季節と時節

2021年2月24日 (水)

冬のシャクナゲ

シャクナゲ(石楠花)は常緑広葉樹です。奈良の室生寺などでは手入れのされたその常緑広葉樹の姿を数多く堪能できます。しかしシャクナゲは比較的に温かい地域だけが好きというわけではなく、札幌のような雪の多い寒冷地にまで分布しています。シャクナゲの原種は亜寒帯から熱帯山地に分布し、ネパールや中国の雲南省にも多くの種が存在しているそうなので、札幌もそれなりに好みの土地のひとつなのかもしれません。

落葉広葉樹は雪の季節には雪の重みで倒壊しないように葉を落としますが、常緑広葉樹は葉をつけたまま越冬します。だから雪の地域ではシャクナゲの葉にも雪が積もります。

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雪は気温が氷点下にならなくても降るので、ただ雪が降ったくらいではシャクナゲの葉は広葉樹らしさを失いません。しかしもっと寒さが厳しくなって氷点下5~6℃やマイナス10℃の凍りつくような日々が続くと、シャクナゲは広葉樹らしい幅広の葉を針葉樹のように細くしぼませて寒さを乗り切ります。人が身をこごめて寒さに対応するようなもので、植物の生活の知恵です。

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そして、ぼくたちにはまだコートが必需な時期でも、高い山地も大丈夫な「しゃくなげ」にとって心地よい温度になると、それまで細く閉じていた葉を、本来の広葉樹に戻って葉の表面積を大きく広げます。

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冬の間観察していると、シャクナゲは葉を細く閉じたり広く開いたりしながら、温度差を乗り切っているようです。

 


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2021年2月18日 (木)

短いゴム長の出番・補遺

「車道に残っている根雪は車線の確保のためにすぐ隣の歩道に移すので、歩道では雪の壁が小さな薄汚れた万里の長城風に続いていて、つまり水たまり形成のための水の供給には苦労しません。しかし、今年はその根雪が例年よりも少ないようです」と「短いゴム長の出番」で書きましたが、それについて写真付き補足説明です。

写真は札幌中心部を東西に走る片側2車線の幹線道路です。車が信号待ちで視界に入らないときに撮影しました。幹線道路なので市の整備が行き届いていて、排気ガスで黒く汚れていますが、形がきれいな万里の長城の一例です。幹線道路でないところはこんなに形が整っているわけではありませんし、水たまりも多い。

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こういうのが、道路沿いに(つまり歩道に)ずうっと続いています。交差点で、たまたまそのあたりの地盤が低いと大きな水たまりができ、歩行者は短いゴム長でないとけっこう辛いというわけです。


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2021年2月17日 (水)

短いゴム長の出番

ゴム長といっても膝下までの長いのではなく、短いゴム長です。ちょっと近所に買いものに出かけたり、近くの郵便ポストに郵便物を投函したりする場合には便利で、この時期の必需品です。札幌の道路は傷みやすい。雪と氷が道路の亀裂に入り込んで膨張するので、そういうところはアスファルトなどが割れて剥がれて穴になり雪融けの水たまりができています。

日中最高気温がプラスになる日が継続すると、夜中や明け方の最低気温は氷点下のであっても、車道や歩道には水が溢れはじめます。道路の穴の水たまりも嫌ですが歩行者の立場からはとくにやっかいなのが、横断歩道と歩道とが接するあたりです。深い水たまりになっていることが多い。普通の靴では歩けない。普段の革の冬靴で何とかしようとするなら、水の中を爪先立って進むしかありません。しかしその冒険が途中で失敗すると、その歩行者をどういう悲劇が待っているかは簡単に想像できる。

車道に残っている根雪は車線の確保のためにすぐ隣の歩道に移すので、歩道では雪の壁が小さな薄汚れた万里の長城風に続いていて、つまり水たまり形成のための水の供給には苦労しません。しかし、今年はその根雪が例年よりも少ないようです。

多くの車は、それが大型の業務用でも小さな自家用車でも、そういう水たまりのすぐそばや水たまりのなかを普通の速度で走っていきます。だから、横断歩道で信号待ちをしているときは、水たまりをよけるだけでなく、濁った水しぶきが飛んでくるのを避けないといけない。たまには遠慮がちで親切な車にも遭遇しますが、たいていは、水しぶきを歩道側に跳ね上げながら走っていくようです。歩行者をいちいち気にしてはいられない。従って歩行者は日本国の国防と同じで専守防衛です。戦闘機でスクランブルをかけるわけにもいかない。

ゴム長が、短いのも長いのも、いちばん活躍するのは、札幌では雨の季節ではなく――幸いなことに日本の各地で見られるタイプの長い梅雨は札幌にはありませんが――、雪融けが始まるこの時期です。


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2021年2月 9日 (火)

立春を過ぎると夕方の空が明るい

午後5時が近づいても大きく広がる空がほの明るいというのは嬉しいものです。ひと月前は午後4時で真っ暗に近かったのですから。立春(今年は2月3日)を過ぎて数日経ったので、宜(うべ)なるかな、です。「冬至です、これから日が長くなります」から一月半経過しました。

気温は立春をあとにしても、最高気温がわずかにプラスに転じる日もあれば、二桁に近い氷点下で推移する日もあり、札幌のこの時期に適当な表現かどうかわかりませんが、三寒四温を凝縮したような現象が続いています。最高気温がプラスになると、道路の雪と氷が融け、そのあたりは日中はゴム長でないと辛い状態になり、その同じ場所が、氷点下になると、ごたごたした形で融けたのがそのまま氷と化すので、車は滑りながらタイヤを取られるといった状態になります。

この時期の雪は厚く降ってもはやパウダースノーではないし、道路を路肩から一車線分塞いでいる雪の山も排気ガスでまだらな黒や濃いグレーに薄汚れ、立春後の空の明るさになじまない。しかし、湿った雪が夜中から朝までホワイトアウト気味に降り続いて、地面を一面の白で覆ってくれると僥倖もあります。

今年は新型コロナで中止になりましたが、例年だと今は「さっぽろ雪まつり」の最中です。そういえば、「さっぽろ雪まつり」の期間は、凍てつくような寒さと、雪像の形が変わるのではないかというような大雪と、雪像が融けてしまうかもしれないという温かい雪が交互にやってきます。


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2021年2月 8日 (月)

令和3年の味噌作り(寒仕込み)

今年は新型コロナの影響で普段の行動のタイミングがいささか狂っているせいか、味噌づくりへの取り組みもやや遅れたのですが、先週末から開始しました。毎年この時期に作らないと落ち着きません。一月下旬からの味噌の寒仕込み、7月下旬の梅干し作り、10月下旬に始めるタクアン作り、この三つは各々こなしていかないとそれぞれの季節との折り合いがつきません。

味噌は材料は「大豆」と「麹」と「塩」があれば大丈夫です。道具は、「鍋」と「ミンサー」と「甕」があれば作れます。それからアルコール度数が40度を超える強い焼酎を忘れてはいけません。強い焼酎は容器や道具の雑菌消毒に使います。地味ですが必需品です。

我が家では「大豆」と「麹」と「塩」の割合が「1 : 1: 0.45」なので、今年も

・「大豆」(北海道産の無農薬栽培大豆を4㎏)
・「麹」(島根産の「有機玄米麹」を4㎏。今年は米麹ではなく玄米麹にしました、だから出来上がるのは米味噌ではなく玄米味噌ということになります)
・「塩」(塩は自然海塩です。大豆1㎏に対して450gなので、全部で1.8㎏)

をそれぞれ用意(手配)しました。塩は1.8㎏というわけにはいかないので2kg。

ただし、我が家の一日の処理能力(生産能力)は鍋などの関係で大豆2㎏なので、二日にわけて(つまり二日連続で)味噌作りに取り組みます。

よく水洗いした大豆を「前の晩から」半日、底の深い大鍋で十分に水に浸しておくのですが、それが下の写真。左の鍋に1kgの大豆、右の鍋(蓋が透明)にも1kgの大豆が浸っています。これが我が家の一日当たりの最大生産能力です。

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そのあとの工程は簡単にまとめると次の通り。難しくはない。黙々と二人で(配偶者と僕)工程通りに実行するだけです。やり始めると、年に一度の作業であるにもかかわらず、手と身体が勝手に動きます。

・(前の晩から半日)水に浸してあった大豆を柔らかくなるまで、吹きこぼれに注意し、アクを丁寧に取り除きながら、煮る(プロは大豆を蒸しますが、一般家庭では量が多い場合は蒸すという作業は難しいので煮ます)。

【蛇足的な註】大豆のタンパク質は、たとえば小豆などと比べるとネバネバと粘着質なので、鍋などの器具のあと始末が大変である。

・熱で柔らかくなった大豆を電動ミンサーにかけてミンチにする。ミンサーは必要箇所を焼酎で丁寧に消毒(この工程は電動ミンサーがないと辛い)。

・玄米麹と塩を、大きなボールなどできれいに混ぜ合わせたのを別途並行して用意しておく。これを一般に「麹の塩切り」と呼んでいる。ただし塩は「塩切り」で全部を使うのではなく一部分を後の工程のためにとっておく。

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・ミンチした大豆を、麹菌が活発に活動できる50℃くらいまで冷ます。熱すぎると麹菌が死んでしまうので注意。

・50℃くらいまで冷えたその大豆と、塩切りした玄米麹をしっかりと混ぜ合わせる

・混ぜ合わせたものをテニスボール大に丸める。これを「味噌玉」という。

・焼酎で雑菌消毒した甕(実際は一斗容量の業務用ホーロー容器)に、「味噌玉」を次々に作って、それを野球の要領で投げ入れる。こうすると味噌玉の中や隙間に空気が混じらないので雑菌の混入防止になる。配偶者が味噌玉を作りぼくが投げ入れると、作業が円滑にすすむ。

・味噌玉を投げ入れると段々とその嵩が増してくる。投げ入れ終わったら、全体を手で平らに整える。

・「塩切り」のときに残しておいた塩をその上に薄くかぶせ(とくに周辺部を丁寧に)、大きめに切った幅広のよく干した羅臼昆布を塩の上に敷く(干し昆布を敷くのは北陸地方の伝統で我が家でも数年前からそうし始めた。そうすると昆布の風味も楽しめるし、味噌が熟成した時に昆布の漬物風ができ上がる。小さく切ると昆布の朝ごはんの佃煮だし、おにぎりの具としても活躍する)。ただし丁寧に天日干しされた(あるいは蔵囲いされた)昆布が準備できないときは上に敷くのはポリエチレン・ラップでよい。

・重石をかける。我が家では、常滑焼の中蓋(けっこう重い)を重石にしている。

・上蓋をする

・大きめのポストイットに、大豆の投入量や麹の種類、仕込み年月日などを書き、上蓋に貼り付けてる。「天地返し」日付を書く欄を開けておく。

・埃(ほこり)予防のために、ホーロー容器全体をポリ袋で覆うか、あるいは出来の良いシャワーキャップ(食品工場やキノコ栽培工場の工場見学で見学者が頭にかぶるシャワーキャップが丈夫で手に入りやすい)で上蓋あたりをすっぽりと覆う。

ここまでが「仕込み」の作業です。

「寒仕込み」から半年くらい経った頃に「天地返し」を行います。

・「天地返し」とは、甕で発酵中の味噌の天(上)と地(下)をかき混ぜて甕全体の発酵状態を平準化する(発酵に偏りが出ないようにする)ことです。ただし、大きな甕の中で天地返しを完結するのは素人には困難なので、我が家では一斗樽(一斗のホーロー容器)の中身を複数のより小さな常滑焼の甕に移し替える作業が、すなわち天地返しになります。そのときに最初の半年間の発酵具合を確認します。

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・天地返しまでは、味噌は暗冷所で静かに寝かせます(熟成させます)。

 


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2021年2月 3日 (水)

2月の声を聞いたので、タクアン

今年のタクアンの食べ始めは2月の声を聞いてから」の続きです。2月の声を聞いたので2月2日に2020年度版(2020年11月初めに漬け込んだ)のタクアンを三本取り出しました。いわば「食べ初め(たべぞめ)」ですが、初日はひとりあたり二切れを味わいました。

味の具合は80点くらい。当たり前ですが、タクアンの味わいは大根の品質に左右されます。大根は複数の農家のものを購入したのですが、もともとの大根の大きさや色艶とその大根の生産農家を思い出しながら、あの農家のあの大根ならこのくらいだななどと勝手に論評しながら取り出したばかりのタクアンを味わいます。

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取り出したタクアンは、すぐに食べないのは二つにカットして糠をたっぷりとつけたまま真空パックにして冷蔵庫で保管しておきます。一本を食べ終わったら次の一本をすぐに手当てすればいいのですが、寒い中での作業は頻繁に繰り返したくないので、三本くらいをまとめて取り出すようにしています。


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2021年1月27日 (水)

下が凍っていても、その上に深い雪の日はスポーツ用品メーカーのブーツ

地面が冬日(最高気温が氷点下)の連続で硬く凍っていて、その上に、札幌らしくなく、たとえば新潟のように雪が朝からしんしんと絶えることなく降り積もってとても深い日はスポーツ用品メーカーの雪用ブーツに限ります。

そういう日はそういうのを履かないと、電車や地下鉄の駅やバスの停留所まで歩くのが大変です。男性のスーツには向いているとは思えませんが、女性ならスーツのような仕事着でも変ではない(実際はダウンコートを着てマフラーをし帽子もかぶっているので外からスーツは見えないにしても)。職場では環境によって室内履きやその他の靴に履き替えることになりますが、雪国や寒冷地にはその地域の「ドレスコード」「履物コード」があります。

先週末の深い雪の午後に配偶者と美容室に散髪に行ったときは、彼女も僕も同じスポーツ用品メーカーの雪用ブーツに足を通しました。ややきつい感じの入り口からスポッと足を挿し入れると、中はゆったりと柔らかく足を包み込む感じで足先まで温かい。配偶者が先に買い、ぼくが後を追いました。写真のブーツがそれです。

靴底は、滑らない素材を滑らない模様に加工してあるみたいです。靴底部分は一体成型なので、普通の雪用の革ブーツと違って、慣れるまでは――すぐに慣れるにしても――やや違和感があります。配偶者が履いている女性用は、男性用よりも、靴底がより繊細な滑り止め素材を組み合わせてあるように見受けられます。しかし、凍った歩道や氷が固まったような道路では男性用も女性用もグリップ力が不足しており、つるつる滑ってひっくり返りそうになります。アイスバーン状態には向いていません。しかし、雪の積もった歩道ではよく映えます。

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2021年1月20日 (水)

窓の雪とホワイトアウト

「螢の光、窓の雪、書(ふみ)読む月日、重ねつゝ、」というもともとはスコットランド民謡につけたところの日本語の歌詞があります。中国の東晋時代、車胤は灯油を買う金がなかったので蛍を集めてその光りで書を読み、また孫康は窓辺の雪明かりで勉強したという中国の故事があり、それに因んだ歌詞です。たしかに貧しくて読書や勉強のための灯りがないときには、蛍の光も窓の雪もぼんやりとそのあたりを明るくしてくれるかもしれません。

蛍の光は実験するわけにはいかないとしても、この時期の札幌だと窓の雪あかりの効果を確かめることはできます。

夜遅く、北向きの部屋で照明を消して窓辺に坐り、降り積もった雪の明かりで本を読んでみました。慣れてくると長時間は難しいにしても小さすぎない活字なら大丈夫です。

昨日の午前中は、冬の札幌では短時間なら結構頻繁に発生しますが、ホワイトアウト状態でした。ホワイトアウトというのは言葉を換えると雪の密度のとても高い横殴りの雪なので、前や周りが真っ白になって視界が消滅します。歩いていると雪の大きなかたまりが恐ろしいような速度で向かってきてそれに包まれてしまい暴風で前に進めません。車はヘッドライトを点けていても役に立たないし信号もよく見えません。路肩に停めてハザードランプを点滅させ、よろよろ運転はしないほうがいい。

そういう天候のときにスマホのレンズを空に向けて撮影すると以下のような具合になりました。この写真だとホワイトアウトの怖さがまったく出ていませんが。

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2021年1月19日 (火)

橙(ダイダイ)はポン酢でもお菓子でも何でも活躍

知り合いから季節の挨拶を兼ねて「橙(ダイダイ)」が送られてきました。無農薬・無肥料栽培のダイダイです。ありがたく頂戴しました。果汁はポン酢に、ペクチンを含むところの皮と果汁はマーマレードに仕立てます。

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まずポン酢を作ります。ポン酢というと「柚子(ユズ)」が定番ということになっていますが、ユズでもスダチでもダイダイでもかまわない。ユズの収穫量が他の二つに比べて圧倒的に多いので(数倍から数十倍)デフォになったというわけです。ポン酢を作ると大量に(つまり、果汁と同量の)醤油を消費します。主婦は醤油の在庫管理が大変です。

ダイダイの皮に果汁と砂糖を加え、甘さを抑えたダイダイ・マーマレードを作るとそのマーマレードの持つ苦味がたまらない。世の中にはそういう大人の苦味が苦手な方もいらっしゃいますが、もったいないことです。(【蛇足】夏ミカンやオレンジなどの柑橘類の皮をジャムにしたものをマーマレードと呼んでいます。)

そのマーマレードを使ったタルトやパウンドケーキをいくつか焼いてその一部をお礼にお送りする予定です。


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2020年12月31日 (木)

よいお年をお迎えください

今朝の夜明け前の外気温はマイナス13℃でした。天気予報サイトも「極寒」と形容する気温です。さすがに寒い。普段は凍りつかない方角の窓(二重窓の外側の窓)もこの温度だと固く凍りついています。しかし、冬至を過ぎたので、午前6時半になると、東の空には明らかに夜明けの明るさが、控えめとはいえ、拡がっています。陽が差せば窓は簡単に開きます。

今年も「高いお米、安いご飯」をご高覧いただきありがとうございました。都合によりブログは年明けの11日(月曜日)までお休みさせていただきます。よいお年をお迎えください。


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