精米歩合が70%~75%くらいの純米酒が好み
冷や酒がおいしいのも十分に解るとしても、晩酌の日本酒はぬる燗です。燗酒なので吟醸や大吟醸ではなく、精米歩合が70%から75%くらいの純米酒を選びます。燗酒というと酒屋でも飲み屋でもアル添を勧められますが、アル添は好みではありません。
精米歩合とは、当該白米(玄米からぬか、胚芽等の表層部を取り去った状態の米)の、玄米に対する重量割合を指すもので、ご飯に炊いて食べる白米の場合だと精米歩合は下の絵のように約90%です。だから精米歩合が50%以下の大吟醸酒だと、外側部分を半分以上磨き取ったコメ粒の中心部だけを使うわけです。
以前、精米歩合が80%の(つまり、ご飯用の白米よりわずかに多く表層部を削り取っただけの)「雄町(おまち)」(という酒米)を使った辛口純米酒に出会いその芳醇な味わいに驚いた経験があります。全国の地酒の中からからそういうものをゆっくりと探すのも楽しいものです。
地元では昔から贔屓にされてはいても地元以外には知られていない純米酒とか、全国向けブランドと地元向けブランドをビジネスの主と副といった感じで両建てしている比較的大きな酒蔵の副ブランドのひとつであるところの純米酒とか、そういう日本酒です。そういう昔ながらの、磨きの度合いが低い(紛らわしいけれど、つまり精米歩合が大きい)日本酒だとそこにコメが存在しているのがより強く感じられます。
磨きの少ない米で雑味(ざつみ)のない旨い日本酒を作るのは難しい。ちょうどアナログ回路を上手に設計するのは実務経験豊富なベテラン・エンジニアで、そういう技術者が数少ないように、そういう技能を身に着けた杜氏が多くいらっしゃるわけではない。一方、磨きに磨いた米で大吟醸を醸すのは、パソコンやスマートフォンやIT家電のデジタル回路の設計みたいなもので、雑味なしにきれいに仕上げることができる。理工学部や農学部で醸造学や発酵学を学んで卒業したばかりの杜氏チームでも頑張ればなんとかなります。ということもあって、好みは精米歩合が70%~75%くらいの純米酒です。
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