食べもの

2018年7月11日 (水)

微量でもものすごく甘い人工甘味料

アップル創業者のスティーブ・ジョブズが、当時ペプシコーラに勤めていたジョン・スカリーをアップルのCEOにヘッドハンティングするときの口説き文句が、スカリー本人のインタビューによれば

Do you want to sell sugared water for the rest of your life, or do you want to come with me and change the world?

だったようです(当該動画の31秒から36秒あたり)。それが1981年の出来事なので、1980年当時は、コーラの甘味はまだ砂糖(sugared water)だったのかもしれません。

今はコーラの甘味は砂糖ではなく、人工甘味料が作っています。人工甘味料は、微量でも砂糖の数百倍は甘いので「経済的」「合理的」です。他のマーケティング的な訴求効果もあります。

アメリカや日本で広く飲料に使われている人工(合成)甘味料は、現在、3種類あります。アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムK(カリウム)です。

アスパルテームは、砂糖の180倍から200倍の甘みがあり、アメリカでは1981年に、日本では1983年に添加物としての使用が認められました。スクラロースは、砂糖の約600倍の甘みがあります。日本では1999年に添加物としての使用が認められました。アメリカではそれよりも前に使用が認められています。アセスルファムK(カリウム)は、砂糖の約200倍の甘みを持っており、日本では2000年に添加物としての使用が認められました。アメリカではそれよりも前に認められています。

ある、糖分ゼロを売り文句にしている茶色い炭酸飲料(コーラ)の原材料欄を拝見すると

「原材料名 : 炭酸、カラメル色素、酸味料、甘味料(スクラロース、アセスルファムK)、香料、カフェイン」となっています。

最近は糖分や果糖の評判が芳しくないので、それでも甘いものがやめられない消費者は、人工(合成)甘味料を使ったノンシュガー飲料やその親類に走るのかもしれませんが、配偶者やぼくは、ブラックコーヒーと、ごくときどきの北海道産シュークリームや北海道産ソフトクリーム(ただし、持ち帰りの場合には、遅くともその日の夜までに食べ切らないといけないタイプ)があればこと足りるので、人工(合成)甘味料の不透明なリスクに遭遇する機会はほとんどありません。

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2018年7月10日 (火)

5年物の自家製梅干し

完熟の南高梅の梅干しです。土用干しなど一連の準備作業がすべて完了し、寝かせ始めたのが2013年の8月中旬なので、5年物の梅干しということになります。住居内ではいちばんひんやりとしている部屋の常滑焼の甕(かめ)の中で過ごしてきました。

2年経過した時に一部を食し、3年経ったときに追加で少量を味わい、しかし、この完熟南高梅に関しては、残りはこの小ぶりな甕に移してさらに2年、つまり全部で5年間寝かせることにしました。

長期間常温保存できるように、我が家の梅干しの塩分濃度は伝統的な15%から16%です。ちゃんとした塩を使えば、塩辛さに旨みというか滑らかさというか、落ち着きが出てきます。だから、促成栽培風の減塩梅干しなどにはまったく興味はないし、ハチミツ入りの梅干しなどはぼくにとっては噴飯ものです。

5年間寝かせておくと、赤紫蘇で丁寧に覆ってあっても、さすがに皺が増えてきます。しかたありません。そろそろこの5年物を、毎日の朝ごはんで楽しもうと考えています。

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2018年6月22日 (金)

「曲げわっぱ」の弁当箱のことなど

秋田・大館の「曲げわっぱ」が好きで、大事に使っています。使い込んでも使うたびに、秋田杉の香りがほんのりと漂います。

以前、昼の弁当用に何種類か利用していましたが、いちばんお世話になったのは楕円形を細長くした形状のもので、ややデザインの違う2つ交互に使いました。仕切り板があるのでその左側にご飯と漬物をぎゅっと詰め、右側に栄養バランスのいいおかずを入れます。ゴーカケンランにしたい場合は、2つを同時に使ったこともあります。

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弁当箱以外のお気に入りは「おひつ」で、時々使うのが寿司ごはん用の「飯切り」です。(正しくはなんというんでしょうか、炊き上がったごはんにスシ酢をうってチャッチャッと切ってまぜるための「おひつ」、大きな直径で背の低い「おけ」のことです。) 寿司といっても、我が家で作る寿司は、ニンジンと椎茸とかんぴょうとゴボウとタマゴとインゲンや絹サヤなどのいっぱい入った野菜のチラシ寿司です。朱色と茶色と黄色と緑色がにぎやかです。気が向けば、太巻きもつくります。

温かいご飯用の「おひつ」は、なでるとさらっとしていてなめらかで柔らかで、いつまでも触っていたいような木の肌あいです。「これが一番出来がいいからこれにしなさい。」と曲げわっぱ「おひつ」の製作者本人が即売展示の会場で僕たちに勧めてくれたものです。

弁当箱には円筒形のものもあり、これは中子(なかこ)がついているので、ご飯とおかずをひとつの容器で上下に分離した状態で持ち歩けますが、下の部分だけを使って写真のような「日の丸弁当」の遊びもできます。やや嵩(かさ)張りますが、大人の休日の遠足にはこちらの方が向いています。

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2018年6月19日 (火)

軽いレタスの上に、重いリンゴと重い大根

スーパーマーケットのような小売店のレジには、お客が買い物カゴに入れた商品をスキャンする(商品のバーコードを機械に読み取らせる)のが役割のチェッカーと呼ばれている人と、そのあとお客と金銭のやり取りをするのが役割のキャッシャーと呼ばれている人がいますが、実際はひとりでチェッカー機能とキャッシャー機能を兼ねる場合が多いようです。

しかし、ひとりで両方やると時間がかかるので、レジの担当者はチェッカー機能だけを行い、会計機能(お客の金銭支払い行為)は会計機でお客まかせというシステムを導入しているお店も最近は増えてきました。ただし、こうすると会計機の前で交通渋滞が発生する可能性があるので(不慣れなお客やとてもゆっくりとした動作のお客がいるので)レジには会計機を2台設置して交通渋滞を避けています。効率化です。

で、そういう作業の最後は、商品(ここでは生鮮食品や加工食品が対象)の袋詰めです。

精算の後、客が自分でお店のレジ袋や持参の持ち運び用袋の詰めることを前提にしたスーパーのレジも、それからデパートのようにチェッカー機能とキャッシャー機能は一人で担い、別の袋詰め担当者がレジという島の終点で食べものをポリ袋や紙袋に詰めてくれるところも、清算済み商品を入れるカゴに品物(ここでは食べもの)を移していく。

消費者が店で買い物カゴに購入予定の食べものを入れるときは、重いものや硬いもの(大根やニンジンやカボチャやリンゴなど)は下に置き、柔らかいものや傷つきやすいもの壊れやすいもの(刺身や魚の切り身や生肉やたいていの葉物野菜など)は上に重ねる、あるいは両方がカゴの中でできるだけ重ならないように配置するというのが常識的な原則ですが、この基本を感心するくらいに見事にこなす担当者と、そういうことに全く無頓着なひととがいらっしゃるようです。

組織だったトレーニングを一応は実施しているデパートやスーパーもあれば、担当者の力量と才覚と感受性まかせのデパートやスーパーもある。ベテラン女性担当者が、テキパキと詰めていくのは見ていて気持ちがいい。

ある小規模なスーパーでは、学生アルバイト風の男の子が基本をしっかりと適用しているいっぽう、その隣のレジでは同じ年代のアルバイト風の女の子がいい加減に詰めています。傷つきやすいレタスをいちばん下に置き、その上にリンゴを4~5個と大根を無邪気に載せている。ちょっとまずいんじゃない?と思いますが、彼女はそれをマズイとは思っていない様子です。

基本のできた男の子は基本ができているだけでなくものごとの配置構成力がある感じです。品物を眺めて、それらを精算済みのカゴにどう移していくかを最初に直感的に考える。どこでそんなノウハウを覚えたのか。その男の子が自炊していて、したがって野菜などの食材を買ってレジに並びそこで詰め方のコツを覚え、女の子が買うのはお菓子とジュースだけだとすると、その違いは納得できます。

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2018年6月 5日 (火)

「あのう、気は確かですか?」

次のような短い記事がありました。(2018/6/1 共同通信 『・・・』部分)

『除染土、農地造成に再利用』『環境省方針、食用作物除く』

 『環境省は1日、東京電力福島第1原発事故に伴う除染で生じた土を、園芸作物などを植える農地の造成にも再利用する方針を決めた。除染土の再利用に関する基本方針に、新たな用途先として追加した。食用作物の農地は想定していない。

 工事中の作業員や周辺住民の被ばく線量が年間1ミリシーベルト以下になるよう、除染土1キログラムに含まれる放射性セシウム濃度を制限。くぼ地をならす作業に1年間継続して関わる場合は除染土1キログラム当たり5千ベクレル以下、1年のうち半年なら8千ベクレル以下とした。除染土は、最終的に厚さ50センチ以上の別の土で覆い、そこに花などを植える。』

「あのう、気は確かですか?」としか言いようがない。見て見ぬふりをする人たちの多くなった福島原発のout-of-control状態は、こういう風にして政策的に(つまり、意思決定プロセスがよくわからないままになし崩し的に、線引きを曖昧にしてごり押しで)、「持続」「拡散」していくもののようです。環境省と農水省は、どこかに忖度せずに、ちゃんと議論をしたのかしらん。

元気な植物の根は驚くほど深く広く伸びていく。自分で花や野菜を栽培するとよく実感できます。今までもそれなりに気を遣ってきましたが、家庭で使う園芸用や野菜栽培用の「土」や「苗」の「選択」が、これからは、とてもやっかいになります。

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種から育てる夏の葉物野菜と鉢と土

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苗を買ってきて育てるラベンダーと鉢と土

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2018年6月 1日 (金)

水遣りという作業

けっこう気を遣うのが葉物野菜の水遣りです。特に種の直播きから発芽までの間は穏やかな水遣りを心がけます。2~3日で芽を出すルッコラも、イタリアンパセリのような種蒔きから発芽まで10日以上はかかる野菜も、種は土を薄くかぶって地中に横たわり発芽の準備をしているので、毎早朝、園芸用の霧吹きで静かに十分な量の水をかけてやります。

以前(2年前ですが)、イタリアンパセリがなかなか発芽しないことにイライラして、その鉢に畝を作り直しそこにルッコラの種を播き、穏やかな水遣りを継続していたらそのうち二種類の明らかに形状の違う葉が伸びてきて、つまりイタリアンパセリとルッコラが同時に芽を出してきて、いささか驚きました(別に驚くことではありませんが)。

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 イタリアンパセリ(尖った葉)と、ルッコラ(丸い葉)

で、それ以来、イタリアンパセリには発芽までも、それ以降も、根気よく水遣りです。イタリアンパセリはいったん大きくなるとどんどんと増えるので、サラダ食材のバイプレーヤーとして活躍します。

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2018年5月21日 (月)

野菜生産地帯のタンポポとカエルと加工食品

所用で札幌中心部から北東に1時間くらいの野菜生産地帯に足を運びました。野菜栽培が中心なので一面が畑です。ハウスもきれいに並んでいます。有機野菜栽培農家も少なくない野菜生産地域なのですが、まれに場違いな感じで水を張った田植え前の水田も見かけます。野菜農家が自家消費用のコメを作っているのでしょうか。
 
野原にタンポポが咲いていました。外来種か在来種か、どっちかなあと近づいてみると外来種(いわゆる西洋タンポポ)でした。そのあたりで見かけるタンポポはたいていは繁殖力の強い外来種です。在来種(日本タンポポ)に出合う機会は多くありません。
 
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そのタンポポが在来種であるか外来種であるかその見分け方は、花びらの下の総苞片(そうほうべん)の向きです。下の絵のように、在来種は総苞片が直立していますが(つまり、反り返っていない)、外来種は下向きに反り返っています。(この絵はネットでお借りしました。この場を借りて作者に御礼申し上げます。)
 
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野原で出合ったタンポポ(すぐ上の写真)は、総苞片(そうほうべん)が下向きに反り返っているので外来種です。
 
近所に地場チェーンのスーパーマーケットがあり、品揃えは小さな百貨店です。農家と思しき買い物客も見かけましたが、添加物が盛りだくさんの加工食品やお菓子もお好きな雰囲気でした。
 
夜の8時くらいにその水田のそばを通ると、カエルが鳴いていました。鳴き声が大きくて、大きいというよりもうるさいに近い感じで、一重窓なら窓を閉めても気になって眠れないかもしれないと思われるほどの音量です。

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2018年5月10日 (木)

宅配ピザはなぜ高いのか?

宅配ピザのポスティング・チラシが定期的に郵便受けに入っているので、捨てる前に眼を通すことがあります。ここ数年は、ピザは年に2回程度自宅で焼くくらいでそれ以外は縁がない。だから、まずお客になることはないと思いますが、ブログの素材にはなります。
 
いつも思うのは、宅配ピザというのはとても値段が高いなあということ。Mサイズが一人前だと思うので、その値段を調べてみると、廉価版が税抜きで1,880円から2,000円、標準価格帯のものが税抜きで2,260円から2,380円、高価格帯ピザは、同様に2,500円から2,630円。ちなみに、マルゲリータは廉価版カテゴリー商品で、Mサイズの定価は税抜きで2,000円です。
 
食べもの屋の原材料費は、通常は定価の30%なので、原材料費は廉価版が564円~600円、標準価格帯品が678円~714円、高価格ピザは750円~789円。
 
自宅でピザを作る場合は、生地はホームベーカリーのピザ生地コースにおまかせして、その間に地元産の調理用トマトで作り置きしてあったトマトソースをピザ向きの味にアレンジします。小麦粉は北海道産。ピーマンやタマネギや自宅栽培のバジルなど野菜を多くしたマルゲリータ風が多い。
 
家庭用ピザのコストは、極端に贅沢なチーズ以外の食材を使わない限り、どんなレベルのチーズを使うかに左右されます。ゴーカケンランなチーズでゴーカケンランなピザも焼けるし、穏当な値段のチーズで穏当な味わいのピザも作れます。だから、ピザ屋さんのチーズがどの程度のものなのかは、ピザの値段からわりに簡単に類推できる。
 
もっともチラシを見ると「お持ち帰りなら半額」という日も月に何日かあるようで、これでも利益が出るようになっているということは、配達経費が相当に多いということで、つまりは、原材料費は定価の30%はかかっていないということで、そういう詮索はここではこれ以上はしませんが、宅配ピザは配達費を食べているようなものだとは言えそうです。だから宅配ピザは高いのでしょう。
 
 

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2018年5月 9日 (水)

魅力的な地域スーパーマーケット

GMS (General Merchandise Store) と呼ばれる流通業態があります。いわゆる、総合スーパーのことです。全国展開する総合スーパーに買い物に出かけたら(あるいは冷やかしだけでも結構です)すぐに気がつくことですが、次のような特徴があります。
 
・食料品や日用品だけでなく、衣料品や家電・家具などいろいろな商品を総合的に品揃えしている。とくに衣料品の売場比率が大きい。たとえば広い売り場が2フロアあるとして、2階の相当な部分は衣料品関連の売り場になっている。
 
・たいていはマイカー顧客向けに大規模な駐車場がある。女性にも駐車しやすい広さになっていることも多い。
 
・店舗内にテナントが入っていることが多いので、総合スーパーだけれどもショッピング・センター風の雰囲気と機能が醸し出されている。
 
ついでに、それ以外の個人的な感想としての特徴を失礼を承知で付け加えると、何かいいものがあったら買おうという意識をもって売り場をぶらぶらと歩いても、買いたいものになかなか遭遇しません。でも、1階の一画では、日用品の一部として各種の自転車なども並んでいるので、最新の電動自転車を眺めたり、ファットバイクの極太タイヤの実際の太さを間近で確認することもできます。
 
一方、自身の訴求点を強く押し出したタイプの地域スーパー(たとえば「食生活提案型スーパーマーケット」)が、魅力の乏しいGMSを尻目に、各地域で台頭しています。
 
ぼくはそういうところではデフォな関心が食材なので、そのお店の品揃えがそのお店の訴求メッセージと合致しているかどうかはわりに簡単に判断できます。
 
「自慢は、生鮮三品(青果・鮮魚・精肉)とデリカ(お惣菜・寿司・インストアベーカリー)です。旬の商品を産地・生産者などの吟味から流通経路まで徹底した品質管理を行っています」と謳っているある地域スーパーの品揃えとコスパは、競合するナショナルブランドのGMSよりは確かにいい。
 
食材以外の分野でも、GMSの幅広い商品群とは対照的に、地域も品揃えもより専門化した専門スーパーマーケットが活躍しているようです。行動力のある消費者層は、商品をカテゴリー別に複数の店で買い分けるし、ひとつのお店を冷蔵庫代わりに使う。逆に行動力のない消費者層は、歩いていける距離の小規模スーパーで店内を歩き回ることなく買い物を済ませてしまう。

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2018年5月 2日 (水)

流通チャネルのハードウエアとソフトウェア

定点観測と勝手に呼んでいるのですが、週末などにときどき配偶者と連れだって、そして長距離散歩も兼ねて、ナショナルブランドの大規模スーパーと、地場の食品スーパーチェーンのなかの中規模店と小規模店を訪れます。ひょっとしたら何か気に入った野菜なんかを少量買うかもしれないので、折り畳みバッグも持参します。
 
スーパーマーケットの機能を大胆にハードウェアとソフトウェアに二分してみます。ハードウェアとはここでは建物やそのなかのショッピング空間を指し、ソフトウェアとはここでは商品の品揃えを指します。だから、売り場(たとえば、生鮮食品売り場と加工食品売り場)を歩いてみて欲しいものが見当たらない場合、その店のソフトウェアの出来が悪いということになります。
 
経済性というものにはいくつかの種類がありますが、代表的なのは「規模の経済性」と「範囲の経済性」です。流通における規模の経済性とは、文字通り、大量仕入れ、大量流通によって低価格販売を実現することです。一方、範囲の経済性とは、専門性の集積、ソフトウェア的なノウハウの集積によって発揮される経済性のことです。つまり、商品の品揃えが顧客にとって魅力的である場合、その理由は、その流通チェーン店の範囲の経済性が優れているからです。
 
大量流通は標準タイプの商品を前提とします。大量流通という形態になじまない商品(たとえば、一定量を供給できない商品、標準的な流通作業工程に向かない形態の商品など)はそこからはじき出されてしまいます。
 
我が家は、生鮮食材と基礎調味料(味噌・醤油・塩・味醂・酢・昆布・鰹節など)が好きな、つまり自分たちで好みの出汁を引き、食材に好みの味付けをしていくというのが好きな家庭です。現在は簡易味付け用加工食品が人気なので、そういうトレンドから見ると我が家は少数派に属する消費者です。そういう消費者にとって、ナショナルブランドの大規模店は魅力に乏しい。同じような思いの他の消費者も少なくないに違いない。
 
だから、というわけではないにしても、地場の人気のお菓子屋や食べ物屋のテナント数がある時点から急に増えたのは、全般的な集客につながる魅力度を補完するためだったのかもしれません。
 
大規模店では大きなカートを引いた家族連れが目立ちますが、高齢者の姿が多いのは、小規模店です。大規模店舗は広すぎる。目的の商品にたどり着くだけで疲れてしまう。それからたいていはそのあとレジ行列が待っています。街中の小規模店は、建物(ハードウェア)は古いけれどもそのあたりの利便性が高いし、レジ担当者とも顔見知りになる確率が高い。「範囲の経済性」というソフトウェア的な専門性が小規模店ならではの品揃えにつながっている雰囲気も感じられます。
 
大規模インターネット通販の貢献のひとつは、実店舗ベースの大規模スーパーならビジネス対象外になるところの「ロングテール商品」からも利益を生み出したことですが、そのうちそういう企業が運営する小規模実店舗でも、蓄積した「範囲の経済性」が形を変えて品揃えに発揮されるかもしれません。結局はソフトウェアが鍵のようです。

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