食べもの

2017年7月21日 (金)

続・果物も、褒められたりけなされたり、たいへんです

2年ぶりの遊歩道のサクランボ」を読んだ知り合いから、サクランボは好きだったのだが、花粉症になったら果物アレルギーまで発症してしまい、それから食べられなくなって残念だ、という内容のメッセージをもらいました。
 
こういうのは体験者でないとわからないので、ぼくにはわからない。しかし「果物も、褒められたりけなされたり、たいへんです」という記事を書いたばかりだったので、気になって調べてみました。(以下、手元の本や複数の花粉症関連サイトからの引用を含みますが、内容はほぼ同じなので、ここでは参照先はいちいちお断りしません。)
 
・花粉症患者のなかには、特定の新鮮な生の果物や野菜を食べると、およそ15分以内に唇、口の中や咽喉に痒みや痛みやイガイガするような症状が出る人がいる。これは口腔アレルギー症候群とよばれ、花粉症患者のうちの10人に1人の割合で発症するらしい。
 
・特定の果物や野菜に含まれるアレルゲン(原因となる抗原)の構造は、花粉のアレルゲンと構造がよく似ている。特定の果物や野菜を食べると花粉が侵入してきたと勘違いし、すでに体内で作られているIgE抗体と反応してアレルギー症状を起こす。
 
・花粉症を引きおこす花粉の種類によって、口腔アレルギー症候群を引きおこす果物・野菜は異なる。
 
ではサクランボ・アレルギーと関連が深い花粉には何があるかというと、どうも2種類あって、ひとつは
 
【カバノキ科】ハンノキ属 「ハンノキ」、「オオバヤシャブシ」。日本全国に分布。水辺や湿地に自生するほか、公園などにも植えられている。
 
もうひとつは、
 
【カバノキ科】シラカンバ属 「シラカンバ」。北海道~本州中部に分布。一般的には「シラカバ」という名称で呼ばれる。
 
その知り合いは北海道のかたではないけれど、どちらかが原因となっているのでしょう。
 
「ハンノキやオオバヤシャブシ」の花粉と関連がある「口腔アレルギー症候群」の原因となる果物や野菜には「リンゴ、モモ、ナシ、ビワ、サクランボ、イチゴ、メロン、スイカ、キュウリ、ダイズ(主に豆乳)、キウイ、オレンジ、ゴボウ、ヤマイモ、マンゴー、アボカド、ヘーゼルナッツ、ニンジン、セロリ、ジャガイモ、トマト」があるそうです。
 
ちなみに日本人の大好きな野菜である「トマト」と関連が深い花粉は、「スギ」と「ヒノキ」だそうです。
 
なお、食物アレルギーの原因となる食品は、代表的なものが「卵、乳、小麦、落花生、えび、そば、かに」、それ以外の要注意食品が「いくら、キウイフルーツ、くるみ、大豆、バナナ、やまいも、カシューナッツ、もも、ごま、さば、さけ、いか、鶏肉、りんご、まつたけ、あわび、オレンジ、牛肉、ゼラチン、豚肉」(食品衛生法)です。
 
こういうものには家庭や個人で個別に対応するしかなさそうです。「サクランボ」の場合はなんとか花粉症をなくせばカタがつくとも言えますが、食物アレルギー関連の食べものの場合は、たとえば「小麦パン」をやめて「グルテンフリーの米粉パン」にするなど対応はたいへんです。

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2017年7月19日 (水)

ダイエット本の読者レビューの楽しみ方

先日「味噌と醤油とヒスタミン」という記事を書くまえの前提として(というか、そのきっかけとして)読んだのが「最強の食事」という中年(1973年生まれ)の米国人男性の手になる本です。原題は”The Bulletproof Diet”なので、ダイエットに関する書物です。なぜそんな本を読んだかというと、そこで、味噌や醤油や納豆のような大豆の発酵食品がけなされているらしい、という風のうわさを聞いたからです。(ここでは、味噌・醤油については触れません。)
 
ダイエットというのは多義性のある言葉で、「ぼくたちの日常の食べものや食事」という意味から「治療(たとえば糖尿病治療)のための特別食」や「体重調整のための(といってもたいていは痩せるための)食事方法、食事療法や食事制限」まで幅広い。「頭のコンディションを含めて体全体を良好な状態に保つための日常の食べものや食事」というのもダイエットという用語の持つ意味のひとつです。
 
「最強の食事」の目的は「自分に向いた『頭のコンディションを含めて体全体を良好な状態に保つための日常の食べものや食事』の発見と継続的実践」だと思いますが、そのために、著者は米国という生活環境のなかで、栄養学や関連医学分野の知見を横断的に(幅広く学際的に)集め、調べ、相談し、そしてそういう知見にもとづいた食材を実際に、自分の体を実験材料に、食べて評価しています。
 
食材や調味料に関しては、IT出身の裕福な米国人らしく徹底して体や頭に良いものを世間常識にかかわりなく追い求めていく姿勢に好感が持てます。なかには出発点が素朴な刷り込み知識だったり(たとえば、塩)、亜麻仁油についての勘違いがあったりして、驚くこともありますが、考え方の枠や方向がぶれないところがいい。
 
この本の内容にどこまで同意するかは別にして、あるいはこの本の主張が異なった伝統を持つ食文化にどこまで妥当するかは別にして(なぜなら、米国には、おそらくは食べものが原因で日本人二人分くらいの巨大なお尻や腰まわりの持ち主も多いので)、ぼくは彼のこういうやり方(方法論)は嫌いではない。
 
ダイエット本ではあるのですが、研究論文風の雰囲気もそれなりに強く、要はデータや論文などへの参照箇所がいっぱいの、理屈っぽい文字だらけの本です。もうちょっと痩せたいな、と思っている軽いノリのオネーサンが手にするとすぐに放り出してしまう種類の本です。
 
「頭を使うダイエットは女性向きではないわ。」と、ぼくの配偶者が言いました。「これを食べたら大丈夫というような、絵や写真がいっぱいのお手軽ダイエット本でないと女性には売れないと思う。女は理屈っぽいダイエット本は苦手なのよ。」
 
なるほどと思い、この本を取り扱っている通販サイトでこの本の「カスタマーレビュー」を拝見してみました。ぼくが拝見した時点で233件のレビューがあり、平均評価は5点満点で3.9点でした。
 
全部に細かく目を通したわけではありませんが、評価が高いものも低いものも普通のものも総じて斜めに(一部は丁寧に)目を走らせてみると、面白いことに気づきました。文章や文体から判断すると90%以上が男性のレビューです(と、思われます)。なかには2000文字近い感想を書いた「アラフィフ女性(原文のまま)」や1000文字レビューの「家庭をあずかる主婦(原文のまま)」もいらっしゃいますが、お二人とも理知的、分析的な内容の感想をお書きになっている。
 
こういうタイプのダイエット本は、どうも、男性が熱心に書いて、男性が熱心に読むものらしい。
 

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2017年7月14日 (金)

アボカドと脂肪酸成分表

たまには手元の「日本食品標準成分表」や「脂肪酸成分表」に目を通すのもいいものです。記憶がリフレッシュされます。
 
森のバターと呼ばれることもあるアボカドは、分類上はイチゴやミカンと同じ果実です。野菜ではありません。ある小売店の野菜・果物売り場では、リンゴの近くでレモンの隣に、メキシコ産のアボカドを並べてあるので、係の人がそういうことをしっかりと意識しているのでしょう。
 
アボカドは確かにバター風味ですが、その脂肪酸構成と風味を合わせると、以下のように表現できます。
 
アボカド = 牛のフィレ肉 + オリーブ油
 
脂肪(中性脂肪)の主要構成要素である脂肪酸は、酸化されないもの、酸化されにくいもの、酸化されやすいものに分けられます。酸化されやすいものは加熱料理向きではありません。そういう観点で脂肪酸を並べてみると
 
・飽和脂肪酸(通常環境では酸化されない。パルミチン酸やステアリン酸など。バターやラードに非常に多く含まれる。加熱料理向き。)
 
・一価不飽和脂肪酸(酸化されにくい。オレイン酸など。オリーブ油やアボカド油に大量に含まれる。加熱料理やドレッシングなど応用範囲が広い。)
 
・n-3系の多価飽和脂肪酸(酸化されやすい。亜麻仁油や紫蘇油に多く含まれるα-リノレン酸や、青魚やマグロのトロに多く含まれるEPA/DHAなど。)
 
・n-6系の多価飽和脂肪酸(酸化されやすい。リノール酸など。大豆油やキャノーラ油や調合サラダ油に多く含まれる。)
 
脂肪酸ほど、その評価の推移、その毀誉褒貶の移り変わりが激しいものも珍しいようです。栄養学というものにおける知見が多くの学者のおかげでどんどんと進歩しているとも云えますし、栄養学というのはまだ未成熟なところのある学問だとも云えますし、ヒトの生というのは、形而上的なことを別にしても、あるいは分析に分析を重なても総体的にはまだまだよくわからないところのあるものだとも云えます。
 
たとえば、数十年前は、n-6系の脂肪酸を多く含むところの「植物油」を摂取することが健康のもとのように考えられていました。しかし、そういう(当時の)知見とその知見を利用した企業のマーケティングプロモーション活動の結果、揚げ物(フライ)やファストフードやサラダドレッシングやマヨネーズなどの摂取過剰で不健康が蔓延し、しばらく前から、n-6系の摂取を抑え、その代わりにn-3系を増やして両者のバランスをとることが推奨されるようになってきました。
 
バターやラードも同じで、n-6系植物油がもてはやされ始めた頃は、悪の枢軸のような扱いを受けていましたが、現在では、(製品の原料にもよりますが)バターやラードに含まれる飽和脂肪酸はとてもヒトの健康に貢献しているという風に認識が変わってきました。
 
マーガリンも評価の逆転現象が発生した加工食品のひとつで、健康を促進するために植物油で作られたけっこうな食材だという以前の評価から、トランス脂肪酸を含んだ健康を阻害するどうしようもない食材だという現在の評価へと、その評価がひっくり返ってしまいました。
 
そういう文脈で、アボカドを眺めてみると、さきほど 「アボカド = 牛のフィレ肉 + オリーブ油」だと書きましたが、アボカドに含まれる脂肪酸の割合は、「成分表」によれば
 
・飽和脂肪酸(=バターなど):         20%
・一価飽和脂肪酸(=オリーブ油など):   67%
・n-3系多価飽和脂肪酸(=亜麻仁油など):  1%
・n-6系多価飽和脂肪酸(=大豆油など):  12%
 
なので、少しだけn-6系が多いのですが、現在の知見では、非常にバランスのよい食べもの(ほとんど野菜のような果物)です。ドレッシングは自家製でシンプルなものにして、サラダで、2~3種類の葉物野菜や軽く蒸したブロッコリーと一緒に生で食べるのがいちばんおいしいようです。

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2017年7月11日 (火)

食べたくてしかたがない、やっつけたくてしかたがない

防御本能から相手をやっつけるというのは、やっつける程度にもよりますが、不可思議な行為ではありません。しかし、これが、正義のために敵をやっつける、神様(ないしは、そういうもの)のために敵を抹殺するとなるとどうなるか。そういう行為もぼくたちはそれなりに納得してしまいます。昔も今も頻繁に目にする光景です。
 
どうしてそういうことが繰り返されるのか、そして、そういうことに違和感を抱かないのということを、それなりにきれいに説明してくれるのが、ポール・マクリーンのいう「脳の三層構造(ないし三位一体型の脳)」です(下がその絵。ただし、ここでは「魚類脳」という余分なものを追加してある)。
 
「人類は苦悩している。自然は人類に三つの脳を授けたが、それらは構造がひどく異なるにもかかわらず共に機能し、たがいに通じ合わなければならないという代物だ。この三つの脳のうち最古のものは基本的に爬虫類の脳であり、二番目が下等哺乳類から受け継いだ脳である。そして三番目は後期哺乳類から発達した脳で、それが人類を異様に『人類的』にしてきたのである。」つまり、「本能脳」と「情動脳」と「知性脳」という育ちと構造の違う三つの脳が辻褄合わせをしながらなんとか共生しているのが「ヒト」だということです。
 
Photo
先日、伝統的な大豆の発酵食品であるところの「味噌・醤油・納豆」の人体への悪影響について気になる記述があるらしいというので、それを確かめるために「最強の食事」(デイヴ・アスプリー著、栗原百代訳)を読んでみましたが(関連記事は「味噌と醤油とヒスタミン」)、その本の中で、上述の「三位一体型の脳」モデルが参照されていました。
 
著者の考え方の文脈におけるこの絵のポイントは、知性脳と情動脳と本能脳の三つにバランスよくエネルギーを補給しないと、知性脳は疲弊してしまい、情動脳と本能脳の暴走を知性脳は食い止められないということです。「低脂肪、低カロリー」の健康ダイエットは、知性脳をまっさきにエネルギー切れにするし、いわんや、そのあたりのオメガ-6系の植物油たっぷりのファストフードにおいておや、です。「食後のスイーツは別腹」という知性脳の判断も、要は、不適当な食べもので刺激された情動脳と本能脳の突進を、不適当な食べもので判断力の衰えた知性脳が食い止められなかった結果だ、ということです。
 
古い脳にはプラス面とマイナス面があります。内臓感覚や植物感覚にもとづいた宇宙リズムとの共振といった微細な感覚は、新しい脳にはない古い脳の持つプラス面です。マイナス面は、大きくは、自分の神と同じ神を信じない人たちを「献身的に」殺していく宗教戦争であり、イデオロギーによる大量粛清などです。小さくは、我々におなじみの、突然に湧き上がる不合理な激情です。たとえば、「ふとわれに返ったときには、大型容器のアイスクリームを半分も平らげてしまっている」(最強の食事)という事態です。
 
しかし、もっとややこしいのは、いい食べものを食べて知性脳と情動脳と本能脳の三つにバランスよくエネルギーを補給すれば、小学校のクラスで見られるイジメみたいなもの、たとえば「ボクは良い子で強い子なので核兵器を持ってもいいけれど、キミは悪い子で弱い子なので核兵器を持っちゃだめだよ。クラスのほかの子もそう言っているよ。約束を守らないとイジメちゃうよ。」がなくなるかというと、必ずしもそうではないらしいということです。

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2017年6月27日 (火)

米粉ミックスパンの切り口

米粉が20g、小麦粉(「春よ恋」)が250g、全粒粉(「春よ恋」)が10g、そしてレーズンが80gのパンです。焼いて少し冷まして二つに切ったところです。切り口の風情が何とも言えず食欲をそそります。
 
最近は、米粉も、粒度の違うパン用とお菓子用が販売されています。粒度の大きいのがパン用です。全粒粉を入れずに、その分だけ米粉の量を増やして30gにすると、ミルクパンのような香りと食感になります。米粉マジックといえるかもしれません。
 
レーズンパンなので、子供だけでなく大人向きのおやつにもなります。こういうパンは、焼きあがっているときの香りの漂いを味わうのも楽しみのひとつです。
 
20g_250g_10g_80g

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2017年6月21日 (水)

スーパーマーケットでも亜麻仁油(アマニ油)がそれなりに

亜麻仁油(アマニ油、フラックス油ともいう)は、オメガ3多価不飽和脂肪酸であるα-リノレン酸が豊富な植物油です。酸化されやすく(加熱料理には不向き)、味にも癖があるので、サラダのドレッシングの上に軽くかけるというのが一般的な使い方だと思いますが、それだけでは面白くない。ぼくは、納豆に亜麻仁油と塩をかけて食べるのが好みです。付属のタレや辛子は捨ててしまう。
 
先日、スーパーマーケットを定点観察していたら、油と脂のコーナーに、複数のブランドの亜麻仁油の瓶入りやペットボトル入りがそれなりに並んでいたのでちょっとびっくりしました。パッケージにはあたりまえですが「n-3」や「オメガ3」「α-リノレン酸」「健康」といった言葉が並んでいます。
 
ぼくたちは、食に占める揚げ物や加工食品や外食の割合が増えると、サラダ油・てんぷら油やマヨネーズなどを通してオメガ6系の脂肪酸(リノール酸)を摂りすぎてしまい、オメガ3系脂肪酸との摂取バランスを壊してしまいます。だから、「時短」が好きなひとは、青魚を食べる代わりに、ついEPA/DHAのサプリメントのコマーシャルに目がいってしまうのですが、魚料理や魚の後片付けが嫌いな主婦も、サラダにドレッシングと亜麻仁油を振りかけるのは、苦にならない。だから、スーパーマーケットのバイヤーも品揃えの組み合わせ変更で忙しいのでしょう。
 
WHO/FAOというときどきは眉に唾をつけてその発言やメッセージを聞いた方がよいような公的機構があります。その機構が(おそらくある政治経済的な理由で)推奨しているオメガ3とオメガ6の比率は「オメガ3/オメガ6 = 0.2~0.25」ですが、我が家ではそれとは違った比率「オメガ3/オメガ6 = 0.5~1.0」を準拠枠にしています。
 
 
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2017年6月13日 (火)

料理と化粧

プラトンは料理と化粧が好きではなかったみたいです。プラトンの対話篇のひとつが「ゴルギアス」で、副題をつけるとすると「弁論術批判」ですが、そこに料理と化粧が嫌いな理由が述べられています。その理由をひとことでいうと、それらが最善ということを無視して快さだけを狙っているから、です。
 
仕事にはその主たる性質が「迎合」となっているものが4つあって、その4つとは「料理法」「弁論術」「化粧法」「ソフィストの術」。それらと最善を目指すものとの関係は次の通りです。
 
「さて、医術のもとには・・・料理法という迎合がしのび込んでいるのだが、他方、体育術のもとには、同じようにして、化粧法がしのび込んでいる。・・・(中略)・・・つまり、化粧法が体育術に対する関係は、ソフィストの術が立法術に対する関係に等しく、また、料理法が医術に対する関係は、弁論術が司法(裁判)術に対する関係に等しい、ということである。」(岩波文庫版より引用)
 
化粧法とは、体育術によって得られる自己本来の美ではなく、人びとに借り物の美を提供するという理由でプラトンには嫌われているのですが、そのときの化粧法は、女性というよりも古代ギリシャの市民であり体育術に励む男性が対象です。したがって、プラトンが女性の化粧をどう考えていたのかよくわかりません。プラトン風だと「美の本質」に変わりはないのですが、女性の化粧は「美の本質」を化粧する力がありそうです。
 
ビジネスという場において顧客を喜ばせることを迎合だとすると、たしかに料理法には迎合の香りが強いかもしれません。しかし、家族のための料理法、健康のための料理法となるとその様子は違ってきます。迎合というよりも最善に近くなる。医術も、患者側と医薬品供給者側のどちら側に重みを置くかによって、最善と迎合のバランスが微妙なものに変化します。
 
「収縮期血圧が129以下 /拡張期血圧が 79以下」というメッセージが復活してきました。それを活用していた商品広告もタイミングよく再開しているのを目にすると、「弁論術」は相変わらずの人気です。政府答弁や政府方針にも、憲法や共謀罪や国家戦略特区に関して牽強付会な「弁論術」や「ソフィストの術」が目立ちます。

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2017年5月29日 (月)

外側パリパリ内側しっとりの米粉パン

米粉パンはグルテンなしでは膨らみませんが、熊本産のミズホチカラという米粉用のコメから作られた米粉は、米粉に製粉するときのデンプンの損傷が少ないため、グルテンなしでも膨らむらしい。でも、最初の、少なめの米粉でやった実験なので期待したほどうまくいきませんでした。
 
ミズホチカラ(ご飯として炊くとパサパサでおいしくないそうです)からは、お菓子用の米粉とパン用の米粉が作られています。パン用に大きめの粒度で製粉した米粉でパンを焼いてみました。グルテンは入れません。オイルも使いません。塩少々。砂糖少々(酵母のエサとして)。適量の水。道具は、ある家電メーカーのホームベーカリー。
 
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たとえてみると、和風のフランスパン。外側表面がパリパリで、中はしっとり。外側のパリパリは、どうも煎餅のパリパリ感に近い。だから、評価は、最初の実験なので期待したほどうまくいかなかった、ということにしました。でも、ぷわっと膨らんでいないという意味で格好はよくないけれど、おいしい食べ物であることには違いない。米粉の量を普通にまで増やし、オイルを少し加え、水の量を調整してやれば、期待通りの結果になるだろうと思います。

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2017年5月12日 (金)

食用油脂のことなど

必ずしもそうとは言えないとは思うのですが、いちおう、長生きの方がそうでないのよりもいいことだということにしておきます。
 
食用油脂、とくに植物油や植物油を使ったマヨネーズのような加工食品は食品会社のマーケティングがとても盛んな領域なので、ときどきはそのマーケティングメッセージの内容を眉に唾をつけて見ることも必要です。食用油脂に関して参考になった本のひとつが「油の正しい選び方・摂り方―最新 油脂と健康の科学」です。8年ほど前に、食用油脂の雑駁な知識の整理のために読んでみました。今もときどきの参照目的のために本棚においてあります。
 
その本の著者がある雑誌(「通販生活」)のインタビューで食用油脂について語っていました。アップデート情報もあったので興味深く読ませてもらいましたが、その骨子は、記事のタイトル通りで「『バターやラードなどの動物油より、サラダ油などの植物油のほうが体にいい』は間違いです。」
 
その方のお勧めの食用油脂は、
 
□飽和脂肪酸であるところの「動物性脂肪」を多く含む「バター」と「ラード」
□多価不飽和脂肪酸であるところの「αリノレン酸(オメガ3系)」を多く含む「エゴマ油(シソ油)」「アマニ油」「魚油(DHA・EPA)」。
 
多価不飽和脂肪酸であるところの「リノール酸(オメガ6系)」を多く含む「ごま油」「大豆油」「コーン油」「紅花油(サフラワー油)や、トランス脂肪酸がいっぱい入っている「マーガリン」を推奨していないのは当然としても、一価不飽和脂肪酸であるところの「オレイン酸(オメガ9系)」を多く含む「オリーブ油」や「菜種油」「キャノーラ油」「(高オレイン酸型の)ヒマワリ油」などもおすすめ対象ではありません。
 
コレステロールに関する箇所では「体に悪いどころか、コレステロ ールは人間に欠かせない成分です。・・・略・・・細血中のコレステロール値が高いと心臓病が増えるとする研究も一 部にはあります。しかし、研究対象の集団に偏りがあり、心臓病のリスクが強調され過ぎています。そもそも心臓病のリスクが多少減ったとしても、長生きできなければ意味がありません。」と語っています。
 
「血中のコレステロール値が高いと心臓病が増えるとする研究」(者)は、血圧の高さと循環器系疾患の関連を妙に強調する人たちと似ています。血圧を下げる薬を飲んで(飲み続けて)心臓病のリスクが多少減ったとしても、長生きできなければ意味がありません。しかしながら、最近ではまた、血圧は130未満というのが勢いを盛り返してきたみたいです。「『収縮期血圧が147以下』で『拡張期血圧が94以下』なら高血圧を気にしなくてもいい」という一般健常者にとって実際的なガイドラインはどこかに隠れてしまいました。
 
 

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2017年4月21日 (金)

夕方五時の暖簾

掛けたばかりの暖簾のようです。今日は、この暖簾をくぐったお客はまだいないと思う。もっとも最近は金曜日だと五時前から気楽に飲み始める人たちもいるらしいので、中ではすでに静かに一杯やっている人がいる可能性はあります。しかし、そういう雰囲気は表に漂いだしてはいません。
 
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上の暖簾は一杯飲み屋で、写真には写っていない左側には店の名前がシンプルに書かれた提灯が吊るされています。下の暖簾は寿司屋(「すし割烹」と染めてある)。どちらの暖簾もふらっとひとりで入ってみたい欲求をかき立てます。使い込んだ暖簾は美しい。
 
一杯飲み屋の方だと、以前なら、ひとりで入って軽い肴と二合くらいの日本酒で一時間くらいを過ごしたかもしれませんが、最近は、自宅で好きな銘柄を少しだけ冷で、そのあと別の好みの銘柄を好みの熱さの燗で適量楽しむ方が合っています。

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