蔵出しの鳴門金時が夜10時に届いた
正確には午後9時50分でしたが、氷点下の冬の夜のこういう時刻に玄関チャイムが鳴ると何事かといささか驚きます。業務用の貨物運送を得意とする会社の宅配便でした。届けてくれたのは中年の女性担当者。深い雪でも大丈夫な、そして運転にも差し支えないような作業用ブーツを履いています。
コロナで宅配便の需要が以前よりもさらに伸び、雪と凍結で運送環境も悪く、その日の配達予定分を通常は最終配達時刻であるところの午後9時までにこなせなかった。我が家の荷物は9時までに処理できなかったもののひとつで、配送ルートの都合で10時近くになったのでしょう。
「遅くなったので来る前にお電話しようと思ったのですが、伝票に書いてなくて、申し訳ありませんでした」
ぼくは伝票にハンコをつきながら
「気にしなくていいですよ。とてもお忙しそうだから」
届いたのは、待ち望んでいた「蔵出しの鳴門金時」、サツマイモです。蔵出しというのは収穫した鳴門金時を温度と湿度を管理した倉庫で数か月保存したもの。食欲をそそる大振りな外側の器量のいい赤紫色は言うに及ばず、加熱した時の黄金(こがね)色の中身のホクホク感と甘さが別ものになっています。こうすることで収穫期以降も美味しい鳴門金時が味わえます。蔵出しサツマイモは、1~3年からものによっては10年も寝かせて熟成させる北陸の「蔵囲い昆布」ほどの大きな在庫維持費用はかかりませんが、数か月分の在庫管理コストは価格に反映されているようです。
家庭での最適保管温度は13℃くらい。オーブンでじっくりと焼いて野菜サラダの一部にするのが我が家の好みです。
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