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2020年10月 6日 (火)

平家物語と令和の義偉(よしひで)

最近の動きを拝見していると、菅義偉(すが よしひで)首相は大日本国憲法と治安維持法の復活をもくろんでいらっしゃるのかもしれません。自民党の改正憲法草案は旧日本国憲法と治安維持法の匂いが濃い草案ですが、それ以上の思い入れを菅首相は治安維持法的なものにお持ちのようです。批判的な反対勢力や反対論者は、彼らが遠吠えしている分にはあまり気にならないのですが、それがノイズとしてそばにあるとけっこう鬱陶しい。

鬱陶しいものは遠ざけたいし消し去りたい。彼は現在の自分の権力と権勢を使ってその範囲内でそういう不協和音的なノイズを合法的に排除する仕組みや枠組みを作りたいのでしょう。権力が拡大すれば「合法性」の解釈適用範囲も拡がります。

政権が左寄りでも右寄りでもその政権が勢力を拡大すればその政権向きの「治安維持法」を欲するのは時代や国を問わずよく見られる現象ではあります。トランプ大統領は異論を大声で陽性に排除しようとしますが、菅首相の除去の仕方は陰にこもっている感じです。

話が前後しますが、自民党総裁の地位を手に入れた際の菅官房長官の手腕は、ドスを懐に入れた「悪」が舞台裏を目立たずにひそかに静かに漂い動いた感じで、見事でした。

以下に『平家物語』の冒頭をごくわずかに修正して――正確には文字をいくつか追加して――引用してみます。案外、違和感なく読み通せるかもしれません。

『祇園精舎の鐘のこゑ、諸行無常のひびきあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰のことわりをあらはす。おごれる人もひさしからず、ただ春の夜の夢のごとし。たけき者もつひにはほろびぬ、ひとへに風の前のちりに同じ。

とほく異朝をとぶらへば、秦の趙高(てうこう)、漢の王莽(わうまう)、梁の朱忌(しゅい)、唐の禄山(ろくさん)、これらはみな、旧主先王のまつりごとにもしたがはず、たのしみをきはめ、いさめをも思ひいれず、天下の乱れんことをさとらずして、民間のうれふるところを知らざりしかば、ひさしからずして、ほろびし者どもなり。

ちかく本朝をうかがふに、承平の将門(まさかど)、天慶の純友(すみとも)、康和の義親(よしちか)、平治の信頼(のぶより)、令和の義偉(よしひで)、これらはおごれることも、たけき心も、みなとりどりにこそありしか、まぢかくは六波羅の入道、前(さき)の太政大臣平(たいら)の朝臣清盛公と申せし人のありさま、つたへ聞くこそ心もことばもおよばれね。』


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