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2021年2月

2021年2月26日 (金)

推し量る(おしはかる)ではなく、推量(すいりょう)

鬼籍に入ってすでに十数年が経つある作家が後期のエッセイに書いていたことですが、たとえば問題が「山積み(やまづみ)」という大和言葉風の音と表現は落ち着かなくて、問題が「山積(さんせき)」という漢語風の音と表現だと座りがいいと感じるそうです。好みの問題ですが、そうかもしれない。

ぼくのブログなども、書く内容によっては「山積(さんせき)」でないと気分が出ないことがあるにしても、ここ数年は意識して「山積み(やまづみ)」風を使うようにしています。そこでの「山積み」風は、大和言葉風というよりも訓読みに大和言葉の雰囲気が少しだけ組み合わさったようなものです。

その理由を、推し量る(おしはかる)というか、推量(すいりょう)してみると、漢語風表現はぼくのブログに目を通していただくかたの中にも漢字の苦手な若い人がいらして読めないことがあるかもしれないと思い、「推しはかる」を使ったり「推量(すいりょう)」と括弧に入れたルビを振ったりするようになってきました。

最近の記事だと「般若心経はとても哲学的なお経」には「推しはかる」がいいのか「推量」がいいのか、「短いゴム長の出番」や「冬のシャクナゲ」だとどちらが向いているのか、悩ましいところです。漢語は簡潔で、そしてそのぶん余韻が後に続いてなかなかにいいものだとしても、必ずしもそういう質(たち)のものばかりではありません。

たとえば、大学の構内(や大学周辺)のタテカン(立て看板)には両方の雰囲気が宿るようです。

2018年4月の産経フォトニュースに「京大は5月1日、これまで公道に面した場所に置かれていた看板について、京都市左京区の吉田キャンパス内に設置場所を指定する『規程』を施行する。昨年10月、京都市から『屋外広告物に当たり、景観に関する条例に違反する』として文書指導を受けたことに伴う措置だが、学内からは反発の声が相次いでいる」というのがありました。

当時の報道写真を見るとその措置に賛成するタテカンがとても大きな字で書かれた

違反広告物 タテカン 撲滅。

で、そのタテカンはその主旨とは違って公道に面して建てられていて、その措置に反対する内容のタテカンが、これも公道に面して設置されていてその文面は

景観条例を濫用し大学周辺の立て看板を全面的に禁止する京都市とそれを無批判に追随する京大当局を弾劾する!!

です。政治に関心のあるタテカン作者は相変わらず大きな句点「。」や「!!」が好きみたいです。

下は、2017年の秋、銀杏(イチョウ)の葉が黄金色に染まるときの北海道大学構内のタテカンです。

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北大金葉祭  いちょうが一番きれいな日

こちらは漢語はそれなりに多いけれども、和語も混じり、漢字も、まあ、控えめなので柔らかい。それに文化祭なので「。」も「!!」もありません。「軟弱」――という漢語風をあえて使ってみますが――な雰囲気のタテカンです。

 


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2021年2月25日 (木)

家庭用のガス衣類乾燥機を使ってみたい

処処の理由から使い続けていますが、これほど着実に機能不全状態を呈する製品も珍しい。配偶者の経験にぼくの感想(修理の相談や電話などはぼくの役割なので)を付加するとそういうことになります。長年の使用経験からすると製造会社とは関係なさそうです。構造的なものだと思います。斜めドラム式の洗濯脱水乾燥機のことです。ドラム式でなくタテ型のものはもっとひどいらしい。

そういう背景があったためか、そういう認識がじわじわと浸透してきたためか、家庭用のガス衣類乾燥機が人気だそうです。

家庭用のガス衣類乾燥機は製品としての存在年数は35年(と少し)と相当に長い。つまり安定的な需要のある地味な商品だったようです。しかし、何が原因なのか、少し前(2019年)に大容量対応(といっても家庭用なので8㎏)の新製品が登場したのがそのきっかけなのか、某メーカーの家庭用ガス衣類乾燥機が急に人気商品となったそうです。

配偶者がいろいろと調べていたので、ぼくも気になって調べてみると、初期投資にそれなりにお金(製品や工事)はかかるとしても、壁の工事があるので導入不可の家庭があるとしても、それからガス代(都市ガスやプロパンガス、北海道は都市ガスは普及していない)と電気代とどちらが高いという議論があるとしても、同量の衣類が電気ヒートポンプ式の全自動洗濯乾燥機の乾燥時間の3分の1で済むというのは(時短効果も含む)長期コスパを考えるとなかなかのものです。

配偶者の強い要望もあるので、それからぼく自身も定期的な修理依頼や定期的な買い替え出費にいささかうんざりしているので、今後の検討項目ではあります。


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2021年2月24日 (水)

冬のシャクナゲ

シャクナゲ(石楠花)は常緑広葉樹です。奈良の室生寺などでは手入れのされたその常緑広葉樹の姿を数多く堪能できます。しかしシャクナゲは比較的に温かい地域だけが好きというわけではなく、札幌のような雪の多い寒冷地にまで分布しています。シャクナゲの原種は亜寒帯から熱帯山地に分布し、ネパールや中国の雲南省にも多くの種が存在しているそうなので、札幌もそれなりに好みの土地のひとつなのかもしれません。

落葉広葉樹は雪の季節には雪の重みで倒壊しないように葉を落としますが、常緑広葉樹は葉をつけたまま越冬します。だから雪の地域ではシャクナゲの葉にも雪が積もります。

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雪は気温が氷点下にならなくても降るので、ただ雪が降ったくらいではシャクナゲの葉は広葉樹らしさを失いません。しかしもっと寒さが厳しくなって氷点下5~6℃やマイナス10℃の凍りつくような日々が続くと、シャクナゲは広葉樹らしい幅広の葉を針葉樹のように細くしぼませて寒さを乗り切ります。人が身をこごめて寒さに対応するようなもので、植物の生活の知恵です。

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そして、ぼくたちにはまだコートが必需な時期でも、高い山地も大丈夫な「しゃくなげ」にとって心地よい温度になると、それまで細く閉じていた葉を、本来の広葉樹に戻って葉の表面積を大きく広げます。

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冬の間観察していると、シャクナゲは葉を細く閉じたり広く開いたりしながら、温度差を乗り切っているようです。

 


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2021年2月22日 (月)

とても小さい活字の文庫本を何冊か処分

先週、古い文庫本を20冊くらい処分しました。古いので捨てたのではなく、もう読み返すこともないと判断してゴミ扱いをしたのでもありません。購入してざっと目を通しその後僕と一緒に何度か引っ越しをしながら本棚で座り続けていた単行本や著作集を30年ぶりに読み返すといった事態は(しばしばではないにせよ)それなりに発生します――何かの物理的ないしはその他の都合で捨てていなければ。

その処分した20冊というのは、文庫本(岩波文庫・新潮文庫・中公文庫・ハヤカワ文庫など)と新書版(岩波新書・中公新書・講談社現代新書など)だけを集めてある本棚に並べてあったとても活字サイズの小さい、従って紙の色も経年変化した文庫本の小説類です。読めなくはないけれど、たとえば読み返すかもしれないし参照用にも保管しておきたい(たとえば、プラトンの「饗宴」、あるいは「古事記」)という種類の文庫本ではない。

伊丹十三「女たちよ!」(文春文庫)はなかなか刺激的なエッセイ集です。出版年が古く、処分した小説と同じように驚くほど小さい活字が並んでいます。電子書籍があると思うので捨ててもいいのですが(註:電子書籍はなさそうだが、文庫の新版はあった)、茶色くなった紙も含め懐かしい内容なのでとってある。

以前は新聞紙の活字もとても小さかったのがある時期から各全国紙で大きく読みやすくなりました。金融情報などが満載の日本経済新聞だけが抵抗を続けていたのが抵抗しきれなくて、全国紙では最後に大きな活字に移行したと記憶しています。調べてみると、大きな活字になったのは、毎日新聞が2007年末、朝日新聞と読売新聞が2008年春、日本経済新聞はよくわからない。

そのあたりから文庫本の活字の小ささの不愉快が目につき始め、従って文庫本の出版社もその前後から大きめの活字の文庫本に方向転換したのだと勝手に考えています。

手元にあるワイド版岩波文庫の「聊斎志異」(上下)の出版は2010年、「華国風味」(青木正児著)は2001年です。「ワイド版岩波文庫」や「講談社文芸文庫ワイド」(たとえば吉田健一著「絵空ごと・百鬼の会」)がぼくは好きだとしても需要がないのか出版本数が少なく人気のないのは最初の印刷だけで廃版になってしまう。活字を読者が好みの大きさに拡大できる電子書籍という選択肢もありますが、電子書籍よりも紙の中古本です。ぼくは実用書や実用書風以外は電子書籍をあまり歓迎しないので。

 


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2021年2月19日 (金)

日経平均が3万円

ただのつまらない感想です。日経平均が3万円を超えて金融メディアは姦しいみたいです。日経平均が前日比でプラスになっている日に主要銘柄の株価を拝見しても必ずしも同じ方向には動いていません。逆に日経平均が前日よりも下がった日に、プラスに転じる銘柄も多い。

不思議な現象だと思って適当に各企業の株価を眺めていたら、取引単位が1000万円の株が目に入りました。とても大雑把に言うとこの株の株価の動きが日経平均を左右しているように見えます。取引単位、つまり株を買ったり売ったりする最小単位が1000万円ということは普通の個人投資家は手を出せない、そんな金額です。

そんな株に手を出せるのは資金の豊富な機関投資家だけです。日経平均やその他の指数をいじって、指数の取引で儲けているのでしょう。札幌だと建設業界は活況を呈していますが、それ以外で景気がいいという実感がない時の日経平均3万円というのは、おそらくプロの指数ゲーム、オプション取引ゲームの結果なのでしょう。

 


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2021年2月18日 (木)

短いゴム長の出番・補遺

「車道に残っている根雪は車線の確保のためにすぐ隣の歩道に移すので、歩道では雪の壁が小さな薄汚れた万里の長城風に続いていて、つまり水たまり形成のための水の供給には苦労しません。しかし、今年はその根雪が例年よりも少ないようです」と「短いゴム長の出番」で書きましたが、それについて写真付き補足説明です。

写真は札幌中心部を東西に走る片側2車線の幹線道路です。車が信号待ちで視界に入らないときに撮影しました。幹線道路なので市の整備が行き届いていて、排気ガスで黒く汚れていますが、形がきれいな万里の長城の一例です。幹線道路でないところはこんなに形が整っているわけではありませんし、水たまりも多い。

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こういうのが、道路沿いに(つまり歩道に)ずうっと続いています。交差点で、たまたまそのあたりの地盤が低いと大きな水たまりができ、歩行者は短いゴム長でないとけっこう辛いというわけです。


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2021年2月17日 (水)

短いゴム長の出番

ゴム長といっても膝下までの長いのではなく、短いゴム長です。ちょっと近所に買いものに出かけたり、近くの郵便ポストに郵便物を投函したりする場合には便利で、この時期の必需品です。札幌の道路は傷みやすい。雪と氷が道路の亀裂に入り込んで膨張するので、そういうところはアスファルトなどが割れて剥がれて穴になり雪融けの水たまりができています。

日中最高気温がプラスになる日が継続すると、夜中や明け方の最低気温は氷点下のであっても、車道や歩道には水が溢れはじめます。道路の穴の水たまりも嫌ですが歩行者の立場からはとくにやっかいなのが、横断歩道と歩道とが接するあたりです。深い水たまりになっていることが多い。普通の靴では歩けない。普段の革の冬靴で何とかしようとするなら、水の中を爪先立って進むしかありません。しかしその冒険が途中で失敗すると、その歩行者をどういう悲劇が待っているかは簡単に想像できる。

車道に残っている根雪は車線の確保のためにすぐ隣の歩道に移すので、歩道では雪の壁が小さな薄汚れた万里の長城風に続いていて、つまり水たまり形成のための水の供給には苦労しません。しかし、今年はその根雪が例年よりも少ないようです。

多くの車は、それが大型の業務用でも小さな自家用車でも、そういう水たまりのすぐそばや水たまりのなかを普通の速度で走っていきます。だから、横断歩道で信号待ちをしているときは、水たまりをよけるだけでなく、濁った水しぶきが飛んでくるのを避けないといけない。たまには遠慮がちで親切な車にも遭遇しますが、たいていは、水しぶきを歩道側に跳ね上げながら走っていくようです。歩行者をいちいち気にしてはいられない。従って歩行者は日本国の国防と同じで専守防衛です。戦闘機でスクランブルをかけるわけにもいかない。

ゴム長が、短いのも長いのも、いちばん活躍するのは、札幌では雨の季節ではなく――幸いなことに日本の各地で見られるタイプの長い梅雨は札幌にはありませんが――、雪融けが始まるこの時期です。


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2021年2月16日 (火)

5G用の工事を見かけるようになった

スマホに「5Gで通信中」とかなんとか――正確には憶えていませんが――、そんな表示が出たのは、札幌ではない場所で、今まで一度だけです。

そういう眼で札幌市内の商業ビルや集合住宅(とくに賃貸の集合住宅)を眺めていると、レンタルしたと思われる巨大なクレーン車が新しいアンテナを屋上まで吊り上げ、3人がかりで設置作業(と古いアンテナの撤去作業)を行い・・・、といった光景が視界に入ってきます。これを全国の主要地域で次々とこなすとなるとインフラ整備にけっこうなお金がかかることは想像に難くない。

政府からのケータイ通信料金の値下げ圧力と業界内の値下げ競争と、その間をより良いコスパを求めてベンダーを気儘に移動する若いユーザーというのが5G絡みの図式で、だから「【重要なお知らせ】で始まるマーケティングメール」が若くはないぼくにも届くことになります。

5G対応ではありませんが、通信インフラには小さい保険をかけていて、その小さい保険とは何かというとモバイルwi-fiルーターです。保険なので月掛け費用が発生します。東北でそれなりに大きい地震がありましたが、停電や普段使っている通信回線に輻輳(ふくそう)が生じて身動きが取れなくなった場合に役に立ちます。充電状態の確認を兼ねて短時間ですが定期的に使ってやります。


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2021年2月15日 (月)

サツマイモの糖度と味わいとその好み

米(コメ)だと現在のデファクト標準は「コシヒカリ」やその系統の米(北海道米なら「ゆめぴりか」、山形米なら「つや姫」)で、甘くて白くて粘り気が強い。ざっくりと言うと糯米(もちごめ)風味がいっぱいの粳米(うるちまい)です。そういうコメじゃないと消費者需要がありません。1979年くらいからそうなってきました。だから、昔風の粳米(昔といっても数十年前ですが)で当時は一世を風靡した「ササニシキ」もその人気は凋落し、今では一部のファンを除いては見る影もないようです。

我が家は、昔風の粳米(うるちまい)が好きなので、とてもマイナーな品種ですが、北海道産の粳米が常食です。たまに、人気の「甘くて白くて粘り気が強い」品種を食する機会がありますが、美味しいとは思わない。まあ、好みの問題です。

なので、サツマイモも味の好みの問題ということになりますが、サツマイモの好みのコメの好みと似ていて、「サツマイモは美人の鳴門金時」や「蔵出しの鳴門金時が夜10時に届いた」で書いたように、我が家はもっぱら「鳴門金時」です。焼き芋としておやつとしても楽しみますが、サツマイモの食べごろの季節は野菜サラダやスープとしても頻繁に味わいます。

Photo_20210211180501  鳴門金時

トレンディーとされるサツマイモも2~3種類オーブンで焼いて試しに口にしてみましたが、また食べようとは思いませんでした。なぜか。

ねっとりとし過ぎているからです。鳴門金時のようなホクホク系はコメだとササニシキのような粳米(うるちまい)に近く、トレンディーとされるねっとり系はコシヒカリを通り越して糯米(もちごめ)に近かったからです。

ネット記事に以下のようなサツマイモの甘味と味わいの比較表がありました(「品種別 サツマイモ比較表」)。現役のサツマイモ生産農家がこの比較表の作成をお手伝いしたようです。別の所には品種ごとに測定糖度を表記した一覧もありました。両者は必ずしも一致しませんが、「ねっとり系」はねっとりとしていてとても甘い、とは言えそうです。

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「ホクホク系」が好きな人は「ねっとり系」を評価できないし、「ねっとり系」を美味しいと思う人は「ホクホク系」をパサパサしていて味気ないと思う。おそらくお互いに「蓼(たで)食う虫も好き好き」と考えているのでしょう。


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2021年2月12日 (金)

般若心経はとても哲学的なお経

奈良の南都六宗の学問指向の強い寺に限らず、週末に写経体験教室などを開いている各地の寺で使う写経テキストには、宗派を横切って密教系でも禅宗系でも、「般若心経(摩訶般若波羅蜜多心経)」が使われることが多いようです。内容と文字数(二百六十二文字、あるいは二百七十八文字)が写経教室に向いているからです。この「般若心経」は仏式の葬儀や法事などでよく読経されるお経のひとつでもあります。

佛說摩訶般若波羅蜜多心經
觀自在菩薩行深般若波羅蜜多時照見五蘊皆空度一切苦厄舍利子色不異空空不異色色卽是空空卽是色受想行識亦復如是舍利子是諸法空相不生不滅不垢不淨不增不減是故空中無色無受想行識無眼耳鼻舌身意無色聲香味觸法無眼界乃至無意識界無無明亦無無明盡乃至無老死亦無老死盡無苦集滅道無智亦無得以無所得故菩提薩埵依般若波羅蜜多故心無罣礙無罣礙故無有恐怖遠離一切顚倒夢想究竟涅槃三世諸佛依般若波羅蜜多故得阿耨多羅三藐三菩提故知般若波羅蜜多是大神呪是大明呪是無上呪是無等等呪能除一切苦眞實不虚故說般若波羅蜜多呪卽說呪曰
揭諦揭諦波羅揭諦波羅僧揭諦菩提薩婆訶
般若心經

ちなみに、空海には「般若心経秘鍵」という著作があり、道元の著書である「正法眼蔵」の第二巻は「摩訶般若波羅蜜」です。

中江藤樹という江戸時代初期(十七世紀前半)の陽明学者は、道を求める人たちを「聖人」を最高位として「俗学・角者・狂者・大賢・聖人」という具合に下から順にレベル分けし、「釈迦や達磨や荘子」などは「聖人」の下の下であるところの「狂者」に配置しました。仏教や老荘思想はその本質は哲学、形而上学なので、釈迦や達磨や荘子は哲学的な思弁を専らにするだけの軽い存在と考えればそういう位置づけになります。かれらは「だからどうした」という問いかけには答えない。

あるいは、荘子がなぜ「狂者」かというと、「昔者(むかし)、荘周は夢に胡蝶と為る。栩栩然(くくぜん)として胡蝶なり。・・・俄然(がぜん)として覚(さ)むれば、則ち蘧蘧然(きょきょぜん)として周なり。知らず、周の夢に胡蝶為(た)るか、胡蝶の夢に周為るか」(「荘子」斉物論篇)のような、 蝶々と荘子が互いに入り混じり、状況が「くくぜん」「がぜん」「きょきょぜん」と流れていくような世界は、藤樹好みではなかったのでしょう。

「般若波羅蜜多心経(Prajna Paramita Hrdaya Sutra)」の哲学的な「空(くう)」の香りを改めて味わうために梵語(サンスクリット)から現代日本語に訳したもの(「世界古典文学全集 7 筑摩書房」平川彰訳)を下に引用してみます(引用すると長く感じますが)。「シャーリプトラ」は漢字だと「舎利子」です。

一切智者に帰依します。

聖者観自在菩薩が深遠なる般若はらみつにおいて、修業をおこなっていたとき、人間は五種の構成要素から成立していると照見した。しかもそれらの五種の構成要素は、その本性は空であると洞察した。

シャーリプトラよ、この世において、物質現象(色)は実体のないもの(空)である。実体のないもの(空)こそが、物質現象(色)として成立するのである。実体のないこと(空)は、物質現象(色)を離れてあるのではない。物質現象(色)も実体のないこと(空)と別にあるのではない。およそ物質現象であるもの(色)が、そのまま実体のないもの(空)なのである。実体のないこと(空)が、そのまま物質現象(色)なのである。感覚・表象・意志作用・判断についても、これと全く同じである。

シャーリプトラよ、この世において、存在物はすべて、実体のないことを特質としているのである。生じたと言えないものであり、滅したとも言えないものであり、汚れたとも言えず、汚れを離れたものでもない。減ることもなく、増すこともない。それ故にシャーリプトラよ、実体がないという見方に立てば、物質現象は成立せず、感覚も成立せず、表象も成立せず、意志作用も成立せず、判断も成立しない。視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚、意識も存在しない。色、声、香り、味、触られるもの、観念も存在しない。視覚の領域も存在せず、ないし、意識的判断の領域も存在しない。

智慧もなく、無知もなく、智慧の滅尽もなく、無知の滅尽もない。ないし、老いること、死ぬこともなく、老いること、死ぬことの滅尽もない。苦・集・滅・道(の四つの真理)もなく、智もなく、悟りに達することもない。それ故に、達することがないから、人は菩薩の般若はらみつを依り所として、心の覆障なしに住している。心に覆障がないから、恐怖がなく、顚倒を超越しており、究極のニルヴァーナに入っている。三世における諸仏たちはすべて、般若はらみつを依り所として、無上の正しい悟りを現実に悟ったのである。

それ故に知るべきである。般若はらみつの大なる真言、大なる智慧の真言、無上の真言、比較を絶した真言は、すべての苦悩を鎮めるものであり、偽りがないから真実であると。その真言は般若はらみつにおいて次の如く説かれている。

ガテー ガテー パーラガテー パーラサンガテー ボーディ スワーハー
(行ける者よ、行ける者よ、彼岸に行ける者よ、彼岸に共に行ける者よ、悟りよ、栄えあれ!)

『般若はらみつの心髄』おわる。

とても哲学的、形而上学的な内容のお経です。こういう哲学的な内容を持つ「般若心経」の読経や写経は何のためにするのか、誰のためにするのか。死んだ人の為か、残されている人の為か、自分自身の為か。

なかでも「智慧もなく、無知もなく、智慧の滅尽もなく、無知の滅尽もない。ないし、老いること、死ぬこともなく、老いること、死ぬことの滅尽もない。苦・集・滅・道(の四つの真理)もなく、智もなく、悟りに達することもない」というところは、「空」ということを言葉で語ろうとした場合の根源的な一節で、そういうことならこちら側もあちら側も「空」なのでそういう意味では両者に違いはありません。

とくに、「智もなく、悟りに達することもない」というところはドラスティックで、つまり悟りなどというものはそもそもないのだから、そういうものがどこかにあって修行の結果悟りに達することができるといった風に悟りを実体化してはいけない、そんなことをすると余計に迷うだけだと断言している。そういうことを含めて「般若心経」を読誦したり写したりすることは日常の隙間で深く哲学することだと言えそうです。

 


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2021年2月10日 (水)

【重要なお知らせ】で始まるマーケティングメール

タイトルが【重要なお知らせ】で始まるメールが、おそらくひと月くらい前から毎日のように届くので、うるさいなあと中を見ることなく反射的に消していたのですが、先日、ふと中身が気になって目を通してみたら、最近の競合状態(つまり特定の領域での値下げ競争)の激化を反映してか、特定のオプションサービスの内容の充実と同時にそのサービス値下げのお知らせでした。

ぼくのスマホは電話やインターネット通信に関して、一台は安定した大手業者とそれなりにいろいろなサービスを付加して契約。もう一台は電話やインターネットに関して限られたサービスを大手三者以外のところと、一台目の大手よりは当然のことながら安く契約しています。

ところが、最近、大手三者の間で(大手四社というには四社目が小さいので大手三者としますが)、子会社や関連会社も巻き込んで、価格競争が激化してきました。激化に至る最初の一突きは政府から出ましたが、一般ユーザーにとってはサービス価格の低下や同じような価格でサービス内容が充実するのは悪い話ではない。

二台目のスマホは、通信が主で電話は副でしたが、最近、回数は少ないにしても、一回の通話時間が長い電話がその二台目で増えてきました。やや込み入った話や難しい話、同じページ数の多い資料を見ながら進める話、時間をかけないと先に行かない話はどうしても通話時間が長くなります。メールや短いメッセージの交換や5分間の電話では埒が明かない。つまり、電話代も契約時の想定よりも想定以上に高くなってきた。ぼくは短い電話を頻繁に掛けるタイプではないし、そういうニーズも持っていないので、そういうニーズをターゲットにしたサービスはぼくには魅力がない。

そういう状況で、タイトルが【重要なお知らせ】で始まるメールです。この値段なら、そのオプションサービスを追加してもコスパ的には結構いいかもしれないと思える価格です。迷わず契約しました。普段はほとんどスルーするプロモーションメールもたまには役に立ちます。

 


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2021年2月 9日 (火)

立春を過ぎると夕方の空が明るい

午後5時が近づいても大きく広がる空がほの明るいというのは嬉しいものです。ひと月前は午後4時で真っ暗に近かったのですから。立春(今年は2月3日)を過ぎて数日経ったので、宜(うべ)なるかな、です。「冬至です、これから日が長くなります」から一月半経過しました。

気温は立春をあとにしても、最高気温がわずかにプラスに転じる日もあれば、二桁に近い氷点下で推移する日もあり、札幌のこの時期に適当な表現かどうかわかりませんが、三寒四温を凝縮したような現象が続いています。最高気温がプラスになると、道路の雪と氷が融け、そのあたりは日中はゴム長でないと辛い状態になり、その同じ場所が、氷点下になると、ごたごたした形で融けたのがそのまま氷と化すので、車は滑りながらタイヤを取られるといった状態になります。

この時期の雪は厚く降ってもはやパウダースノーではないし、道路を路肩から一車線分塞いでいる雪の山も排気ガスでまだらな黒や濃いグレーに薄汚れ、立春後の空の明るさになじまない。しかし、湿った雪が夜中から朝までホワイトアウト気味に降り続いて、地面を一面の白で覆ってくれると僥倖もあります。

今年は新型コロナで中止になりましたが、例年だと今は「さっぽろ雪まつり」の最中です。そういえば、「さっぽろ雪まつり」の期間は、凍てつくような寒さと、雪像の形が変わるのではないかというような大雪と、雪像が融けてしまうかもしれないという温かい雪が交互にやってきます。


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2021年2月 8日 (月)

令和3年の味噌作り(寒仕込み)

今年は新型コロナの影響で普段の行動のタイミングがいささか狂っているせいか、味噌づくりへの取り組みもやや遅れたのですが、先週末から開始しました。毎年この時期に作らないと落ち着きません。一月下旬からの味噌の寒仕込み、7月下旬の梅干し作り、10月下旬に始めるタクアン作り、この三つは各々こなしていかないとそれぞれの季節との折り合いがつきません。

味噌は材料は「大豆」と「麹」と「塩」があれば大丈夫です。道具は、「鍋」と「ミンサー」と「甕」があれば作れます。それからアルコール度数が40度を超える強い焼酎を忘れてはいけません。強い焼酎は容器や道具の雑菌消毒に使います。地味ですが必需品です。

我が家では「大豆」と「麹」と「塩」の割合が「1 : 1: 0.45」なので、今年も

・「大豆」(北海道産の無農薬栽培大豆を4㎏)
・「麹」(島根産の「有機玄米麹」を4㎏。今年は米麹ではなく玄米麹にしました、だから出来上がるのは米味噌ではなく玄米味噌ということになります)
・「塩」(塩は自然海塩です。大豆1㎏に対して450gなので、全部で1.8㎏)

をそれぞれ用意(手配)しました。塩は1.8㎏というわけにはいかないので2kg。

ただし、我が家の一日の処理能力(生産能力)は鍋などの関係で大豆2㎏なので、二日にわけて(つまり二日連続で)味噌作りに取り組みます。

よく水洗いした大豆を「前の晩から」半日、底の深い大鍋で十分に水に浸しておくのですが、それが下の写真。左の鍋に1kgの大豆、右の鍋(蓋が透明)にも1kgの大豆が浸っています。これが我が家の一日当たりの最大生産能力です。

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そのあとの工程は簡単にまとめると次の通り。難しくはない。黙々と二人で(配偶者と僕)工程通りに実行するだけです。やり始めると、年に一度の作業であるにもかかわらず、手と身体が勝手に動きます。

・(前の晩から半日)水に浸してあった大豆を柔らかくなるまで、吹きこぼれに注意し、アクを丁寧に取り除きながら、煮る(プロは大豆を蒸しますが、一般家庭では量が多い場合は蒸すという作業は難しいので煮ます)。

【蛇足的な註】大豆のタンパク質は、たとえば小豆などと比べるとネバネバと粘着質なので、鍋などの器具のあと始末が大変である。

・熱で柔らかくなった大豆を電動ミンサーにかけてミンチにする。ミンサーは必要箇所を焼酎で丁寧に消毒(この工程は電動ミンサーがないと辛い)。

・玄米麹と塩を、大きなボールなどできれいに混ぜ合わせたのを別途並行して用意しておく。これを一般に「麹の塩切り」と呼んでいる。ただし塩は「塩切り」で全部を使うのではなく一部分を後の工程のためにとっておく。

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・ミンチした大豆を、麹菌が活発に活動できる50℃くらいまで冷ます。熱すぎると麹菌が死んでしまうので注意。

・50℃くらいまで冷えたその大豆と、塩切りした玄米麹をしっかりと混ぜ合わせる

・混ぜ合わせたものをテニスボール大に丸める。これを「味噌玉」という。

・焼酎で雑菌消毒した甕(実際は一斗容量の業務用ホーロー容器)に、「味噌玉」を次々に作って、それを野球の要領で投げ入れる。こうすると味噌玉の中や隙間に空気が混じらないので雑菌の混入防止になる。配偶者が味噌玉を作りぼくが投げ入れると、作業が円滑にすすむ。

・味噌玉を投げ入れると段々とその嵩が増してくる。投げ入れ終わったら、全体を手で平らに整える。

・「塩切り」のときに残しておいた塩をその上に薄くかぶせ(とくに周辺部を丁寧に)、大きめに切った幅広のよく干した羅臼昆布を塩の上に敷く(干し昆布を敷くのは北陸地方の伝統で我が家でも数年前からそうし始めた。そうすると昆布の風味も楽しめるし、味噌が熟成した時に昆布の漬物風ができ上がる。小さく切ると昆布の朝ごはんの佃煮だし、おにぎりの具としても活躍する)。ただし丁寧に天日干しされた(あるいは蔵囲いされた)昆布が準備できないときは上に敷くのはポリエチレン・ラップでよい。

・重石をかける。我が家では、常滑焼の中蓋(けっこう重い)を重石にしている。

・上蓋をする

・大きめのポストイットに、大豆の投入量や麹の種類、仕込み年月日などを書き、上蓋に貼り付けてる。「天地返し」日付を書く欄を開けておく。

・埃(ほこり)予防のために、ホーロー容器全体をポリ袋で覆うか、あるいは出来の良いシャワーキャップ(食品工場やキノコ栽培工場の工場見学で見学者が頭にかぶるシャワーキャップが丈夫で手に入りやすい)で上蓋あたりをすっぽりと覆う。

ここまでが「仕込み」の作業です。

「寒仕込み」から半年くらい経った頃に「天地返し」を行います。

・「天地返し」とは、甕で発酵中の味噌の天(上)と地(下)をかき混ぜて甕全体の発酵状態を平準化する(発酵に偏りが出ないようにする)ことです。ただし、大きな甕の中で天地返しを完結するのは素人には困難なので、我が家では一斗樽(一斗のホーロー容器)の中身を複数のより小さな常滑焼の甕に移し替える作業が、すなわち天地返しになります。そのときに最初の半年間の発酵具合を確認します。

                  Photo_20210208124001

・天地返しまでは、味噌は暗冷所で静かに寝かせます(熟成させます)。

 


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2021年2月 5日 (金)

別にどうということもない発言内容だと思うのですが・・

2月3日の日本オリンピック委員会(JOC)の臨時評議員会における森喜朗会長の長い挨拶の一部がテレビでも活字媒体でも取り上げられて、どういうことになっているかというと、「社会に逆行、波紋広げる森喜朗氏発言」(毎日新聞)という主旨の報道になっているようです。発言の一部を切り取り、それを、マスメディアの主張に照らし合わせてプラス方向ないしはマイナス方向に報道するというのはそういうメディアの抜けない癖です。似たような雰囲気の海外の報道にしても、日本から特派員や契約記者が英文で、あるいは日本語記事を英訳して同じ方向の原稿を送るのでしょう。今回もそうなのか。

その毎日新聞の記事をもう少し長く引用すると、「日本のスポーツ界は女性進出が遅れ、国が指針を出して各競技団体へ女性役員の増加を求めている。国際オリンピック委員会(IOC)も男女平等への取り組みを強化し、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会も「多様性と調和」がコンセプトの一つ。トップに立つ森喜朗会長の発言は、一連の流れに逆行しており、波紋を広げている」という具合です。

こういうときは、手に入るのならその40分の発言の全体を聴くか、文字起こしがされている場合は全文を読めばいいのですが、幸い「日刊スポーツ」に文字起こしされた全文が「発言全文 1」と「発言全文 2」に分かれて掲載されていました。

その「問題発言」とされた部分(「註」太字にした)を、その前後も少し含めてそのまま引用してみます。

『・・・いろいろ考えましたが、いずれにしてもみんな力を合わせて山下会長を守っているのだと安心しました。しかし、演説をしたのは山下さん。私もいろんな話の間、すばらしい山下さんのリーダーシップ、あらためて、大いに評価をし、これからもオリンピックに向けてしっかり頑張っていただきたいと。ご協力を賜ります。

これはテレビがあるからやりにくいんだが、女性理事を4割というのは、女性がたくさん入っている理事会、理事会は時間がかかります。これもうちの恥を言います。ラグビー協会は倍の時間がかかる。女性がいま5人か。女性は競争意識が強い。誰か1人が手を挙げると、自分もやらなきゃいけないと思うんでしょうね、それでみんな発言されるんです。結局、女性はそういう、あまり私が言うと、これはまた悪口を言ったと書かれるが、必ずしも数で増やす場合は、時間も規制しないとなかなか終わらないと困る。そんなこともあります。

私どもの組織委にも、女性は何人いますか。7人くらいおられるが、みんなわきまえておられる。みんな競技団体のご出身で、国際的に大きな場所を踏んでおられる方ばかり、ですからお話もきちんとした的を射た、そういうご発言されていたばかりです。

長くなって恐縮です。山下さんが、私に最初にあいさつしろと。こう言うもんですから。私は長くなるよ、と。議事進行にご迷惑になるからと。というよりは私の立場を考えて、何か先にしないと失礼になると事務局は考えたと思う。そういう考えは無用です。ここに来れば、みんな同じなんです。・・・』(そのまま引用)

女性に関してもそれなりにバランスの取れた(バランスを取ろうとした)発言です。もっとも、女性解放思想の推進者という意味でのフェミニストは彼の発言に苛々するかもしれません(ちょうど環境問題の活動家がどんな環境問題にもバランスを崩して苛々するように)。かりに「女性」を「若い国会議員」や「教職経験者」に置き替えてみると問題発言部分はどうなるか。「教職経験者」と置き替えてみます。

『これはテレビがあるからやりにくいんだが、教職経験者理事を4割というのは、教職経験者がたくさん入っている理事会、理事会は時間がかかります。これもうちの恥を言います。ラグビー協会は倍の時間がかかる。教職経験者がいま5人か。教職経験者は競争意識が強い。誰か1人が手を挙げると、自分もやらなきゃいけないと思うんでしょうね、それでみんな発言されるんです。結局、教職経験者はそういう、あまり私が言うと、これはまた悪口を言ったと書かれるが、必ずしも数で増やす場合は、時間も規制しないとなかなか終わらないと困る。そんなこともあります。

私どもの組織委にも、教職経験者は何人いますか。7人くらいおられるが、みんなわきまえておられる。みんな競技団体のご出身で、国際的に大きな場所を踏んでおられる方ばかり、ですからお話もきちんとした的を射た、そういうご発言されていたばかりです。』

かりにこの発言に違和感や反論があっても、これはある個人の経験にもとづく意見です。そういう意見があってもかまわない。女性の気持ちが、女性の立場がと、めくじらを立てる類の話ではないと思います。


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2021年2月 4日 (木)

あるホテルのスポーツジムのマーケティング

ある札幌市内のホテルがホテル内で運営する会員制のスポーツジムというのかフィットネスクラブというのかの新規会員募集案内チラシが郵便受けにポスティングされていました。「新規会員募集中、新春入会&体験キャンペーン」という見出しがあり、その間は、入会金も通常よりは安くなっています。

会員をそれほど集めるところではないと思うので売上金額はそれほど多いとは思わないけれど利益率は高いレベルで安定していると考えると、現在のコロナ不況下ではこうしたスポーツビジネスにも依存したくなる。

札幌のホテルは内外の観光客(とくに外国人観光客)やビジネス関係の宴会やパーティーが収入の源泉ですが、観光客の宿泊や食事、宴会やパーティーの売り上げが減少し低い水準で推移する中でなんとか定常的に売上額と利益額を確保しようと思ったら、今まではホテルの付属品扱いだったと思われるスポーツジムが急に輝き始めたのでしょう。

札幌ではそれなりの年数を経たホテルなので、そのフィットネスクラブに若い人が大勢集まるとは思われないとしても、コロナという理由だけでなく、とくに雪の札幌で気儘な外出ができない不満を、感染防止策や衛生基準の明確なタイプのスポーツクラブで運動したいと考える中高年や高齢者は多いと想像できます。そういう層を深掘りする形で開拓しているのかもしれません。コロナの季節の地味なマーケティングです。


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2021年2月 3日 (水)

2月の声を聞いたので、タクアン

今年のタクアンの食べ始めは2月の声を聞いてから」の続きです。2月の声を聞いたので2月2日に2020年度版(2020年11月初めに漬け込んだ)のタクアンを三本取り出しました。いわば「食べ初め(たべぞめ)」ですが、初日はひとりあたり二切れを味わいました。

味の具合は80点くらい。当たり前ですが、タクアンの味わいは大根の品質に左右されます。大根は複数の農家のものを購入したのですが、もともとの大根の大きさや色艶とその大根の生産農家を思い出しながら、あの農家のあの大根ならこのくらいだななどと勝手に論評しながら取り出したばかりのタクアンを味わいます。

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取り出したタクアンは、すぐに食べないのは二つにカットして糠をたっぷりとつけたまま真空パックにして冷蔵庫で保管しておきます。一本を食べ終わったら次の一本をすぐに手当てすればいいのですが、寒い中での作業は頻繁に繰り返したくないので、三本くらいをまとめて取り出すようにしています。


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2021年2月 2日 (火)

「新型コロナの死者の平均年齢が日本の平均年齢と0.1歳しか変わらない」

「新型コロナの死者の平均年齢が日本の平均年齢と0.1歳しか変わらない」という主旨の記述と出合いました。もしそうなら、コロナの影響があっても、つまり若干背中を押されるということがあっても、死ぬ時期に近づいた(あるいは死ぬ時期に到達した)かたがその時期に亡くなっているということになり、「コロナによる死」ということに関しては、日本では、それほど大騒ぎをする類のことではないのかもしれません(新型コロナに係る外国人の受け入れ問題は別)。

厚生労働省の「簡易生命表(令和元年)」によると、2019年の日本人の平均寿命は男性が81.41歳、女性が87.45歳で、2018年と比較して男性は0.16年、女性は0.13年長くなりました。また、平均寿命の男女差は6.04年で前年より0.03年減少したようです。なお、平均寿命とは、0歳の人の平均余命を指します(生まれたばかりの赤ちゃんはあと何年生きられるか)。平均余命は時代とともに変化します。

下は以前(2018年3月13日)のブログ記事「平均寿命と健康寿命」で使ったグラフです。明治から太平洋戦争くらいまでは、日本人の平均寿命は50年未満だったことがわかります。

18982016

以下は「国立社会保障・人口問題研究所」のサイトから引用した「(日本における)新型コロナによる死亡者の性別・年齢階級構造(2021年1月25日現在)」です。正確に調べないと「新型コロナの死者の平均年齢が日本の平均年齢と0.1歳しか変わらない」かどうかは不確かですが、ざっくりとは、その指摘が正しそうです。

2021125

そういう指摘やデータもそれなりに役に立ちます。


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2021年2月 1日 (月)

ワクチンと非国民

四カ月ほど前に「平家物語と令和の義偉(よしひで)」という記事を書きました。菅総理はどうも「治安維持法」みたいな法律と政策が生来的に(あるいは気質的に)お好きなようだ、そういうのがはっきりと現れてきたいう主旨の記事です。最近も「「富岳(スパコン)を通じてSNS上の様々なつぶやきを分析している」といった発言が主要閣僚のひとりからあり、内閣もそういう色に染まりつつあるようです。入院を拒否した新型コロナ感染者に課すのが民事罰でなく刑事罰という発想も、そういう空気の反映かもしれません。

製薬会社が保証できない薬、最後まで責任を取れない薬は、普通は認可されないし、一般市民としては(新しい薬が大好きな人たちを除いて)そういうものには普通は怖くて近づけない。

今回のワクチンは、何かあっても、つまりワクチン接種者が副作用で死んでも、あるいは酷い後遺症が残っても製薬会社はその責任を問われない、なぜなら日本国政府が責任を取るからです。だから、需給が逼迫する中で製薬会社からワクチンを供給してもらえるようになった。そういう経緯のワクチンの接種が始まるみたいです。マスメディアも、日々、その応援報道で忙しい様子。でも、きちんとした治験も完了していないし、販売までのプロセスが普通の手順ではないという意味で変なのはやはり何か変だと考えておいたほうがよさそうです。

治安維持法に似たところのある特措法やその運用方法に目を向けると、背後には、どうも、太平洋戦争当時に醸成された「挙国一致」や「国民精神総動員」という言葉に象徴される人為的な政治の雰囲気と似たようなものが漂っているようです。菅総理が自分の無謬性に自信を持っているとすると「神国日本」という標語のほうがふさわしいかもしれません。無謬な存在とは神のような存在です。挙国一致の雰囲気に逆らうと、まわりから非国民とみなされ、白眼視される。

太平洋戦争中やその前に流行ったコトバ、当時のマスメディアが国民の「啓蒙」に使ったコトバを、当時の新聞の古い漢字でいくつか下に書き並べてみます。

・高度國防國家建設
・國民精神總動員
・擧国一致
・堅忍持久(けんにんじきゅう)
・月月火水木金金
・一億一心
・進め一億、火の玉だ

コロナとコロナワクチンとオリンピックに関して政府とその応援団であるところのマスコミが頻繁に発する用語やメッセージと上に引用したものを比べてみると、それぞれのメッセージや用語の奥に潜むものにはあまり差がありません――これは日本に限ったことではないにしても――。

かりにワクチン接種に慎重な態度をとり続けるとその人には「そういう抗体を持たない不遜な輩がいるとワクチン接種を受けた多数の国民が迷惑する、早くワクチンを接種しなさい」という圧力がどこかからかかりますが、その圧力を構成しているのは、「國民精神總動員」や「擧国一致」や(当時の主婦もタスキをかけて連呼した)「進め一億、火の玉だ」と同じ性質のものです。かつて「特高(特別高等警察)」という組織がありました。


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