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2019年1月23日 (水)

作品のなかで妙に気になる煙草や水切り台

ある短編作家の作品を読んでいるときに、その中でどうでもいいと云ったほうがいいかもしれないいくつかのことが妙に気になります。すでに鬼籍に入った作家ですが、1939年生まれの米国人で、ワシントン州やオレゴン州やカリフォルニア州といった米国北西部が生活基盤だったかたです。

ひとつは煙草。ぼくも20代、30代は煙草を喫っていたので偉そうなことを云える筋合いではないのですが、ほとんどの作品で、男も女も独身者も既婚者も若いのも若くないのもしきりと煙草を喫います。読んでいる方がうんざりするくらい喫う。そして吸い殻がまともな灰皿の中で消されることが少ない。道路にも頻繁に捨てられる。当時は、といっても50年代と60年代と70年代米国北西部が舞台です。登場人物の主体がブルーカラー層ということも関係しているのでしょうが、煙草に関しては時代の感性はずいぶんと変化しました。

もうひとつは、「水切り台(drainboard)」。下の” farmhouse sink with drainboard”というタイトルの写真はネットからの拝借物ですが(この場を借りてお礼申し上げます)、典型的な(あるいは現在の標準製品と比べると高級でレトロな)「シンク」と「水切り台」の組み合わせです。

Drainboard_farmhouse_sink_with_drai

「水切り台」の何が気になるかというと、たとえば、以下のような光景。

<14歳くらいの少年が「水切り台」に坐って足をぶらぶらさせながら、別の少年が電話しているのを見つめている。>

これは対象が少年(悪ガキと言い換えますか)なのでそういうのもまあ似合うのですが、もうひとつの光景は、ベイビーシッター兼家政婦として、奥さん不在のある家庭に短期で雇われる初老の穏やかで経験豊富な(子供の扱いも掃除も料理も得意な)女性が、その家に初めて訪れたときの次のような行為。

<彼女は台所を見回して、それからハンドバッグを「水切り台」の上に置いた。>

確かに水切り台というのは、座り場所やバッグの置き場所としては便利そうですが、そういう使われ方にはけっこうな違和感があります。

そんなことを考えながら彼の短編集を読み進むのも悪くありません。

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