食べもの

2018年1月17日 (水)

ファスト・フードとしての蕎麦・寿司・天ぷら・鰻

ある程度以上の規模のデパートなら、食堂フロアの品揃えの上で必需品(必需店)は「蕎麦・寿司・天ぷら・鰻」の4つだそうです。それらを中心に、それら以外をそろえる。この4つがないと、デパート側も客側も落ち着かないのでしょう。最近はこの4つのセットにこだわらないデパートもありますが、たいていは見かけます。
 
考えてみたら、この4つは、そもそもの出発が、江戸時代の屋台のファスト・フードです。小腹が空いたときに食べるということもあったかもしれないし、独身で料理をしない職人や商人が消費都市であるところの江戸でいっぱい働いていて、ファスト・フードを消費した。今は、この4つは、お手軽なものから、とても高価・高級で敷居の高そうなものまで幅広くそろっていますが、ファスト・フードとはそもそも外で食べるものです。
 
だから、高級店がそれなりに多いといっても、この4つはファスト・フードの伝統を持ち続けることを運命づけられているのか、時代変化を考慮して、手に入りにくい「鰻」の替わりに手に入りやすい「牛肉ハンバーガー」を配置すれば、「蕎麦・寿司・天ぷら・ハンバーガー」は、街中や駅ビルのお店で、気軽に手軽に食べられます。店によっては、屋台でなくても立ち食いもできる。
 
最近は、ファスト・フードとはジャンク・フードの謂(いい)であることが多いのですが、日本における出発点は、ファストではあってもジャンクという内容ではまったくなかったようです。だから「蕎麦・寿司・天ぷら・鰻」は、今でも食堂フロアで健在です。

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2018年1月16日 (火)

おふくろの味は、食品会社の味?

けっこう以前の話ですが、米国のあるプロスポーツ選手にとっての「おふくろの味」は、ミートソースのスパゲティっだったそうです。久しぶりにそのミートソースが食べたくなったので、シーズンオフに実家に帰ったときにそのおふくろの味を所望したら、ある食品会社の缶詰ミートソースを取り出してきて「これよ」。あるいは、「あれはもう作れないわ。缶詰ミートソースの会社がつぶれちゃったから。」細部の記憶が曖昧ですが、そんな話だったと思います。
 
日本の家庭のおふくろの味は、以前は、食材を別にすれば、主婦が味付けに使う昆布や鰹節などの出汁の種類や量、醤油や砂糖や味醂や酢や塩などの種類と量によって決定され、それがその家庭のユニークな味付けになっており、子供の味覚も、そのおふくろの味によって育てられてきました。
 
正確な商品グループ名には不案内なのですが、「めんつゆ」「鍋のつゆ」と総称されるものが人気だそうです。理由は、出汁・醤油・味醂などがオールイン・ワンで、たいていの料理の味付けに使えて便利だから。こういうと申し訳ないけれど、ぼくには添加物がいっぱいの偽物っぽいものだと思われます。偽物っぽいかどうかは別にして、そういう食品会社の味が、徐々に(ないしは急速に)家庭の味、おふくろの味になっているようです。出汁入り醤油などもこのサブセットです。
 
そういう意味では、その走りはマヨネーズで、マヨネーズに関しては、自分で作るのは簡単だけれどやはり面倒なので、K社のものを選ぶかA社のものを使うか、各家庭で好みが分かれたようです。そのマヨネーズも、最近の宣伝では、競合を意識して、幅広い利用範囲(アプリケーション)を訴求しています。
 
まもなく家庭の味、おふくろの味とは、食品会社の味から選択するものだということになるのでしょう。食品会社の出来合いの味と無縁に育った子供は幸せですが、学校だとまわりの子供と話が噛み合わずに疎外感を抱くかもしれません。

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2018年1月 5日 (金)

平均寿命と食べもの

電子書籍にいちばん向いているのは、読み捨てが基本の雑誌類(週刊誌や月刊誌)です。それから気になる箇所をわりに頻繁に参照するという意味で辞書のような使い方をする本も電子書籍媒体向きです。タブレットやスマートフォンなどに放り込んでおけば、いつでもどこでも必要部分を参照できて便利です。
 
そういう雑誌のなかで興味深い(牽強付会的だが興味深い)記事が目につきました。その記事のタイトルは「青森県はなぜ早死にするのか 平均寿命最短でV9、衝撃的すぎる食生活」です(「週刊新潮」2017年12月28日号)。
 
その記事の内容骨子は、以下の通り。
 
「厚生労働省は今月(2017年12月)13日、2015年の都道府県別「生命表」を発表したが、それによると青森県の平均寿命は記録的だった。1位は男性が滋賀県の81・78歳、女性が長野県の87・67歳だったのに対し、青森県は78・67歳と85・93歳。ともに全国で最下位であるばかりか、男性は9回、女性は4回連続で、最下位街道を驀進中なのだ。しかも、調査が行われるのは5年に1度。青森県の男性は40年以上、女性も20年にわたり、底に沈みっ放しということだ。」
 
ある年齢の人が、平均あと何年生きられるかを算出した統計値を「平均余命」と云います。とくに、「0歳の人(ある年に生まれた0歳児)の平均余命」のことを「平均寿命」と呼んでいます。平成28年度(2016年度)におけるわが国の平均寿命は、男性が80.98年、女性が87.14年でしたが、これは平成28年に生まれた赤ちゃんは、男の子は約81年、女の子は約87年生き続けるだろうという統計的な予測です。ただし、たとえば、平成28年にすでに70歳だった男性の平均余命は(69歳までに亡くなった方のデータの影響を受けないので)、11年(81年-70年=11年)よりも長くなる。15.72年です(平成28年の簡易生命表等による)。
 
ところで、その記事における寿命も今回のこのブログ記事における寿命も「平均寿命」「平均余命」の話で「健康寿命」「健康余命」の話ではありません。食べものとの関連を云々するには「健康寿命」「健康余命」のほうがいいのですが、そういうマクロの統計データは手元にありません。
 
その週刊誌によれば、男女とも青森県が平均寿命で全国最下位を継続している理由は、食生活にあるらしい。関連部分を引用します。
 
「『塩分は多く摂って野菜は食べない食生活、喫煙率の高さ、多量飲酒者が多いこと、運動不足などが挙げられ、これらが複合的に原因になっていると見ています。塩分については、昭和40年代から問題視されていますが、味覚は一朝一夕には変わりませんからね』」
 
「(青森県の)カップ麺の消費量は全国2位、インスタントラーメン全体では1位、缶コーヒーも1位。食塩摂取量は男性が2位で女性は5位。全国模試なら立派な結果だが、1日の歩数は男性が全国46位で女性は41位……。要は、塩分と糖分はたんまり摂って運動しないのだ。全国9位という肥満者の割合も、それを裏づける。喫煙率は全国2位、飲酒習慣者の割合は1位である。」
 
だからといって、青森県民全員が塩辛い漬物を肴に大酒を飲み、腹が減ったら締めにインスタントラーメンを食べ、煙草をプクプクしながら人工甘味料がいっぱいの缶コーヒーを飲んでいるというわけではありません。そういう食生活をしていない方も多い。逆に、雑誌記事のような食生活をしている人たちは、青森以外にも当然多い。
 
この記事によれば青森県と1位県との「平均寿命」の差は、男性が3歳強、女性が2歳弱です。この81歳や87歳に対する3歳や2歳という差を「大きな差」と考えるか、それとも「わずかな差」と考えるか(なお、平均寿命の詳細については、厚労省の「生命表」に関するウェブサイトを参照)。
 
たとえば、青森にお年寄りの知り合いがいてその男性が79歳でなくなった。もうひとりの高齢のお知り合いは滋賀のかたで、最近82歳で亡くなった。かりにそういう知らせが届いたとして、ともに、普通は、早すぎる死とは考えない。どちらかというと天寿を全うしたという思いに近い思いを抱く。そういう意味では82歳と79歳の間に差はありません。お二人はもっと長く生きられたかもしれないとも考えられるし、すでに十分長く生きたとも考えられる。82歳と79歳の差は食べものの違いによるかもしれないと考えてもいいけれども、そういう場合にはそういう発想はしない。
 
ここから、毎日カップラーメンを食べ、毎日缶コーヒーを飲み、大酒を飲んでもそれほど統計的な平均寿命に差はないので、食生活に関しては好き勝手をやるかという結論に至るかたもいらっしゃるに違いない。それはそれで一つの考え方です。こういう食べものを気にしない層が平均寿命を押し下げる。福島原発事故から6年が経過しましたが、メルトアウトした放射性物質の人体への悪影響結果については、この数字ではよくわからない。
 
もう一つの考え方は、健康寿命、健康余命の維持のためには、食べものが重要というもので、こういう考え方の層が平均寿命を(一定程度までは)押し上げます。それから、モダンな部品交換治療であるところのiPS治療などは、平均余命を長くする方向に働きます。
 
1898年(明治31年)から2016年(平成28年)までの、日本人の平均寿命の推移をグラフにしてみました。第二次世界大戦終了時期くらいまでは、若くして亡くなった方も多かったので、人生50年というのは、体験的な事実でした。しかし、そろそろサチュレーションモードに入ったようです。
 
18982016

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2017年12月29日 (金)

金時ニンジンの「紅白なます」に飽きたら、鳴門金時の焼き芋

なぜ「金時」という形容がついているのか、そもそも「金時」とはどういう謂いなのか判然としませんが、身近な「金時」には「金時豆」(赤紫のインゲン豆)、「金時ニンジン」(濃い赤のニンジン)や「鳴門金時」(赤紫のサツマイモ)などがあります。
 
どうも、食材に関しては、鮮やかな赤や赤紫で彩られた和風のものを「金時」と呼んでいるらしい。お正月料理の「紅白なます」は、大根と金時ニンジンが素材です。あの赤でないと紅白の雰囲気が出ません。
 
お正月料理の中で「紅白なます」は飽きのこないもののひとつですが、それでも三日間もお付き合いすると徐々にうんざり状態に近づいてきます。
 
そういうときは別の金時食材のお世話になるとよい。お雑煮以外は火を使わないお正月料理に少し区切りをつけて、鳴門金時をオーブンでじっくりと焼き上げると、ホカホカの焼き芋が楽しめます。
 
Photo
焼き芋にするとおいしそうな鳴門金時

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2017年12月25日 (月)

「おむすび」と「おにぎり」

「パッカンおにぎり」について配偶者と話していたら、彼女が、なぜ「おにぎり」なのかと言い出しました。わたしは「おむすび」とは言うけれど「おにぎり」とは言わない。「パッカンおむすび」でもいいのに。
 
で、「おむすび」と「おにぎり」の違いを確かめるために、欲しい答えが書いてあるわけはないよなと思いつつ念のために広辞苑を開くと、そこには、じつに辞書らしい書き方がしてありました。「辞書らしい」というのは、似たような用語に関して、執筆担当者が解説に困ったときには、定義を循環させるという意味です。つまり、
 
・おにぎり 【御握り】  にぎりめし。おむすび。
・おむすび 【御結び】  握飯(にぎりめし)のこと。
・にぎりめし 【握り飯】  握り固めた飯。むすび。おにぎり。
 
ということです。はてしない堂々巡りになります。
 
つまり、「おむすび」と「おにぎり」にとくに差はありません。地域差はあるみたいですが、あとは言葉の好みの違い、家庭差・個人差による違いだけかもしれません。○と△の形状の違いも、呼び方とは関係なさそうです。しかし、夫婦喧嘩の原因のひとつにはなりえます。
 
ぼくは「○を、おにぎり」、「△を、おむすび」と呼ぶのが好ましいと考えますが、その反対の嗜好をお持ちの方もいらっしゃると思うので、説得力はありません。「にぎり寿司」という○でもなく△でもない形状の食べものを指す言葉もあります。そういえば、俵型のおにぎりも最近は少なくなりました。理由はわかりません。
 
それにしても最近の「パッカンおにぎり」はかわいらしい。関連記事は「にぎやかな丸いおにぎり、シンプルな三角のおむすび」。

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2017年12月21日 (木)

にぎやかな丸いおにぎり、シンプルな三角のおむすび

日本の美意識と食文化とコメの新たな融合、などというおおげさな表現を使ってみたくなるほど気に入ったのが、「パッカンおにぎり」です。どなたが立ち上げたか、「パッカンおにぎり」の専用サイトもあるので、「パッカンおにぎり」がどういうものかをご存じないかた、上手な作り方を知りたい方は、そのサイトをクリックしてみてください。なかなかに楽しい。
 
こういうブームを通じて、コメのベース需要というか、コメの追加需要が生まれてきます。パカンと口を開いたおにぎりになにを挟んでもいいのですが、和風家庭料理の基本となるようなおかずも多く使われているみたいなので、そういう意味での伝統維持効果、食育効果も期待できる(コンビニやスーパーで買ってきた総菜をそのまま利用するお母さんもいらっしゃるとは思いますが、それはそれとして)。
 
 下の「パッカンおにぎり」の写真はインターネットから勝手にお借りしました(当該おにぎりの作者にはこの場を借りてお礼申し上げます)。具は「右上から時計回りに、焼き鮭+大葉、人参とゴボウのきんぴら、オクラの梅かつお和え、ツナマヨ、唐揚げの甘酢あん」だそうです。スライスチーズか何かをくりぬいて作ったのでしょうか、眼がかわいらしい。子供は大喜びするに違いない。
 
Photo
 
先日、手ごろなお正月料理用の「田作り(ごまめ)」などを買いに配偶者とあるデパ地下を歩いていたら、特別栽培米の2kg袋の品揃えが豊富な米屋さんが、売り場の隣におにぎりのイートインコーナーを作ってありました。ターゲット層は、そこで少量のコメを買ったついでに食べていく主婦層か、米屋のおにぎりを小腹の空いたころに少量だけ賞味したい女性のようです。
 
ここに限らず、デパ地下のイートインコーナーでパンやケーキを食べている中年かそれよりももう少し年齢層が上の女性客は、最近はけっこう多い。
 
ここのおにぎりは、伝統的なつくりの海苔つき三角(△)おにぎりで、1個が200円前後。梅や昆布やオカカは190円台、焼き鮭やタラコはそれよりも10円ほど高い。具は20種類くらい。おいしそうな味噌汁は250円。小腹がすいたらワンコイン、ということです。
 
おコメ好きは、丸いパッカンおにぎりでも、シンプルな三角(△)おにぎりでも、どちらでもお好みで。

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2017年12月19日 (火)

食品包装用ラップフィルム

あるところで、おまけに、食品用のラップフィルムをもらったので、今日は「食品包装用ラップフィルム」(商品にそう書いてある)が話題です。「包装」という言葉と「ラップ」という言葉がダブっているようですが、そういう使い方だということで、ここでは気にしません。
 
日本で家庭向けの「食品包装用ラップフィルム」として流通している商品の原材料は、主に以下の3種類です。
 
1. ポリ塩化ビニリデン(家庭用としてはシェアがいちばん高い、値段も高め。)
2. ポリ塩化ビニル(伸びがよく、よくくっつく。スーパーや飲食店の業務用途で人気。)
3. ポリエチレン(家庭用、シェアは低い。値段も安め。)
 
我が家の食品包装用のラップフィルムのデフォは、添加物の入っていない「ポリエチレン」。「ポリエチレン・フィルム」の欠点はくっつきにくいこと。ただし、冷蔵冷凍庫との適合性はいい。
 
買わないが、高シェアなので、おまけでくれることがあるのが「ポリ塩化ビニリデン」のラップフィルム。フィルムが食品に触れないような場合には添加物を加えて柔らかくくっつきやすくした「ポリ塩化ビニリデン・フィルム」でもよいが、実際には、使わない。
 
我が家では「チン」にはほとんど縁がありません。しかし、食材の冷蔵や冷凍は必須なので、それに向いたラップフィルムを、安全面も考慮して、選択しているというわけです。
 
291
  添加物入り「ポリ塩化ビニリデン」
 
400
  無添加「ポリエチレン」

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2017年11月30日 (木)

「からゆたか」という北海道産サツマイモの風味

北海道でも最近はサツマイモができます。「からゆたか」という名前の北海道産のサツマイモを、好奇心から購入し、食べてみました。お店に並んでいたのは、買うのを止めようかというくらい細くて不器量なものでした(写真)。不器量なものは、経験上、美味しくない。でも、味の実験です。
 
水っぽいサツマイモでした。オーブンでしっかりとした焼き芋にしても、焼き芋の風味ではなく、蒸し器で蒸した感じです。繊維が多い。ぼくたちが子供のころの、品種改良される前のサツマイモに近い。たとえば、鳴門金時を焼き芋にしたときのホクホクの甘さと比べると、残念ながら、旨さは落ちる。
 
農研機構の紹介ページによれば、「からゆたか」は「いもの肥大が早く、ごく多収の青果用サツマイモの新品種で、栽培期間が短いため早掘栽培や新規導入に最適」だそうです。
 
「外観が良く、肉質はねっとりしていて、焼きいもに適し」ており、「栽培期間が短いため、早掘栽培での収量向上やサツマイモの新規作付けが期待されます」ということなので、我が家で食べた「からゆたか」は、イモづくりの下手な農家が、他の主要根菜類の栽培のついでに作ったダメな「からゆたか」だったのかもしれません。
 
ま、こういうことも、ときどきはあります。
 
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2017年11月29日 (水)

生鮮品の宅配サービス

先日、地元の生協のコールセンターのようなところから配偶者あてに電話がかかってきました。宅配サービスの勧誘電話です。配偶者は会員です。食材や加工食品や弁当などを組み合わせた形の宅配サービスの案内だと思いますが、とりあえずはお断りしたようです。宅配サービスは便利ですが、欲しいものだけを選んで注文しそれを都合の良い日時に届けてもらう限りにおいては便利ということで、提供者側のプリセット的な品揃えがその中に紛れ込んでくると、話は違ってきます。
 
「生鮮品の宅配サービス」に関する新聞記事がありました。長い記事ですが、最初のあたりを一部引用します(引用は『・・・』部分)。
 
『セブン&アイ・ホールディングス(HD)とアスクルは28日から生鮮宅配サービス「IYフレッシュ」を始める。共働き世帯などのニーズを見込み、カット野菜や調理キットなど5000品を扱う。・・・生鮮宅配はアマゾンジャパン(東京・目黒)も4月から「アマゾンフレッシュ」を展開するなど、競争が激しさを増している。・・・・・セブン&アイの商品力とアスクル独自の配送網で利便性を高め、生鮮品宅配の利用拡大を目指す。・・・「配送がタイムリーではないといったネットスーパーへの不満解消を目指したい」・・・・・IYフレッシュはアスクルの通販サイト「ロハコ」内に出店し、扱う商品は生鮮品を中心に5000品。午後2時までの注文で翌日の午前9時以降、午後2~11時の注文で翌日午後4時以降の受取時間を1時間刻みで指定できる。配送料は1回当たり350円。ロハコの商品を含む購入金額が4500円以上で無料にする。』(日本経済新聞 2017年11月28日)
 
インターネットには次のような「“生鮮”宅配」関連記事もありました。午前5時から午前7時の早朝宅配という今のところはニッチな新規セグメントに着目した宅配です。
 
『生協が一部の地域で試験的に始めたのは、「午前5時から7時」に届ける早朝宅配です。共働きの現役世代に対し、出勤前に食品を届けることで差別化を図る狙いです。「共働きなので買い物する間も惜しいので、(朝は)絶対家にいるので確実に受け取れるのはいい」(利用者)また、早朝は渋滞にあわないため、配送効率も上がるといいます。「(配達は)早い方がいい。1日が有効に使える」(利用者)』(TBS NEWS 2017年11月27日)
 
対象が生鮮食材や生鮮食品でも、宅配サービスなので、届けるということの利便性がどういう形であれベースにないとビジネスができません。
 
しかし、そうではあるにしても、方向は一つではありません。資本と設備と豊富な労働力で届けるということの利便性をもっと押し進めようとする上記記事のような方向と、とりあえずの利便性を保証したうえでより安心な食・安全な食の提供に向かう方向の二つに分かれようとしているようです。両者が部分的に重なるところはありますが、対象顧客(ターゲット顧客)の層が違うので、そういうことが成立します。
 
以下は後者の例。ウェブサイトのコピーです。なおその野菜の宅配業者では、期間限定で「1,980円で無農薬野菜を無料お届け」キャンペーンをやっているようです。セグメントは違うとはいえ競争は激化しています。
 
Fb_1
Fb_2b
 
こういうサービスを使うか使わないか、利用するとしたらどの方向のサービスを使うかは、消費者しだいです。しかし、いずれにせよ、生鮮食材の購入なので、料理が前提となります。加工食品の手抜きチンではない。そういう消費者がこのサービスを支えている。

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2017年11月22日 (水)

我が家の食卓は、「絶滅危惧種」らしい

何年か前に読んだ「家族の勝手でしょ!」がとても面白かったので、その続編である、岩村暢子著「残念和食にもワケがある」を買ってみました。2010年の前作と同じように、現在進行形の(その時点で最新の)家族の食卓の風景について、そして食事内容については主婦がフィルム式の簡易写真機で撮影した写真をつけて、解説してあります。ちなみに、その本の中では家族の食卓とは「子供のいる家庭の食卓」を指します。
 
新作であるところの「残念和食にもワケがある」の主題はタイトル通りで、日本の食卓で提供される和食とは呼びがたい不思議な和食(「残念和食」)、和食離れや白米離れ、そういうものが出現してきた背景、つまりその「ワケ」について記述されています。白米離れと言っても、玄米を食べ始めたという意味では、もちろん、ありません。
 
朝食は和食、それも炊き立てご飯と自家製味噌を使った味噌汁、自家製の漬物、自家製の梅干しや自家製の昆布の佃煮などが朝ごはんの必須であるところの、あるいは夜は一汁四菜を基本とするところの我が家のような「アンシャン・レジーム」がこの本を読むと、この調査のために食卓の光景や食事の作り方を提供された方々には申し訳ないのだけれど、何度も笑ってしまいます。捧腹絶倒にちかいところもある。同時に少し悲しい「革命」風景でもあります。
 
登場する主婦のほとんどは30代の初めから40代の終わりくらいの年齢層。「子供のいる家庭の食卓」が対象なので、ご主人の年齢もだいたいわかります。
 
最近の「革命的な食卓」の全体像や個々の詳細やその細かい背景説明については「残念和食にもワケがある」をお読みになってなっていただきたいのですが、ぼくにとって「印象的」だったのは「味噌汁」と「だし」についての記述です。
 
味噌汁は、かつては、ご飯と味噌汁と漬物があればなんとかなるというようなものではあっても、あるいはそうだからこそ、毎食ごとにテキパキと用意するものだったのですが(といっても、おいしい味噌汁作りには慣れと技術が必要です。しかし、それはさておき)、今は、味噌汁とは、主婦が作り置きする料理へと変身したようです。「煮返し味噌汁」だそうです。煮返しの時に具が足りなくなると、『主婦たちは「乾燥ワカメをオンした」「卵を追加投入」などと、ごく当たり前のことのように語る。』
 
味噌汁の調理方法もなかなかにユニークです。作っているのは、繰り返しますが、30代と40代の、つまり、料理歴10年~20年以上のベテラン主婦です。
 
『「何をどう組み合わせて入れても大丈夫なのが、味噌汁」という感覚』『例えば、「ニラ、大根、乾燥ワカメ、油揚げ」の味噌汁を作った主婦(38歳)。「材料を全部沸騰したお湯に入れて私は結構グツグツ煮る。シャキシャキしているものは子どもも食べないので、くたくたになったらだし入り味噌を入れる」。「ナスとネギとワカメ」の味噌汁を作った主婦(37歳)も「具材とだし入り味噌を同時に水の中に入れ、沸騰させて煮る」と言う。「大根、ナス、玉ネギ」の味噌汁を作った主婦は、「美味しくするには、味噌を入れてからグツグツ煮込むのがコツです」(31歳)と教えてくれた。』
 
2年間から3年間ほど寝かせた、たまらなく良い香りの自家製味噌を味噌汁に使っている我が家としては、ちょっとこの「革命的な手法」にはついていけません。これでは、ほとんど「味噌殺し」です。
 
次は、「だし」。最初に『「味噌汁」と「だし」』と書きましたが「出汁」と書かなかったのは、「出汁」と書くと昆布や鰹節できちんと出汁を引くのかとかえって誤解を生むので、この本にならって「だし」としました。
 
『家庭では、だし入りの「つゆの素」「だし醤油」がいつの間にか「醤油」と入れ替わって、基礎調味料と同等に使われているのだ。そのせいか、それらを使って料理する時には、ほとんどの主婦が「顆粒だし」や「だしの素」をさらに添加している。』
 
「だし」を重ねると、「味が決まる」「旨味やコクが出る」「味がはっきりする」「味に深みが出る」のだそうです。だから、『もちろん味噌も例外ではない。「だし入り味噌を使い、最後に風味を出すために顆粒だしを添加する」主婦がとても増えた。』
 
「つゆの素」や「だし醤油」や「だし入り味噌」に入っているのは日本では旨み調味料、グローバルにはMSG(グルタミン酸ナトリウム)とよばれている化学調味料です。化学調味料の入ったA社の「基礎調味料」にA社の別の、あるいはB社の「化学調味料」を追加して、味を深くするらしい。日本の食品会社のマーケティング力というのはあらためてすごい。
 
そんなものを食べ続けていたら、国民の平均寿命はそのうち下降カーブを描きそうですが、しかし、それを新薬とiPSのような最新の部品交換医療技術で食い止めるので、おそらく平均寿命は高止まりするのでしょう。そうなるとマクロな医療費は下がるのでしょうか、上がるのでしょうか。
 
家族がいっしょに集まって一汁三菜を食べるということがなくなり、主食重ね(たとえば、おにぎりとラーメン)を含めそれぞれが好きなものを都合のいい時間に食べるという家族の「自由」に対応するための主婦の知恵の成果が「残念和食」であり、その「ワケ」です。この本にはそのあたりの事情がきれいに整理されています。
 

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