経済・政治・国際

2020年1月21日 (火)

「兵に告ぐ」の格調と、「前畑頑張れ!」の躍動感と、言葉が生きていない「戦時社説」

「兵に告ぐ」は、1936年(昭和11年)2月26日に発生した「二・二六事件」(皇道派の影響を受けた陸軍青年将校らが1,483名の下士官兵を率いて起こしたクーデター未遂事件)に際して、2月29日8時48分から戒厳司令官・香椎(かしい)浩平中将の名で、下士官兵に向けて、NHKで繰り返しローカル放送されたものです。

書いた人の立場がどうあれ、また実際は誰が書いたのであれ、この文章には格調がある。アナウンサーの声を通した当日のラジオ放送(の録音)を聞くと語り掛ける言葉が生きています。

「兵に告ぐ」

「敕命が發せられたのである。
既に天皇陛下の御命令が發せられたのである。
お前達は上官の命令を正しいものと信じて絶對服從を
して、誠心誠意活動して來たのであろうが、
既に天皇陛下の御命令によって
お前達は皆原隊に復歸せよと仰せられたのである。
此上お前達が飽くまでも抵抗したならば、それは
敕命に反抗することとなり逆賊とならなければなら
ない。
正しいことをしてゐると信じてゐたのに、それが間違って
居ったと知ったならば、徒らに今迄の行がゝりや、義理
上からいつまでも反抗的態度をとって
天皇陛下にそむき奉り、逆賊としての汚名を
永久に受ける樣なことがあってはならない。
今からでも決して遲くはないから
直ちに抵抗をやめて軍旗の下に復歸する樣に
せよ。
そうしたら今迄の罪も許されるのである。
お前達の父兄は勿論のこと、国民全体もそれを
心から祈ってゐるのである。
速かに現在の位置を棄てゝ歸って來い。」

同じ年(1936年)の8月12日、ベルリン・オリンピックで、女子200メートル平泳ぎの実況が短波放送で日本に流れました。

「つづいて女子二百米平泳、前畑嬢が白い帽子、白いガウンで現れました、あと二、三分でスタートします、どうぞ時間が来ても切らないで下さい」で始まる「前畑頑張れ!」という、もはや詩を謳うに近かった実況放送でも言葉が躍っています。

「・・・・・あと25、あと25、あと25。わずかにリード、わずかにリード。わずかにリード。前畑、前畑頑張れ、頑張れ、頑張れ。ゲネンゲルが出てきます。ゲネンゲルが出ています。頑張れ、頑張れ、頑張れ頑張れ。頑張れ、頑張れ、頑張れ頑張れ。前畑、前畑リード、前畑リード、前畑リードしております。前畑リード、前畑頑張れ、前畑頑張れ、前、前っ、リード、リード。あと5メーター、あと5メーター、あと5メーター、5メーター、5メーター、前っ、前畑リード。勝った勝った勝った、勝った勝った。勝った。前畑勝った、勝った勝った、勝った。勝った勝った。前畑勝った、前畑勝った。前畑勝った。前畑勝ちました。前畑勝ちました。前畑勝ちました。前畑勝ちました。前畑勝ちました。前畑の優勝です。前畑優勝です・・・・・」

それから、5年後の1941年(昭和16年)12月9日。「帝国の対米英宣戦」と題する、太平洋戦争開始の翌日の某新聞の社説から一部を引用します。上の二つと並べてみると、その社説は大袈裟な漢語の寄せ集めで言葉が生きていません。

「宣戦の大詔ここに渙発され、一億国民の向うところは厳として定まったのである。わが陸海の精鋭はすでに勇躍して起ち、太平洋は一瞬にして相貌を変えたのである。・・・・・すなわち、帝国不動の国策たる支那事変の完遂と東亜共栄圏確立の大業は、もはや米国を主軸とする一連の反日敵性勢力を、東亜の全域から駆逐するにあらざれば、到底その達成を望み得ざる最後の段階に到達し・・・・・事ここに到って、帝国の自存を全うするため、ここに決然として起たざるを得ず、一億を打って一丸とした総力を挙げて、勝利のための戦いを戦い抜かねばならないのである。いま宣戦の大詔を拝し、恐懼感激に堪えざるとともに、粛然として満身の血のふるえるを禁じ得ないのである。一億同胞、戦線に立つものも、銃後を守るものも、一身一命を捧げて決死報国の大義に殉じ、もって宸襟を安んじ奉るとともに、光輝ある歴史の前に恥じることなきを期せねばならないのである。」

この格調の差はどこから来るのか。「兵に告ぐ」が「下士官『兵』」に呼びかけており、「前畑頑張れ!」が前畑選手とラジオの前の人たちに向かって呼びかけているのに対して、「社説」は国民に語りかける体裁を整えながら実際は当時の内閣の顔色をうかがった文章になっています。その差です。

この社説が書かれてから80年近く経過しましたが、真摯な言葉で人々に語りかけるごく一部の政治家を除いて、この種の生きていない言葉を連ねた文章や発言は相変わらず国会にもマスメディアにも溢れています。しかしそれを生きた言葉と勘違いしてしまう(あるいは仕事のために勘違いしたフリをする)人たちも少なくなさそうです。


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2020年1月20日 (月)

もう少し雪を

雪が少ないので寒い、という事態は、ぼくにとっては「雪がないのでとても寒いですね」に書いた通りだとしても、雪が少ないといろいろと悪影響が出る恐れがあります(一部は実際に出ています)その影響対象は、ここでは、「ナナカマド」と「札幌雪まつり」と「秋小麦」です。

Photo_20200119094101 

このナナカマドは去年の12月上旬に撮影したもので、ナナカマドの赤い実の上半分が雪で覆われています。雪が普通に降り続くと、ナナカマドはこの白い帽子を被った、見ていて楽しい状態を2月初めくらいまでは持続します。しかし、今年は雪が少ないのでその帽子も直ぐに融け、そのあと冷たい風が吹き渡るので、近所のナナカマドに関する限りは、赤い実が年末には全て落ちてしまいました。残念です。

札幌雪まつりは、地元の雪ではまったくの雪不足です。だから雪像作りに必要な雪を札幌から数十キロ離れた雪の多い地域から運んできています。もっともときどきはこういう事態になるので運営管理者は対応方法には慣れています。札幌ではホテル代が一年で一番高いのは2月の雪まつりの頃です。ホテルや飲食店などがもっとも観光関連収入が稼げる時期なので、雪の大量輸送にお金がかかっても引き合います。

小麦は、種まきの時期によって、秋小麦(秋まき小麦)と春小麦(春まき小麦)の二種類に分かれます。

春まき小麦は4月~5月に種をまいて8月上旬~中旬に収穫します。主にパン用になりますが、秋まき小麦に比べて栽培される期間が圧倒的に短いので収穫量が少なく、しかも、収穫期の8月は雨の日が多い年があるため品質が不安定になりやすい。今年の春小麦は一般消費者向けには限定販売しかできませんという年もときどきあります。

秋まき小麦は9月中旬に種をまき、10月上旬に芽が出ます。この新芽は雪の下で静かに冬を越し、翌年の7月下旬~8月上旬に収穫されます。雪の下は雪が外気を遮断するため地上に比べると温度が下がらず0℃で維持され、しかもほどよい湿度も確保できる。雪の下キャベツや雪の下ダイコンと同じ環境です。

雪の蒲団は温かい。雪がなくて氷のような冷たい風が畑を吹く抜けると芽は死んでしまいます。今は雪がそれなりに十分にあるとしても、今後の積雪量によっては困った事態になる恐れがあります。秋小麦は主に「うどん」などに使われます(下の表で「日本麺用」というのは「うどん用」という意味です)。近年はパン用の品種も登場しています。

Rev_20200119094201  
【註】色を付けた品種(銘柄)は、我が家で実際に使ったことがあるか(たとえばそれでパンを焼いた)、あるいはそれを使った加工食品を食べたことがあるもの。

ということで、雪よもう少し降れ。


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2019年12月25日 (水)

古事記雑感(古事記は殺しの歴史)

必要があって、古事記に再び目を通してみました。といっても神々や天皇家の系譜がうんざりするほど並ぶくだりは、今回のぼくの目的にとっては意味がないのでパラパラと勢いよく読み飛ばします。

古事記はある意味では天皇家やその周辺の殺しの記述書です。分類の好きな学生なら、古事記、すなわち豊葦原瑞穂国(とよあしはらのみずほのくに)における殺人の種類と遺体処理の方法とその特徴を他の文化との比較で論文にできるかもしれません。

どこの国でも国造りの歴史は殺しの歴史で、異族(東夷〈とうい〉・西戎〈せいじゅう〉、南蛮、北狄〈ほくてき〉と同じように勝手な物言いですが)を平定するときの殺戮だけでなく、同時に権力闘争における親兄弟や親戚の殺しの歴史でもあります。

天武天皇の舎人であった稗田阿礼は帝紀・旧辞の誦習を命じられたので殺戮を含めた全部を記憶するとしても、その筆録・編纂係であった太安万侶も殺戮の詳細を状況によって排除しようとは考えなかった。国家権力はそういう恐ろし気な存在でないと周囲の抑えが効きません。

人殺しの記述が多いと書きましたが、暗殺、虐殺・・・殺し方や死体の処理のしかたを簡潔だけれども細かく記述してあります。上巻のスサノオや大国主のあたりはまだ神話的な殺人の雰囲気ですが、下巻になると現在の劇場映画のレベルになってきて、場面によっては北野武監督の「アウトレイジ」を彷彿させます。

たとえば、「下つ巻 安康天皇 3 市辺の忍歯王の難」(岩波文庫 p.183)には次のような記述があります。

《ここにその大長谷王の御所に侍ふ人等白ししく「うたて物云ふ王子ぞ。故、慎みたまふべし。また御身を堅めたまふべし。」とまをしき。すなはち衣(みそ)の中に甲(よろい)を服(け)し、弓矢を取り佩(は)かして、馬に乗りて出て行きたまひて、倏忽(たちまち)の間に、馬より往きならびて、矢を抜きてその忍歯王を射落して、すなわちまたその身を切りて、馬桶(うまぶね)に入れて土と等しく埋みたまひき。》

《大長谷(註:のちの雄略天皇)の側に仕える者たちが彼に申し上げていうことには「かの忍歯(おしは)の御子は無礼な物言いの御子なので、用心してください。また、しっかり武装しておいてください。」大長谷は衣の下に鎧(よろい)をきて、弓矢をとって馬に乗って出て行き、たちまちに追いついて馬をならべ、矢を抜き出して忍歯王(おしはのみこ)を射落として、その身を切りきざみ、馬の飼葉桶(かいばおけ)に入れて地面と同じ高さに埋めてしまった。》

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2019年12月19日 (木)

最近はわかりやすい魑魅魍魎が跋扈する、あるいは、(続)IRに関して、ふわふわ路線が役に立つ

IRに関して、ふわふわ路線が役に立つ」の続きです。

金儲け絡みの、あるいは利権と言われるものが絡んだものごとの構図は基本的には単純なので、そういうものを魑魅魍魎(ちみもうりょう)と呼ぶとしても、近頃の魑魅魍魎は分かりやすくなり、おどろおどろしさに欠けるようです(ちなみに、魑魅魍魎とは、もともとは山川の精霊のことですが、いろいろな化け物やさまざまな妖怪変化を指すようになりました)。そういう意味では、現在最もお化け的な魑魅魍魎らしさが満載なのは「地球温暖化とCO2利権」だと思われます。マスメディアも子供も巻き込んで世界中が姦しい。

そういうメディアも子供も巻き込んで世界中がもっと姦しかった状態は80年くらい前にもあって、第二次世界大戦と呼ばれました。日本の少年少女は神国日本や鬼畜米英という言葉を刷り込まれたし、ドイツの少年少女は右手を前に挙げて「ハイル ヒトラー」と叫びました。その前はヨーロッパ中が第一次世界大戦の熱とそれぞれの正義に酔っていました。正義への熱狂という意味では十字軍というのもありました。

十代後半で数学や詩作に天才を発揮し天才的な成果を残す若者は確実に存在しますが、自然科学と社会科学の両方の客観的な分析や比較考量が必要な「地球温暖化とCO2」の総体は十代後半には敷居が高い。我知らず、IPCCという政治指向の強い(あるいは魑魅魍魎な)グループが発するプロパガンダの拡声器になることはできるし、自分の正義感は満たされるとしても、それを超えることは難しい。

「地球温暖化とCO2」に比べるとIRなんぞというものは、魑魅魍魎(ちみもうりょう)の度合いが小さいとしても、そういう「しょうもない」ものを北海道に持ち込まれても迷惑です。だからカジノを含む統合型リゾート(IR)の北海道への誘致申請を見送るという先月(2019年11月)末の北海道知事のスピーチはけっこうなことだなと思っていたら、その魑魅魍魎の正体の一部が徐々に露見し始めたようです。けっこう可笑しい。

「自民党の□□□衆議院議員の元秘書らをめぐる外為法違反事件に絡み、東京地検特捜部がIR=統合型リゾート事業について道庁(註:北海道庁)などから資料提出を受けていたことが分かりました。・・・・その後の関係者への取材で、特捜部が今月10日から11日ごろ、IR事業について、道庁から資料提出を受け、任意で事情を聴いていたことがわかりました。」(北海道放送 2019年12月17日)

最近は実際の事件のリアリティ・レベルがテレビドラマの脚本のリアリティ・レベルをはるかに超えていることも多いのですが、このIRの魑魅魍魎の様子はまったくそうではなくて、海外のIR事業者と永田町の住人とその秘書が図式通りに動き回っており、まるで「絵に描いたような」展開のテレビドラマです。

大学入学共通テストにも、誰が得をするかという意味での構図のはっきりした魑魅魍魎が潜んでいて、だんだんその姿が見えてきました。こちらは事業対象がバクチではなく入学試験なので、金と権力でゴリ押しするというだけでは実行できないし実効性も保証されません。

テストの採点とIRでお金儲けを企んでいた人たちにはとりあえずは残念な話です。魑魅魍魎は化け物なので生命力はとても強いはずです。


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2019年12月 2日 (月)

IRに関して、ふわふわ路線が役に立つ

「北海道の鈴木直道知事は29日午前の道議会で、カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致申請を見送ると表明した。・・・・2021年7月までの国への申請を断念したことで、北海道の成長シナリオも再考を迫られる。」(日本経済新聞 北海道経済ページ 2019年11月30日)
 
その記事には「成長シナリオ再考、不可避」「IR誘致、道見送りに落胆の声」「経済界『大きな痛手』」といかにも日本経済新聞らしい見出しと、地域の経済団体のIR誘致賛成者の意見が並んでいます。税収増や新規雇用についての言及もあります。
 
しかし、北海道(苫小牧)にラスベガスを作っても「しょうもない」。
 
北海道のIR事業にはどういう海外事業者が関心を示しているのか知りませんが、たとえば大阪のIR構想に大いに興味を持っているIR事業者は「米国MGMリゾーツ・インターナショナル」や「米国最大手のラスベガス・サンズ」、それから「香港メルコリゾーツ&エンターテインメント」などです。北海道がIR誘致に手を挙げたら似たような体臭の事業者が魅力的な事業計画を提出するのでしょう。
 
パチンコという博打は日本全国に存在していてもそれは軽微なものだし、競馬や競輪や競艇も(それから宝くじも)国家認定の博打ではあるので、IR誘致に伴い国家認定でさらにレベルの高い博打を解禁するなら、IRなる巨大な遊び場でヤクの解禁もついでにいっしょにやった方が経済効果は高いと思われます。
 
原発建設ではプラスの効果しか見ないようにしてきたし、IRという名の博打誘致でもプラスの経済効果しか見ないようにしているので、そこでヤクを合法販売してその追加経済効果を含めて投資回収と持続効果を計算してもとくには問題ないと思われます。そこに博打を合法的に持ち込むのも、ヤクを合法的に持ち込むのも、経済の押し上げという点では同じことです。世界には、博徒とヤクが合法化されている国や地域は少なくない。そこまで踏み込めば原発再稼働が大好きな経済人らしいのですが、そこまでは言い出さない。
 
「総合的に道民目線で判断する」というのが現在の北海道知事の意思決定基準のようです。実際にそう表明している。狭義には「道議会の目線で判断する」「道議会の多数意見に従う」ということになります。ふわふわ路線ですが、北海道にラスベガスを作っても「しょうもない」ので、ふわふわ路線もこういう時には大いに力を発揮します。


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2019年11月28日 (木)

天気予報の不思議な用語

天気という自然の気まぐれがどう推移するのかを前もって予測するのを天気予報といいます(そう聞いている)。日本だと8月は暑い2月はとても寒いというような大まかなのではなく、明日の夜明け頃の温度は?とか、明後日の午前10時は傘が必要か?とか、そういったことを自然の気まぐれを踏まえて予測することなので理屈から言って当てるのは難しいということになります。でも、冬の札幌だと、晴れのち曇りのち雪、ときどき強い風が吹く、とでも言っておけば、常に50%以上は正しいので切り抜け方はあります。
 
気象庁や気象台のデータに基づいたインターネットの天気予報サイトなどで顕著な現象のひとつは、天気予報が、後から生じた事実によって順番に修正されて、気がついて見れば「天気後報」になっていることです。予報と実際を並べて表示してくれると利用者としては差が確認できて便利なのですが、そういう余分なサービスは提供されません。
 
気象予報士のかたがお好きな天気予報関連用語で、ぼくにとっては不思議なものの代表格が「観測史上まれな」と「記録的な」です。不思議と言いましたが、落ち着きのないまだ未成熟な用語と言ったほうがいいかもしれません。
 
「観測史上まれな」は、なんとなくは、言葉の意味はわかります。「観測史上」なので、常識的には「気象庁や気象台やそれに類する官製組織が明治以降に成立して以来という範囲の中では」という意味だと思いますが、でも民間観察記録だと千年前や数百年前の洪水や津波などの異常気象の記録も古文書に残っているのでこういうのは観測というのか言わないのか。これもその事実の確認が取れていれば「観測史上」の出来事ですが、気象庁や気象予報士はそういう情報を「観測史上」には含めないみたいです。
 
気象庁管轄データにしても、100年ほど前からデータが揃っている地域と、直近数十年未満のデータしか揃っていない地域があるはずで、だから特定地域の予報をしているときに「観測史上稀な暴風雨」というだけでなく、過去100年の観測史上においてはとか、過去50年の観測史上とかを補足してもらえると過去何年くらいの時間軸でその話をしているのかがわかります。
 
もうひとつのぼくにとっての不思議、は「記録的な大雨が予想されています」という言い方における「記録的」という言葉の意味です。
 
インターネット上の辞書サービスで調べてみると、「記録的」とは
 
・従来の記録に並ぶ、また、それを上回るほど程度が甚だしいさま。「記録的な猛暑」
・特に書きとどめる価値があるほど珍しいさま。「記録的な降雪量」
・記録されて後世に伝えられる程であるさま
 
という意味で、念のために手元の広辞苑で「記録的」を引いてみると、
 
・記録すべきほどに程度が甚だしいさま。「―な大雪」「―な売行き」
 
となっています。複数の気象予報士の口吻にもっとも近いのは「従来の記録に並ぶ、また、それを上回るほど程度が甚だしいさま」という説明なので、そうなら、そういう表現で報じてほしいと思います。Record-breaking のほうがわかりやすい。しかし、従来の記録を超えるかもしれないが意外とそうでないかもしれないという自信のなさ、曖昧さを含ませるために「記録的な」という未成熟な言葉をわざと選んでいるのでしょうか。
 
と、勝手を言いましたが、気象庁のウェブサイトにある「雨雲の動き(高解像度降水ナウキャスト)」は、自分が今いるあたりやこれから出かけるあたりの雨雲や雪雲の動きを1時間前から1時間後まで細かいメッシュのグラフィックで教えてくれて、けっこう重宝しています。

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2019年11月27日 (水)

続続・札幌の雪の準備

札幌市の繁華街で、とある老舗百貨店のすぐそばの交差点にあった滑り止め材(砂、正確には細かく砕いた砕石)と木箱です。砂箱の右下に朝に降った雪がまだ残っています。写真の左上には旧型の市電が走っているのがわかります。
 
百貨店前なので、古いですが、渋い色合いの木箱です。この木箱にはどこで区切ったらいいのかわからない感じで似たような意味合いの漢字熟語が並んでいて、つまり、この木箱を提供したのは北海道開発局と札幌市が共同運営している「冬期路面管理充実計画策定協議会」と読めます。「管理」・「充実」・「計画」・「策定」・「協議」とにぎやかです。
 
凍った雪の横断歩道で足を滑らせないように、砂袋を破って黒い砂を道路に播き、残った砂袋は「使用済砂袋 お入れ下さい」と書いてあるところを押して、そこにプラごみを捨てる要領で押し入れます。

2019_20191126190401

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2019年11月25日 (月)

雪と株価と木製の砂箱

北国では雪は降ったり止んだりしながら積もっていきます。そのあたりを見渡す限り白くし、ナナカマドの赤い実に縁なし帽子のように重なります。でも、日中の気温が10℃近くなり、ついでにそれなりの量の雨でも降ると、地面はまた元の状態に戻り黒くなりますし、ナナカマドの実も白い帽子を失います。
 
昨日(日曜日)の午前8時の気温は、なんと11.3℃で(札幌ではとても暖かいという意味です)、雪はまったく影がありません。近所のベンチを蔽っていた雪もすっかり消えてしまいました。予報天気によれば、昨日の最高気温は16℃、最低気温は9℃でした。今日(月曜)の朝も、雪の予報がはずれて雨模様です。これで完璧に雪は洗い流されます。気温は3℃。二~三日は雪を見なくても済みそうです。しかし、いつ急に雪になるかわかりません。
 
雪が積もり、やがて根雪になり、さらにその上にまた降り積もって段々と雪が高くなっていく様子は、堅調な成績の企業の株価が、値の上下動呼吸を循環的に連続させながら、気がついたら半年前の1.5倍近くにになっていたという状況に似ているかもしれません。株価が高止まりし続けるするというのは珍しいとしても、根雪はうずたかく層状に重なって春までしっかりと高止まりします。
 
滑り止め材用の箱も当初は企業のマークが入ったきれいなものが目につきましたが、徐々に札幌市が税金だけで作った木の古い砂箱も交差点に持ち出されてきました。それなりに場所を取るしそれ以外の使い途はないはずなので、使わないときはどこに保管してあるのか不思議です。春になれば解体し冬ごとに組み立て直すのでしょうか。でもそれも手間暇がかかります。

2019_20191124184501 夕方の交差点
 
関連記事は「雪とナナカマド」。


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2019年11月18日 (月)

若い中国人カップルにバスで座席を譲られた

札幌市内の始発停留所で乗り合いバス(という古めかしい表現を使いますが)に配偶者と荷物を持って乗り込み、配偶者は坐れてぼくは立っていたら、配偶者の隣に腰かけていた若い男女カップルのうち男性が立ち上がり、連れの女性がぼくに手を振って、どうもここに坐れと合図を送っています。「いや、ぼくは大丈夫です」と言っても手は振りやまないので、いささか照れながら、その申し出をありがたくお受けしました。膝に重い荷物を置けるのでとても助かりました。
 
「ありがとうございました」と比較的大きな声でお礼をしたところ、軽く肯いてくれたようでした。つり革につかまって立っている男性に申し訳ないので「お連れ様には申し訳ありません、感謝します」とその女性に言ったのですが、聞こえなかったのか、それ以上のコミュニケーションは成立しませんでした。
 
ぼくの右隣でスマホで何かを検索している風情なので画面をちらっと拝見すると、中国語でした。彼女が「ありがとう」はわかるけれど、それ以外は日本語を理解しないと考えると、追加的なコミュニケーションが無理だったことの理由が納得できました。そう納得したあとでそういう気持ちで男性の服装を拝見するといくぶん「らしい」ところが感じられます。
 
10年前は、中国人観光客は団体旅行やグループ旅行が多かったという事情もありますが明らかに中国人観光客でした。数年前も、家族単位の旅行が目立つようになっても、デパ地下やデパートの化粧品売り場での様子を引き合いに出さなくても、中国人観光客はやはり中国人観光客でした。しかし、2年くらい前からしゃべらない限りは日本人観光客と見分けがつかないかたがたが急に増えてきました。それが札幌市内でのぼくの実感です。
 
そして今年は、乗り合いバスで、そうとは知らずに、若い中国人男女カップルに席を譲られました。

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2019年11月15日 (金)

続・札幌の雪の準備

昨日の記事で、札幌で雪の季節を迎えるための身近な準備作業として次の三つを挙げました。
 
・低木や灌木の雪囲い(完了)
・道路際の赤白ポール(完了)
・交差点の滑り止め材と砂箱(進行中)
 
もうひとつ、札幌らしい進行中の雪の準備がありました。「落雪注意」の掲示板です。ホテルやオフィスビルなど人の出入りの多い建物の歩道側に置かれることが多いようです。雪が舞い始めた昨日の午後4時ころ北海道庁の比較的そばにあるホテルにそれが置かれていました。外気温はマイナス1℃です。
 
H_20191114183601  
 
「落雪注意>のすぐそばの大きな交差点に、今年の「滑り止め材」とそれを入れる「砂箱」が既に設置してありました。「赤白ポール」も隣でいっしょに写っています。この砂箱は、ある企業が寄付したもので、札幌中心部ではそういう寄付砂箱も少なくありません。マーケティング目的で企業名が書かれていますが、その部分は写していません。
 
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降り始めた雪が樹々の紅葉や黄葉やまだ緑の葉に少しずつ積もり始めていました。どうも冬です。
 
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