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2020年5月12日 (火)

散歩コースにある、あるカフェの掲示板

散歩の途中でその店の前を横切るカフェが住宅地にあります。中に入ったことはありませんが、少し落ち着いた年代の女性がアルバイトの女の子を使いながら一人で切り盛りしている様子です。よく通るので何となくわかる。

そのカフェがいちばん混み合うであろうランチタイムやその前後は、ぼくの散歩時間帯ではないのでお昼時にどれだけ客が入っているかはわからない。その店は改装してそのカフェになる数年前はやはり女性が経営する別の業態のお店が入っていたし、店は二階建ての建物の一階部分(の一部)なのでその建物の所有者におそらく家賃を払っているはずです。女性自営業者が続くというのは、立地や店舗の広さだけでなく、貸主との関係でも女性がやりやすいところなのかもしれません。

そのお店にはガラス窓の内側に道行くお客に向かって語りかけるホワイトボードの掲示板があって、そこにいかにも女性の手になる黒い大きな手書き文字で週替わりの季節の挨拶などが書かれているのですが、4月下旬から5月6日までの掲示版は、そのまま引用すると以下のようでした。

「営業時間のお知らせ
 新型コロナウィルス
  感染防止対策と致しまして
  4/24(金)~5/06(水)まで
 お休みさせて頂くこととしました。
                《店名》」

連休明けの5月8日に目にした掲示板は、これもそのまま引用すると、以下のように変わっていました。

「営業時間変更の知らせ
 新型コロナウィルス感染防止策として
 当面の間、時間短縮営業させていただきます。
 ・営業時間 10:00~18:00
 ・来店人数を制限させて頂きます。
 ・手洗い又はアルコール消毒のご協力をお願いします。
 ・発熱等体調がすぐれない方は来店をお控えください。
                            《店名》」

食材原価と人件費がそれぞれ売り上げの30%の小規模飲食店では、一般的に、1カ月休業しただけで5カ月分の利益が消えると言われています。お店を休んでいても発生する家賃やその他の固定費は支払いを待ってくれない。赤字は最小限に抑えたい。

こういうお店の売り上げの落ち込みを支援する「持続化給付金」の給付額の算定方法(経済産業省のウェブサイト)は以下の通りです。個人事業主だと上限が100万円。ただしお店の経営者は、申請のために「2019年分の確定申告書および決算書(収支内訳書)の控え」や「売上が50%以上減少した月の売上額が分かるもの、月ごとの売上の変動が大きい場合は前年度の月ごとの売上が分かるもの」などを前もって準備しておく必要があります。

20200508

新しい内容の掲示板の背景には、近所の女性客だけでなく、少し歩く距離にあるところのテレワークとは縁のなさそうな小さなオフィスや事務所で働く人たちからもコンビニ弁当だけではうんざりするのでこの住宅地に位置するカフェのランチを期待する声が届いたということもあったのかもしれません。「我慢してもっと長く自主休業」という選択肢も可能ですが、ぼくはカフェに通うという習慣はないにしてもテイクアウト商品があるなら、彼女の意思決定を応援してあげたい。

ちなみに北海道の「外出自粛の要請等」に関するいちばん最初の項目は(他の自治体と同じで)

「道民に対し、医療機関への通院や屋外での運動・散歩などの健康の維持増進、食料・医薬品・生活必需品の買い出し、職場への出勤など、生活の維持に必要な場合を除き、外出自粛を強く要請[特措法第45条第1項]」

であり、また、「基本的に休業要請を行わない施設(適切な感染防止対策の協力を要請)」には、バーやナイトクラブやスナックと違って、「飲食店・料理店・喫茶店・洋菓子店のような食事提供施設」が含まれるので、新しい「掲示板」は「公」「地方自治体」の要請内容に応じています(酒を供する飲食店とスナックがどう違うのかはよくわからないとしても)。

国全体が影響を受けるこういう事態が発生した時には、「お上」主導型の正義に乗ることによって、そういう正義と距離を置く人たちを攻撃し始める人たちが必ず登場します。そういうことはいつの時代でもそうであったとしても、1930年代半ばから1940年代後半にかけてはそういうことの参照例がいろいろと凝縮しているようです。「戦争」は人間を興奮させる。以下の2冊はそういうことが百科事典風に詰まっている小説です。太平洋戦争中の「欲しがりません勝つまでは」が政府によって令和2年風に翻訳されると(英語でも日本語でもITと絡めた電力消費の効率化などに関して既に使われている用語の流用ですが)「スマートライフ」になります。

 


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