの対応が中心となるサポート業務というのは、企業があまりお金を回したくない種類の業務です。売り上げを増加させない。利益を生まない。長い目で見ると顧客のリレーションシップ・マネジメントを通じて云々という話もありますが、そういう風に考えない企業も多い。もっとも、電話通販のように、それが営業行為の中心でもあるような場合はその扱いはまったく別ものになりますが。

年間保守契約や年間サポートサービス契約を結ぶ顧客を一定割合以上かかえている企業は、逆に、サポート業務が安定した売り上げと利益の源泉でもあるので、各種のサポートが丁寧です。しかしそういうサービスを購入していない場合は、顧客はトラブル時にはDo-it-yourselfしかないので困りはてることになります。しかし顧客には、両者の差異がわかっているので、どちらを選択するかは顧客の自由です。

しかし、そういうタイプのビジネスではなく、売り上げとIT投資に前のめりになっているようなベンチャー系のビジネスでは、バックオフィスにいるサポート担当者への直接の問い合わせや質問には原則として応じない姿勢のところが多い。

「よくあるご質問」と「利用ガイド」でできるだけやり過ごしたいし、サポート担当者の労働時間は平準化してスパイク状には変化させたくない。だから、たとえば、消費者顧客とのコミュニケーション手段は、担当者の時間消費を平均化できるメールのような非同期通信が中心になる。電話やチャットのような「危険な」手段は提供しません。

しかし、消費者にとっては込み入った状況をくだくだとメールの文章を説明するのは面倒だし、メールを出したところでいつ役に立つ返事がくるのかわからない。だから、電話やチャットが便利だと考える。電話やチャットの相手が本物の人間でなくても構わないのですが、対応する側としては、そういうわけにもいかないみたいです。そんなことをしたらお金がかかって仕方がない。まだ人間の方が安い。でも人間のコストも高いので、文字による非同期コミュニケーションということになります。

「シンギュラリティ (Singularity) は近い」というタイトルの本があって、シンギュラリティがどれほど近いのか気になりますが、この世界では、まだまだ先の話のようです。

コストセンター的なバックオフィス系業務も、それを顧客のリレーションシップ・マネジメント情報ややその他の顧客属性情報と組み合わせると強力なマーケティング戦略ツールになります。フィンテックなどという言葉で総称されている動きの一部は金融分野のそういう流れです。でもそれは「売り上げとIT投資に前のめりになっているようなベンチャー系のビジネス」そのものなので、ここでの関心対象である地味なサポート業務とは別の世界の話です。

なので、お金をあまり回したくない種類の業務と消費者が接するときは、消費者はイライラすることになりますが、とりあえず我慢です。

関連記事は「当人以外には、ユーモラスな光景」。

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