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2020年2月10日 (月)

中国の人たちの立ち居振る舞いの美しさとそうでもないもの

新型コロナウィルスの発生と蔓延への中国共産党やその地方組織の対応を見ていると、先進国の性格と発展途上国の特徴が併存しているだけでなく、こういう問題に対する強圧的な政治体制の限界も現れています。皇帝支配の漢や唐でも一定以上の予期せぬ社会的混乱が起こると、ひとびとはもっとおおらかだったとしても、世間はこんな感じになっていたのかもしれないなと千数百年以上前のライブ映像を目の当たりにしているようです。司馬遷が生きていたらこの状態をどう纏め上げるでしょうか。

最近は中国のYouTuberも活躍中で各地域の家庭料理の映像も興味深いですし、「漢服舞踊」(簡体字だと「汉服舞蹈」)も印象的です。女性用の伝統的な「漢」の服を着て蝶のように舞います。チャイナドレスは「清」の洋服なのでそういうタイプではなくて、身にまとうのはそれより前の時代の(たとえば唐時代の)ひらひらする袖が優美な女性用の絹の着物です。

若い中国人女性が投稿した「漢服舞踊」の動画で出来のいいのを拝見すると、アマチュアだけれども伝統的な漢服で踊る彼女らには日本女性には真似ができない種類の優雅があるようです。この優雅の中には、嫋(たお)やかさだけでなく同性の仇敵を排除するときに見せる優雅な凶悪行為遂行能力も含まれます。そういう時には、今まで絵以外では会ったことも見たこともない中国四大美人である西施(せいし)や王昭君(おうしょうくん)、貂蝉(ちょうせん)や楊貴妃(ようきひ)、あるいは漢の高祖の皇后である呂雉(りょち)の姿を、舞う彼女らに重ね合わせてみたくなる。

またそういう時には、ぼくが高校生だったころに古典(古文と漢文)の先生だった当時40歳代半ば過ぎくらいの女性教師が授業中に雑談風に穏やかに話してくれたことも思い出します。なぜそんなことを男女高校生を相手に話してくれたのか当時も今もよくはわからないけれど。

国語の先生の資質というものが話題になった時に彼女は「国語の教師というのは結局はいい文章が書けるかどうかで決まりね。■■さんは、」と、ある有名女流作家の名を挙げて「今はとてもかなわないけど、学生時代は書くのが上手じゃなかったわ」。それから、漢文の授業のときに何かの具合で話が中国四大美人に飛んだついでに「中国の美人ということだけれど、大学で同級生だった中国人女性の中にはお風呂にいっしょに入ると日本人ではとてもかなわないというくらい肌がきれいでスタイルのいい人がいましたわ」。そういう中国人女性の後輩が今はYouTubeで漢服舞踊を舞っているのでしょう。

中国人の立ち居振る舞いの特徴のひとつは、とても大きな声でよくしゃべることです。札幌でも京都でも香港でも上海でも台北でもシンガポールでもどこでも。街の通りでも、ホテルのロビーでも、レストランでも、デパ地下でも、観光名所でもどこでも。声の大きさは中国語という言語を発声するその具合も関係しているとは思いますが、そういう場合の声の大きさは美学的には印象深いとは思えない。

一方、たとえば、唐の白居易の「琵琶行」(落ちぶれてしまったかつての長安の名妓の弾く琵琶を舟中に聞いて、左遷されたわが身に引き比べるという内容の歌、「行」は長い歌)を中国や台湾の男性や女性が朗誦しているYouTube投稿を聴くと、音から意味は解らないので一緒に表示される文字表現された漢詩を眼で追いながら聴くのですが、朗誦の巧みさもあって七言古詩の韻の流れ(平仄 ひょうそく)が美しく心地よく伝わってきます。

余計なことを付け加えれば、中国人ツアー客の泊まった部屋はたいていは汚れがひどくて、後の掃除が大変であるとはよく聞く話です。ぼくもある都市ホテルに働く方から同じ内容の話を直接に聞いたことがあります。

どこの国もそうだとしても、中国というのは、美しいものと必ずしもそうではないものと、衛生と不衛生と、効率と非効率と、「琵琶行」の朗誦と「漢服舞踊」の優美と広東省起源のSARS (Severe Acute Respiratory Syndrome 重症急性呼吸器症候群)のトラウマと今回の湖北省発生の新型コロナウィルスが、他よりも、よりにぎやかに同居している国のようです。そして統治者の意識は常に「中華」です。「長安の春」というのも、当時の人びとの性質は胡人も含めてもっとおおらかで激情的だったのかもしれませんが、社会生活的にはこんな感じだったのかもしれません。


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