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2019年6月 3日 (月)

「前項の航空機については、航空法第六章の規定は、適用しない。」

次のような報道がありました。

「5月30日夕方、長野県佐久地方で、低空飛行する航空機2機の目撃情報が相次いだ。極めて低い高さを飛行し、自衛隊機ではないこともわかっていて、住民からは、不安の声が上がっている。

30日午後5時半頃の佐久市役所に設置された情報カメラの映像。画面を右から左に横切るように、住宅地の上を2機の航空機が飛行している。高度は200メートルほどだっとみられる。

長野地方協力本部によると、映像を解析した結果、機体は「C-130」と呼ばれる輸送機で、プロペラの形状から、米軍機とみられるという。」

飛行機に、それも米軍軍用機に日本の市街地上空を(米国国内では厳格に禁止されている高度で)低空飛行されるとその傍若無人ぶりと危険性に腹が立ちますが、これが日本において法的に問題かどうか、「事実の確認」風に確認してみると、次のようになります。

これは航空法に関する問題なので、「航空法」「第六章 航空機の運航」「第八十一条 最低安全高度」を見ると

(最低安全高度)

『第八十一条 航空機は、離陸又は着陸を行う場合を除いて、地上又は水上の人又は物件の安全及び航空機の安全を考慮して国土交通省令で定める高度以下の高度で飛行してはならない。但し、国土交通大臣の許可を受けた場合は、この限りでない。』

では、「国土交通省令」で定める「航空法施行規則」はどういう内容かを見ると、

(最低安全高度)

『第百七十四条 法第八十一条の規定による航空機の最低安全高度は、次のとおりとする。

一 有視界飛行方式により飛行する航空機にあつては、飛行中動力装置のみが停止した場合に地上又は水上の人又は物件に危険を及ぼすことなく着陸できる高度及び次の高度のうちいずれか高いもの

イ 人又は家屋の密集している地域の上空にあつては、当該航空機を中心として水平距離六百メートルの範囲内の最も高い障害物の上端から三百メートルの高度

ロ 人又は家屋のない地域及び広い水面の上空にあつては、地上又は水上の人又は物件から百五十メートル以上の距離を保つて飛行することのできる高度

ハ イ及びロに規定する地域以外の地域の上空にあつては、地表面又は水面から百五十メートル以上の高度』

従って、「人又は家屋の密集している地域の上空にあつては」「高度は200メートルほど」での飛行は明らかに航空法違反です。

ところで、「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定及び日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う航空法の特例に関する法律」(1952年7月15日施行)という特例法があり、その内容は、

『日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定及び日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う航空法の特例に関する法律

3項

前項の航空機(【註】米軍機と国連軍機のこと)およびその航空機に乗り組んでその運航に従事する者については、航空法第六章の規定は、政令で定めるものを除き、適用しない。』

つまり、米軍機のC-130は佐久市の上空を好きな高さで飛ぶことができるというわけです。沖縄上空を各種の米軍軍用機(戦闘機や輸送機やオスプレイや軍用ヘリなど)が航空法の制約なしに自由に飛行しているのと同じことです。「前項の航空機については、航空法第六章の規定は、適用しない。」国内法の存在価値がないので、治外法権状態とも言えます。

なお「日本本土における米軍機の低空飛行訓練ルートとエリア」は以下の通りです(この資料は、衆議院議員 塩川鉄也氏のウェブサイトから引用)。

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関連記事は「日本国憲法九条と日米安保条約がいっしょになった場合のわかりやすさとわかりにくさと、『空母いぶき』という映画」。

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