アーリオ・オリオ・ペペロンチーノ
「彼女に作ってほしい手料理ランキング」という投稿欄にまた味わい深い投稿がありました。内容的には先日の記事「イタリア産調理用トマトの缶詰」で引用させてもらった投稿の親戚です。
投稿者が前回と同じかたなのかどうかはわかりませんし、その内容が、前回と同様、実際にあったことなのか、それとも投稿者の創作なのかもわかりませんが、実際にありそうな話だし、味のある話なので再び「原文のママ」引用させていただきます()。
『結婚して初めて、嫁がペペロンチーノを作った。
おそらく、俺の言い方も悪かったのだろう。
嫁はよかれと思って作ったはずだ。
すっかり反省した俺は嫁の実家へと足を運んで非礼を詫び、なんとかなだめて家へ連れ戻した。
嫁も挽回しようと思ったのだろう。
翌日の夕飯はペペロンチーニだった。
「自信があるの。大丈夫でしょ?」
と聞かれたので、
「ああ、とても美味かったよ」
と前置きしてから、以下の改善点をメモ帳に列挙して一項目づつ読み上げた。
・なぜニンニクを焦がした
・なぜタマネギとピーマンの千切りを入れた
・輪切りのウインナーが入ってるのは何かの冗談か
・唐辛子の種を入れた判断の根拠は何だ
・醤油かけんな
・1.8mmのパスタを使うのはこっちじゃない
・海苔も紫蘇も頼んでない
・バターで全てが台無しだ
・お前の育った村ではこれをペペロンチーニと呼ぶ風習があったのか
義母から、
「涙で顔をぐちゃぐちゃにした娘が突然戻ってきた。心当たりは無いか」
という電話が入った。
俺が悪いのか。』
ペペロンチーノはニンニクとオリーブオイルと唐辛子だけでソースを作り、パスタとしてはスパゲッティよりも細目の、スパゲッティーニ(約1.6 mm)やフェデリーニ(約1.4 mm)を使うもので、長く言うと(パスタ・)アーリオ・オリオ・ペペロンチーノです。アーリオはニンニク、オリオはオイル(オリーブオイル)、ペペロンチーノは唐辛子なので、名前の通りニンニクとオリーブオイルと唐辛子のパスタです。
お昼ごはんにイタリアの簡易な家庭料理であるところのペペロンチーノを食べるのは、和食だと、炊き立ての熱々ご飯と出汁の効いた味噌汁とポリポリと香り立つタクアンを食べるようなものです。シンプルだけれど難しい。味に差が出ます。
奥さんも、そのパスタをペペロンチーノなどと呼ばずに、異文化風味のにぎやかパスタとでも言えばよかったのに。ニンニクを焦がしたのと唐辛子の種を入れたのは反省するとしても。ご主人も、どんな表情だったかはわかりませんが、「ああ、とても美味かったよ」と言ってくれたわけですから。
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