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2017年7月 5日 (水)

大豆と大豆を使った食品に関する複数の考え方

食べものを含む特定の対象物に対する常識、あるいは考え方、あるいは知見は時とともに変化します。常に進歩とは言えませんが、そういう方向に変化することを、ぼくたちは、いちおうは期待しています。そして、たいていは、別々の時期に生まれた異なった複数の考え方や知見が、おのおのの勢力範囲を徐々に変えながら、同時に存在しています。食品としての大豆に関してもその図式が当てはまるようです。
 
(グループ1)大豆は健康食品であり、伝統食である。
 
・大豆はタンパク質の豊富な健康食品である。「畑の牛肉」と呼ぶ人もいる。
 
・大豆が健康食品と考えているのは日本人だけでなく、たとえば多くの米国人もそう考えている。米国のスーパーマーケットではTOFUは人気食品のひとつ。赤ちゃん用の粉ミルクがありますが、大豆の粉ミルクというのも米国では需要が高い。
 
・大豆は、とくに加工食品や発酵食品は、ぼくたち日本人の食生活からは切り離せない。大豆がないと、豆腐も厚揚げも味噌も醤油も納豆も作れない。
 
 
(グループ2)発酵食品以外の形で大豆を食べると、健康を害する場合がある。大豆はほとんどが遺伝子組み換えなので、それも問題である。
 
・米国で生産されている大豆の90%以上が遺伝子組み換え。遺伝子組み換えということは、除草剤や殺虫剤に耐性があるような具合に(そんなものを噴霧されてもどうということもないように)遺伝子を組み換えられているということ。大豆を食べるということは、よほど注意していないとそういう不思議な農産物、あるいはそういう不思議な農産物をエサにして育てられた家畜を食べるということ。これは人類史上初めての経験なので、どういう風な影響が出るかは誰もよくわからない。
 
・大豆油はn-6系のリノール酸を多く含む植物油のひとつ。つまり、日本人が揚げ物や加工食品(ドレッシングやマヨネーズ)を通して過剰に摂取している油のひとつです。消費量は抑えた方が健康的。
 
・大豆は、納豆や味噌や醤油のような大豆を発酵させた食品は別だが、サポニンやフィチン酸といった自然毒素であるところの反栄養素を含んでいる。この反栄養素は、タンパク質の消化酵素の働きを阻害する。
 
・大豆に含まれるイソフラボンは女性に悪影響を与える。
 
・大豆粉ミルクは、大豆に含まれるエストロゲンが赤ちゃんの健康を危機にさらす。
 
・大豆油、豆乳、豆乳を使ったヨーグルトやチーズ、大豆で作った「もどき牛肉」、大豆タンパク、大豆粉ミルクなどにはMSG(グルタミン酸ソーダ、グルタミン酸ナトリウム)が含まれていることが多いので食べないほうがいい。
 
・食品表示法では「【アレルギー物質を含む食品の原材料表示について】(食品衛生法に基づく)」という項目で下記の原材料の表示を義務付けている。その理由は「近年、乳幼児から成人に至るまで、特定の食物が原因でアレルギー症状を起こす人が増えてきました。アナフィラキシーショックも年々増加しています。・・・食物アレルギーでは、極微量でも発症することから、加工食品1kgに対して数mg以上含まれる場合、表示されることとなります」。
 
 必ず表示しなくてはならない特定原材料は「卵、乳、小麦、落花生、えび、そば、かに」、それから表示が勧められている20品目は「いくら、キウイフルーツ、くるみ、大豆、バナナ、やまいも、カシューナッツ、もも、ごま、さば、さけ、いか、鶏肉、りんご、まつたけ、あわび、オレンジ、牛肉、ゼラチン、豚肉」で、大豆は20品目のうちのひとつ。
 
 
(グループ3)大豆は、発酵させてあっても、悪影響を被る人がいる。
 
・グループ2では、健康にいい食べもの、安全・安心な食べものとされている「大豆の発酵食品」(つまり、味噌や醤油や納豆など)も、発酵過程で生成された生体アミン(ヒスタミンやチラミンなど)がそれを食べた人に炎症やアレルギーなどの悪影響を及ぼすことがあるので、それらに敏感なかたは大豆発酵食品も避けた方がいい(関連記事は「味噌と醤油とヒスタミン」)。
 
 
以上、現在、世界に同居している「大豆や大豆食品に関する複数の考えかた」をまとめてみました。このブログの身近な読者からそういうリクエストがあったからです。個人メモ的な記事です。
 
【註】国産大豆の国内大豆消費量に占める割合、つまり自給率は、5%~6%程度です。大豆は、日本では、煮豆惣菜として食べたり、豆腐や油揚げという形で食卓に並べたり、味噌・醤油・納豆といった発酵食品に加工して口に入れています。植物油の原料としても大豆は大量に使います。
 
内訳をみると、食品用(豆腐や味噌や納豆として食べる)の自給率は21%くらい。油糧用(植物油用)の自給率は0%。つまり、大豆は大部分が米国などから輸入されています。油糧用(植物油用)の大豆消費量は食品用の約3倍なので、総体的な自給率は5%程度になります(農水省データ)。

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2017年5月25日 (木)

チラシと興味深いセグメンテーション

郵便受けに入ってくるチラシには、新聞に折り込まれたものやポスティング業者によってポスティングされたものなどがあります。申しわけないのですが、ほとんどは、目を通すことなく、雑紙専用のゴミ箱に直行させます(たまった雑紙は、決まった曜日に札幌市が無料で収集していってくれるので)。
 
しかし、ときどきは、興味深い切り口のメッセージが印刷されたチラシに出会うこともあります。ぼくにそういうニーズがあるというのではなくて、チラシの作成者の目の付け所がユニークなのでつい目を通してしまう、マーケティング用語を使うと、セグメンテーションのやり方が面白いのでチラシの文章を最後まで読んでしまうということです。
 
先日、女性の経営するある行政書士事務所からのポスティング・チラシが入っていました。訴求相手を絞り込んだ内容のもので訴求対象は「共同生活者に住宅・マンションやその他の資産を確実に遺したいが、さて、どうしたものか」と、その方法に悩んでいる人たちです。
 
「あなたの資産を奥様に遺す遺言書作成をサポートします」という大きな活字の書き出しで始まり、「公正証書遺言作成支援」の料金と「*別途、公証人役場へ支払う手数料が発生致します」というコメントが記載され、そのあとに「下記に該当する方は、公正証書遺言をおすすめいたします」という本文と、その該当者の状況例が続きます。
 
その状況例とは、「お子様がいない場合」「旦那様に前妻との間に出来た子供がいる場合」「現在内縁の妻と購入したマンションに住んでいる場合」など。
 
どれくらいのサイズのセグメントかはわかりませんが、セグメンテーションのしかたはユニークです。好奇心からこの行政書士事務所のウェブサイトを拝見すると「当事務所は、“離婚公正証書”の作成に重点を置き、相手方と交わした取り決めを確実なものにしていくことを大切にしています。」とあるので、セグメンテーションのしかたは筋が通っているようです。

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2016年9月 5日 (月)

プレゼントした糠床(ぬかどこ)のその後

先日、「糠(ぬか)漬けは夏の漬物、それから、糠床のプレゼント」というブログ記事で、「これは、配偶者の趣味なのですが、糠漬けを作りたいのだがどうしていいかわからない結婚したばかりの若い女性のお知り合い、あるいは、若いというわけではないのですが糠漬けというものに取り組んだことのない知り合いで、糠漬けを敷居の高い漬物だと誤解している方には、ときどき、糠床をすぐに使える状態にしてプレゼントしているようです。」と書きましたが、その糠床(ぬかどこ)のその後です。
 
一番最近にプレゼントしたのは、結婚されて間がない専門技術職の女性です。結婚後は、生活時間に余裕の持てるパートタイム勤務に変えたようです。そのせいもあったのか、糠漬けに意想外にはまってしまい、この夏休みに札幌から車で2~3時間の北海道のある地域のご主人の実家に帰省した際にも、お気に入りの自分の糠床を車に積んで持ち帰ったそうです。自分の糠床で作った糠漬けを帰省中も毎日食べたい。ご主人にも食べさせてあげたい。材料の野菜は家庭菜園でどんどん育つので、お店で買う必要はないそうです。
 
糠漬けの得意な主婦が増えるというのは、日本の食文化の基本部分が維持されるということなので、結構なことではあります。

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2016年6月 1日 (水)

ブロッコリーの茎

全粒粉のパンやパスタや有機野菜が好きで、しかし、料理がそれほど得意とは思えない知的な仕事を持っている中年女性がブロッコリーの料理をはじめました。彼女のボーイフレンドがビールを瓶のまま飲みながら、その様子を見ています。彼女は、ブロッコリーは花の部分だけを切り取り、茎は何の未練もなく捨ててしまいます。「ぼくなら茎の皮を剥いて冷凍しておいておいしいスープを作る時に使うのだけれど」と彼が云います。「美味しいスープを作ろうなんて思ったことは今までの人生で一度もないわ」と中年女性は答えます。

ロバート・パーカーのスペンサーシリーズの後半作品のひとつに「ダブルデュース」というのがあります。前半の傑作である「初秋」がスペンサーという白人探偵と15歳の白人の男の子の成長物語なら、「ダブルデュース」はスペンサーの相棒であるところの黒人のホークと黒人の青年との似たような種類の物語です。筋の流れとは関係がないのですが、そのなかに、上述のように、あっさりと捨てられてしまうブロッコリーの茎が登場する場面があります。

ブロッコリーとは花蕾(からい、花のつぼみの部分)を食用とする野菜ですが、野菜売り場には、花蕾が茎にくっついた形で並びます。ブロッコリーにはポリフェノールの一種であるスルフォラファンが含まれていますが、スルフォラファンは体内の解毒酵素の働きを促進し発がんリスクを抑えたり、抗酸化酵素の働きを促進して活性酸素を除去したりします。そのスルフォラファンの含有量を通常の3倍に増やした機能性強化ブロッコリーも生産・販売されている(関連記事は「機能性食品と食材の機能性(その1)」。

これはぼくの偏見ですが、有機野菜などに薀蓄(うんちく)が深くて、有機野菜をレストランや料理店で食べ歩くのがお好きな女性がいらっしゃるとして、そういう女性とお話しする機会があるとすると、間違いなく上述の中年女性を思い出すと思います。茎の外側の硬い部分を切り取って(あるいは剥いて)長く火や熱を通し、花蕾といっしょに食べようなどとはつゆ思わない、そういうタイプの女性。況やスープに於いておや。

ところが、最近では、スティックブロッコリーや茎ブロッコリーとよばれるブロッコリーが市場に登場してきました。長く伸びる花茎が特徴です。ブロッコリーはおもに主枝の花雷を収穫しますが、スティックブロッコリーは側枝の花雷(側花蕾)を収穫します。次々と20㎝くらいの長さに伸びる側花蕾を長期間収穫できる種類もあります。

ブロッコリーの茎を捨てる女性の出てくる物語は1992年の米国の作です。そのころには茎ブロッコリーはなかったと思いますが、もしあったらどういう展開になっていたのか。しかし、かりにあったとしても、作者は従来タイプを登場させたに違いない。

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2016年3月23日 (水)

サプリメント広告と「大人のための残酷童話」

サプリメントには興味がないのですが、サプリメントの広告チラシが朝刊にはさまれているのに気が付くとそのコピーに目を通すこともあります。コピーの内容から、その会社での営業や販売促進部門でどんな問題をかかえているのか、なんとなくわかるので面白い。

「□□□□をやめた。一気に、年をとった」(64歳 女性)というのが大きな活字でチラシの中心にあり、その隣に、40代・50代・60代・70代と年代別に、もと顧客と思しき(ということになっている)方のコメント、このサプリメントを検討中(ということになっている)方の感想が並んでいます。なお「□□□□」は商品名です。

「体力が、ぜんぜん違う。□□□□を飲んでいた時は、気付かなかったけれど・・・」(46歳 男性)

「鏡を見るたび、落ち込む。今の状態は□□□□を止めたからでしょうか」(63歳 女性)

商品を製造販売する企業にとっては、リピーター(繰り返し購入者)の存在が一番ありがたいのですが、リピーターが希望通りに増えないのか、リピーターになりそうだと考えていたお客が突然に継続購入を止めてしまうのか。どうも、そういう事態に直面しているようです。お客が効き目がないと判断して購入を中止するのか、競合製品に鞍替えしてしまうのか、そのあたりはぼくにはわかりません。しかし、このコピーからいろいろなことが想像できます。

倉橋由美子の短編集に「大人のための残酷童話」というのがあります。どういう内容の短編集か、著者のあとがきから一部を引用します。「全体として残酷というよりも救いのない話が並んでいますが、いずれも『自業自得』の世界に属しますから、愚行は罰せられ、賢い者はそれなりの正当な報いを手に入れる結果になっています。」

倉橋由美子の云う自業自得とは運命的な色合いを含めての自業自得ですが、彼女が存命中なら、上の三つのコメントや感想から、熟年者と老齢者のための残酷童話をすぐに三つ紡ぎだすかもしれません。

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2015年7月15日 (水)

調理系女子は料理系男子よりもグローバル化の度合いが高い?

「料理系女子」と「料理系男子」としてもいいのですが、ぼくの限られた経験を一般化すると「調理系女子」と「料理系男子」という、微妙な差を含んだ表現の組み合わせになります。「調理師(免許)」という用語もあるように、一般的には、料理が調理よりも必ずしもご飯作りに手をかけるということでもないのかもしれません。しかし、ぼくの個人辞書によれば、電子レンジという家電製品とより適合的なのが「調理」、鍋や包丁やフライパンと関連が深いのが「料理」です。

食材や食料品の売り場で、たとえば、週末の遅い午前にお見受けする、年の頃はアラウンド・サーティーの、買い物かごを下げた、あるいはかごをカートにのせた、独身の雰囲気の漂う男性や女性です。彼らの買い物かごの中身をざっと拝見すると、葉物野菜や根菜類や肉などの生鮮食品が多いのが男性、加工食品とお菓子であふれているのが女性です。少し戯画化していますが、実態からそれほどずれているわけではありません。

男性の買い求めた食材からは、なんとなく一週間の献立が想像できますが、女性のかごの中身からは、献立の予想が困難です。しかし、その女性が電子レンジの使い方が上手いであろうことは想像に難くない。そういう意味で「調理系女子」と「料理系男子」です。

製品や商品がグローバル化してくると、それらは規格化が進み、同質化してきます。そのことはスマホなどの情報通信端末を見れば直感的に納得できることです。もともとは地域型、地産地消型、国内型であった食べものも同じで、食べものもグローバル化してくると規格化、同質化が進み、世界の多くの人が同じような食材を同じような調理法で食べるようになります。

グローバル化した食べものと広い意味での同義語には次のようなものがあります。ファーストフード、カップラーメン、電子レンジ、スーパーマーケット、牛丼屋のベジ丼、農産物や加工食品の輸出入、遺伝子組み換え作物、養殖魚、機能性強化食品、サプリメント。一方、地域型、地産地消型の食べものと適合的なのは、スローフード、鍋・庖丁・フライパン、有機栽培農産物、旬の露地物野菜、天然魚、家庭料理などです。

さきほどの料理女子と料理男子のグローバル化の進展度合いを比べてみると、ぼくの気ままな定義によれば、あきらかに女性の方がその度合いが高いようです。そういうニュアンスも込めて、「調理系女子」と「料理系男子」という表現を使い分けています。

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2015年6月29日 (月)

料理教室でもらったプロモーション用の月刊誌をパラパラ

とくには関心がないものはそれが視界に入っていても見ていない、覚えていないというのは、ぼくたちが日常生活でときどきは経験することです。ガラス張りの料理教室のすぐそばの地下通路をこの2か月くらいで数度は歩いたはずなのに、先週までその存在に気づきませんでした。

ある夜の会合が終わり駅ビルに向かって地下通路を歩いていると、左側にガラス張りの明るく広い空間が広がっています。とても大きな料理教室でした。多くの調理用テーブルとエプロン姿の若い女性の姿が目に入ります。その様子を立ち止まってしばらく眺めたあと、入り口付近に歩いて行くと、案内パンフレットやプロモーション用の月刊誌のようなものが置いてあったので、月刊誌(6月6日号)を一冊、いただいてきました。

たとえば木曜や金曜の夜に、包丁の切れ味が悪くなったと配偶者が云ったら、土曜の早朝に包丁を研ぐことになっています。で、先週の土曜の朝にその作業を済ませ、新聞をざっと眺め、それから、料理教室でもらってきた月刊誌に目を通しました。

パラパラと頁をめくって、クラス別に掲載されている料理の写真を順に見ていきます。料理は和風、洋風、エスニックといろいろですが、写真の撮り方がそういう方向を意識しているのか、すべての料理が可愛らしく写っています。

教室で教える料理とは別にヘルシーレシピの紹介ページがあり、そのひとつとして「豆鯵(まめあじ)の南蛮漬け」が取り上げられていました。豆鯵を二度揚げしたのは丸かじりすると骨までおいしいのでぜひその南蛮漬けを食べてみたいと思いますが、札幌だと豆鯵などまず手に入らない。札幌の生徒からはそういう質問は出ないのかしらん。それから、南蛮漬けにスダチの輪切りを添えてあるのですが、スダチの露地物が手に入るのは8月下旬以降のはずなので、6月6日号には早すぎる、大丈夫かしらんなどと勝手なことを思い浮かべながらページを繰っていきます。

基礎クラスのメニューにはきんぴらゴボウもあって、そういう授業があるのはとてもいいと思うのですが、土のついたゴボウを亀の子タワシで洗うところから始めるのかしらん。と、余計なことに気が回ります。包丁の簡単な研ぎ方などというのも授業の一部にあるのかしらん、と包丁を研ぎ終わったばかりのぼくは考えます。

手もとのプロモーション用月刊誌ではその手のことはわからないので、その料理教室のホームページにアクセスしてみましたが、ざっと見た限りではそういうことには触れられていないようです。土曜の早朝の、ちょっと楽しいひと時でした。

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2015年5月 1日 (金)

税務署、お願いします

相当に前のことですが、面白い四コマ漫画がありました。

ある人がプロレスラーとおぼしき大男に水にぬれた雑巾を絞ってもらいます。雑巾から水が滴り落ちます。そのあと小柄な50代後半くらいの背広を着た穏やかな表情の男性が登場し、その、もはや水分など残っていないであろう雑巾を受け取ります。手で軽くつまむと、雑巾から以前以上に水が滴り落ちます。驚いたプロレスラー風の男性が「お仕事は?」小柄な男性が答えます。「税務署に勤めています。」

チューブ入りの練り歯磨きを最後まで絞り切るのは、ぼくはあまり得意ではないのですが、配偶者はこれが得意なので、残りがほとんどないような状態になると「税務署、お願いします」と作業を依頼します。すると、あと二回分くらいはきれいに絞り切ってくれます。

最近使っているチューブ入りの歯磨きは、蓋というか口の部分が取り外しできるので、以前のと違って、口を取りはずしたチューブに歯ブラシを入れるとぼくでもあと二回分くらいは確保できます。

ということで、もはや「税務署、お願いします」は不要になったかというと、ぼくの追加収穫量があと二回分だと、配偶者は三~四回分は大丈夫なので、残りわずかになった練り歯磨きチューブは配偶者に面倒を見てもらい、ぼくは新しいのを使います。「税務署、お願いします」を卒業するのはむつかしい。

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2015年4月22日 (水)

両側に大さじと小さじの計量スプーン

どこかの誰かが寄り集まって標準化したのか、コンピュータの世界のようにデファクト標準としてそうなったのかよくわかりませんが(面倒なので調べない)、料理の世界で大さじとは15ミリリットル(15 cc)、小さじとは5ミリリットル(5 cc)となっています。

その大さじと小さじが左右についた計量スプーンが下の写真で、配偶者の長年のお気に入りです。ぼくも使うことがありますが、調味料の分量をはかりながらそのままかき混ぜられる。長さも28 cmでちょうどいい。ドイツ製のとてもしっかりとしたステンレス作りです。配偶者によれば「料理が初めての人は料理が好きに、料理が好きな人はもっと料理が得意になる計量スプーン」なので、知り合いの若い女性が結婚するときには、これをお祝いにプレゼントしてきました。

この計量スプーンは、日本には、調理器具・調理道具の専門店やそういう器具が得意な雑貨屋さんが輸入していましたが、それが残念なことに、いつの間にか市場から消えてしまいました。先日、ある女性にプレゼントしようとしてもはや販売していないらしいことに気がついた。

Photo

ドイツで製造を止めたのか、それとも日本への輸出をやめたのかを調べてみたところ、本国で製造中止になっていました。まだどこかに流通在庫が残っていればと期待したのですが、それもありません。

肉厚なステンレス素材で5 ccと15 ccの計量カップが左右で対になっているのや、4種類の計量カップがセットになったのはいくつかありますが、その場合は計量機能だけの道具になります。量って入れてかき混ぜるという一連の機能がこの一本に凝縮していることがよかったのですが、市場では一部の人を除いてそれほど人気がなかったのかもしれません。堅牢な作りなので、紹介需要やプレゼント需要はあっても買い替え需要はほとんど発生しません。そういうところも、製造中止の原因かもしれない。あるいは、製品の焦点が、料理をするためのものから、カトラリーのような楽しく食べるものに移ってしまった可能性もある。

はて・・?

写真の真ん中より左側には「TL  5ml」、右側には「EL  15ml」と彫り込まれていますが、「TL」は「Tee-löffel」で「お茶のためのスプーン、つまり、小さじ」(英語だとTea Spoon)、「EL」は「Eß-löffel」で「食べるためのスプーン、つまり、大さじ」(英語だとEat Spoon)です。不精な独身(男性とは限らない)が、この一本で料理も食事もお茶もなんでも済ませていたので、それは便利ではあるがみっともない、みっともない風潮を増やすような種類の商品を作ってはいけないと云う意見がどこからか出てきて、販売停止になったのかもしれないなどとも想像しています。

堅牢な道具ですが、今や貴重品なので、我が家では丁寧に使っています。

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2015年2月18日 (水)

ご飯(米飯)の給食と、給食雑感

給食に毎回ご飯(米飯)を出している学校が増えているそうです。毎回がご飯の学校は7.3%、そして、週に3回以上ご飯(米飯)を用意している学校は95.0%だそうです(日本経済新聞 2015年2月14日)。「毎回ご飯」の学校の中には、三島市のように地元産のお米を炊き立てで出しているところもあるようです。おいしいだろうなと思います。

輸入小麦で焼いたパンをわざわざ食べる必要があるとは思われません。東京や神奈川・沖縄のような米の生産がほとんどないような地域では狭義の地産地消は無理ですが、たいていの県や道では地元産のコメがあるので学校給食にはご飯とおかずと汁物というのは理にかなっています。

ぼくは、給食というと「まずい」という記憶しかなくて、おいしくないパンと牛乳もどきと酷(ひど)い味付けのおかずをお昼に無理やり食べさせられる拷問のようなものが給食だと思っていました。

食糧事情がよくないという第二次世界大戦後の日本の国内事情やその他の財政事情と、小麦などの大量の余剰農産物の処理に困っていた米国の利害が一致し、学校給食にパンが登場します。当時の資料などを調べてみると、1954年の学校給食法では、「学校給食はパン」と明記されており、それが1976年になってパン以外に「米飯」でも大丈夫となったようです。

以前「学校給食での国産食材使用率」が気になり、そういうタイトルのブログ記事を4年近く前に書きましたが、その中に「ご飯(米飯)やパンや麺類の提供頻度」についても触れています。ケーススタディの対象はふたつで、ひとつは学校にとっては外部委託方式であるところの横浜市学校給食会の給食メニューと、もうひとつは自校方式(学校の中で給食を作る方式)の八王子市のある学校の給食メニュー。現在は様子が変わっていると思いますが、当時のそれぞれの「米飯率」(週に3回だと60%)を確認するには役に立ちます。以下、関連個所を引用。

◇ (横浜市の場合)

小学校給食の3大基礎食材は、ごはん(コメ)とパン(小麦粉)と牛乳で、牛乳の嫌いな子供は大変ですが、牛乳は献立表に毎日登場します。ごはん(コメ)は当然のことながらすべて国産、パンの原料としての小麦粉はごく一部は北海道からも調達しているようですがほとんどが米国とカナダから、牛乳は国産。

気になったのが主食としてのごはんの提供頻度です。4月と5月の献立(予定)表を眺めてみると、34回の食事回数のうち、20回(59%)がごはん(麦ごはんや丼物を含む)、13回(38%)がパン(いろいろな種類のパン)、そしておそらく子供の大好きな麺類が1回(3%)。パンの登場回数が多すぎる気がします。

◇ (八王子市の場合)

念のために東京都の西の郊外にある小学校の5月の献立表を調べてみたら、ここは外部委託ではなくて自校方式(学校の中で給食を作る方式)ですが、おそらくそのことも関係していているのでしょう、ごはんの回数が結構多くて、5月の献立表だと、19回のお昼のうち、13回(68%)がごはん、4回(21%)がパン、麺(中華麺とスパゲティー)が2回(11%)となっています。

首都圏でも4年前に、週に3回の米飯はほぼ実現されていたようです。

平成20年度から完全米飯給食を実施している新潟県三条市の給食メニューを拝見しました。そういう地域の給食メニューに興味があったからです。市のホームページ「学校給食」の「給食だより」で詳細が見られます。ちなみに、今日(2015年2月18日)の給食メニューのうちのふたつがこれ(複数ある給食調理場によってその日のメニューが違う)。

A2015218 B2015218
C

どんな出汁の味噌汁を作ってくれるのか、ぼくの興味は汁物にも向かいます。ここにある「ふわふわたまごスープ」以外に、2月の汁物・スープには「けんちんじる」「わかめじる」「くきなじる」「うちまめ入りみそしる」「とうにゅうなべ」「こうやどうふのたまごとじ」「いしかりじる」「クラムチャウダー」などが日替わりで並んでいます。ぼくがおいしいと思える汁物かどうかは実際に口にしないとよくわからない。

世の中に料理の上手な人は多い。管理栄養士という資格を持った人も多い。そしてこれはぼくの偏見ですが、料理の上手な管理栄養士は(おそらく、とても)少ない。栄養素のつじつま合わせにふりかけなどを使うタイプも多い。

稀有な例外は、たとえば「子供の頃の味のトレーニング」というブログ記事で書いたある管理栄養士の女性。学校給食を通して、子供(小学生など)に、できるだけ多くの種類の食材の持つ味を教えること、すでに添加物などの影響で変わりつつある子供の舌を食材・素材ほんらいの味で鍛えること、という考え方の持ち主です。彼女は食材の原価計算や調理の工程管理も得意。こういう給食で舌を鍛えられた子供たちは幸せです。

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