マスクとパルスオキシメーター
動脈血の血中酸素飽和度(SpO2)を指先で測定する小さな測定器を、パルスオキシメーターと呼んでいます(原理上というか製品特性上、同時に脈拍数も測定するので「パルス」「オキシ」メーター)。ぼくの古い常識だと、これは手術室や病棟、あるいは救急車の中でしか使わないコンパクトな医療装置ですが、介護や新型コロナの感染拡大で、どうも、体温計や血圧計と同様、介護医療・家庭医療や健康維持のための必需品になってきたみたいです。
血液中の酸素が不足すると、たとえば脳に血液が数分間循環しないと、植物人間になっていまいます。だから、酸素が十分に動脈に行き渡っているか、それを酸素飽和度(ギョーカイの人はサチュレーションという用語を使いますが)で示して安全であることを確認します。
多くの人が購入に殺到しているというので、いくつかの通販サイトを覗いてみました。
まともな製造会社のまともな製品は売り切れ状態で、すぐに買えるのは、以前のマスクとまったく同じ状況で、いつ耳紐が切れるかもしれない(あるいはすぐに切れてしまう)粗悪な中国製のようです。製造国が中国なので悪いというのではなく、ひどいスペックの粗悪品を製造販売するのを得意とする業者が中国には少なくないということです。
電池で動くある種のデジタル機器なので、そういうモジュールを入手して組み込んで華やかな色合いの製品パッケージにしたら、すぐに売り出せます。耳紐と同じで、測定値が正しいかどうか、すぐに故障するかどうかは買って使ってみないとわからないし、製品保証もどうなっているのかわからない。それなりの見栄えであっても安いのは2000円以下なので、まあ、そういうことなのでしょう。不織布マスクと同じような現象が市場を推移して、そのうちどこかに落ち着きます。
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