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2019年3月28日 (木)

牧草と配合飼料とゲノム編集

北海道は良質なバターの産地ですが、パウンドケーキなんかを作るときのバターはニュージーランド産のグラスフェッドバターです。

グラスフェッド(grass-fed)とは、牧草(grass)のみを与えられて(fed)育ったという意味です。グラスフェッドバターは濃い黄色で、強い弾力があって、常温でしばらく放っておいても一般のバターのように柔らかく緩んで溶け出すということがありません。濃い黄色は牧草にたくさん含まれている黄色いカロテノイドの反映です。食べるもので色が変わります。ニンジンやトウモロコシなどを食べる鶏の卵の黄身は黄色く、コメで育った鶏の黄身は白くなります。

ヒトは食べたもの(食材)に健康状態が左右されますが、ヒトの胃袋に入る魚や家畜や野菜(食材)も、彼らが食べたものや彼らが育った生活環境で彼らの体質や健康状態が決まってきます。それが本当かどうかは、ファストフードとインスタント食品を食べ続けることで簡単に実験できます。

大豆やトウモロコシや麦などの穀物に抗生物質を混ぜ合わせた飼料で育てられた豚や鶏や牛と、放し飼い環境で野菜や緑の草を食べて育った鶏や牛とでは、彼らの体質や健康状態が違うし、彼らを食材として摂取するヒトの健康に与える影響も普通は違ってきます。たとえばけっこう狭い生け簀で育つ最近の養殖魚のエサは大豆の油カスや濃縮大豆たんぱく魚粉やチキンミールに抗生物質をいっぱい混ぜたものなので、従来の魚の養殖というイメージよりもケージに閉じ込めた家畜の飼育イメージに近いようです。

米国やカナダで生産される(つまり世界の大部分の)トウモロコシや大豆はずいぶん前から遺伝子組み換えタイプですが、これからはもう一歩踏み出してゲノム編集だそうです。ある新聞記事(日本経済新聞 2019年3月26日)によれば、ゲノム編集食材は日本がリードしているそうです。日本がリードしている分野は、アニメのような文化カテゴリーのものを除くと多くありません。AIやビッグデータ解析でも一部の領域を除いて後塵を拝しています。だからそういう話題に敏感な日本の経済新聞に「ゲノム編集食材」の特集記事が出始めるのは不思議ではありません。

養殖の鯛やハマチは魚売り場ですでにおなじみですが、ゲノム編集技術を活用して開発した筋肉もりもりの鯛(肉厚マダイ)の生育が進行中だそうです。魚が研究対象になれば、当然、トマトのような野菜やイネも対象になります。

ヒトの研究開発意欲には限りがないので(あるいは歯止めが効かないので)、ヒトを対象にしたゲノム編集もすぐそこかもしれません。卓越したスポーツマンを作り出すゲノム編集、IT感度やAI感度のとても高い子供を作り出すためのゲノム編集、どんな育ちの食材も平気で平らげるようなタイプの人を作り出すゲノム編集。いろんなことが考えられます。

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