季節と時節

2020年1月24日 (金)

雪が降った日の傘とバス

スコットランドのように秋の雨の中でも通りを行く人たちが傘を差さないという文化もありますが、札幌の人たちも雨の日はそうでないとしても、雪降る中ではあまり傘を差しません。

風が強くて雪が地を掃くように舞うと危なくて傘を差せないという事情があるにせよ、普段の札幌の雪は粉雪で乾いているので、コートに着いた雪も目的地に着いたときに手袋でさっと払うとさっと落ちてくれる、衣類はほとんど濡れない、それで傘を使わない。雪の中を首をマフラーで覆ったコート姿で男性と女性が黙々と歩く光景はそれなりに風情です。

しかし、先週や今週の雪のようにサラサラとしていない、つまり湿った重めの雪の降る朝はその雪がコートに積もるというかコートや帽子にくっついて濡れてしまうので傘を差すことになります。まわりの歩いている人たちを目の子算すると10人に3人以上は傘を差していました。雨の日の傘と同じです。ぼくも傘です。

以前から通学や通勤に使うところの路線バスが苦手で、徒歩で25分くらいの距離なら、ひどい雨の日は別として、バスの到着を待つのも嫌なので歩いてしまいます。待っていると次がすぐに来る札幌市電のような交通手段ならいいのですが、市電は利用地域が限定されています。

しかし、1月でも重い雪が積もって融けてそのあたりが水っぽいシャーベット状やそれ以上になっていると歩くのもうんざりだし、そばを走り抜ける車のタイヤから水しぶきをお見舞いされるので、そういう場合は、路線バスを利用します。目的地と目的地での所要時間が予測できる場合には路線バスも便利です。道路事情でいささか遅れることもありますが、しかたない。

しかし、乾いた小麦粉のような雪が降り積もった後の歩道は、歩くと雪がキュキュッと鳴って気持ちがいい。歩きやすい。滑らない。そういう場合はバスを待ちません。

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2020年1月20日 (月)

もう少し雪を

雪が少ないので寒い、という事態は、ぼくにとっては「雪がないのでとても寒いですね」に書いた通りだとしても、雪が少ないといろいろと悪影響が出る恐れがあります(一部は実際に出ています)その影響対象は、ここでは、「ナナカマド」と「札幌雪まつり」と「秋小麦」です。

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このナナカマドは去年の12月上旬に撮影したもので、ナナカマドの赤い実の上半分が雪で覆われています。雪が普通に降り続くと、ナナカマドはこの白い帽子を被った、見ていて楽しい状態を2月初めくらいまでは持続します。しかし、今年は雪が少ないのでその帽子も直ぐに融け、そのあと冷たい風が吹き渡るので、近所のナナカマドに関する限りは、赤い実が年末には全て落ちてしまいました。残念です。

札幌雪まつりは、地元の雪ではまったくの雪不足です。だから雪像作りに必要な雪を札幌から数十キロ離れた雪の多い地域から運んできています。もっともときどきはこういう事態になるので運営管理者は対応方法には慣れています。札幌ではホテル代が一年で一番高いのは2月の雪まつりの頃です。ホテルや飲食店などがもっとも観光関連収入が稼げる時期なので、雪の大量輸送にお金がかかっても引き合います。

小麦は、種まきの時期によって、秋小麦(秋まき小麦)と春小麦(春まき小麦)の二種類に分かれます。

春まき小麦は4月~5月に種をまいて8月上旬~中旬に収穫します。主にパン用になりますが、秋まき小麦に比べて栽培される期間が圧倒的に短いので収穫量が少なく、しかも、収穫期の8月は雨の日が多い年があるため品質が不安定になりやすい。今年の春小麦は一般消費者向けには限定販売しかできませんという年もときどきあります。

秋まき小麦は9月中旬に種をまき、10月上旬に芽が出ます。この新芽は雪の下で静かに冬を越し、翌年の7月下旬~8月上旬に収穫されます。雪の下は雪が外気を遮断するため地上に比べると温度が下がらず0℃で維持され、しかもほどよい湿度も確保できる。雪の下キャベツや雪の下ダイコンと同じ環境です。

雪の蒲団は温かい。雪がなくて氷のような冷たい風が畑を吹く抜けると芽は死んでしまいます。今は雪がそれなりに十分にあるとしても、今後の積雪量によっては困った事態になる恐れがあります。秋小麦は主に「うどん」などに使われます(下の表で「日本麺用」というのは「うどん用」という意味です)。近年はパン用の品種も登場しています。

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【註】色を付けた品種(銘柄)は、我が家で実際に使ったことがあるか(たとえばそれでパンを焼いた)、あるいはそれを使った加工食品を食べたことがあるもの。

ということで、雪よもう少し降れ。


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2020年1月16日 (木)

地元の小豆で小豆粥と大福餅

15日の朝は北海道産の小豆を使った小豆粥(あずきがゆ)を楽しみました。餅入りです。日本では邪気を払うために正月の15日には小豆粥を食べる風習があるので、それに従ったまでです。配偶者がやや多めに作ってくれて、それを気持ちよく平らげました。

しかし小豆粥だけでは購入した量の小豆は消化できません。残りはつぶ餡にして大福餅です。食後のお茶菓子にします。

デパ地下なんかに入っていて老若男女の行列のできる和菓子屋で、透明な大きなガラス板かアクリル板に囲まれた作業場で若い職人がその場販売用に作っているきれいな丸い形の大福餅には及びもつきませんが、つまり、いささか不恰好ですが、味に関して言えば餡の控えめな甘さが絶妙で小豆の風味がそこに確かに詰まっています。製造責任者は配偶者なので、形に関しては辛口の批評をしても、同時に味の良さを褒めます。実際に美味しい。10個作ってくれました。

札幌だと北海道産の小豆や大豆などの従来種の豆類が比較的簡単に手に入るので、小豆粥や大福餅に限らず重宝しています。味噌の寒仕込みの時期も近づいてきました。

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2020年1月15日 (水)

冬の間は「雪の下キャベツ」

この時期の近所の野菜売り場には北海道・和寒(わっさむ)産の「雪の下キャベツ」の丸ものがいっぱい並んでいます。和寒以外の北海道の雪の厚い地域で生産されたキャベツも並びますが、雪の下で冬を越すので総称して「越冬キャベツ」とも呼ばれます。

10月末から11月初旬にかけて、つまり雪が降る前に、個別に手作業で収穫した「冬キャベツ」をビニールシートの上に大量にきれいに並べます。そのうち大量の雪が降り積りキャベツを深い雪の下に穏やかに覆い隠します。結果として雪の下に呼吸ができる形で埋まることなります。積もった雪の中に穴を掘って埋め込むというのではありません。

年が明けるころから出荷開始です。出荷分だけを順に手で掘り出します。寒い中の重労働です。

我が家では買ってきた大根を10月最後の週に干し始めて11月初めに漬け込み、2カ月熟成させて年明けから、「タクアン」へと変貌した大根を徐々に食べ始めますが、「雪の下キャベツ」は我が家のタクアン作りの時期とほぼ重なります。

雪の下キャベツや越冬キャベツは、色は緑が薄く、どちらかというと扁平で、持つとずっしりと重い。大きくて形のいいのは2kgくらいあります。小ぶりなのでも1kg。スパッと縦に二つに切ると葉がギュッと詰まりしっかりと巻いている様子が観察できる。春に出回る「春キャベツ」よりも歯ごたえがあり、加熱すると甘味が増すので、炒め物や煮物など熱を加えた料理向きです。

「春玉」とも呼ばれる「春キャベツ」は、丸みのある形で葉の巻きがゆるい。柔らかく食感も軽いのでサラダにも向いています。トンカツ屋でトンカツといっしょに出てくる細く刻んだ大量のキャベツはその一例です(ぼくはトンカツは最近はまったく食べませんが、それはさておき)。

我が家がお世話になっている雪の下キャベツは、「冬玉」「寒玉」とも呼ばれている「冬キャベツ」の一品種で、硬めですが、炒めたり蒸したりすると甘みの強さを確かに感じます。北海道では貴重な地元産の冬の野菜です。


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2020年1月14日 (火)

日が長くなってきた

穏やかな雨降りは世界の音を和らげます。夜半に静かにしんしんと舞い落ち続ける粉雪は世界の音を消します。面白い本を読んでいると時間が消えるという意味で、そういう場合は時間も消えるようです。

今日の日の出は7時4分でした。日の入りは4時23分です。

いちばん寒い時期はこれからとはいうものの、この冬は雪が少ないという事情も関係しているのか、冬至からまだ二十日あまりですが、日が長くなって来たのを実感しています。おそらくぼくはそういう種類の植物と同じで好日性が強いので日の長さに敏感らしい。

一月中旬に入りかけた今は「夜明け」と「夕方」があります。あたりまえですが、冬至前後のように長い夜が急に朝になるのではなくまた突然夜が落ちてくるのでもなく、夜明けの余裕がそこにあり、暮れる前に空がぼんやりと明るい夕方の余韻がそれなりにそこに漂っています。その余裕や余韻が冬至から遠ざかりつつあることを教えてくれます。

これから1ヶ月半はより寒くなり同時により日が長くなります。寒い雪の地域ではこういう素朴なトレードオフがありがたい。

冬に雨降りはほとんどないとしても雨降りのあと、あるいは軽い降雪のあとでそのあたりが湿った色合いになるのも好きで、そしてそのことと好日性はぼくの中で仲良く同居しています。だから軽い雪は歓迎です。


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2020年1月 9日 (木)

黒豆パン

黒豆パンと言ってもお節料理で作った黒豆の煮汁を活用したパンです。原材料は小麦粉と酵母と黒豆の煮汁だけ。煮汁に塩も砂糖も入っているので黒豆の味がチョコレート風味のやや甘い菓子パンを作ります。結構うまい。お正月飾りをはずし、七草粥を食べ、そしてこのパンを焼くと我が家のお正月がお開きです。

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2020年1月 8日 (水)

七日は七草粥

三が日に最近は全般的に量は少なくなったとしてもお節を食べるように、七日は七日で七草粥(かゆ)です。唐の国から渡り鳥がインフルエンザをもってくるので七草の入ったお粥は、冬は野菜が不足するので野菜対策を兼ねたその予防対策というのがもともとの意味だったようで、よく考えられています。

下は水洗い中の「春の七草」です。西条市(愛媛県)からやってきた「七草パック」の七草で、野菜売り場に今年もけっこうな量の「七草パック」が並んでいたので、需要はそれなりに安定していると思われます。

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「春の七草」は、愛媛(西条市など)と岐阜・愛知、そして宮崎・熊本で生産されたものがおもに西日本市場と京阪神市場をカバーし、神奈川(三浦半島)で収穫されたものが東京・関東から北海道までをカバーしていますが、近所のお店の野菜売り場で販売していたのは四国産(西条市)なので流通経路はそれほど固定的ではないようです。

足の早い野菜の季節限定商品なので、年末から年始にかけて生産農家は出荷作業とその準備で大忙しだったと思われます。

春の七草は、「せり・なずな・ごきょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ」で、普段、ぼくたちに「漬物」や「おでん」でおなじみのものは「すずな(カブ)」と「すずしろ(ダイコン)」ですが、一定以上の年齢のかたで子供の頃に近くに原っぱのあった人たちに懐かしいのが「ぺんぺん草」です。「なずな」という優雅な名前で参加しています。

ちなみに春の七草の生産量が日本一なのは愛媛県の西条市で「JA西条」の過去十数年の七草パックの出荷量を調べてみると以下の通りです。80万~100万パックの間で推移しています。全国の春の七草の出荷量は250万~270万パックです。

    ・平成18年出荷量 約 87万パック  
    ・平成19年出荷量 約 99万パック 
    ・平成20年出荷量 約 95万パック   
    ・平成21年出荷量 約 90万パック 
    ・平成22年出荷量 約 94万パック 
    ・平成23年出荷量 約 95万パック 
    ・平成24年出荷量 約 100万パック 
    ・平成25年出荷量 約 95万パック 
    ・平成26年出荷量 約 98万パック 
    ・平成27年出荷量 約 103万パック   
    ・平成28年出荷量 約 103万パック  
    ・平成29年出荷量 約 80万パック 
    ・平成30年出荷量 約 82万パック 

春の七草パックの全国の出荷量が250万~270万パックということは、それと同数の家庭が七草粥を楽しんだと考えてもいい。日本の世帯数は5340万(平成27年)なので、約5%の家庭が毎年、七草粥を食べ続けているようです。

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2020年1月 6日 (月)

雪がないのでとても寒いですね

「雪がないのでとても寒いですね」「雪が少なくてマイナス1度でもマイナス5~6度の体感気温ですね」というのが、年末からお正月にかけての挨拶の一部でした。

この冬は、今までは、いつもよりも雪の量が少ない。昨年12月のブログで書いたように、札幌の天気は三寒四温で、だから地面が雪で白くなったり、その白がそのあとの雨でほとんど流されて元の色になったりを繰り返していました。その状態は徐々に雪の白の優勢へと変化してきましたが、厚い雪が地面や道路を蔽うという状態にはまだ至っていません。だから寒い。皆さんがそうおっしゃるので、そういう因果関係なのでしょう。

だとすると、それなりに積もって根雪になった雪は、「防寒効果」というのも変な表現ですが、少なくとも地面の人が歩く辺りは、氷点下の気温がさらに下がるのをくい止める働きがあるということになります。

雪が少ないと歩きやすいし、片側2車線の道路も中心部から路肩側への雪の移動で半分近く使えなくなるといった状況にはならずに片側2車線のまま機能していて、雪による交通渋滞は発生しません。雪かきからも解放される。だからぼくはより寒く感じても雪の少ないほうを好みますが、そういうのは札幌では少数意見のようです。

雪は嫌だと言いながら、それなりの量の雪がないと落ち着かない様子です。「雪がいっぱいないと雪まつりが困るじゃありませんか」


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2019年12月31日 (火)

よいお年をお迎えください

よいお年をお迎えください。お正月はブログはお休みさせていただきます。

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2019年12月30日 (月)

田作りと芥子(ケシ)の実

お節料理の中で好きなもののひとつが「田作り」です。「田作り」とは料理辞典風に言うと「ごまめ(小さなカタクチイワシを干したもの)を乾煎(からい)りし、砂糖・醤油・味醂などで味をつけたもの」です。

昔は干したイワシは田んぼの肥料でした。だから「田作り」、豊作を願う意味が込められています。その背景が説明されないと、なぜ海の魚を「田作り」などと言うのか混乱してしまいます。

我が家の「田作り」は甘いねっとりとした味付けではなく、さらっとした仕上がりのピリ辛味です。砂糖は使わない。ピリ辛風味のために唐辛子を加え、仕上げに芥子(ケシ)の実をまぶす。そういう「田作り」はぬる燗の日本酒に良く合います。

田作りはケシの実だと思っていたら、最近の流れは必ずしもそうではないようです。ケシの代わりに胡麻(ゴマ)を振りかけ、そこまでは気軽な代替案だと理解できますが、ちょっと捻った応用はアーモンド。アーモンドを刻んだのを、あるいは細かく砕いたのを加えて香ばしさを増している人たちもいらっしゃるようです。

我が家の「田作り」は今の作り方でぼくにとっては完成形なので変な手は加えません。しかしアーモンドが加わった「田作り」だとウイスキーが飲みたくなるような気がします。お正月にウイスキーは向かないにしても、一度試してみますか。

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     芥子(ケシ)の実入りの、ピリ辛「田作り」

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