経済・政治・国際

2017年7月24日 (月)

大豆を食べよう、大豆は食べるな

大豆はそのままでは毒なので、東アジアの人たちは、未成熟の種子を枝豆として食べたり、成熟した種子を煮物にしたり、あるいはもっと時間をかけて加工したり発酵させたりして食べものとして長い間つき合ってきました。加工食品、発酵食品とは、豆腐、湯葉、厚揚げ、豆乳ヨーグルト、味噌、醤油、納豆などのことです。インドネシア発祥のテンペという納豆みたいな食品もあります。
 
とくにITに詳しいわけでもない一般の人々にインターネットが普及し始めたのは1995年以降です。ブラウザーの進歩やスマートフォンなどの登場もあり、この20年余りで、インターネットは日常生活の必需品、というかとくに意識せずに接している生活機能の一部になりました。食べものの世界でも、20~30年で世界は相当に変わります。
 
SOYINFOCENTERという、大豆(とくに歴史的な視点から見た大豆というもの)に関してはほぼどんな情報でも提供している独立系のサイトがあります。その情報をお借りすると、大豆の歴史は以下のように要約できます。
 
「大豆は紀元前11世紀に中国の東北部で栽培され始め、それから3000年間、その大部分は、豆腐や醤油、豆豉(トウチ:塩漬け発酵乾燥黒大豆)や味噌や納豆、豆乳のような加工食品として利用されてきた。ただし、一部は、そういう処理はされずに枝豆や煮豆として食された。」
 
「大豆が油として利用されたのは、中国の記録では紀元980年が最初である。油は照明用に、油(の搾り)粕(かす)は中国南部でサトウキビ畑用の窒素肥料として使用された。」
 
「それ以外の大豆の「近代的な」使われ方が始まったのは1908年の英国で、大豆油は石鹸に、油粕は家畜の餌に利用された。そういう大豆利用の西洋風パラダイムが世界に拡大したのは1942年以降である。」
 
SOYINFOCENTERの記述をもとに、それ以外の情報も加えて、食用農産物としての大豆の歴史を経済史風に整理してみると、以下のようになります。
 
■紀元前11世紀~1907年:東アジアに生産と貿易が集中(生産拠点である中国東北部を中心に中国南部、そして朝鮮と日本)
 
■1908~1930年:欧州への中国東北部(古い用語では旧満州)産大豆の輸出が拡大
 
■1931~1941年:米国の大豆生産が急増する一方、中国東北部の輸出が激減
 
■1942~1955年:米国が世界最大の大豆生産国へと成長
 
■1956~1969年:東アジアの大豆生産が減少し、米国の輸出が増大
 
■1970年以降   :南米諸国と米国との競争が激化。米国で大豆など主要作物における遺伝子組み換え商業栽培を開始(1996年)。ブラジルで遺伝子組み換え大豆栽培認可(2003年)。遺伝子組み換え大豆の作付けが米国で80%に達する(2003年)。日本でも遺伝子組み換え大豆を使った食品の販売が始まる(2003年)。
 
主に発酵食品として3000年間ヒトの口に入ってきた大豆が、20世紀後半の50年間で、ヒト用の大豆油と家畜・家禽用の飼料のデフォになり、またこの20年で遺伝子組み換え作物のデフォにもなりました(米国における遺伝子組み換え大豆の作付比率は、現在は90%以上)。同時に大豆は、タンパク質が豊富な畑の牛肉であり(つまり健康食品であり)、大豆油も健康的なn-6系植物油としてひとびとの人気を集めてきました。
 
そしてその人気と並列して、この10年で安全・安心な食べものを求める人たち、あるいは健康に敏感な人たちの間で大豆離れ、大豆油離れの波も広がってきました。食べものの世界でも10年間で「常識」と「知見」はけっこう変化します。
 
現在は、大豆生産国の政策とバイオ企業のマーケティングと人々の安心な食や健康に対する関心と無関心が入り混じって、「大豆を食べよう」と「大豆は食べるな」と「大豆食品は選択的に食べよう」が併存しています。
 
 
◇ ◇ ◇
 
ちなみに、紀元前11世紀以前はどうだったのか。大豆が栽培され始めたのは紀元前30世紀という記録もあるらしい。紀元前11世紀は華北を統一した周王朝の時代です。紀元前30世紀は殷王朝が成立するはるか以前です。
 
農作に適していない痩せた土地がある。大豆はそういう痩せた土地でも、窒素吸収力が強いのでよく育つ。育つだけでなく、その土地を豊かにする。つまり、もともとは、痩せた土地を豊かにするための作物として大豆が栽培されたらしい。(なお、大豆が、痩せた土地で手をかけなくともよく育つという事実は日本の東北地方や北海道の記録でも確認できる。)
 
しかし、固有の毒性から大豆は、2000年間は、食用の対象ではありませんでした。大豆が食材になるのは、誰かが大豆を発酵させて食べることを考えついた紀元前11世紀からです。強いアクをもった根菜類のアク抜き方法を開発して食べ始めるということもそうですが、食べものに関しては、たとえば発酵といった調理方法のブレイクスルーが突然発生します。その結果、21世紀の我が家でも北海道産の大豆を使った自家製味噌を作り続けることができるわけです。

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2017年7月11日 (火)

食べたくてしかたがない、やっつけたくてしかたがない

防御本能から相手をやっつけるというのは、やっつける程度にもよりますが、不可思議な行為ではありません。しかし、これが、正義のために敵をやっつける、神様(ないしは、そういうもの)のために敵を抹殺するとなるとどうなるか。そういう行為もぼくたちはそれなりに納得してしまいます。昔も今も頻繁に目にする光景です。
 
どうしてそういうことが繰り返されるのか、そして、そういうことに違和感を抱かないのということを、それなりにきれいに説明してくれるのが、ポール・マクリーンのいう「脳の三層構造(ないし三位一体型の脳)」です(下がその絵。ただし、ここでは「魚類脳」という余分なものを追加してある)。
 
「人類は苦悩している。自然は人類に三つの脳を授けたが、それらは構造がひどく異なるにもかかわらず共に機能し、たがいに通じ合わなければならないという代物だ。この三つの脳のうち最古のものは基本的に爬虫類の脳であり、二番目が下等哺乳類から受け継いだ脳である。そして三番目は後期哺乳類から発達した脳で、それが人類を異様に『人類的』にしてきたのである。」つまり、「本能脳」と「情動脳」と「知性脳」という育ちと構造の違う三つの脳が辻褄合わせをしながらなんとか共生しているのが「ヒト」だということです。
 
Photo
先日、伝統的な大豆の発酵食品であるところの「味噌・醤油・納豆」の人体への悪影響について気になる記述があるらしいというので、それを確かめるために「最強の食事」(デイヴ・アスプリー著、栗原百代訳)を読んでみましたが(関連記事は「味噌と醤油とヒスタミン」)、その本の中で、上述の「三位一体型の脳」モデルが参照されていました。
 
著者の考え方の文脈におけるこの絵のポイントは、知性脳と情動脳と本能脳の三つにバランスよくエネルギーを補給しないと、知性脳は疲弊してしまい、情動脳と本能脳の暴走を知性脳は食い止められないということです。「低脂肪、低カロリー」の健康ダイエットは、知性脳をまっさきにエネルギー切れにするし、いわんや、そのあたりのオメガ-6系の植物油たっぷりのファストフードにおいておや、です。「食後のスイーツは別腹」という知性脳の判断も、要は、不適当な食べもので刺激された情動脳と本能脳の突進を、不適当な食べもので判断力の衰えた知性脳が食い止められなかった結果だ、ということです。
 
古い脳にはプラス面とマイナス面があります。内臓感覚や植物感覚にもとづいた宇宙リズムとの共振といった微細な感覚は、新しい脳にはない古い脳の持つプラス面です。マイナス面は、大きくは、自分の神と同じ神を信じない人たちを「献身的に」殺していく宗教戦争であり、イデオロギーによる大量粛清などです。小さくは、我々におなじみの、突然に湧き上がる不合理な激情です。たとえば、「ふとわれに返ったときには、大型容器のアイスクリームを半分も平らげてしまっている」(最強の食事)という事態です。
 
しかし、もっとややこしいのは、いい食べものを食べて知性脳と情動脳と本能脳の三つにバランスよくエネルギーを補給すれば、小学校のクラスで見られるイジメみたいなもの、たとえば「ボクは良い子で強い子なので核兵器を持ってもいいけれど、キミは悪い子で弱い子なので核兵器を持っちゃだめだよ。クラスのほかの子もそう言っているよ。約束を守らないとイジメちゃうよ。」がなくなるかというと、必ずしもそうではないらしいということです。

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2017年7月 5日 (水)

大豆と大豆を使った食品に関する複数の考え方

食べものを含む特定の対象物に対する常識、あるいは考え方、あるいは知見は時とともに変化します。常に進歩とは言えませんが、そういう方向に変化することを、ぼくたちは、いちおうは期待しています。そして、たいていは、別々の時期に生まれた異なった複数の考え方や知見が、おのおのの勢力範囲を徐々に変えながら、同時に存在しています。食品としての大豆に関してもその図式が当てはまるようです。
 
(グループ1)大豆は健康食品であり、伝統食である。
 
・大豆はタンパク質の豊富な健康食品である。「畑の牛肉」と呼ぶ人もいる。
 
・大豆が健康食品と考えているのは日本人だけでなく、たとえば多くの米国人もそう考えている。米国のスーパーマーケットではTOFUは人気食品のひとつ。赤ちゃん用の粉ミルクがありますが、大豆の粉ミルクというのも米国では需要が高い。
 
・大豆は、とくに加工食品や発酵食品は、ぼくたち日本人の食生活からは切り離せない。大豆がないと、豆腐も厚揚げも味噌も醤油も納豆も作れない。
 
 
(グループ2)発酵食品以外の形で大豆を食べると、健康を害する場合がある。大豆はほとんどが遺伝子組み換えなので、それも問題である。
 
・米国で生産されている大豆の90%以上が遺伝子組み換え。遺伝子組み換えということは、除草剤や殺虫剤に耐性があるような具合に(そんなものを噴霧されてもどうということもないように)遺伝子を組み換えられているということ。大豆を食べるということは、よほど注意していないとそういう不思議な農産物、あるいはそういう不思議な農産物をエサにして育てられた家畜を食べるということ。これは人類史上初めての経験なので、どういう風な影響が出るかは誰もよくわからない。
 
・大豆油はn-6系のリノール酸を多く含む植物油のひとつ。つまり、日本人が揚げ物や加工食品(ドレッシングやマヨネーズ)を通して過剰に摂取している油のひとつです。消費量は抑えた方が健康的。
 
・大豆は、納豆や味噌や醤油のような大豆を発酵させた食品は別だが、サポニンやフィチン酸といった自然毒素であるところの反栄養素を含んでいる。この反栄養素は、タンパク質の消化酵素の働きを阻害する。
 
・大豆に含まれるイソフラボンは女性に悪影響を与える。
 
・大豆粉ミルクは、大豆に含まれるエストロゲンが赤ちゃんの健康を危機にさらす。
 
・大豆油、豆乳、豆乳を使ったヨーグルトやチーズ、大豆で作った「もどき牛肉」、大豆タンパク、大豆粉ミルクなどにはMSG(グルタミン酸ソーダ、グルタミン酸ナトリウム)が含まれていることが多いので食べないほうがいい。
 
・食品表示法では「【アレルギー物質を含む食品の原材料表示について】(食品衛生法に基づく)」という項目で下記の原材料の表示を義務付けている。その理由は「近年、乳幼児から成人に至るまで、特定の食物が原因でアレルギー症状を起こす人が増えてきました。アナフィラキシーショックも年々増加しています。・・・食物アレルギーでは、極微量でも発症することから、加工食品1kgに対して数mg以上含まれる場合、表示されることとなります」。
 
 必ず表示しなくてはならない特定原材料は「卵、乳、小麦、落花生、えび、そば、かに」、それから表示が勧められている20品目は「いくら、キウイフルーツ、くるみ、大豆、バナナ、やまいも、カシューナッツ、もも、ごま、さば、さけ、いか、鶏肉、りんご、まつたけ、あわび、オレンジ、牛肉、ゼラチン、豚肉」で、大豆は20品目のうちのひとつ。
 
 
(グループ3)大豆は、発酵させてあっても、悪影響を被る人がいる。
 
・グループ2では、健康にいい食べもの、安全・安心な食べものとされている「大豆の発酵食品」(つまり、味噌や醤油や納豆など)も、発酵過程で生成された生体アミン(ヒスタミンやチラミンなど)がそれを食べた人に炎症やアレルギーなどの悪影響を及ぼすことがあるので、それらに敏感なかたは大豆発酵食品も避けた方がいい(関連記事は「味噌と醤油とヒスタミン」)。
 
 
以上、現在、世界に同居している「大豆や大豆食品に関する複数の考えかた」をまとめてみました。このブログの身近な読者からそういうリクエストがあったからです。個人メモ的な記事です。
 
【註】国産大豆の国内大豆消費量に占める割合、つまり自給率は、5%~6%程度です。大豆は、日本では、煮豆惣菜として食べたり、豆腐や油揚げという形で食卓に並べたり、味噌・醤油・納豆といった発酵食品に加工して口に入れています。植物油の原料としても大豆は大量に使います。
 
内訳をみると、食品用(豆腐や味噌や納豆として食べる)の自給率は21%くらい。油糧用(植物油用)の自給率は0%。つまり、大豆は大部分が米国などから輸入されています。油糧用(植物油用)の大豆消費量は食品用の約3倍なので、総体的な自給率は5%程度になります(農水省データ)。

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2017年6月15日 (木)

杉(スギ)と白樺(シラカバ)

以前、札幌ではないところで暮らしていたころは、けっこうなスギ花粉症でした。北海道は函館あたりがスギの北限なので、スギ花粉症の人は、函館よりも北で暮らしていると、スギ花粉症とは縁が切れます。製薬会社のウェブサイトの「花粉カレンダー」によれば、北海道のスギ花粉の時期(スギの開花時期)は3月中旬から5月上旬だそうです。
 
数年前に、スギ花粉の影響が消えたことを確認するためにアレルゲン検査を受けたことがあります。スギの影響はきれいに消えていました。しかし、医者からは「北海道には、スギはなくてもシラカバがあるので、閾値(いきち)を超えるとシラカバ花粉症になる可能性はある」と脅されました。脅されましたが、シラカバ花粉症とは、ありがたいことに全く縁がありません。しかし、医者の話では、北海道にはシラカバ花粉症の人が多いらしい。
 
北海道におけるシラカバ花粉の時期は、同じカレンダーによれば、4月中旬から6月末までです。近所の街路樹の一部がシラカバですし、公園などにもシラカバは多い。写真は札幌市内の公園の5月末のシラカバです。
 
5 白樺(シラカバ)
 
北海道や東北にシラカバが多いといっても、全国でやみくもに植林されその後の間伐作業などのメンテナンスがとてもいい加減だったスギとは「政治経済的な文脈における樹のタイプ」が違うと考えています。
 
かつてスギ花粉症だったからといってスギ一般が嫌いなわけではなく、天然の秋田杉で作った大舘(おおだて)の「曲げわっぱ」の飯切や弁当箱は我が家の大切な必需品です。
 
Photo 秋田杉の「曲げわっぱ」弁当箱
 
□□□
 

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2017年6月13日 (火)

料理と化粧

プラトンは料理と化粧が好きではなかったみたいです。プラトンの対話篇のひとつが「ゴルギアス」で、副題をつけるとすると「弁論術批判」ですが、そこに料理と化粧が嫌いな理由が述べられています。その理由をひとことでいうと、それらが最善ということを無視して快さだけを狙っているから、です。
 
仕事にはその主たる性質が「迎合」となっているものが4つあって、その4つとは「料理法」「弁論術」「化粧法」「ソフィストの術」。それらと最善を目指すものとの関係は次の通りです。
 
「さて、医術のもとには・・・料理法という迎合がしのび込んでいるのだが、他方、体育術のもとには、同じようにして、化粧法がしのび込んでいる。・・・(中略)・・・つまり、化粧法が体育術に対する関係は、ソフィストの術が立法術に対する関係に等しく、また、料理法が医術に対する関係は、弁論術が司法(裁判)術に対する関係に等しい、ということである。」(岩波文庫版より引用)
 
化粧法とは、体育術によって得られる自己本来の美ではなく、人びとに借り物の美を提供するという理由でプラトンには嫌われているのですが、そのときの化粧法は、女性というよりも古代ギリシャの市民であり体育術に励む男性が対象です。したがって、プラトンが女性の化粧をどう考えていたのかよくわかりません。プラトン風だと「美の本質」に変わりはないのですが、女性の化粧は「美の本質」を化粧する力がありそうです。
 
ビジネスという場において顧客を喜ばせることを迎合だとすると、たしかに料理法には迎合の香りが強いかもしれません。しかし、家族のための料理法、健康のための料理法となるとその様子は違ってきます。迎合というよりも最善に近くなる。医術も、患者側と医薬品供給者側のどちら側に重みを置くかによって、最善と迎合のバランスが微妙なものに変化します。
 
「収縮期血圧が129以下 /拡張期血圧が 79以下」というメッセージが復活してきました。それを活用していた商品広告もタイミングよく再開しているのを目にすると、「弁論術」は相変わらずの人気です。政府答弁や政府方針にも、憲法や共謀罪や国家戦略特区に関して牽強付会な「弁論術」や「ソフィストの術」が目立ちます。

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2017年4月11日 (火)

政府専用機はボーイング747-400

最近は燃費の悪いジャンボをまず見かけませんが、日本に限らず特注仕様の政府専用機としては活躍しているようです。日本の政府専用機もジャンボ(ボーイング 747-400)で、その基地は北海道の千歳です。以前、千歳で格納庫の外に出ているところを偶然目にしたことがあります。ミーハー丸出しですが、下がその時の写真です。
 
Photo
 
東京から帰ってくる予定の配偶者からメールが届きました。ひとつ前の便にでも変更できたのかと思いメールを開いたら、確かにその連絡ではあったのですが、思わぬ写真が添付されていました。羽田で滑走路に向かう離陸前の機内からスマートフォンで撮った政府専用機でした。キャンペーン期間中の無料機内WiFiサービスを使って送ってきたのでしょう。
 
政府専用機はトラブルに備えて2機が一緒に目的地に飛ぶことになっていますが、ぼくは羽田では政府専用機を目撃したことがなかったし、2機がきれいに並んで出発準備中の状態というのも初めてです。
 
20170410b_rev2

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2017年3月14日 (火)

現在の血圧基準値は?

先日、ある民間の人間ドックというか、健康診断センターというか、そういうところで健康診断を受けてみました。毎年の定例行事です。こういう場合にいつも悩ましいのは(実際は気にしていないので悩ましいというのは正しくないのだけれど、ここでの都合上そう書くことにします)、血圧の基準値です。これほどガイドライン(だれがどういう風に決めるのかよくわかりませんが)が、きまぐれに動くのも珍しい。
 
2014年4月に、日本人間ドック学会と健康保険組合連合会が、人間ドックなどで今まで集めてきた健康な1万人のデータを分析した結果、とくに持病がない人は、「収縮期血圧が147以下」、「拡張期血圧が94以下」なら高血圧を気にしなくてもいい、というガイドラインを出しました。一般の健常者にとってもわかりやすい実務的なガイドラインです。現在はどうもこれが隅に追いやられているらしい。
 
それまでの「正常」な血圧というもののガイドラインの推移を並べてみると
 
□ 1960年代は、「収縮期血圧が149以下 /拡張期血圧が 99以下」
□ 1970年代は、「164以下 / 94以下」(WHO世界保健機構)
□ 1993年からは、「139以下 / 89以下」(いわゆる「140 / 90」)
□ 2009年からは「129以下 / 79以下」が正常血圧、「130~139 / 80~89」は「正常高値血圧」という不思議な言葉で呼ばれるようになった(日本高血圧学会)
□ 2014年に「収縮期血圧が147以下」、「拡張期血圧が94以下」なら高血圧を気にしなくてもいい(日本人間ドック学会)
□ 現在?アンシャンレジームの復活?
 
日本高血圧学会のガイドラインだと、たとえば、測定値「135 / 78」は片方が正常血圧の範囲に収まっていないのでないので正常高値血圧になります。そして「収縮期血圧が140以上」あるいは「拡張期血圧が90以上」のどちらかに該当すると(たとえば、「142/88」)「高血圧」と判断されます。
 
ある地方自治体の血圧ガイドラインは生真面目に「収縮期血圧の基準値は90~129」、「拡張期血圧の基準値は ~84」となっていて、変えるつもりはなさそうです(ちなみに「上」が90未満だと低血圧)。
 
そういう流れを読んだのか、一時は姿を消していた「血圧が130を超えたら、□□□を」というサプリメントの宣伝メッセージも復活してきました。
 
循環器系の医者の意見なのか、製薬会社の意図なのか、高血圧の患者、および患者予備軍が増えたり減ったりで、けっこう気ぜわしい。同時に、けっこう面白い。

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2017年3月 7日 (火)

「原発 今も高い放射線」

大人向けのメディアの似たような主題の記事よりもよくまとまった内容と図表だったので、図表を勝手にお借りしました。北海道新聞の「道新こども新聞」2017年3月4日号の「原発 今も高い放射線 東日本大震災からまもなく6年」という記事の図表です。(この場を借りてお礼申し上げます。)
 
このタイプの表示形式は2011年の3月以来、メディアが何度も掲載してきたものですが、なかには、とくには関係のない項目の数値を持ち込んだり、単位時間の違う不明瞭な数値を紛れ込ませて安心感やその逆の恐怖感を意図的にあおったりしたものも少なからずありました。
 
この2月の調査でわかった、福島第1原発2号機のデブリによる1時間当たり最大530シーベルトという空間放射線量の推定値(ないし、それよりも高い650シーベルトというその後の推定値)との関連で、このタイプの表示形式をまとめ直したものは他に見たことがなかったのでお借りしたわけです。
 
2011年4月に発行された「Health Effects of Chernobyl - 25 years after the reactor catastrophe」(チェルノブイリの健康への影響-原子炉惨事から25年)という調査レポートには、原発事故から丸6年という期間が持つ意味について、参考になるデータが含まれています。
 
 
20170304

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2017年3月 1日 (水)

原子力発電と牽強付会の終わり

「消えた『低廉』の文字」「原発を受け入れている地元の首長に宛てて政府が出す再稼働の要請書から最近、2つの文字が消えた。『低廉』だ。これまでは原発の電気の安さを訴えるのが慣例だった。・・・・『安全対策などの費用を考えれば、原発の電気が安いとはもう声高に言えなくなった』経産省の幹部はこう漏らす。」(日本経済新聞 2017年2月28日 「原発漂流」、下線は「高いお米、安いご飯」)

火力発電や原子力発電といった電源別の発電コストの分析や比較に関する資料で、僕がもっとも納得できるのが「内閣府 第48回原子力委員会定例会議」(平成22年9月7日)の配布資料のひとつである「原子力政策大綱見直しの必要について-費用論から見た問題提起-」(立命館大学・大島堅一教授)です。

平成22年9月7日は、平成23年3月11日の福島第一原子力発電所の爆発事故の半年前。そういう時期に提出された資料なので、福島原発事故へのバイアス(どちらの方向へのバイアスかは別にして)には影響されておらず、冷静な枠組みと評価になっています。その資料の中から「エネルギー政策の費用の考え方」を引用します。

Rev

最初に引用した記事の意味は、「エネルギー政策の費用の考え方」の ① ② ③ ④ のそれぞれにまじめに、つまり、今までやってきたような見せかけの数字を作るための数字の操作、牽強付会、政治的配慮、ごまかしなどをできるだけ排除して関連した実際の数字を当てはめていくと、原子力発電の費用は、他の選択肢よりも、高いということです。「安全対策などの費用を考えれば」というのも、「など」には狭義の安全対策以外のもの(たとえばいまだに全体金額が見積れないところの廃炉費用など)も含まれるので、「原発の電気」はますます「低廉」から遠ざかります。

今回の記事の意味は、経産省がそういうことをとうとう公表せざるを得なくなったということです。

関連記事は、「続・「原子力の発電コスト-関連する数字が表に出てきてわかりやすくなりました」」、「原子力発電の好きな方が語った、原子力発電や火力発電の発電コスト」、および「自然エネルギーが好きな方が語った、原子力発電や火力発電の発電コスト」。

◇◇◇

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2017年2月21日 (火)

迷惑な世論調査

「よろん」は「輿論」、「せろん」は「世論」というのがぼくの中で固定している漢字とその読みの組み合わせなので「世論」を「よろん」と読まれるといまだに違和感がありますが、それはさておき。
 
2014年12月に「一週間前の電話世論調査に続いて、今度は出口調査の対象」という記事を書きました。以下はその一部です。
 
『一週間前の7日(日曜日)のお昼過ぎに、地元の新聞社から(実際には、その新聞社から仕事を依頼されている調査会社だと思いますが)、14日の衆議院議員選挙に関する電話世論調査の電話がかかってきました。電話世論調査の対象になったのは固定電話の持ち主になって以来、ということは結構な年数の間でということですが、初めての経験です。』
 
土曜日は遅い午後まで配偶者と外出していました。帰宅して点滅している電話機を確かめると0120-で始まる同じ番号からの留守電記録が2回あります。そういう番号からは、たとえば、保険商品の勧誘なども多い。記録を削除しようかとも思いましたが、面倒なので放っておきました。
 
そろそろ配偶者が夕食の準備かという頃合いに、また同じ番号から電話がありました。ぼくが出ました。今度は地元の新聞社ではなく、ある全国紙からです。我が家に有権者は何人いるかというので二人だと答えると、上から2番目のかたをお願いします、上からというのは年齢のことかと聞くと、そうだというので、嫌がる配偶者に替わってもらいました。
 
そういえば、前回は、年齢がいちばん上のかたという指定を受けたのでぼくが対応したという記憶がよみがえってきました。今回、ぼくが2番目だといっても何も不思議はないので、そうすればよかったのですが、場慣れしていないので、妙に正直な対応をしてしまったわけです。
 
配偶者は面倒くさそうに答えていましたが、これが、料理中の割り込みなら、受話器を配偶者に渡すわけはないし、配偶者もそんなものに応えるわけはありません。間違うと火事になる。週末の夕方から夜という時間帯のこういう割り込みは、実に迷惑な話です。商品の勧誘などはこういう潜在顧客を怒らせてしまうような時間帯は避けます。大本営発表が得意な「社会の公器」というのは、けっこう横暴なものです。
 
関連記事は「電話世論調査」。

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