女性

2018年7月 5日 (木)

化粧品とコミュニケーション

写真は、この季節になるとアーチに沿ってきれいに伸びるホップ(あの、ビールに使うホップ)です。場所は大通公園という札幌の中心部にある公園です。

20180704

この写真には写っていませんが(写していませんが)、ホップに向かってスマートフォンを構えているぼくの近くで、複数の中国からの家族連れが高級なコンパクトカメラやスマートフォンでお互いに写真を撮りあっていました。地味なホップのアーチの近所には、噴水があり、花壇にはとてもカラフルな花が植えられています。

この公園を歩き続けたり、この公園に隣接する商業地域を歩いていると、あるいは、藻岩山(もいわやま)の麓を経由してきた夜の市電に飛び乗ったりすると、聞こえてくるのはたいていは中国語で、そういう環境にいると、自分が中国のどこかの地域の少数民族の一員であるような気分になります。かりに彼らがしゃべっていなくても顔つきや醸し出す雰囲気で隣の国からの観光客だとわかります。

その異国感を、そしてとくにそれがやや変形した感じのものを味わいたければ、配偶者のお供でデパート一階の化粧品売り場に行くのが最適です。

これは配偶者の受け売りですが、世界の化粧品売り場の中で、日本のデパートの化粧品売り場ほど、顧客への対応と実物説明を含む解説が丁寧で親切なところはないそうです。だから、中国人女性観光客の足が絶えない。

中国語が堪能とは思えない日本人の販売員女性と中国人顧客がどうやって細かいニュアンスを伝えあっているのかわかりませんが、きれいになりたいという気持ちときれいにしてあげたいという意思、そして、本物の化粧品という現実的な媒体とボディ・ランゲッジがあればコミュニケーションは比較的簡単なのかもしれません。

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2018年4月24日 (火)

「#YouToo」という言葉のある種のおそろしさ

「井上ひさし」の小説に平成11年に出版された『東京セブンローズ』というのがあります。旧漢字遣い・旧仮名遣いのこの800ページ近い本は、あまり売れなかったらしく、今は古本でしか手に入りません。
 
この本の帯には『日本語を救った女たちの物語!』『戦局いよいよ見通しのない昭和二十年春のこと、(・・中略・・)そして敗戦、日記はつづく。占領軍は、忌むべき過去を断つべく日本語のローマ字化をはかる・・・。国家、市民、そして国語とは何なのか?』」とあり、これがこの本の主題ですが、本の帯には、同時に、『その驚倒・讃嘆すべき戦下の日常の細密な叙述には、一片の嘘もなく、まじりっけなしの真実のみ』とも印刷してあります。
 
敗戦日をはさんだ東京とその近郊の1年間の市民の日常と心理、B29の空襲警報、サツマイモの雑炊、時折り細い鋭い目をする特高刑事やうさんくさい町会長、隠匿物資の闇取引にかかわる人たちのしたたかさと抜け目なさ、混雑の極みの酒場や銭湯、新しいお上である「濠端(ほりばた)天皇」にあてた一般市民の手紙など、「日常の細密叙述」は圧倒的でほとんど百科全書の趣きです。
 
国や国民がある方向に傾斜していったときに、為政者や官僚だけでなく市民(オジサンやオバサン)の精神構造がどうなるか、日常生活における当時の具体例が満載なので、なかなか得難い資料本として手元においてあります。
 
その中から「オバサン」から「オジサン」へ向けて発せられた批判的発言の例を抜き出してみます。
 
『・・・満蒙(まんもう)は帝國の生命線、昭和維新、高度國防國家建設、非常時の波高し、國民精神總動員、擧国一致、堅忍持久(けんにんじきゅう)、代用品時代・・・』『大東亞新秩序、紀元二千六百年、月月火水木金金、一億一心、大政翼贊、八紘一宇、玉砕、どれもこれもぴかぴかの漢字、かういつた御立派な漢字で天下國家を論じて、それで日本はどんな國になりましたか。少しでも立派な國になりましたか。答えは出ています。すつかりだめな國になつてしまつた』
 
いわば当時の「#MeToo」「#YouToo」メッセージです。「パワハラ」告発メッセージとも解釈できます。
 
しかし、そういう「日本をダメにした」ところの原因であるところのオジサンから、声高なオバサンへの反論メッセージもその小説の中に含まれていますが、オジサンの反論はやや弱々しい。弱々しいのは、オバサンという集団は視野を狭めて一方向に走り始めると、けっこう恐ろしい存在になるということをオジサンは知っているからかもしれません。以下は、その弱々しい反論の例です。
 
『大日本婦人會の襷(たすき)を大袈裟にかけて<進め一億、火の玉だ>と連呼しながら、そこの不忍(しのばず)通りを嬉しそうに提灯行列してゐたのはどこのだれだ』
 
タスキをかけて「進め一億、火の玉だ」と提灯行列していたオバサンも、この文脈では、「#YouToo」の対象になります。つまり、オジサンに投げかけた言葉が自分に戻って来た。お互いに魔女狩りの状態です。
 
魔女狩りや魔女裁判について調べてみると、「マシュー・ホプキンス」という17世紀の魔女狩り活動家(イギリス人男性)が巧妙な方法を考案していました。
 
水は聖なるものなので魔女を受け入れない。つまり、魔女は水に浮く。そういう言い伝えがあった。だから、魔女と思われる人物を紐で縛り上げ、水に投げ入れる。浮かんだら有罪、沈めば無罪とする方法だったそうです。浮かんだら、そこでは死なないけれど、有罪なのであとで死刑になる。浮かなかったら無罪だけれど、縛られて水の中なので、その場合は溺死してしまう(その恐れが高い)。いずれに判定されようと、悲劇が待っています。つまり、ターゲットにされたらおしまい、とまではならないにしてもそうなる可能性が非常に高い。
 
「#YouToo」に関する報道記事を読んで、両者の類似性について考えることになりました。
 

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2018年3月30日 (金)

Tシャツとアイスクリーム

夏も冬も家庭着にはTシャツが活躍します。冬は暖房のよく利いた居間でアイスクリームを喩しむといった家庭ではTシャツが便利かもしれません。実際、北海道では、地元産の牛乳を使ったアイスクリームやソフトクリームがとてもおいしいということもありますが、冬季のアイスクリームの売り上げが他の地域よりも断然多い。
 
知り合いの女性も冬のアイスクリームが大好きです。冬の地下街のお店や路面店では、コートを脱いでソフトクリームを楽しんでいる女性も目立ちます。ソフトクリームに関しては、北海道では、季節はまったく関係ないかもしれません。たいていのソフトクリームは美味しいですが、中からミルクが香り立ち唸るようなうまさのものもあります。
 
暑い時期の休日の半袖にはポロシャツやゆったり目のTシャツが便利です。半袖の時期でない季節の休日はどうするかというとノーアイロンではない綿の長袖ワイシャツに、ふた回り大きなサイズの厚手のTシャツを重ね着してます。理由は、ワイシャツだと洗い物のときに袖をまくり上げられて便利だし、寒いときは厚手のゆったりTシャツを重ねると邪魔にならないし暖かい。
 
長袖ポロシャツは、不器用なのか、袖を水で濡らしてしまう。ノーアイロンシャツは生地が形態安定用の薬品のせいでゴワゴワしていて気持ちがよくない。一度間違えて買ってしまい後悔し、それ以来、縁がない。やはりアイロンの必要な、柔らかい綿100%です。
 
ふた回りほど大きなサイズの厚手の綿Tシャツ(ぼくの場合はXX-LARGE)はそのあたりでは売っていないので、あるTシャツの専門店から地味な色の無地を何枚かまとめて通販購入しています。厚手無地の大判というのは、どこにでもありそうで、実際は気に入ったものがなかなか見つからないものです。
 
Tシャツとアイスクリームの間に一般的には何の相関関係もありませんが、季節を横断して需要があるという意味ではつながりがありそうです。

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2018年3月13日 (火)

平均寿命と健康寿命

先日、厚労省から2016年の健康寿命に関する調査結果(約71万人を対象にしたアンケート調査結果からの推計値)の発表がありました。この調査は2010年から3年ごとに行われています。
 
「健康寿命」とは、健康上の問題がなく、日常生活の活動が病気などで制限・制約されることのない期間のことですが、2016年は男性が72.14歳、女性が74.79歳。前回調査の2013年と比べ、男性は0.95歳、女性は0.58歳「健康寿命」が延びました(なお、下の図表「都道府県別の健康寿命」は日本経済新聞から引用)
 
2016_20183
ちなみに、明治31年(1898年)から平成28年(2016年)までの、平均寿命の推移は以下のようです。
 
18982016
 
上のグラフでは細かい数字がわかりにくいのですが、2016年の平均寿命は男性が80.98歳、女性が87.14歳なので、「『非』健康寿命」期間が、男性は8.84年、女性は12.35年続くことになります。
 
「『非』健康寿命」期間とは、たとえば、具合の悪い方から言うと、自宅や介護施設で寝たきりか、そこまでいかなくても介護施設で車椅子を利用する生活をしているか、もっと広くいえば、たとえば介護保険の要介護の認定者で、病気や老齢で日常生活になんらかの支障をきたしているような不便な状態が続く日々のことです。
 
男性のほうが、身体の不具合をかかえた場合に諦めが早いというか、そういう場合の生への執着が、女性よりも、肉体的にも精神的にも希薄なのかもしれません。関連記事は「平均寿命と食べもの」。

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2018年2月14日 (水)

昨夕のチョコレート売り場

こちらのほうが長持ちするので、今年は大量に廃棄処分されたらしい恵方巻よりも、チョコレートのほうがいいかもしれません。ともに、誰かに上手に創り出された同じ二月のイベント商品ではありますが。
 
昨日の午後6時30分くらいのデパ地下のチョコレート売り場というのは、それを買う側にとっては最後の購入チャンスです。そこをその時刻に配偶者のお供でうろうろしていました。
 
そのチョコレート売り場では、赤い綱で仕切られた区画に女性客が行列を作っています。配偶者はその列に並びましたが、ぼくは場所がないので、若い女性客や若い女性客よりは人生経験が豊富そうな女性客がチョコレートを買い求めているあたりが眺められて、同時に、他のお客の邪魔にならないあたりに立ち、購入の状況を失礼にならない程度に観察しています。
 
配偶者にお供をしたのは、その売り場で買う必要箱数のチョコレート以外に、ぼくにも別の売り場で普段食べないタイプをおまけにひとつ買ってくれるらしいという理由からですが、どちらかというと穏やかな表情の女性買い物客を10分以上も観察し続けるというのは頻繁にある機会ではありません。まったく同じタイプを10個以上も包装してもらっている場面がありましたが、ああいうのは義理チョコに違いない。
 
ぼくのそばを、スマホを片手に女性が二人、中国語をしゃべりながら通り過ぎていきます。
 
最近のはやりなのか、Bean to Barの文字も目に入ります。手作り板チョコというのか、工場制手工業の板チョコというのか、手作り感が漂う板チョコのことです。ぼくのおまけは、札幌で作っているそのBean to Barでした。
 

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2018年2月 9日 (金)

すでに春?

札幌では雪まつりが進行中で、先ほど外気温を確認したら氷点下4.3℃。これだと雪像は硬く締まっていますが、午後は最高気温がプラスになるので陽が降り注ぐと一部の雪像は溶け始めるかもしれません。
 
年末は真っ暗に近かった午後4時でも空は明るいので、春がゆっくりと近づいてくるのを感じられますが、春がすでに踊っている場所が2つあります。
 
ひとつはデパートの婦人服売り場。フロア全体が、すでにパステルカラーの春です。婦人服売り場はいつから春になるのでしょうか。配偶者といっしょっだと、ゆっくりと春の色を眺められます。
 
もうひとつは、旅行会社から送られてくるパッケージツアーのパンフレット。表表紙も裏表紙も桜の写真だし、なかの多くの旅行案内も桜です。最近は鉄道の豪華旅行が人気らしく、列車に乗りながら全国の春を一週間かけて楽しむ企画も大きなスペースで掲載されています。
 
そういう旅行には今年も縁がなさそうなので、下に貼り付けたのは、以前に撮影した近場の地味な桜と、桜の季節ではない時期に立ち寄った吉野の山。
 
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2018年1月11日 (木)

自宅で味噌を作るひとは家庭的?

ある辞書の説明を引用すると、「家庭的」とは、
 
1。 家庭生活に向いているさま。また、家庭を大事にするさま。「家庭的な人」
2。 家庭にいるように、うちとけてくつろぐことができるさま。「家庭的な雰囲気の宿」
3。 家庭に関するさま。「家庭的に不遇である」
 
となっており、言葉(単語)の意味としては、まあ、その通りだと思います。
 
30歳代後半で独身の働く女性がいらして、仕事で忙しいにもかかわらず味噌や梅干しを自分で作るので、彼女は実際はとても「家庭的」であるに違いないという趣旨の文章に合いました。そういう意味合いの「家庭的」には、上の三つの説明では、最初のものが該当しそうですが、すっきりしません。
 
だから、はたしてそう言い切っていいのか?つまり、自家製味噌や自家製梅干しを作る人は、家庭の基礎食材を家庭で作るので従って家庭的だという以上の積極的な意味で、家庭的なのか?
 
味噌や梅干しをひとりで作るのはたいへんです。二人でやってもかなりの重労働なので、ひとりでやるには相当の覚悟がいります。だから、伝統的な家庭基礎食品をわざわざ自分で作るということは、その彼女は家庭的であるに違いない。それが、ひとつの考え方。
 
別の考え方もあって、それは、その彼女は美味しいものが好きで、料理が好きで、しかし家庭のようなものは大嫌いで、だから、自分の楽しみのために、あるいは気の置けない仲間をときどきの料理でもてなすために自家製の味噌や梅干しを作っているのかもしれません。そういう情景のほうがぼくにとっては腑に落ちやすい場合も多い。
 
ところで、そのひとが独身女性でなく独身男性であったらどうなるか。彼を家庭的と呼ぶのかどうか。辞書定義的には彼もある意味では家庭的ですが、生活文脈的には家庭的ではありません、家族的な生活を歓迎していないという意味で「非家庭的」です。
 
しかし、「非家庭的」なひとはつきあいにくいというわけではないので、たまに、自家製味噌などを肴に一杯やる相手としては、そういう「非家庭的」な女性や男性のほうが、おそらく話題が豊富なので、好ましいかもしれません。
 

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2017年11月10日 (金)

午後4時30分の喫茶室(あるいは、女性と消費者向けAI)

北海道にはそれなりに規模の大きな洋菓子屋(洋菓子製造販売会社)が多く、札幌にはそれぞれ札幌本店が店を構えています。そしてたいていはその建物の、たとえば2階に、ゆったりとした大きな喫茶室が用意されている。
 
ある用件を済ませた後、配偶者がちょっとお茶をしたいというので、ある洋菓子屋の2階にある喫茶室に入りました。時刻は平日の午後4時半。こういう時間帯はそういう喫茶室も空いているはずなのですぐに座れると判断しそこに決めたのですが、予想通り客のテーブル占有率は60%程度でした。
 
ぼくたちが注文したのは、ソフトクリームとコーヒー。こういう洋菓子屋喫茶室のソフトクリームというのは、原材料が北海道産牛乳なので、それぞれに個性があっておいしい。一定水準以上のレベルで個性を競い合っていて、当たり外れがありません。
 
好奇心で、失礼のないようにそこのお客の数を数えてみると、われわれを除いて、4人連れが2組、2人連れが8組、一人が2組、全部で26人です。全員が女性。サービス業や流通業でその平日が休日の男性もいるはずですが、こういう場所には近づかないらしい。
 
嫌がる配偶者の協力も得て、その26人をだいたいの年齢別に分けてみると、20代が10人、30代が2人、40代が9人、50代が2人、60代が3人。旅行ガイドをテーブルに置いてケーキを食べているアラサーの明らかに旅行中の二人連れ以外は、地元の女性のようです。
 
飲み物やケーキでおしゃべり中という典型的な喫茶室紹介写真のような雰囲気の人たちは少なくて、おしゃべりもするのだけれど、あとは、ケーキなどを食べ終わるとめいめいに、インターネットなのかラインなのかスマホの画面に視線を落としたまま勝手に時間をつぶしています。しかし、またすぐにおしゃべりが再開されます。連れとのリアルなおしゃべりと情報端末を通したバーチャルなおしゃべりがシームレスにつながっています。
 
若い世代ほどそうだというわけでもありません。年齢層にかかわらずそうでした。これはぼくにとってはちょっと意外でした。
 
最近はAIスピーカーの宣伝やニュースが目につきますが、音声をユーザーインターフェースにしたユーザ支援ソフトウェア(たとえば、情報検索や質問)は、OS付属の同種のソフトウェアと同じで、頭がいいとは言えない。お付き合いにはけっこうな忍耐が必要なほどに、けっこうにおバカです。たいていは、そのおバカ加減にうんざりして利用を停止する。
 
しかし、リアルとバーチャルな会話(リアルとバーチャルの井戸端会議)を途切れなく組み合わせる女性をみていると、女性の方が、ユーザーインターフェースの癖さえ分かってしまえば(それは、おバカだけれども好きなペットの癖みたいなものなので)、情報技術先端の応用分野には適応性があるのかもしれません。

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2017年9月26日 (火)

曼殊沙華、もしくは彼岸花

曼殊沙華は、普通は、「まんじゅしゃ『げ』」と読みますが、それを「まんじゅしゃ『か』」と歌ったのは山口百恵です。
 
手元の仏教関係の辞典を見ると、「曼殊沙華」とは「サンスクリット語 mañjūṣaka、パーリ語mañjusṣakaの音写。如意花・■花などと漢訳する。白色柔軟で、これを見る者はおのずから悪業を離れるという。天神が意のままにこの花を雨のように降らせると考えられる天界の花。日本では彼岸花をさす。」
 
サンスクリット語「mañjūṣaka」の音は「マンジュシャカ」です。彼女は、あるいは阿木燿子は、サンスクリット音で歌うことに決めたようです。
 
「白い花さえ 真紅にそめる」。もともと「白色柔軟」な花を、女の執念で、写真のような「真紅」にそめるのでしょう。
 
Photo
 
この曼殊沙華(彼岸花)は東京郊外で咲いていたものです。札幌や北海道では出合ったことがありません。なぜか。「札幌・百合が原公園」のウェブサイトに以下のような記述がありました。納得です。
 
『花色は赤以外にも、クリーム色っぽい黄色や薄オレンジのグラデーションが入ったようなものまで様々です。本州では田んぼのあぜ道によく植えられていて、ちょうどお彼岸の時期に咲くヒガンバナ。北海道では地植えでの越冬が難しい植物です。』
 
百合が原公園では、曼殊沙華を温室で栽培しているそうです。
 
それから、『開花時期には花のみで葉が見えないヒガンバナは、花と茎が枯れた後の冬に葉を成長させ、春に光合成をして栄養を蓄え、夏に葉を枯らすという珍しいサイクルをしているところも神秘的な植物です。』(下線は「高いお米、安いご飯」)
 
たしかにサイトの写真を拝見すると「花色は赤以外にも、クリーム色っぽい黄色や薄オレンジのグラデーションが入ったようなものまで様々」ですが、赤いのは女性の執念の反映だと考えると、その神秘性というかその怖さが強まります。

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2017年7月 5日 (水)

大豆と大豆を使った食品に関する複数の考え方

食べものを含む特定の対象物に対する常識、あるいは考え方、あるいは知見は時とともに変化します。常に進歩とは言えませんが、そういう方向に変化することを、ぼくたちは、いちおうは期待しています。そして、たいていは、別々の時期に生まれた異なった複数の考え方や知見が、おのおのの勢力範囲を徐々に変えながら、同時に存在しています。食品としての大豆に関してもその図式が当てはまるようです。
 
(グループ1)大豆は健康食品であり、伝統食である。
 
・大豆はタンパク質の豊富な健康食品である。「畑の牛肉」と呼ぶ人もいる。
 
・大豆が健康食品と考えているのは日本人だけでなく、たとえば多くの米国人もそう考えている。米国のスーパーマーケットではTOFUは人気食品のひとつ。赤ちゃん用の粉ミルクがありますが、大豆の粉ミルクというのも米国では需要が高い。
 
・大豆は、とくに加工食品や発酵食品は、ぼくたち日本人の食生活からは切り離せない。大豆がないと、豆腐も厚揚げも味噌も醤油も納豆も作れない。
 
 
(グループ2)発酵食品以外の形で大豆を食べると、健康を害する場合がある。大豆はほとんどが遺伝子組み換えなので、それも問題である。
 
・米国で生産されている大豆の90%以上が遺伝子組み換え。遺伝子組み換えということは、除草剤や殺虫剤に耐性があるような具合に(そんなものを噴霧されてもどうということもないように)遺伝子を組み換えられているということ。大豆を食べるということは、よほど注意していないとそういう不思議な農産物、あるいはそういう不思議な農産物をエサにして育てられた家畜を食べるということ。これは人類史上初めての経験なので、どういう風な影響が出るかは誰もよくわからない。
 
・大豆油はn-6系のリノール酸を多く含む植物油のひとつ。つまり、日本人が揚げ物や加工食品(ドレッシングやマヨネーズ)を通して過剰に摂取している油のひとつです。消費量は抑えた方が健康的。
 
・大豆は、納豆や味噌や醤油のような大豆を発酵させた食品は別だが、サポニンやフィチン酸といった自然毒素であるところの反栄養素を含んでいる。この反栄養素は、タンパク質の消化酵素の働きを阻害する。
 
・大豆に含まれるイソフラボンは女性に悪影響を与える。
 
・大豆粉ミルクは、大豆に含まれるエストロゲンが赤ちゃんの健康を危機にさらす。
 
・大豆油、豆乳、豆乳を使ったヨーグルトやチーズ、大豆で作った「もどき牛肉」、大豆タンパク、大豆粉ミルクなどにはMSG(グルタミン酸ソーダ、グルタミン酸ナトリウム)が含まれていることが多いので食べないほうがいい。
 
・食品表示法では「【アレルギー物質を含む食品の原材料表示について】(食品衛生法に基づく)」という項目で下記の原材料の表示を義務付けている。その理由は「近年、乳幼児から成人に至るまで、特定の食物が原因でアレルギー症状を起こす人が増えてきました。アナフィラキシーショックも年々増加しています。・・・食物アレルギーでは、極微量でも発症することから、加工食品1kgに対して数mg以上含まれる場合、表示されることとなります」。
 
 必ず表示しなくてはならない特定原材料は「卵、乳、小麦、落花生、えび、そば、かに」、それから表示が勧められている20品目は「いくら、キウイフルーツ、くるみ、大豆、バナナ、やまいも、カシューナッツ、もも、ごま、さば、さけ、いか、鶏肉、りんご、まつたけ、あわび、オレンジ、牛肉、ゼラチン、豚肉」で、大豆は20品目のうちのひとつ。
 
 
(グループ3)大豆は、発酵させてあっても、悪影響を被る人がいる。
 
・グループ2では、健康にいい食べもの、安全・安心な食べものとされている「大豆の発酵食品」(つまり、味噌や醤油や納豆など)も、発酵過程で生成された生体アミン(ヒスタミンやチラミンなど)がそれを食べた人に炎症やアレルギーなどの悪影響を及ぼすことがあるので、それらに敏感なかたは大豆発酵食品も避けた方がいい(関連記事は「味噌と醤油とヒスタミン」)。
 
 
以上、現在、世界に同居している「大豆や大豆食品に関する複数の考えかた」をまとめてみました。このブログの身近な読者からそういうリクエストがあったからです。個人メモ的な記事です。
 
【註】国産大豆の国内大豆消費量に占める割合、つまり自給率は、5%~6%程度です。大豆は、日本では、煮豆惣菜として食べたり、豆腐や油揚げという形で食卓に並べたり、味噌・醤油・納豆といった発酵食品に加工して口に入れています。植物油の原料としても大豆は大量に使います。
 
内訳をみると、食品用(豆腐や味噌や納豆として食べる)の自給率は21%くらい。油糧用(植物油用)の自給率は0%。つまり、大豆は大部分が米国などから輸入されています。油糧用(植物油用)の大豆消費量は食品用の約3倍なので、総体的な自給率は5%程度になります(農水省データ)。

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