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2019年10月10日 (木)

あまり好きではないけれど役に立つこともある言葉

昨日ラグビーについて、ワールドカップでメディアに乗せられてミーハーをしていると書いたついでに、またラグビーに(おそらく)関連したことについて触れてみます。
 
ぼくがあまり好きでない言葉がいくつかあって、その中の二つがラグビー関連用語というふうに聞き及んでいる「one for all, all for one」と「no side」です。「好きでない言葉」と言いましたが「それを聞くと眉に唾を付けたくなるような言葉」と言い換えてもかまいません。
 
「one for all, all for one」と「no side」は、それを称賛するかたは多くても嫌いだという人はとても少ないし珍しいようです。
 
価値観を共有している比較的小さなクローズド・サークルでそれらが使われている場合にはそれはまっとうな考え方なので、ある場面でその使用者にいろいろと利害の思惑があったとしても、それは駆け引きという景色の中のひとつの彩りなので、「one for all, all for one」と「no side」についてそれをわざわざ好きだとか嫌いだとか言う必要はありません。
 
しかし、そういうクローズド・サークルを離れた場合は、「one for all, all for one」や「no side」というのは、為政者とか経営者といった立場の人にとってはけっこう使い勝手のいい便利な言葉と化します。普段は心の奥では決してそんな風に思っていない人が、多数を前にした際のスピーチでその言葉をある意図をもって使うのを何度か目にしてきました。そういう立場だとそういう言葉を一度くらいは使ってみたくなるというのはよくわかります。
 
その美しい変形が「And so, my fellow Americans: ask not what your country can do for you--ask what you can do for your country. My fellow citizens of the world: ask not what America will do for you, but what together we can do for the freedom of man.」(ジョン・F・ケネディ 大統領就任演説 1961年)で、その後にベトナム戦争が続きました。
 
そういうことを考えると、「one for all, all for one」や「no side」というこの二つの表現は聞く側にとっても便利で有益な言葉です。それを口にする人のその時の表情や文脈やニュアンスによってその人の実際の思想や隠れた品性を判断する試験紙の役割を果たしてくれるだろうからです。


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