経済・政治・国際

2019年12月 2日 (月)

IRに関して、ふわふわ路線が役に立つ

「北海道の鈴木直道知事は29日午前の道議会で、カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致申請を見送ると表明した。・・・・2021年7月までの国への申請を断念したことで、北海道の成長シナリオも再考を迫られる。」(日本経済新聞 北海道経済ページ 2019年11月30日)
 
その記事には「成長シナリオ再考、不可避」「IR誘致、道見送りに落胆の声」「経済界『大きな痛手』」といかにも日本経済新聞らしい見出しと、地域の経済団体のIR誘致賛成者の意見が並んでいます。税収増や新規雇用についての言及もあります。
 
しかし、北海道(苫小牧)にラスベガスを作っても「しょうもない」。
 
北海道のIR事業にはどういう海外事業者が関心を示しているのか知りませんが、たとえば大阪のIR構想に大いに興味を持っているIR事業者は「米国MGMリゾーツ・インターナショナル」や「米国最大手のラスベガス・サンズ」、それから「香港メルコリゾーツ&エンターテインメント」などです。北海道がIR誘致に手を挙げたら似たような体臭の事業者が魅力的な事業計画を提出するのでしょう。
 
パチンコという博打は日本全国に存在していてもそれは軽微なものだし、競馬や競輪や競艇も(それから宝くじも)国家認定の博打ではあるので、IR誘致に伴い国家認定でさらにレベルの高い博打を解禁するなら、IRなる巨大な遊び場でヤクの解禁もついでにいっしょにやった方が経済効果は高いと思われます。
 
原発建設ではプラスの効果しか見ないようにしてきたし、IRという名の博打誘致でもプラスの経済効果しか見ないようにしているので、そこでヤクを合法販売してその追加経済効果を含めて投資回収と持続効果を計算してもとくには問題ないと思われます。そこに博打を合法的に持ち込むのも、ヤクを合法的に持ち込むのも、経済の押し上げという点では同じことです。世界には、博徒とヤクが合法化されている国や地域は少なくない。そこまで踏み込めば原発再稼働が大好きな経済人らしいのですが、そこまでは言い出さない。
 
「総合的に道民目線で判断する」というのが現在の北海道知事の意思決定基準のようです。実際にそう表明している。狭義には「道議会の目線で判断する」「道議会の多数意見に従う」ということになります。ふわふわ路線ですが、北海道にラスベガスを作っても「しょうもない」ので、ふわふわ路線もこういう時には大いに力を発揮します。


人気ブログランキングへ

| | コメント (0)

2019年11月28日 (木)

天気予報の不思議な用語

天気という自然の気まぐれがどう推移するのかを前もって予測するのを天気予報といいます(そう聞いている)。日本だと8月は暑い2月はとても寒いというような大まかなのではなく、明日の夜明け頃の温度は?とか、明後日の午前10時は傘が必要か?とか、そういったことを自然の気まぐれを踏まえて予測することなので理屈から言って当てるのは難しいということになります。でも、冬の札幌だと、晴れのち曇りのち雪、ときどき強い風が吹く、とでも言っておけば、常に50%以上は正しいので切り抜け方はあります。
 
気象庁や気象台のデータに基づいたインターネットの天気予報サイトなどで顕著な現象のひとつは、天気予報が、後から生じた事実によって順番に修正されて、気がついて見れば「天気後報」になっていることです。予報と実際を並べて表示してくれると利用者としては差が確認できて便利なのですが、そういう余分なサービスは提供されません。
 
気象予報士のかたがお好きな天気予報関連用語で、ぼくにとっては不思議なものの代表格が「観測史上まれな」と「記録的な」です。不思議と言いましたが、落ち着きのないまだ未成熟な用語と言ったほうがいいかもしれません。
 
「観測史上まれな」は、なんとなくは、言葉の意味はわかります。「観測史上」なので、常識的には「気象庁や気象台やそれに類する官製組織が明治以降に成立して以来という範囲の中では」という意味だと思いますが、でも民間観察記録だと千年前や数百年前の洪水や津波などの異常気象の記録も古文書に残っているのでこういうのは観測というのか言わないのか。これもその事実の確認が取れていれば「観測史上」の出来事ですが、気象庁や気象予報士はそういう情報を「観測史上」には含めないみたいです。
 
気象庁管轄データにしても、100年ほど前からデータが揃っている地域と、直近数十年未満のデータしか揃っていない地域があるはずで、だから特定地域の予報をしているときに「観測史上稀な暴風雨」というだけでなく、過去100年の観測史上においてはとか、過去50年の観測史上とかを補足してもらえると過去何年くらいの時間軸でその話をしているのかがわかります。
 
もうひとつのぼくにとっての不思議、は「記録的な大雨が予想されています」という言い方における「記録的」という言葉の意味です。
 
インターネット上の辞書サービスで調べてみると、「記録的」とは
 
・従来の記録に並ぶ、また、それを上回るほど程度が甚だしいさま。「記録的な猛暑」
・特に書きとどめる価値があるほど珍しいさま。「記録的な降雪量」
・記録されて後世に伝えられる程であるさま
 
という意味で、念のために手元の広辞苑で「記録的」を引いてみると、
 
・記録すべきほどに程度が甚だしいさま。「―な大雪」「―な売行き」
 
となっています。複数の気象予報士の口吻にもっとも近いのは「従来の記録に並ぶ、また、それを上回るほど程度が甚だしいさま」という説明なので、そうなら、そういう表現で報じてほしいと思います。Record-breaking のほうがわかりやすい。しかし、従来の記録を超えるかもしれないが意外とそうでないかもしれないという自信のなさ、曖昧さを含ませるために「記録的な」という未成熟な言葉をわざと選んでいるのでしょうか。
 
と、勝手を言いましたが、気象庁のウェブサイトにある「雨雲の動き(高解像度降水ナウキャスト)」は、自分が今いるあたりやこれから出かけるあたりの雨雲や雪雲の動きを1時間前から1時間後まで細かいメッシュのグラフィックで教えてくれて、けっこう重宝しています。

人気ブログランキングへ

| | コメント (0)

2019年11月27日 (水)

続続・札幌の雪の準備

札幌市の繁華街で、とある老舗百貨店のすぐそばの交差点にあった滑り止め材(砂、正確には細かく砕いた砕石)と木箱です。砂箱の右下に朝に降った雪がまだ残っています。写真の左上には旧型の市電が走っているのがわかります。
 
百貨店前なので、古いですが、渋い色合いの木箱です。この木箱にはどこで区切ったらいいのかわからない感じで似たような意味合いの漢字熟語が並んでいて、つまり、この木箱を提供したのは北海道開発局と札幌市が共同運営している「冬期路面管理充実計画策定協議会」と読めます。「管理」・「充実」・「計画」・「策定」・「協議」とにぎやかです。
 
凍った雪の横断歩道で足を滑らせないように、砂袋を破って黒い砂を道路に播き、残った砂袋は「使用済砂袋 お入れ下さい」と書いてあるところを押して、そこにプラごみを捨てる要領で押し入れます。

2019_20191126190401

人気ブログランキングへ

| | コメント (0)

2019年11月25日 (月)

雪と株価と木製の砂箱

北国では雪は降ったり止んだりしながら積もっていきます。そのあたりを見渡す限り白くし、ナナカマドの赤い実に縁なし帽子のように重なります。でも、日中の気温が10℃近くなり、ついでにそれなりの量の雨でも降ると、地面はまた元の状態に戻り黒くなりますし、ナナカマドの実も白い帽子を失います。
 
昨日(日曜日)の午前8時の気温は、なんと11.3℃で(札幌ではとても暖かいという意味です)、雪はまったく影がありません。近所のベンチを蔽っていた雪もすっかり消えてしまいました。予報天気によれば、昨日の最高気温は16℃、最低気温は9℃でした。今日(月曜)の朝も、雪の予報がはずれて雨模様です。これで完璧に雪は洗い流されます。気温は3℃。二~三日は雪を見なくても済みそうです。しかし、いつ急に雪になるかわかりません。
 
雪が積もり、やがて根雪になり、さらにその上にまた降り積もって段々と雪が高くなっていく様子は、堅調な成績の企業の株価が、値の上下動呼吸を循環的に連続させながら、気がついたら半年前の1.5倍近くにになっていたという状況に似ているかもしれません。株価が高止まりし続けるするというのは珍しいとしても、根雪はうずたかく層状に重なって春までしっかりと高止まりします。
 
滑り止め材用の箱も当初は企業のマークが入ったきれいなものが目につきましたが、徐々に札幌市が税金だけで作った木の古い砂箱も交差点に持ち出されてきました。それなりに場所を取るしそれ以外の使い途はないはずなので、使わないときはどこに保管してあるのか不思議です。春になれば解体し冬ごとに組み立て直すのでしょうか。でもそれも手間暇がかかります。

2019_20191124184501 夕方の交差点
 
関連記事は「雪とナナカマド」。


人気ブログランキングへ

 

| | コメント (0)

2019年11月18日 (月)

若い中国人カップルにバスで座席を譲られた

札幌市内の始発停留所で乗り合いバス(という古めかしい表現を使いますが)に配偶者と荷物を持って乗り込み、配偶者は坐れてぼくは立っていたら、配偶者の隣に腰かけていた若い男女カップルのうち男性が立ち上がり、連れの女性がぼくに手を振って、どうもここに坐れと合図を送っています。「いや、ぼくは大丈夫です」と言っても手は振りやまないので、いささか照れながら、その申し出をありがたくお受けしました。膝に重い荷物を置けるのでとても助かりました。
 
「ありがとうございました」と比較的大きな声でお礼をしたところ、軽く肯いてくれたようでした。つり革につかまって立っている男性に申し訳ないので「お連れ様には申し訳ありません、感謝します」とその女性に言ったのですが、聞こえなかったのか、それ以上のコミュニケーションは成立しませんでした。
 
ぼくの右隣でスマホで何かを検索している風情なので画面をちらっと拝見すると、中国語でした。彼女が「ありがとう」はわかるけれど、それ以外は日本語を理解しないと考えると、追加的なコミュニケーションが無理だったことの理由が納得できました。そう納得したあとでそういう気持ちで男性の服装を拝見するといくぶん「らしい」ところが感じられます。
 
10年前は、中国人観光客は団体旅行やグループ旅行が多かったという事情もありますが明らかに中国人観光客でした。数年前も、家族単位の旅行が目立つようになっても、デパ地下やデパートの化粧品売り場での様子を引き合いに出さなくても、中国人観光客はやはり中国人観光客でした。しかし、2年くらい前からしゃべらない限りは日本人観光客と見分けがつかないかたがたが急に増えてきました。それが札幌市内でのぼくの実感です。
 
そして今年は、乗り合いバスで、そうとは知らずに、若い中国人男女カップルに席を譲られました。

人気ブログランキングへ

| | コメント (0)

2019年11月15日 (金)

続・札幌の雪の準備

昨日の記事で、札幌で雪の季節を迎えるための身近な準備作業として次の三つを挙げました。
 
・低木や灌木の雪囲い(完了)
・道路際の赤白ポール(完了)
・交差点の滑り止め材と砂箱(進行中)
 
もうひとつ、札幌らしい進行中の雪の準備がありました。「落雪注意」の掲示板です。ホテルやオフィスビルなど人の出入りの多い建物の歩道側に置かれることが多いようです。雪が舞い始めた昨日の午後4時ころ北海道庁の比較的そばにあるホテルにそれが置かれていました。外気温はマイナス1℃です。
 
H_20191114183601  
 
「落雪注意>のすぐそばの大きな交差点に、今年の「滑り止め材」とそれを入れる「砂箱」が既に設置してありました。「赤白ポール」も隣でいっしょに写っています。この砂箱は、ある企業が寄付したもので、札幌中心部ではそういう寄付砂箱も少なくありません。マーケティング目的で企業名が書かれていますが、その部分は写していません。
 
__20191114183701  
 
降り始めた雪が樹々の紅葉や黄葉やまだ緑の葉に少しずつ積もり始めていました。どうも冬です。
 
_-nov14

人気ブログランキングへ

| | コメント (0)

2019年11月14日 (木)

札幌の雪の準備

雪の降る地域では冬の準備がいろいろあると思いますが、札幌市内でもしばらく前から始まって準備が完了したものと現在進行中のものがあります。身近なものを三つあげると、
 
・低木や灌木の雪囲い(完了)
・道路際の赤白ポール(完了)
・交差点の滑り止め材と砂箱(進行中)
 
だと思います。
 
専門の職人が本格的に竹棒などを組んで作った公園や公共施設やホテル等の雪囲い以外に、近所の低木や灌木を縄で二重くらいに結わいて、雪の重みに耐えられるようにした簡単な雪囲いが徐々に増えて行く様子が目につき始めると雪の到来を否応なく意識します。
 
Photo_20191113192701
 
もう一つは道路際の赤白ポールで、幹線道路際にも生活道路際にも、車道と歩道の境界を運転手に教えるために赤と白の斑(まだら)の背の高いポールが立ち始めます。雪が積もると車道と歩道の境目が車にも歩行者にもわかりにくくなるので、その為の対策です。
 
Photo_20191113192702 
 
三つめは、交通量の多い交差点の横断歩道際や坂道に設置された箱(砂箱)の中に置かれているところの「滑り止め材」(粒の大きい砂、正確には2.5~5㎜くらいに細かく砕いた砕石)です。雪が積もっていなくてまだ準備されているところがほとんどないので、写真は以前のものを札幌市建設局土木部雪対策室計画課からお借りしました。
 
Photo_20191113193001
 
明日の朝から吹雪という予報が出ているので、滑り止め材の準備も徐々に進みます。


人気ブログランキングへ

| | コメント (0)

2019年11月11日 (月)

大袈裟な祝賀祭典はどうも肌に合わない、ふたつの情景が重なって見える

特定の政治団体や政治色のとても強いグループが主催するパレードや祝賀祭典といったものからは距離を置く生来の気質のせいか、この前の土曜日の「国民祭典」なるものもどうも肌に合わなくて、それを報じるニュースと、20年前に出版されたある小説に描かれた75年くらい前の東京の情景が重なって見えました。
 
その小説とは「東京セブンローズ」(井上ひさし著)という長編小説で太平洋戦争敗戦前後の東京の様子が詳細に記述されています。日常の細密叙述は圧倒的でほとんど百科全書の趣きです。副題は「日本語を救った女たちの物語」。占領軍による日本語簡略化(ローマ字化)政策を、七人の女性と敗戦で茫然自失にあった二人の男性(職人と新聞記者)がどうやってつぶしたかという内容の小説です。
 
最初に11月9日(土)のあるテレビ局のニュースより文字部分を引用します(一部省略、《…》が引用部分です)。
 
《即位祝う「国民祭典」に3万人》
《民間団体が主催する、天皇陛下の即位を祝う「国民祭典」が、皇居前広場で行われています。この後、人気アイドルグループの「・・」がお祝いの曲を披露します。》
 
別のテレビ局の同一テーマのニュースから同様に文字部分を引用してみます(一部省略)。
 
《「国民祭典」で各地の郷土芸能も 「・・」がお祝いの曲披露へ》
《皇居前広場では、天皇陛下の即位を祝う国民祭典が行われている。このあと、両陛下がそろって姿を見せられ、人気アイドルグループ「・・」などによるお祝いの曲も披露される。フィギュアスケートの・・選手や俳優の・・さんらのテープカットで始まった、9日の国民祭典。皇居周辺で、天皇陛下の即位を祝うイベントが行われている。皇居前の内堀通りでは、全国各地の郷土芸能が祝賀パレードとして行われている。鳥取の夏の風物詩「しゃんしゃん祭り」の傘踊り。さらには、高知のよさこい鳴子踊りなど、全国各地のさまざまな郷土芸能が披露された。また、日枝神社や浅草神社などのみこしや、山車も登場。沿道には、多くの人が訪れた。・・・・》
 
この「国民祝典」はある民間団体の主催ですが、この民間団体を実質的に運営しているのは別の民間団体で、後者は「我々は、悠久の歴史に育まれた伝統と文化を継承し、健全なる国民精神の興隆を期す」というのを三つの綱領の最初に掲げています。
 
「東京セブンローズ」から百科全書風描写の一部を引用すると、
 
《・・・満蒙(まんもう)は帝國の生命線、昭和維新、高度國防國家建設、非常時の波高し、國民精神總動員、擧国一致、堅忍持久(けんにんじきゅう)、代用品時代・・・》
 
《大日本婦人會の襷(たすき)を大袈裟にかけて<進め一億、火の玉だ>と連呼しながら、そこの不忍(しのばず)通りを嬉しそうに提灯行列してゐたのはどこのだれだ》。
 
《大東亞新秩序、紀元二千六百年、月月火水木金金、一億一心、大政翼贊、八紘一宇、玉砕、どれもこれもぴかぴかの漢字、かういつた御立派な漢字で天下國家を論じて、それで日本はどんな國になりましたか。少しでも立派な國になりましたか。答えは出ています。すつかりだめな國になつてしまつた》
 
ぼくには、テレビニュースの言葉(文字)部分と、この小説からの引用部分が重なります。
 
その団体の設立宣言は(一部を省略)、以下の通りです。
 
 《・・・・明治維新に始まるアジアで最初の近代国家の建設は、この国風の輝かしい精華であった。また、有史以来未曾有の敗戦に際会するも、天皇を国民統合の中心と仰ぐ国柄はいささかも揺らぐことなく、焦土と虚脱感の中から立ち上がった国民の営々たる努力によって、経済大国といわれるまでに発展した。・・・・にもかかわらず、今日の日本には、この激動の国際社会を生き抜くための確固とした理念や国家目標もない。このまま無為にして過ごせば、 亡国の危機が間近に忍び寄ってくるのは避けがたい。我々は、かかる時代に生きる日本人としての厳しい自覚に立って、国の発展と世界の共栄に頁献しうる活力ある国づくり、人づくりを推進するために本会を設立する。・・・・》
 
「東京セブンローズ」から、国家と日本人(人々、英語だとPeople)に関する新聞記者の感慨を、すぐ上の設立宣言とを対比するために、下に書き写してみます。
 
《大日本帝國といふ國家がなくなれば當然、日本人は存在できなくなる。したがつて、最後の一人になるまで徹底して抗戰し、一億の日本人はみな玉砕するしかない。・・・・さう思い込み、さういふ立場で紙面をつくってゐたわけですよ。だが、ちがつた。たしかに大日本帝國はなくなった。それぢや日本人が存在できなくなったかといへば、さうではない。ここにかしこに日本人がゐて、日本語がある。つまりなくなったのはかつての支配層だったんです。もっといへば、大日本帝國の實體、その中身というのは、なんのことはない、當時の支配層のことだつたんですな。そんな簡単なことがわからなかつたのだから情けないといってゐるのです》
 
最初に「大袈裟なパレードや祝賀祭典はどうも肌に合わない、ふたつの情景が重なって見える」と言ったのは、そういう意味においてです。

さきほどの民間団体の綱領「我々は、悠久の歴史に育まれた伝統と文化を継承し、健全なる国民精神の興隆を期す」における「健全なる国民精神」という言葉は二重の意味で曲者で、どうしてかというと、それは、まず、ある政治的な主張に沿った国民精神だけが健全だと言っているからです。

 次に、精神と国民精神は別々のもので、「健全なる精神」という場合はそれが明るいものであっても暗いものであっても個性的な表情で各人と健全に共存することができますが、「健全なる国民精神」となった瞬間に人々の精神にひとつの政治的な型が押しつけられます。型とはつまり精神が国民精神の従者になるということで、そうなると考えるという精神の健全性が担保されなくなります。

人気ブログランキングへ

| | コメント (0)

2019年11月 1日 (金)

さっぽろ夏祭りのビアガーデンとオリンピックのマラソン

ニュースを引用します。
 
『東京五輪 マラソン札幌案を受け 国際陸連 3日間での開催検討』
 
『関係者によりますと、この議論を受けて国際陸連はマラソンと競歩の合わせて5種目を3日間に短縮して行う案を、各国と地域の陸上競技連盟に示し、意見の集約を始めているということです。
 
国際陸連は、男女マラソンを同じ日に行うことを前提として、来年の8月7日から大会最終日の9日にかけて3日間で行う案と、新国立競技場で陸上競技が始まる前の7月27日から29日、もしくは7月28日から30日の3日間で行う案の2つの案を示していると言うことです。』(NHK NEWS WEB)
 
かりにマラソンや競歩のスタートとゴールが札幌大通公園だとすると、この時期は、通例以下のようなイベントが開催されており、地元民と国内観光客と国外観光客で、肌寒い日や雨の日を除いて、連日けっこう込み合っています。
 
以下、『第66回 2019さっぽろ夏祭り』の公式ウェブサイトからの引用(文と写真)です。
 
開催期間  2019年7月19日(金) 〜 8月14日(水)
営業時間  12 : 00 ~ 21 : 00(一部の会場を除く)
会場  大通公園5丁目~8丁目、10丁目、11丁目
 
2019-1-sml
2019-2
 
大通公園(5丁目~11丁目)の中に、数多くのビアガーデンが出現。会場には約13,000席が用意され、その規模は国内最大級です。
 
5丁目会場サントリー ザ・プレミアム・モルツ ガーデン
営業時間12:00〜21:00(LO:20:45)
 
6丁目会場ASAHI SUPER DRY BEER PARK
営業時間12:00〜21:00(LO:20:30)
 
7丁目会場キリン 一番搾り ビアガーデン
営業時間12:00〜21:00(LO:20:45)
 
8丁目会場THE サッポロビヤガーデン
営業時間12:00〜21:00(LO:20:45)
 
10丁目会場世界のビール広場
営業時間17:00〜21:00 土日祝16:00~(LO:20:45)
 
11丁目会場札幌ドイツ村
営業時間12:00〜21:00(LO:20:45) (ここまでが引用)

 
ビアガーデンでは、北海道の地ビールは無理ですが、日本と世界のビールと北海道のさまざまな食べものが提供されます。
 
マラソンと競歩の開催ということになれば、そしてスタートとゴールが大通り公園のどこかということになれば、競技日程とビアガーデンの日程が重なるので、「調整」が必要です。

大通り公園はそれなりに広いので、ビアガーデンはそのままに、ビアガーデン以外の場所に競技関連施設やメディア用施設が設営できたら(あるいは付近の施設を利用できたら)、選手とコーチ以外の関係者と観光客は連日ビールと北海道食材を楽しめます。ただし、マラソンがなくてもその時期は日本語を話す観光客と外国語を話す観光客で混みあっているので、ホテル予約がとても大変だとは思いますが。と、暢気なことを考えています。


人気ブログランキングへ

| | コメント (0)

2019年10月18日 (金)

「それなら北方領土くらいで」

『2020年東京五輪の男女マラソンと競歩について、国際オリンピック委員会(IOC)は16日、猛暑対策で、コースを東京から札幌に移すよう、大会組織委員会や東京都などに提案すると発表した』(朝日新聞デジタル 2019年10月16日)。その結果、結構な騒ぎです。
 
東京五輪のマラソンと競歩の札幌開催提案という今回の「青天の霹靂」(という言葉を借用して)という事態を、当事者には申し訳ないのですが、「決定事項の一部の内容が何らかの『真っ当な理由で』別のものにゴリ押し的に変更になった場合にどう対応・収拾するか」という一般問題の一事例と考えて、ミーハーとして楽しんでいます。ぼくは札幌に住んでいるので全く関係がないわけではない状況におかれてはいるのですが。
 
なかなか愉快な発言は、《マラソン変更「それなら北方領土くらいで」小池知事》(朝日新聞、見出し)で、長く引用すると「涼しいところでというのなら、『北方領土でやったらどうか』くらいなことを連合から声を上げていただいたらと思うわけです」(朝日新聞デジタル 2019年10月17日)。切れてしまって苛々するとこれくらいの皮肉を言いたくなるというのはよくわかります。
 
「日本経済新聞」(2019年10月18日)の一面コラムにも書いてあったので「皆さんご存知のように」ということなのでしょう。Tokyo2010組織委員会がIOCに提出した「立候補ファイル」というものがあり、当然公開されているのでその重要な一部(全体コンセプト)を引用してみます。
 
Tokyo-2020
 
 
「2010年第32回オリンピック競技大会を開催するに当たり、貴都市が予定する開催期間とその詳しい根拠を教えてください」という問いに対して
 
「この時期の天候は晴れる日が多く、且つ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である。」「さらに、この時期は日本全国で・・・祝祭ムードが漂っている。」
 
と答えていますが、この時期は死ぬほど暑くても決して温暖ではないし、6日の広島と9日の長崎があるので、全国的に盆踊りの季節ではあるものの、「祝祭ムードが漂っている」というわけでもありません。プレゼンテーションの中で事故を起こした原発が「Under Control」という発言もありました。
 
こういう記述に間接的に言及しながら(あるいはそれを匂わせながら)変更をゴリ押しするのは、ゴリ押しする側にとっては楽しいと思います。
 
東京中心の天気予報などを拝見していると、たとえば台風が北海道に進むと「台風は本州の北側に、国外に抜けました、従って東京は安全です」的なニュアンスの発言をするアナウンサーや気象予報士もときどきいて、それはそれで正しい観察なので、そういう意味では「それなら北方領土くらいで」というのも的外れでないのかもしれません。


人気ブログランキングへ

| | コメント (0)

より以前の記事一覧