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2019年1月31日 (木)

「鳴くまで待とう」でいくつもりだったのに、「鳴かぬなら燃やせ」と怒鳴られた

下は、日本経済新聞の社会面(2019年1月30日)にあった記事をそのまま引用したものです。この記事に書かれている「暴言事件」が発生したのは1年半前ですが、その事件がなぜ今ニュースになったのかということにはぼくはとりあえず関心がない。

この事件の(というのか事態というのか、その)内容に関して世間に蔓延しているのは市長の発言の乱暴さを非難する種類のものか、(その裏返しであるのところの)進捗度合いが遅すぎるらしい市の職員の仕事ぶりを笑うもの(したがって、市長の暴言も全体を通しては納得できるし、問題はない)かのどちらかのようです。

20190130_2

日経だけではよくわからないので、神戸新聞のネット版から市長と市職員との会話の一部を引用すると

<引用開始>

 職員「(立ち退き対象だった建物の)オーナーの所に行ってきた。概算で提示したが、金額が不満」
 市長「そんなもん6年前から分かっていること。時間は戻らんけど、この間何をしとったん。遊んでたん。意味分からんけど」
 職員「金額の提示はしていない」
 市長「7年間、何しとってん。ふざけんな。何もしてへんやないか7年間。平成22(2010)年から何しとってん7年間。金の提示もせんと。楽な商売じゃお前ら。あほちゃうか」
 職員「すいません」
 市長「すまんですむか。立ち退きさせてこい、お前らで。きょう火付けてこい。燃やしてしまえ。ふざけんな。今から建物壊してこい。損害賠償を個人で負え。安全対策でしょうが。はよせーよ。誰や、現場の責任者は」

・・・略・・・

 市長「見通しわかっとったやろ。ややこしいの後回しにして、楽な商売しやがって」

<引用終了>

株式会社(民間の大手不動産業など)の論理で市の職員の仕事ぶりを見るとゆったりとしていて効率の悪いこと極まりない。つまり、「7年間、何しとってん。ふざけんな。何もしてへんやないか7年間。・・・金の提示もせんと。楽な商売じゃお前ら。あほちゃうか」「見通しわかっとったやろ。ややこしいの後回しにして、楽な商売しやがって」という市長の発言はその論理の当然の帰結です。

駅近辺の交差点における交通事故の減少という正当な公共目的のためとはいえ、要は「立ち退いてください」というのが職員の業務です。権力と札束をちらつかせるわけにはいかない。こういうのには何かノウハウでもあるのかと思って調べていたら、「役所のやる地上げのテクニック」と題するあるブログ記事が見つかりました。著者は、以前、役所に立ち退きを要請されて実際に立ち退きをした経験があるらしいのですが、以下はその記事から引用したものです。

『コレね、役人の手口なんです。少しでもヤヤコシイ相手は後回しにして、とっとと道を作ってしまう。一軒だけ残されて、その家のせいで道路が開通しないと世間から見られるようになると、地主が音をあげて売ってくれるだろう、という策略。わざとやってるんですw 最終的には強制収容だって可能だしw 役所のやる地上げのテクニックなんだが、この市長はそれを知らなかったんだろうねw』

もしそうなら、担当者やその上司はこういうことには素人の市長をケイモウすることもできたとも思うのですが(こういう場合は「鳴くまで待とう」です、「鳴かぬなら燃やせ」よりも結局は早く片付きますよ、過去の例ですと、たとえば、・・・)、しかしその場でそうしなかった(らしい)ところをみると、やる気のなさがなんとなく結果に結びついただけだったのかもしれません。このあたりは藪の中です。

「その事件がなぜ今ニュースになったのかということにはぼくはとりあえず関心がない」と最初に書きましたが、1年半前の出来事を上手に広報活動できるのですから、市長のケイモウには熱意はなかったにしても、自分たちにとって好ましいヒエラルキー維持のために「邪魔者を燃やす」という方向の才覚は担当者は十分に持ち合わせていたようです。このあたりも藪の中です。

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