北海道の、生産量がとても少ない、おいしいカボチャ
北海道には、たとえば色だと濃い緑から灰白色に近い薄い緑まで様々な種類のカボチャ(南瓜)が生産されており、全体の生産量(収穫量)も非常に多いので、カボチャの季節になると今年はどのカボチャを喩しむか、どういう調理方法で楽しむか、といろいろと考えることになります。
客観的なデータに言及すると、日本のカボチャの収穫量は、平成28年(2016年)は、185,300トン。そのうち、北海道の収穫量は飛び抜けて多くて 82,900トン、シェアは 44.7%です。2番目が鹿児島県で、収穫量は 9,130トン、シェアは 4.9%。3番目が茨城県で収穫量は 8,090トン、シェアは 4.4%(農水省データ)。
つまり、北海道では様々な銘柄のカボチャがそれぞれに少なからず生産されている。といっても、カボチャの評論家は別かもしれないけれど、次から次へと違った銘柄を食すわけにはいきません。だから、この濃い緑の小ぶりな硬いカボチャを2年前までは知りませんでした。「大浜みやこ」というカボチャです。
「どのカボチャがお勧め?」と2年前にある野菜売り場のベテラン女性に尋ねたことがあります。「わたしなら絶対にこれですね」と勧められたのが「大浜みやこ」。値段は高い。一般のカボチャの2倍くらいです。
「みやこ」という種類のカボチャが札幌市の北西部で栽培され始め、それが品質維持努力でブランド化して「大浜みやこ」になったらしい。品質維持努力の中には、出荷対象品の厳しい選別も含まれる。有体に言えば、姿形の美しくないのは、「大浜みやこ」としては出荷されない。こういうところは「夕張メロン」と似ています。だからでしょう、売り場で出合う「大浜もやこ」は、色艶の鮮やかな美人だけのようです。
その「大浜みやこ」の平成29年の年間収穫量は129トン。とても少ない。さきほど触れた北海道のカボチャの年間収穫量のわずか 0.15%です。特定のチャネルでしかお目にかかれない。
このカボチャは小ぶりで硬い。主婦泣かせの(主婦とは限りませんが)硬いカボチャはたいていはうまいのですが、このカボチャも硬い。硬くておいしい。おいしくて甘い。最近はトマトでも他の野菜でも「甘い」と「おいしい」とが同義語になる傾向が強すぎてぼくなんかはちょっとうんざりですが、「大浜みやこ」は甘いがおいしい。
新しい調理方法をいろいろ考えても、一般家庭ではカボチャの食べ方はそれほどは変化しません。蒸すか煮るか揚げるか。上手が揚げた天ぷらは魅力的ですが、ぼくがいちばん好きなのは、やはり蒸したカボチャ。良質な塩を軽く振りかける。そのシンプルな調理法が生み出す味わいが結局は深い。だから飽きない。
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