Financial Times のコロナ(COVID-19)関連の無料記事
Financial Timesのコロナ(COVID-19)関連の無料記事「Coronavirus tracked: the latest figures as the pandemic spreads | Free to read」(Mar 24)における分析グラフがとても興味深い。その記事は
“The countries affected, the number of deaths and the economic impact”
“The epicentre of the coronavirus is now Europe, with the largest number of confirmed cases in Italy, and death tolls growing more quickly in Italy and Spain than they did in China at the same stage of the outbreak.”
といった内容で、主要各国の死者数や感染者数の推移(軌道)を国別に比較し、国ごとの特徴(おかれた状況や対応の特徴)や経済的な影響をまとめたものです。元データは Coronavirus COVID-19 Global Cases by the Center for Systems Science and Engineering (CSSE) at Johns Hopkins University (JHU)で、それをFinancial Timesが加工分析。
複数のグラフが用意されていますが、とくに興味深いのは、横軸に日数を取り(ただし、死者に関しては10人目の死者が出てからの2020年3月24日現在までの日数、また、感染者に関しては100人目の感染者が出てから3月24日現在までの日数)、縦軸にはそれぞれの人数を国別(や主要都市・主要地域別)に指数表示した軌道グラフで、複数の補助線が読者の理解をわかりやすくしています。
補助線は、死者数や感染者数が、日ごとに(毎日)2倍になる場合の補助線、2日ごとに2倍になる場合の補助線、3日ごとに2倍になる場合の補助線、1週間ごとに2倍になる場合の補助線で、各国の状況がその複数の補助線とどういう位置関係にあるかをチェックすると世界の状況が鳥瞰できます。
「日本や韓国」と「欧米」は、死者数に関しても感染者数に関しても、明らかにパターンが違います。2日ないし3日ごとに倍々ゲームを繰り返しているところは(ドイツのような死者数や致死率がとても低く抑えられている国も含めて)、医療崩壊を回避するために、国単位や都市単位での「封鎖(lockdown)」を実施せざるを得ないようです。
一方、日本や韓国の死者数や感染者数は、「今までは、あるいは最近は」「週ごとに2倍」の補助線に沿って移行していて「今のところは」明らかに状況が異なっています。当該記事の分析によれば、その理由は、日本は「社会規範がしっかりとしている(あるいは、国民がお上の要請に従順である)、それからマスクをつける習慣がある」、韓国は「当初はヤバかったけれど、やたらに検査と追跡を実施して事態を制御しつつある」ということのようです。Financial Timesの記者や分析者にはそう見える。
無料記事ということに甘えて、下に国ごとの各国の死者数推移に関するグラフをコピーして貼り付けておきます。詳しくは当該記事をご覧ください。
| 固定リンク
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- とても小さい活字の文庫本を何冊か処分(2021.02.22)
- 日経平均が3万円(2021.02.19)
- 5G用の工事を見かけるようになった(2021.02.16)
- 別にどうということもない発言内容だと思うのですが・・(2021.02.05)
- 【重要なお知らせ】で始まるマーケティングメール(2021.02.10)
「雑感」カテゴリの記事
- 冬のシャクナゲ(2021.02.24)
- とても小さい活字の文庫本を何冊か処分(2021.02.22)
- 日経平均が3万円(2021.02.19)
- 短いゴム長の出番・補遺 (2021.02.18)
- 短いゴム長の出番(2021.02.17)
「環境」カテゴリの記事
- 冬のシャクナゲ(2021.02.24)
- あるホテルのスポーツジムのマーケティング(2021.02.04)
- 「新型コロナの死者の平均年齢が日本の平均年齢と0.1歳しか変わらない」(2021.02.02)
- ワクチンと非国民(2021.02.01)
- マスクとパルスオキシメーター(2021.01.29)
コメント