魚介類

2020年4月27日 (月)

「STAY HOME」という「空気」の中を土曜の昼ごろに肉の買い出し

「STAY HOME」という「空気」がとりあえず具体的に何をめざしているのか実際には判然としません、ぼんやりとした期待感はあるにしても。

ヒトという宿主を生かさず殺さずにサステイナブルに生きている、そういう意味ではとても頭が良さそうな新型コロナウィルスの感染を防止するのは実質的には不可能なので(感染予防ワクチンがそのうちできるとしても、風邪やインフルエンザと同じで、それらとのお付き合いがなくなることはないので)、その対応策は、みんなが急激に感染して、その結果、短期間でほぼ全員が抗体を保持するという「高くて幅の狭い山」の形をした感染カーブの選択を良しとするか、あるいは「低くてなだらかでどこまでも先に伸びるような山」の形をした感染カーブの選択を良しとするか、でした。

医療崩壊を避けるためには、政府は(日本だけでなく世界のほとんどの国が)、幅の狭い高い山よりも幅の広い低い山がいいという仮説を採用することにしたのだけれど、そしてそういう「空気」が濃く立ち込めているのでぼくたちもその空気に従っているのだけれど、自然科学の世界ではないので、その仮説に基づいて促された行動が想定通りの結果をもたらすかどうかはわかりません。想定以外の結果が現れても驚くことはなくて、なぜならもっと大きな枠で見ると、小さな枠では想定外な事態も、想定内の出来事と位置づけられるので。

複数の対応策がある時には、当該原因による死者の数が有意に少ない方が対応策としては優れているとしても、「高い山」方式と「低い山」方式とでどちらが結果として当該ウィルスによる死者の数が少ないのかは社会実験ができないので実際にはよくわからない。

日本人の死者数(たとえば人口10万人当たりの死者数)は現在は外国と比べて明らかに少ない。それには日本人の生活習慣や後天的な獲得体質も関係しているかもしれないとしても、「だらだらと低い山」方式が数字に貢献しているとも考えられます。しかし、医療崩壊が避けられるはず(という仮説)の「低くなだらかな山」方式の日本でも「空気」に粗密があるので、そういうことも手伝って一部で医療崩壊が始まっているらしい(そういう主旨の医療従事者の観察と発言が多い)。

「STAY HOME」という空気の中を、飢え防止のために、土曜の昼ごろに肉の買い出しに出かけました。

連休明けまでは、とりあえずは、ほとんどのデパートはデパ地下も含めて連日休業です。月曜から金曜までは時間短縮で営業しているデパ地下食料品売り場が札幌には二つあり、しかしそこも土日は休業なので、週末に肉や魚を一定量買おうと思えば、大型スーパーに行くか通販で冷蔵品・冷凍品のお取り寄せか、あるいはデパ地下に売り場を構える魚屋や肉屋の商う路面店(もしも営業していればの話ですが)しかありません。

「STAY HOME」生活にはビーフシチューのようなものをゆっくりと料理してゆっくりと味わうのもそれなりに気分転換になります。そのためには北海道で生まれ育ったの牛のかたまり肉(スネ肉や頬肉やその他の部位の赤身肉)が欲しい。

買い出し頻度が減っているし今後も減るので、シチュー用以外に赤身のかたまり肉をその場で挽肉にしてもらったのがそれなりにあると、そしてそれを自宅で小分けして冷凍にしておくと、挽肉を使ったおかずにもミートソースなどにもいろいろと使い勝手がいい。野菜は近隣の農家が栽培した「ご近所野菜」を近所の小売店でそれなりの頻度で買うとして。

ということで、土曜日に営業中の肉屋の路面店に配偶者と出かけたわけです。不織布マスク着用です。「買って応援」というよく聞くメッセージにはその背後に指揮者風が透けて見える雰囲気の良くないものもあるのでそういうのとは距離を置くことにして、現在は料理屋向けの業務用販路や一般消費者向けのチャネルがほとんど閉じてしまっているであろうその肉屋に対する、これは個人的な気持ちからの「買って応援」です。

それなりに混雑していましたが、お店側もその状態に慣れてきたのか「ソーシャル・ディスタンシング」という観点からも適切な対応がされた中での混雑状態でした。

店内に入るのは、透明なビニールシートで区切られたカウンター越しに店員とやりとりするお客と、店内の壁際のベンチで自分の順番を待つ人の二人(ないし二組)だけで、三番目以降のお客は外で、店側が臨時に用意した近くの駐車場に止めた車の中で順番を待つか、あるいは徒歩で来たお客や車の外で待つのが好きなお客は寒い中を、店の近所の適当な場所で他のお客と離れつつ、また道行く人の邪魔にならないように順番を待つか、そのどちらかです。自分の順番が来るとマスク姿のお店の人が呼びに来てくれる。

皆さん、まとめ買いなのかそれぞれに購入量と購入品目が多いらしく、ぼくたちも40分ほど待ちました。おいしい赤身のかたまり肉のためには必要な我慢です。


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2019年12月30日 (月)

田作りと芥子(ケシ)の実

お節料理の中で好きなもののひとつが「田作り」です。「田作り」とは料理辞典風に言うと「ごまめ(小さなカタクチイワシを干したもの)を乾煎(からい)りし、砂糖・醤油・味醂などで味をつけたもの」です。

昔は干したイワシは田んぼの肥料でした。だから「田作り」、豊作を願う意味が込められています。その背景が説明されないと、なぜ海の魚を「田作り」などと言うのか混乱してしまいます。

我が家の「田作り」は甘いねっとりとした味付けではなく、さらっとした仕上がりのピリ辛味です。砂糖は使わない。ピリ辛風味のために唐辛子を加え、仕上げに芥子(ケシ)の実をまぶす。そういう「田作り」はぬる燗の日本酒に良く合います。

田作りはケシの実だと思っていたら、最近の流れは必ずしもそうではないようです。ケシの代わりに胡麻(ゴマ)を振りかけ、そこまでは気軽な代替案だと理解できますが、ちょっと捻った応用はアーモンド。アーモンドを刻んだのを、あるいは細かく砕いたのを加えて香ばしさを増している人たちもいらっしゃるようです。

我が家の「田作り」は今の作り方でぼくにとっては完成形なので変な手は加えません。しかしアーモンドが加わった「田作り」だとウイスキーが飲みたくなるような気がします。お正月にウイスキーは向かないにしても、一度試してみますか。

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     芥子(ケシ)の実入りの、ピリ辛「田作り」

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2019年10月 8日 (火)

シシャモの季節が始まった

シシャモの話です。北海道を取り囲む海は、左側が日本海、北側がオホーツク海、そして南側から東側ずっとが太平洋で、シシャモは北海道の南側の太平洋岸にのみ生息しています。シシャモは、漢字で「柳葉魚」。柳の葉がシシャモに変ったというアイヌ伝説にもとづいてそういう表記になったそうです。
 
居酒屋、とくに北海道以外の居酒屋で供される「シシャモ」は、たいていは「カラフトシシャモ」です。「シシャモ」によく似ていますが「シシャモ」ではありません。実際に「シシャモ」を何度かは食べてみないと、両者の風味と食感の違いはわかりません。札幌だと「シシャモ」は旬の時期(10月と11月)には魚売り場で簡単に手に入ります。たいていは、塩水で味を付けたのを軽く干したものです。一度、産地から氷水ボックスに入った大量の生のシシャモをもらった知り合いが多すぎて食べきれなくて、その一部がお裾分けで我が家にも回ってきたこともありました。
 
似て非なるものとはいえ「カラフトシシャモ」もそれなりに美味しい。だから、たとえば東京の居酒屋でも「シシャモ」という名のメニュー品目は定番品で、実際は「カラフトシシャモ」だからという理由でお客が文句を言うこともありません。そもそもたいていのお客は口にしているのが「カラフトシシャモ」だと気づいていない。
 
北海道産の「シシャモ」の漁獲量は年間1000トンくらいなのに対して、「カラフトシシャモ」の輸入量は年間約3万トン、「シシャモ」の30倍の流通量です。つまり、北海道以外の居酒屋の定番がどちらの種類かはとても理解しやすい。
 
その「シシャモ」ですが、北海道の消費者にとっては「オス」を選ぶか、それとも「(卵を持った)メス」を選ぶかが重要な問題です。価格は卵を持ったメスの方が高くその理由は卵の食感が付加価値だということですが、一方、身の味わいは値段は安いけれども「オス」に限るという消費者も少なくない。消費者は勝手なので「オスが美味いに決まっている」という意見の人たちはメスには見向きもしません。
 
しかし、収穫する側、売る側はオスもメスも均等にさばきたい。だから、それぞれの美味しさを均等にアピールしています。しかし、もっと直接的なマーケティング方法をとっているところもあります。たとえば、10尾ずつ串にさして売る場合、オスとメスをランダムに串に刺すというやり方です。串を3つも買えば、男女比は1に近くなり、値段はメスだけよりも穏当なものになり、どちらかが余りどちらかが足りなくなるとういう事態を避けることができます。
 
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2019年9月26日 (木)

ゲノム編集食品と遺伝子組み換え食品

遺伝子組み換え作物は、英語ではGMO、Genetically Modified Organismです(順番はGMOが先で、それが遺伝子組み換え作物という訳語になりました)。遺伝子組み換え食品は、英語ではGenetically Modified Foods、あるいはGenetically Engineered Foodsです
 
一方、ゲノム編集はGenome EditingないしはGenome Engineeringで、だからゲノム編集食品はGenome Edited FoodsないしはGenome Engineered Foods。
 
DNA(デオキシリボ核酸、その生物がもつ遺伝情報を規定する化学物質)の総体をゲノム(genome)といいます。ゲノム(genome)とは、遺伝子(gene)と染色体(chromosome)から合成された言葉で、「遺伝情報の全体・総体」を意味します。先ほど本棚をのぞいたら「ゲノムを読む」(松原謙一・中村桂子著、1996年)というタイトルの古い本がまだ棚の奥のほうにありました。いささか懐かしい。
 
遺伝子組み換えといってもゲノム編集といっても、要は両者とも、特定の目的のために遺伝子や遺伝情報を操作することです。特定の目的とは、一般的には生物の品種の改良とされていますが、その中には結果としての品種の改悪も含まれるので、遺伝子組み換えやゲノム編集の目的は品種の変更や修正としておいたほうがよさそうです。
 
先日、消費者庁は、ゲノム編集で品種改良した食品に関して、特定の遺伝子を切断しただけの食品についてはゲノム編集表示を義務付けないと決めたと発表しました(「ゲノム編集技術応用食品の表示について」 消費者庁食品表示企画課 2019年9月)。
 
その理由は、ゲノム編集食品は、当該食品(食材)にヒトが欲する機能や特性を持たせるために当該食品(食材)の特定の遺伝子を切断して作られますが、そのときに外部から遺伝子を挿入するタイプと挿入しないタイプがあり、現在開発が進んでいる食品の大半は挿入しないタイプで、そういうタイプだと、ゲノム編集食品はそれを作った本人しかそれがゲノム編集されたものだとはわからない(外部の第三者は当該食品の特徴がゲノム編集の結果でであるか従来の育種技術で起きたのかどうか科学的に判別できない)。それが表示義務がない理由だそうです。
 
ところでゲノムは遺伝情報の総体を意味する用語とはいえ、ゲノムの全部が遺伝子であるわけではなくて、ゲノムの中で「遺伝情報を持ったDNA」(つまり遺伝子)は、量としては数%~10%くらい、残り(残りという言い方は、残りに属するDNAにとっては失礼な話ではありますが)であるところの90%は遺伝情報とは直接の関係のない、存在理由がいまだによくわからないDNAです(だから、ジャンクDNAなどと呼ぶ礼を失した研究者もいます)。だから、いまのところ、ゲノムの90%は「無用者」ということになっています。
 
しかし、科学というのが常にそうであるように、ある時点で見えるものは見えるにしても、見えないものは見えない、見えないものの実態はよくわからない、だからとりあえずその「無用者」は「役立たず」としてその存在を許されていますが、そういう「役立たず」を生物はなぜずっと抱え込んでいるのか。かりに「無用者」の一部を毀損した場合その影響が長期でどうなるかは誰もわからない。況や、特定機能を担っている遺伝子をゲノム編集で切断して特定機能を殺した(抑止した)結果の長期の影響に於いておや。
 
身近な例で言うと、以前は(「腑に落ちない」とか「腹に落ちる」という慣用句の長い間の存在にもかかわらず)見向きもされなかった、あるいは頭や心臓と比べると非常に軽視されてきた「腸」や「腸内フローラ」のひそかで重大な役割が最近になって急に見直され始めたというような事例もあります。(関連記事は「食べものや体における『無用者の系譜』」)。
 
牧草と配合飼料とゲノム編集」で書いたように、ゲノム編集食材は日本が世界を一歩リードしています。
 
養殖の鯛やハマチは魚売り場ですでにおなじみですが、ゲノム編集技術を活用して開発した筋肉もりもりの鯛(肉厚マダイ)の生育が進行中だそうです。ゲノム編集した鯖の養殖も実験中です。魚が研究対象になれば、当然、トマトのような人気野菜やイネも対象になります。
 
しかし、ゲノム編集食品と名付けても遺伝子組み換え食品と言っても、遺伝子を操作した結果生まれた食材・食べものという基本的な事実に関して両者に差はありません。農産物でも(たとえばトウモロコシや大豆やジャガイモ)海産物(たとえばマグロや鯛やサバ)や畜産物(たとえば牛や鶏)でも、作りだす側の適用技術の違いから別の表現を付けているだけで遺伝子を操作して新品種を作ったという意味では同じです。「ゲノム編集は、別の種の遺伝子を導入するのではなく既存のDNAに改変を加えるもので、遺伝子組み換え作物(GMO)に使われる技術とは異なる」と主張されても「ああ、そうですか」と聞き流すだけです。
 
日本は、ECと同様に、遺伝子組み換え食品は表示義務があることになっていて、それが遺伝子組み換え少く品の増殖の防波堤になっているような気になりますが、担当省庁も熱心でないし、実質的には遺伝子組み換え農産物の輸入や流通は業者(作る人や運ぶ人)の「お気に召すまま」状態です。最近も「また遺伝子組み換えトウモロコシの輸入ですか」のような出来事がありました。
 
味噌や豆腐だとそこで使われている原材料の大豆が国産の「遺伝子組み換えでない」ものを選択的に購入できます。しかしゲノム編集食品では作った本人や企業はわかっているにもかかわらず自己申告が免れるとすると、消費者は、たとえば「どこどこ産の妙に筋肉モリモリの鯛は買わない」といった消費者の共有知による食材選択をするしかなさそうです。


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2019年9月 6日 (金)

「秋刀魚」という表記

「秋刀魚」という漢字の組み合わせで「サンマ」という秋の魚を表現するのは、「鯛(たい)」や「鰆(さわら)」という魚偏の表記法とは違って字の組み合わせに動きがあって、同時に絵画的です。それ以外の説得力のある漢字の組み合わせはちょっと思いつかない。
 
「秋刀魚」が使われ始めたのは、佐藤春夫の「秋刀魚の歌」が発表されてからだそうです。それ以来、人口に膾炙(かいしゃ)した。「秋刀魚の歌」は『我が一九二二年』(ここでは青空文庫を参照)という大正12年(1923年)に出版された本に入っています。最初の数行を以下に引用します。
 
秋刀魚の歌
 
あはれ
秋風よ
情(こころ)あらば伝へてよ
――男ありて
今日の夕餉(ゆふげ)に ひとり
さんまを食(くら)ひて
思ひにふける と。
 
「タチウオ」という、小骨の多い白身の魚は「太刀魚」ないし「刀魚」と書きます。姿かたちが「太刀(タチ)」に似ているからです。銀色の身体で怖い顔と歯並びをしていますが、とても美味しい。
 
サンマも姿かたちが「太刀」です。「タチウオ」が長刀なら「サンマ」は短刀で、確かに「秋」に獲れる「刀」の形をした「魚」です。
 
現在、魚売り場に出回っているサンマは迫力のない短刀ですが、そのうち、「口先が黄色くて」「目の周りが透明に澄んでいて」「背がつやつやと青黒くて」「腹が銀白色に輝いて」そして「全身に張りのある脂ののったずんぐり体形」のサンマが出てきたら、もはやただの「短刀」ではなく「鎧通し」(武士が戦場で組打ちに使った短刀)です。そのうち根室で獲れた鎧通しが売り場に並ぶでしょう。
 


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2019年9月 3日 (火)

サンマと地震ときれいな星空

今年もサンマが不漁というニュースが流れています。いくつかのニュース映像を見てもけっこう酷い状態のようです。品揃えのいい対面販売の魚売り場でどんなサンマが並んでいるか確かめてみました。細い頼りないサンマが何尾か氷水のなかで消費者に購入されるのを待っていましたが、消費者はちらっと見て通り過ぎるだけのようです。売り場のベテラン女性と立ち話です。「今年はまだこんなのしか入ってこない。こんなのは初めてです。」
 
札幌市から「広報さっぽろ」の最新版が届きました。表紙に大きな活字で「特集 災害に備えるために 〈北海道胆振東部地震から1年〉」と印刷されています。
 
ほぼ1年前のブログ記事「大きな地震で夜中に急に停電した時に役に立ったもの」を読み返すと、その地震が発生したのは2018年9月6日の午前3時過ぎで、そのすぐあとに北海道全体が停電、ブラックアウトしてしまいました。我が家で冷蔵庫が再稼働の低い音を出し始めたのは、9月7日の早朝です。まる1日と数時間、停電していたことになります。寒くもなく暑くもないいい季節だったのが不幸中の幸いでした。
 
そのときもそれなりに防災グッズや食べものや予備バッテリーは用意してありとくに不自由はなかったのですが、停電が長引くかもしれない次回の災害に備えて、地震後に、スマホの充電パックや非常用ランプ、そしてカセットガスボンベなどをより充実させました。「ごはんパック」と「ペットボトルの水」、「自家製梅干し」と「自家製味噌」、それに抹茶のような粗挽き茶が手元に十分にあるので1週間くらいなら同じ食べものの繰り返しになりますがひもじい思いはしません。
 
その記事の4日前の記事に「サンマが、突然、大衆魚に」というのがあり、2018年は9月になって突然にサンマが獲れ始めたようです。だから、今年は去年よりもサンマの状況は悪い。
 
ブラックアウトに突然見舞われたことの僥倖は、札幌でもきれいな星空が6日の夜に楽しめたことです。札幌はけっこう立て込んできたとはいえ空は大きい。ブラックアウトなので、視線の届く範囲は、救急車の走る以外は、真っ暗、真っ黒です。
 
以前、南半球の緑の灌木と草原が延々と拡がる地域で夜空にそのまま引き込まれてしまいそうな全面の星空を経験したことがあります。世界にはこれほど多くの大小に煌(きら)めく星々があったのかという驚きです。こういう星や星座で埋まった夜空、星空を毎日眺めていたら、各文化で星の物語、星座の神話が次々に紡ぎ出されたのも不思議ではありません。
 
札幌のその夜の星空は空気の透明度が違うのでその美しさには及びもつきませんでしたが、札幌で生活しているなかでいちばん星がきれいな夜空だったと思います。

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2019年8月30日 (金)

平飼い有精卵が選り取り

ある農家の「平飼い有精卵」の6個入りパックのなかに、手書きの文章をコピーして短冊風(あるいは栞風)にカットしたのが入っていました。そのまま引用します。
 
「朝夕はずいぶんと涼しくなってまいりましたね。先日農場で蛍を見つけました。蛍を見ていると環境に負荷の少ない取り組みを応援してくれているようにも思えました。このような取り組みができるのも皆さんのお陰です。本当にありがとうございます。(農場名)(代表者名)」
 
平飼いとは、下の写真のような飼い方のことです。北海道の農家は広いので鶏を地面で遊ばせておく。狭い団地のようなケージには閉じ込めない。写真は上の農家のウェブサイトからお借りしました。
 
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農家によって何を鶏の飼料(エサ)にするかはそれぞれに差がありますが、北海道で暮らすことのありがたいところは、ご近所野菜売り場の中の鶏卵コーナーの棚に「平飼い有精卵」が5種類ほど並んでいることです。5種類というのは5つの違う鶏卵農家からやって来たのがそこで買い手を待っている、という意味です。
 
たとえば、下のラベルの鶏卵を出荷している農家では、鶏用の飼料は
 
「北海道産を主体とした(一部国産を含む)米、大豆、牡蠣(カキ)殻、魚粉などの自家配合飼料と青草・野菜などを食べて育ちました」となっています。コメも大豆も牡蠣も魚も青草も野菜も全部北海道産が手に入ります。野菜なんかは自分で栽培するし、青草もそのあたりに自生しています。
 
北海道産以外の国産飼料は一部は含まれるかもしれませんが、外国産(たとえば米国産)のトウモロコシや大豆はまったく含まれていない。だから、消費者はラベルを読んで自分が鶏に食べてほしいという種類のエサで育った平飼い有精卵を買えばいい。本質的なことではありませんが、コメをよく食べる鶏の黄身の色は淡くなり、ニンジンや黄色いトウモロコシをよく食べると黄身はオレンジ色になります。
 
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いろいろと不可思議な政治文脈で「食べて応援」という言葉が溢れていたことがありましたが(今でも一部そうですが)、そういう文脈ではなく、消費者目線の非常に真っ当な意味でこういう鶏卵農家の卵は「食べて応援」だと思われます。


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2019年7月25日 (木)

産地では「ご飯の見えないウニ丼」、家庭では「ご飯の見えるウニ丼」

積丹半島には、毎日、いろいろな観光会社から「『ご飯の見えないウニ丼」を堪能するバスツアー』が出ています。そういう海鮮食べ物屋の駐車場には自家用車や観光客のレンタカーも多い。ウニ丼を注文すると、確かにご飯の上にご飯が見えないくらいぎっしりと、獲れたてのウニが敷き詰められています。そういう新鮮なウニが不味いわけがない。

ウニを不味くするのは、商品流通の事情(経済性)があってしかたないのですが、ミョウバンです。ミョウバンは市販の「締め鯖」にもよく使われています。

先月「北海道の日帰りバスツアー」という記事の中で次のように書きました。

<配偶者は、以前はウニにはまったく興味がありませんでした。美味しくなかったからだそうです。理由はウニの保存(型崩れ防止)のために添加してあるミョウバンです。北海道で「塩水ウニ」を口にしてその評価が劇的に変わりました。殻から取り出したウニを海水と同じ濃度の塩水につけてあるのを「塩水ウニ」と云います。不味いわけがない。>

「塩水ウニ」とは、積丹のような産地で獲れたてのウニの身を、彼らが生息していた状態の海水と同じ濃度の塩水を入れて頑丈にパック詰めしたもので、北海道だとウニの旬の時期には簡単に手に入ります。しかし簡単にといっても、それなりにお金はかかります。

札幌のホテルの宴会場なんかで会議の後の大人数のビジネスパーティがあり、そこでたくさんの大きな船に他の寿司といっしょに盛り合されているウニの軍艦巻きがあったら、それはたいていはミョウバン入りの「板ウニ」です。寿司カウンターでつまむウニは「塩水ウニ」です。

家庭では「ご飯の見えないウニ丼」は普通は無理なので、昨晩は「ご飯の見えるウニ丼」を賞味しました。

写真は、その塩水ウニ。ただし、食べる前に頑丈パックの蓋を開け塩水を捨てたところです。

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2019年6月14日 (金)

北海道の日帰りバスツアー

ある旅行会社から観光旅行のパンフレットが送られてきました。以前、その会社の「日帰りバスツアー」に配偶者といっしょに参加したことがあるからです。

日帰りバスツアーのページを開けるといちばん目立つあたりに「夏の積丹(しゃこたん)へ」とあり、そのなかに、ぼくたちもお世話になったコースが全く同じ構成で掲載されていました。こういう構成は変えようがない。「積丹で食す!豪快!ごはんが見えないウニ丼。」

お酒の好きなひとは、団体ツアーであっても一杯やりながらゆっくり「ウニ丼」を賞味するのがいい。軽く酔ったあとで、積丹海岸の積丹ブルーを満喫できます。途中で北海道の地酒のひとつであるところの余市のウイスキーも味わえるので、こういうのはバスツアーに限ります。

配偶者は、以前はウニにはまったく興味がありませんでした。美味しくなかったからだそうです。理由はウニの保存(型崩れ防止)のために添加してあるミョウバンです。北海道で「塩水ウニ」を口にしてその評価が劇的に変わりました。殻から取り出したウニを海水と同じ濃度の塩水につけてあるのを「塩水ウニ」と云います。不味いわけがない。

ページを繰っていると、北海道(あるいは札幌)らしいユニークな日帰りツアーもありました。「日本の空を護り続ける戦闘機航空団最北の基地 千歳基地航空祭」。最近の事故ニュースや映画で話題のF-35ステルス戦闘機は無理だと思いますが、現地に行けば、政府専用機や編隊飛行をするブルーインパルス、離着陸し基地上空や周辺を低空飛行するF-15の爆音と空気振動を味わえると思います。

最新鋭戦闘機は最新鋭の武器なので、つまり最新ハードウェアと最新ソフトウェアのある種の極致の組み合わせなので、それだけで拒否反応を起こすかたもいらっしゃるかもしれませんが、洗練されたロボットメカニズムやエンジニアリングに憧れる男の子や女の子、AIに憧れる少年や少女にはけっこう刺激的なイベントかもしれません。それに映画の「空母いぶき」効果で、今年は女性の参加者が増えるかもしれない。

まだ当時と似たような素朴なモデルが市販されているみたいですが、子どもの頃に木と竹・竹ひごと紙とアルミニウム管のゴム動力模型飛行機を組み立てて遊び(竹のプロペラの機体がまっすぐ飛んでいってどこかで行方不明にならないように左に大きく回転する風に作り、けっこう長く飛行しました)、それから、第二次世界大戦のイギリスやドイツや日本や米国などのレシプロ戦闘機の形と性能をほとんどすべて記憶していた身としてはけっこう戦闘機に対する思い入れがあります。

「千歳基地航空祭」のすぐ隣に「ススキノ・ホストクラブでお姫様体験」という案内があり、「戦闘機」と「ススキノ」は面白い組み合わせですが、「ススキノ」のほうが「千歳」よりも倍くらい値段が高い。それでも1万円未満に抑えてあります。博多でも東京でも同じことは簡単にできるので、札幌独特のツアーというのではないと思いますが、去年もパンフレットで見た記憶のあるツアーなので、最近はそういうニッチ市場が常に存在するということなのでしょう。今年から始まったツアーは「新コース」と書いてあり「お姫様体験」にはその注釈がないので、やはり定番コースのひとつのようです。

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2019年6月 7日 (金)

冬越しも想定して山椒を育成中

野菜売り場に「和歌山産の実山椒」が並んでいました。「北海道産」もそのうち、ゆっくりと登場します。北海道では山椒は栽培できないと思っていましたが、実際には、北海道の南半分くらいでは山椒の木は生育可能だそうです。そうでないと北海道産の実山椒が8月に店頭に姿を見せることはありません。

下の写真が「実山椒」です。体は小さくても才能や力量が優れていて侮れないことのたとえとして「山椒は小粒でもぴりりと辛い」といいますが、その山椒です。その小粒でもぴりりと辛い実山椒を水で煮てアクをとり、ガラス瓶に塩漬け保存しておくといつでも料理、たとえば、ちりめん山椒作りなどに使えます。

_-s_1  実山椒(水洗い中)

自宅で実山椒を収穫するつもりはさらさらないのですが、木の芽(山椒の若芽)を使った料理は簡単に作れます。たとえば、時期を過ぎましたが「筍(たけのこ)ご飯」。木の芽は香りを味わう日本のハーブなので「筍ご飯」にはその特徴がうまく生かされています。その特徴を活用した調味料であるところの「木の芽味噌」も作る予定です。木の芽をすりこぎで細かくすって白味噌(白味噌は自宅で簡単に作れます)と合わせれば、「木の芽味噌」が完成します。「木の芽味噌」にはたくさんの木の芽を使うので、山椒を育成中です。冬越しも視野に入れていますが、どうなることやら。

20190607

白味噌に関する最近の関連記事は「白味噌も年に一度くらいは自家製を楽しむ」それから「続・白味噌も年に一度くらいは自家製を楽しむ」。

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