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2019年8月27日 (火)

また遺伝子組み換えトウモロコシの輸入ですか

以下のようなニュースが眼に入りました。

『日本、米産トウモロコシ輸入へ=米中対立の余波-首脳会談』

『トランプ米大統領と安倍晋三首相は(8月)25日の日米首脳会談で、日本が米国の余剰トウモロコシを購入することで一致した。米中の貿易摩擦が激化する中、米国産穀物の対中輸出は厳しい状況となっており、日本企業が代わりに引き受ける形となる。トランプ大統領は安倍首相が米国産トウモロコシを輸入することに同意したと指摘。安倍氏は民間企業に対する輸入支援措置を検討する意向を示した。トランプ氏によれば、日本のトウモロコシ輸入は「数億ドル(数百億円)規模」に上るという。』(時事通信 2019/08/26)

世界の四大主食は、米、小麦、トウモロコシ、そして、イモですが、それらは、生産量も生産消費地域も以前からだいたいきれいに棲み分けがされていて、その状態は現在もあまり変わらない。

つまり、世界の地域的なかたまりごとに、

・「米を炊く、ないしは蒸す」
・「小麦粉でパンやナンを焼く」
・「すり潰したトウモロコシでトルティーヤを焼く」
・「乾燥させたイモの粉を粥や団子風にして食べる」

といった主食文化がそれぞれに独立するような感じで存在しています。それぞれの年間生産量と主な生産消費地をまとめると(以下の年間生産量に関してはFAOSTAT 2012より)

・米         年間生産量は約7億トン 主な生産消費地はアジア
・小麦      年間生産量は約7億トン 主な生産消費地は欧米と中近東
・トウモロコシ 年間生産量は約9億トン 主な生産消費地は中南米
・イモ       年間生産量は約7億トン 主な生産消費地はアフリカ

トウモロコシに限ってもっと新しいトウモロコシの年間生産量を参照すると、ほぼ11億トンです(USDA/FASの2018/2019年度予測値)。国別の年間生産量とそのシェアは、

・米国             3億7152万トン 33.8%
・中国             2億5600万トン 23.3%
・ブラジル        9450万トン  8.6%
・アルゼンチン   4250万トン  3.9%
・ウクライナ      3500万トン  3.2%
・世界計         10億9991万トン

その四大主食はヒトが食べるものですが、その四つのうちでヒト以外にもとても人気なのが家畜や家禽(鶏など)の飼料に使うトウモロコシです(それから大豆)。

そのトウモロコシの生産量が圧倒的に多いのが(上の数字からわかるように)米国と中国。中国は自国生産分だけでは自国需要に間に合わないので米国から輸入しています。米国はトウモロコシのような自分ではとくには食べない穀物を輸出目的で生産するのが好きな国です(コメと同じです、もっとも、トウモロコシは近ごろはファストフード店ではよく使われていますが)。

で、今回、いつものように、『米中の貿易摩擦が激化する中、米国産穀物の対中輸出は厳しい状況となっており、日本企業が代わりに引き受ける形となる』となったわけです。

トウモロコシの季節」で書いたような北海道産のおいしいトウモロコシ(トウキビ)とは違って、米国産のトウモロコシは80%以上が、米国産の大豆は90%以上が遺伝子組み換え品種です。だから今回の合意の結果米国から入ってくる数百億円規模のトウモロコシもすべて遺伝子組み換えです。輸入後にそれが加工食品の一部として直接ヒトの口に入るのか(コーン油、コーンスターチ、コーンミール、コーンシロップなど)、飼料として家畜や家禽の胃袋に入った後間接的に牛肉や豚肉や鶏肉としてヒトの体内に入るのかはわかりませんが、まあ、そういうことです。ヒトの身体は食べたものや、食べたものが食べたもので作られます。

Gm_

蛇足ですが、米国ホワイトハウスのウェブサイトで今回の二人の会談内容についての発言(Remarks by President Trump and Prime Minister Abe of Japan After Meeting on Trade | Biarritz, France)に目を通すと、上に引用した記事には書かれていない安倍首相の不思議な発言に出合います。

彼によれば「現在、日本の農産物に害虫被害が出ているので、トウモロコシのような農産物を緊急輸入する必要がある」そうです(淡い黄色を付けた部分)。ひょっとすると彼は、「遺伝子組み換えでない農産物は害虫に弱いので、遺伝子組み換え技術によって害虫耐性をもった米国のトウモロコシを緊急輸入することが必要である」とおっしゃりたかったのかもしれません。害虫耐性を持った農産物とは、それを食べた虫が死んでしまうような仕立ての農産物のことです。

PRESIDENT TRUMP: Perhaps you may want to discuss the additional purchase of all of that corn, because we have a tremendous amount right now.  (中略)  So perhaps you could say a couple of words just about the hundreds of millions of dollars of corn — existing corn — that’s there, that you’ll be buying.

PRIME MINISTER ABE: (As interpreted.) So with regard to the potential purchase of American corn, in Japan we are now experiencing inspect pest on some of the agricultural products. And there is a need for us to buy certain amount of agricultural products. And this will be done by the Japanese private sector. That means that Japanese corporations will need to buy additional agricultural products. And we believe that there is a need for us to implement emergency support measures for the Japanese private sector to have the early purchase of the American corn.


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