« 牧草と配合飼料とゲノム編集 | トップページ | 焼き海苔は食べやすい大きさにカットして真空パック »

2019年3月29日 (金)

「United Nations」「国際連合」「联合国」

「国際連合」は、国際連合憲章の下、1945年に設立された国際機関です、というとなんとなくわかった気になってしまうけれど、実際はよくわからない訳語です。League of Nations(1920年1月10日に正式に発足した国際機関)を「国際連盟」と訳したのでその関連でどなたかが「国際連合」と訳したのでしょう。Democracyの訳語は民主主義となっていますが、原義に忠実に日本語に置き替えると「Demos 人々、民衆」による「Cracy 支配」です。「民主主義」ではなく「民衆支配」。「-ism」の「-主義」とは強さが違う。「国際連合」も民主主義と同じような雰囲気の日本語訳です。国家という構成主体が希薄になってしまう。

当該国際機関のウェブサイトに立ち寄ってみると、当該機関の英語名称は「United Nations」、中国語(中文)だと「联合国(聯合國)」です。日本語だと「連合国」。つまり「連合国司令長官マッカーサー」という場合の「連合国(the united nations)」と同じ用語です。なぜ同じかというと、第二次世界大戦中に、「枢軸国」(ドイツ・日本・イタリア・ブルガリア・ハンガリー・ルーマニア・フィンランド)に対して自分たちの陣営を指す言葉として「連合国」側が使用していたものを、新しい国際政治管理機関の呼称として継続使用したからです。

Un-website-english
Un-website 

United Nationsの加盟国は(2019年3月現在で)193か国ですが、安全保障理事会の常任理事国は、設立以来、第二次世界大戦の戦勝国であるところのアメリカ・イギリス・フランス・ロシア・中国の5か国であり、そういう現実も含めてUnited Nationsという名称を素直に(ないしは現実的に)日本語化すると「連合国」になります。Charter of the United Nationsは「国際連合憲章」ではなく「連合国憲章」。

「連合国」が「連合国司令長官マッカーサー」を想起させるので嫌と言うなら「国家連合」、「連合国憲章」が嫌なら「国家連合憲章」という手もあります。こちらのほうが「国際連合」よりはクリスプです。United Nationsは自身を中国語では「联合国」と表記しており、東シナ海の向こう側の国も当該国際機関の機能を「联合国」という用語で認識しているという事実は、細かいことですが、押さえておいたほうが現実的のような気がします。

普段は「国連」でいいのですが、「国際平和のための国際連合」では解釈できない問題、そういう解釈をはみ出す議論や主張が現れたときには「連合国」という訳語を「国連」の隣に並べてみると役に立つ場合もあります。United Nationsという組織は、深いところでは継続して、第二次世界大戦の戦勝国であるところの「連合国」の利害を軸に回転しているのだという視点を失わずに世界の動きを捉えることができるからです。名は体を表す、と言います。

【註】United Nationsが提供している日本語ウェブサイトでも、United Nationsは「国際連合」となっていて、これは「国際連合」がすてに慣用訳語となっていたのでそれをそのまま使ったのだと思われます。

人気ブログランキングへ

|

« 牧草と配合飼料とゲノム編集 | トップページ | 焼き海苔は食べやすい大きさにカットして真空パック »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

雑感」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 牧草と配合飼料とゲノム編集 | トップページ | 焼き海苔は食べやすい大きさにカットして真空パック »