お正月飾りはいつまで飾る?
門松やしめ飾りは「松の内」と呼ばれる期間内は飾ったままにしておきます。その「松の内」とは、正月事始めから神様がお帰りになるまでの期間を指すとして、松の内の終わりの時期は地域によって異なるようです。
我が家では今まで一月七日で、今年も一月七日で、東京でも札幌でもそうしてきました。しかし、四国東北部の瀬戸内では一月七日のところも確かにありますが、多くは小正月であるところの一月十五日までが松の内の模様です。モノの本で調べてみると、「関東や東北、あるいは九州などは一月七日まで、関西は一月十五日(小正月)までとする場合が多い」。来年からは、鏡開きも含めて、十五日に合わせようと思っています。
しかし「松の内」を神様がお帰りになるまでの期間だとすれば、「松の内」は一月七日や十五日ではなく、二月三日の節分(立春の前日)までとも考えられます。
節分は厄払いをして幸福を祈る行事と言われるとその通りではあるけれど、「節分」を、「節分」と「正月」の関係で、つまり「サト」と「ヤマ」のつながりで理解するのがいちばん腑に落ちます。
サトは、農耕の地。農作物がいっぱいで安定し生活も便利です。しかしその分、霊的なものの勢いが衰えています。一方ヤマは、霊的なものやスピリットのパワーに満ちています。だから、山伏たちは、霊的なものの力を求めて山に入る。
年に一度、サトの人たちは、ヤマから霊的なものにサトに降りてきてもらい、サトをヤマのスピリットで満たします。それがお正月で、霊的なものは「オニ」と呼ばれます。サトの家では、オニのための目印にヤマのシンボルを玄関に置きます。門松です。我が家でも以前、そういう意味で根付きの松を飾ったことがあります。
二月の節分までの一ヶ月あまりの間オニはサトを霊的なパワーで満たし、霊的な力がサトに充溢したらオニはヤマに帰ります。つまり「鬼は外」です。そのとき、サトの人たちは感謝の念を込めて豆を撒きます。
「節分」までを「松の内」とするのも悪くありません――松やウラジロのような植物の飾り物が萎びてしまうかもしれませんが。
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