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2019年6月13日 (木)

オムニバス形式

オムニ(omni-)という用語(接頭辞)は「全部」という意味ですが、最近は流通の最先端でオムニチャネルといった使い方がよくされます。ある企業の持っているすべての流通チャネルの相互利用・相互乗り入れといった内容です。ある商品を自宅で受け取ってもいいし、コンビニで受け取ってもいいし、会社帰りに実店舗でピックアップしてもいい。受け取り場所は、その企業の持っている複数の流通チャネルを消費者の都合に合わせて自由に選択できます。

以前は、たとえば、ぼくなどが最初に英語に接したときなどはまだバスといっしょにオムニバスという単語も習った記憶があります。現代風のバスでなく、エンジンがフロント部分に位置している乗合自動車の雰囲気です。

オムニバスは死語ではなく、今でも、すでに発表されたある作家の(とくに同一作家の)複数の作品を集めた本という意味で「オムニバス形式の小説」と呼ばれます。この用語の日本語での使い方はもっと幅広くて、同じテーマを扱った複数の人の作品を一つにまとめたものもオムニバス作品と名付けられているようです。

今、ある日本人作家(故人)のオムニバス作品を読んでいます。二重の意味でオムニバス形式になっています。

特定のテーマを、別々の、しかし似たようなサブテーマで取り扱ったもので、サブテーマごとの短編は一冊の本にまとめられる前に雑誌にすでに発表されているので、そういう意味では、オムニバス形式の短編集です。

そして、同時に、あるサブテーマに関する短編の中に、複数の時間と記憶と場面がサブサブテーマ風に連続して流れます。小説ですが、随想風の味わいです。文体が読点が多くて独特で、そして読点から読点までの繋がりがときにねっとりと続くので、慣れるまでに少し時間がかかります。意識の流れや感性の流れ、時間の流れや記憶の流れ、夢と現の往還をゆらゆらと追いかけてそのまま言葉に移しているような文体なので、そのリズムに同調できると、作者の歩く速度で作者といっしょに過去の意識や無意識を散策できるといった按配です。しかし、リズムに同調できないと、流れを楽しんでいるのは作者だけで、読者は埒の外ということになります。

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