米と麦

2020年3月31日 (火)

「食べる量が増えるわけではない」のではなく、「食べる量は確実に増えた」

最近は下に引用したような主旨の記事、つまり「食べものの買いだめは控えてください」という論調の記事が多い。しかし少し考えたらその観察や発言が上滑りであることがわかります。

「新型コロナウイルスの感染拡大で、首都圏では週末の外出自粛要請を受け、食料品を求める客が小売店などに殺到した。
 政府の緊急事態宣言が出された場合も同様の事態が起きる恐れがあるが、専門家は、買い物は「不要不急」に当たらず自粛対象ではないと指摘。『マスクと違い食料は十分にある』と、冷静な行動を呼び掛けている。
 農林水産省によると、米は半年分、小麦は2カ月分以上の国内備蓄がある。生産や流通、輸入も止まっておらず、店頭の欠品は一時的という。担当者は『食べる量が増えるわけではない』と必要量の購買を求めた。」(時事通信 2020年3月30日)

首都圏に住むある知り合いの女性(主婦)と話す機会があってそういう発言の上滑りの具合を確認したのですが、農水省の担当者がいうところの 「『食べる量が増えるわけではない』と必要量の購買を求めた」というのは正しくない。なぜなら「食べる量は確実に増えた」からです。マクロで静的にしかものが見えないのが役人だとしても、マクロとミクロの複合視点で物事を見たあとで慎重に発言したほうがよかったかもしれません。

日本国民全体という点では確かに「食べる量が増えるわけではない」。日本人全体のマクロな食料消費量は短期でも長期でもとくには変化しない(巣ごもりでイライラした分、やけ食い消費が増えたかもしれませんが)。しかし、ある消費セグメントの新しい需要量や新しい需要パターンとそれに応ずる流通チャネルの供給量や供給タイミングが折り合うまでにはそれなりに時間がかかる。それまでは、穏やかな消費者の冷静な消費行動が、結果的には「買いだめ」行為として現象する。役所の教育的指導の対象となるような行為ではありません。

その女性の家庭構成は、IT関連の会社で働くご主人、大学生の息子さんと大学生の娘さん、それに主婦の彼女。月曜から金曜は、お昼ご飯は家庭では用意しない。ご主人は普段は会社の近所の食べもの屋か昼食を出す居酒屋などでお昼ご飯を食べる。二人の子供も週末以外は学食かどこかで友達とお昼ごはんです。週末は、主婦の時短のためにそろってファミレスでランチということも多い。食材や加工食品の貯め置きはしない。食べものは必要なものを都度購入している。

移動の自粛でご主人がテレワークになった。ご主人は普段は夕食も仕事柄外で済ませることが多いのだが、在宅勤務で事情が変わった。大学生の子供二人も学校は休校状態だしバイトも停止状態で友達と外で昼ごはんというわけにはいかなくなった。外出自粛なので、お昼ご飯は自宅で食べる。。今までひとり分だった昼食食材や昼食用の食料品が一挙に4人分になった。単純計算で普段の量の4倍です。インスタント食品で済ますのか、レトルト食品で済ますのか、ラーメンやパスタを茹でるのか、炊飯器でご飯を炊いておかずと味噌汁を作るのか、詳しくは聞かなかったけれど、家庭内で食べる量が確実に、大幅に、増えた。普段の外食分の食料消費が、全部、家庭に持ち込まれたということです。

さて、それをどこで買うか。例えば近所のスーパーで買う。普段の4倍は買わないと勘定が合わない。しかし不要不急の外出をしないように要請されているので、買い物に出かける頻度は普段よりも少なくなり、その結果一度に買う量は当然増える。つまり主婦は「冷静な購買判断と冷静な購買行動の結果」、昼食用だけでも普段の4倍以上を(晩ごはん分を合わせても普段の一回分の2倍から3倍を)一度に買い求める。常時在宅人数が増えた分だけ、日持ちのするお菓子も追加的に必要になり、そういう家庭が多くなれば、お店の棚から、コメやパン、パスタやパスタソース、インスタントラーメンやレトルト食品、カップ麺やカップ焼きそばや日持ちお菓子などが急速に消えていく。

そういう状況を観察・体験せずに、そして相変わらずマスク不足に悩まされている状態で、「農林水産省によると、米は半年分、小麦は2カ月分以上の国内備蓄がある。生産や流通、輸入も止まっておらず、店頭の欠品は一時的という。担当者は『食べる量が増えるわけではない』と必要量の購買を求めた」と言っても本人が思っているほどの説得力はありません。


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2020年3月27日 (金)

精米歩合が70%~75%くらいの純米酒が好み

冷や酒がおいしいのも十分に解るとしても、晩酌の日本酒はぬる燗です。燗酒なので吟醸や大吟醸ではなく、精米歩合が70%から75%くらいの純米酒を選びます。燗酒というと酒屋でも飲み屋でもアル添を勧められますが、アル添は好みではありません。

精米歩合とは、当該白米(玄米からぬか、胚芽等の表層部を取り去った状態の米)の、玄米に対する重量割合を指すもので、ご飯に炊いて食べる白米の場合だと精米歩合は下の絵のように約90%です。だから精米歩合が50%以下の大吟醸酒だと、外側部分を半分以上磨き取ったコメ粒の中心部だけを使うわけです。

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以前、精米歩合が80%の(つまり、ご飯用の白米よりわずかに多く表層部を削り取っただけの)「雄町(おまち)」(という酒米)を使った辛口純米酒に出会いその芳醇な味わいに驚いた経験があります。全国の地酒の中からからそういうものをゆっくりと探すのも楽しいものです。

地元では昔から贔屓にされてはいても地元以外には知られていない純米酒とか、全国向けブランドと地元向けブランドをビジネスの主と副といった感じで両建てしている比較的大きな酒蔵の副ブランドのひとつであるところの純米酒とか、そういう日本酒です。そういう昔ながらの、磨きの度合いが低い(紛らわしいけれど、つまり精米歩合が大きい)日本酒だとそこにコメが存在しているのがより強く感じられます。

磨きの少ない米で雑味(ざつみ)のない旨い日本酒を作るのは難しい。ちょうどアナログ回路を上手に設計するのは実務経験豊富なベテラン・エンジニアで、そういう技術者が数少ないように、そういう技能を身に着けた杜氏が多くいらっしゃるわけではない。一方、磨きに磨いた米で大吟醸を醸すのは、パソコンやスマートフォンやIT家電のデジタル回路の設計みたいなもので、雑味なしにきれいに仕上げることができる。理工学部や農学部で醸造学や発酵学を学んで卒業したばかりの杜氏チームでも頑張ればなんとかなります。ということもあって、好みは精米歩合が70%~75%くらいの純米酒です。


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2020年2月27日 (木)

甘酒はおいしいので夏も冬も米麹の甘酒

甘酒は酒粕(さけかす)を使った簡易版ではなく、米麹(こめこうじ)を使い時間をかけてつくるのが好みです。後者を季節を横切って作りその味を楽しんでいます。酒粕の簡易版は正直なところマズイ。米麹版は甘くて味わいが深い。

大根の手に入る季節は、夏でも冬でも、「べったら漬け」を作ります。北海道での大根の栽培時期は3月から10月(旬は6月から10月)ではあっても、冬は地元の農家から収穫後保存してあった「雪の下大根」「越冬大根」が供給されるので、つまり我が家では自家製「べったら漬け」をほぼ一年中口にしていることになります。朝ごはんで食べます。

縦に二つに切った大根のまとまった大きさの切り身を塩漬けにしたのを、わずかな塩と唐辛子と柚子を加えた「甘酒」に、五日から一週間くらい漬けこんでおくと、「べったら漬け」ができ上がります。軽い塩味と軽い甘みが特徴の、タクアンなどとは方向のちがう軽快な感じの漬物です(冬は両方を少しずついっしょに楽しんでいます)。つまり、「べったら漬け」には「甘酒」が必需品です。

では「甘酒」はどうやって作るかというと、原料は米麹(こめこうじ)と白米。シンプルです。

米麹と白米と、それから温度を60度くらいに維持する容器(たとえば、ヨーグルトをつくるための電気式容器など)と半日(10時間くらい)の発酵プロセスのための時間があれば、甘酒ができ上がります。

米麹の甘酒だと米という素材の持つ自然の甘さが堪能できます。できあがったものは、米粒がどろっとしていて甘さが相当に凝縮した飲み物になっているので、たいていはお湯で薄めていただきます。米粒のどろっとしたのが好みでないかたは、そこからひと手間かけてミキサーで米粒を細かく砕いたもののほうがお湯で割った場合に甘酒が柔らかく泡立つ感じになって飲みやすいかもしれません。粒餡と漉し餡のちがいみたいなものです。

甘酒は夏の季語ではあっても(夏バテ防止に効果的なので)、発酵食品一般がそうであるように体にいいし、夏でも冬でもどちらでもおいしい。

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《ミキサー後の甘酒(左)、ここから少量をカップに移してお湯で割って飲む(右)》

蛇足ですが、家庭向けの米麹はタクアンや冬の漬物の季節に売り出されてそれでおしまいで、その後は店頭から姿を消すということが多いので、その時期にまとめて一年分を購入して冷蔵庫に保管しておきます。米麹は、「味噌」用には別途生麹を手配していますが、「タクアン」や「甘酒」や「べったら漬け」以外にも、「塩麹」や「醤油麹」(これは発酵プロセスに6時間くらい必要)などに使うので、一年ではそれなりの消費量になり在庫はきれいになくなります。

 

 


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2020年2月26日 (水)

炭水化物に炭水化物、あるいはその親戚

米ファストフード大手が、ニュージーランドで、フライドポテトだけをはさんだバーガーを売り出したというニュースが流れていました。それにベーコンを加えた商品もあるそうです。商品名は「チップ・バティ」(Chip Butty)。

そのニュースでは、ある店舗の調理場で責任者が偶然、バンズの上にフライドポテトを落としたのをきっかけに考案されたとなっていましたが、その理由付けはやや嘘っぽい。なぜなら「フィシュ・アンド・チップス」の発祥の地である「大英帝国」ではそれは以前から存在していたからです。チップはフライドポテト、バティはバターを塗ったパンなので、フィシュ・アンド・チップスの変奏です。

Chipbutty-bergerking-2  画像は当該企業のウェブサイトからお借りしました

「ジャンクフード」の代表を炭水化物に炭水化物を重ねたもの(およびその親戚)と定義するなら、日本だとラーメンライス。おなかが空いていて懐も温かくない若者がおなかをいっぱいにしようとしたらラーメンとライスを同時に注文するだろうし、かけ蕎麦の大盛りにおにぎりやいなり寿司を組み合わせるかもしれない。炭水化物と炭水化物は、そのときの空腹への簡便で安価な対応法としては理に適っています(食べる回数が増え過ぎるとケンコーに良くないというのはさておき)。

それからジャガイモがいっぱい入っただけのカレーライスもそれに近い。パンの間にマヨネーズとケチャップ付きのフライドポテトやベーコンが挟まれているのと(こういう場合に必ずマヨネーズとケチャップが登場するのが、なんとも、ですが)、市販のカレールーを放り込んだだけのカレーとジャガイモとご飯(ライス)が一緒になったのと、味の差にうるさいことを云わなければ、そして料理文化における民度の差に目をつぶれば、それほど違うとも思えない。

ラーメンライスも、誰かから教えられるのではなくて、おなかが空いて初めてその組み合わせに気付く若者がいるかもしれないことを考えると、「ある店舗の調理場で責任者が偶然、バンズの上にフライドポテトを落としたのをきっかけに考案された」というのも嘘っぽいけれど嘘ではないのかもしれません。でもなぜニュージーランドなのかは、英国の親戚ということ以外はよくわからない。

関連記事は「ジャガイモとオランダ人、あるいは世界の4大主食(その3)


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2020年2月12日 (水)

年代物の国産ウイスキーが払底

12年物、17年物、21年物、25年物といった熟成した年代物国産ウイスキーが品切れに近い状態だそうです。売れすぎてそういうウイスキーの原酒在庫がなくなったので継続して販売できないらしい。たとえば「ニッカウヰスキー」だと「竹鶴」の「17年」「21年」「25年」の販売がこの3月末で終了するとのことです(2020年1月14日のニュース)。

買ってからそれなりの年数を飲まずにいた数本の「竹鶴12年」と「宮城峡」は今となっては貴重品です。「鶴」や「余市」は飲んでしまって残っていない。「竹鶴12年」は、「ニッカ」の「余市」と「宮城峡」という二つの蒸留所のシングルモルトをブレンドしたもので、じつに旨い。年代物の「竹鶴」は飲む人それぞれに好みもあるかもしれませんが、ぼくにはたいていの熟成スコッチよりも旨い。

観光客やインバウンド客で混雑する前の「余市蒸留所」は列車を乗り継いで見学に行ってもゆったりとしていて、係の人と静かにウイスキーの話をすることが出来ました。下の写真は、2011年6月に配偶者といっしょに行ったときに原酒保管庫の中の原酒樽です。そのときは保管庫のひとつをその中に原酒の有料試飲カウンターを入り口付近に用意して訪問客に公開していました。

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その樽には、それぞれ赤いシリアルナンバーが貼ってあり、左下の樽には「86 04」「OTARU」や右上の樽には「86 05」「OTARU」という文字が焼き印されています。だからその当時で、すでに25年物のモルト原酒ということになります。

すでに定年退職されてアルバイト的に働いていて試飲カウンターの向こうでぼくたちの相手をしてくれたかたの話によれば、「25年経過した樽には原酒は、水分が蒸発するので、最初の3分の1しか残っていません」、「竹鶴の12年物といっても、確実に12年以上寝かせた原酒が混ぜ合わさっているので、実際は13年物とか14年物ということにもなる場合もあります」。

25年間の保管費用がかかるだけでなく、原酒在庫そのものが25年で3分の1になるので、全体的な在庫維持費用は、つまり年代物ウイスキーの原価は当然高くなります。つまり定価は、最初の段よりも次の段が高くなり、その次の段はもっと高くなるという形の階段状でそれなりの額に設定されます。

数年後に、その蒸留所を再訪した時は、内外の観光客の群れに恐れをなしたのか、その保管庫は部外者が立ち入れない場所になってしまっていました。というか、存在そのものが目立たない雰囲気を纏(まと)っていました。

関連記事は「モルトウイスキーの蒸留所」。


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2020年2月 4日 (火)

節分で真面目と遊び

両方遊びみたいなものかもしれないとしても、真面目な方はお正月と節分はセットなので、「柊(ひいらぎ)と豆殻」を玄関に飾って区切りとします。

正月は「松」、節分は「柊と豆殻」。オニと呼ばれるヤマのスピリットが正月にヤマのしるしの松をめざしてサトの家に降り、ひと月ほどたったらサトのその家をあとにしてヤマに還る(「オニは外」)というオニの往還で正月から節分への流れを考えるのがぼくにはいちばん腑に落ちるのでそうします。

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遊びの方は「恵方巻き(えほうまき)」。節分に「恵方」(今年は西南西よりやや西より)を向いて一気に食べる(ということになっているらしい)太巻きのことです。

大阪のローカル文化であったもの(どうもそうらしい)を、2月の売り上げの落ち込みをカバーするためにコンビニ業界が販売促進イベントとしたせいで、恵方巻きがいつの間にか全国区の催事食べものになってしまいました。ここ数年で段々と豪華絢爛な太巻きになって来て、コンビニに限らずデパ地下もスーパーも予約販売と当日販売で忙しかったようです。ただし、売り上げカーブがバレンタインズ・デイのチョコレートのような異常な上向きスパイク状態を呈するわけではありません。

市販の贅沢版には関心がないので、配偶者が自宅で素朴なしかし少し素材に凝った太巻きを作り、そして、一気にではなく普通に食べました。

松とお節料理、七草と粥、柊と恵方巻きという流れに乗るのは、ややミーハーであっても、それでいいような気もします。


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2020年1月29日 (水)

令和二年の味噌作り(寒仕込み)

味噌作りは年に一回の作業なので、開始前に手順(工程と云うほうがモノづくりらしい)を一応確認しておきます。味噌づくりは配偶者との共同作業・分担作業で、長年やっているので、やり始めると手が勝手に作業を思い出します。冬の寒い時期に仕込むので「寒仕込み」と呼ばれています。

我が家の「味噌づくりの手順」は簡単です。先日のブログ記事に書いたように今年も投入する大豆は4kgです。我が家の一日の大豆の処理量は(後述のように)2kgなので作業は二日間連続で行って4kgに対応します。

【味噌づくりの手順(その一)】

・大豆4kgと生麹4kgと塩1.8kg(我が家では大豆1kgに対して生麹1kg、塩450gを基準にしている)と、アルコール度数が40度超の強い焼酎を準備する。(強い度数の焼酎は器具や容器の雑菌消毒のための必需品、我が家で利用しているのは度数が44度のもの)

・よく水洗いした大豆を「前の晩から」半日、底の深い大鍋で十分に水に浸しておく。

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・その大豆を柔らかくなるまで、吹きこぼれに注意し、アクを丁寧に取り除きながら、煮る(プロは大豆を蒸すが、一般家庭では量が多い場合は蒸すという作業は難しい)。

・モノづくりの工程にはたいていはクリティカルパスが存在する。我が家の味噌作りにおけるクリティカルパスは「鍋で煮る」という工程。深い大鍋を総動員しても一日の最大処理量は大豆2.5kgなので大豆は一日2kgまでとする。だから4kgには二日間必要。

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・熱で柔らかくなった大豆を電動ミンサーにかけてミンチにする。ミンサーは必要箇所を焼酎で丁寧に消毒。

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・米麹と塩を、大きなボールなどできれいに混ぜ合わせたのを別途並行して用意する。これを一般に「麹の塩切り」と呼んでいる。ただし塩は「塩切り」で全部を使うのではなく一部分を後の工程のためにとっておく。

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・ミンチした大豆を、麹菌が活発に活動できる50℃くらいまで冷ます。熱すぎると麹菌が死んでしまうので注意。

・50℃くらいまで冷えたミンチ大豆と、塩切りした米麹をしっかりと混ぜ合わせる

・混ぜ合わせたものをテニスボール大に丸める。これを「味噌玉」という。

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・度数40度以上の強い焼酎で雑菌消毒した甕(実際は一斗容量の業務用ホーロー容器)に、「味噌玉」を次々に作って、それを野球ボールを投げる要領で投げ入れる。こうすると味噌玉の中や隙間に空気が混じらないので雑菌の混入防止になる。味噌玉を作る人と投げ入れる人の流れ作業にすると円滑にすすむ。

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・味噌玉を投げ入れると段々とその嵩が増してくる。投げ入れ終わったら、全体を手で平らに整える。

・「塩切り」のときに残しておいた塩をその上に薄くかぶせ(とくに周辺部を丁寧に)、大きめに切った幅広の干した羅臼昆布を塩の上に敷く(干し昆布を敷くのは北陸地方の伝統で我が家でも数年前からそれを拝借。こうすると昆布の風味も楽しめるし、味噌が熟成した時に昆布の漬物風ができ上がる。小さく切ると昆布の朝ごはんの佃煮だし、おにぎりの具としても活躍する)。ただし上に敷くのは干し昆布である必要はない。ポリエチレン・ラップでよい。

・重石をかける。我が家では、常滑焼の中蓋(けっこう重い)を重石にしている。

・上蓋をする

・大きめのポストイットに、大豆の投入量や麹の種類、仕込み年月日などを書き、上蓋に貼り付けてる。「天地返し」日付を書く欄を開けておく。

・埃(ほこり)予防のために、ホーロー容器全体をポリ袋で覆うか、あるいは出来の良いシャワーキャップで上蓋あたりをすっぽりと覆う。

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ここまでが二日間(前の晩からの準備 ―水洗いした大豆を底の深い大鍋で水に浸しておく― を入れると二日半)の作業です。

【味噌づくりの手順(その二)】

寒仕込みから半年から一年くらい経った頃に「天地返し」を行います。

・「天地返し」とは、甕で発酵中の味噌の天(上)と地(下)をかき混ぜて甕全体の発酵状態を平準化する(発酵に偏りが出ないようにする)ことです。ただし、大きな甕の中で天地返しをするのは一苦労なので、別の複数のより小さな甕に移し替える形の天地返しをすることもあります。

・天地返しまでは、味噌は暗冷所で静かに寝かせます(熟成させます)。

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・天地返しをしたら、その日付を上蓋に貼り付けてあるポストイットの空欄に記入します。

以上です。

何故、味噌・梅干し・タクアン・糠漬けのような地味なものに興味があるのかと問われたら、自宅で安心な原材料を選びながら作ったそういうものは市販の高級なものよりも明かに美味しいからと答えることにします。毎日口にするものだし、実際のところそういう自家製は美味しい。それから、とくに味噌と梅干しは、常温保存が年の単位でできるので非常食になります。ご飯と味噌と梅干しと水があって、生きて行くのであればなんとか生きられる。

 


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2020年1月27日 (月)

味噌用の大豆と米麹と塩がそろった

個別に手配していた今年の味噌づくり用の大豆(北海道産)と生(なま)の米麹(島根県産)と塩(ベトナム産)が揃ったので記念撮影です。

・大豆 4kg
・生の米麹 4kg
・塩 2kg(このうち 1.8kgを使う)

蛇足ですが、白味噌を作る場合は大豆と米麹の割合は、普通の米味噌(赤味噌)が「1:1」なのに対し、「1:2」です。だから白味噌は塩を少ししか使わないにしても甘くなる(関連記事は「ついでに、白味噌」)。

配偶者といっしょに味噌作り作業に入ります。二人でやらないと効率よくできないので。

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2020年1月22日 (水)

味噌用の大豆が到着、ついでに昨年の味噌を天地返し

味噌用の大豆4kgが、北海道の紋別というところにある豆専門商店から到着しました。2019年に収穫された北海道産の大豆です。一袋が1kg入りで、四袋です。

まだ届いていませんが、味噌用の米麹と塩を別途手配中です。それらが全部揃ったら、今年の味噌づくりを開始します。

大豆と麹と塩のそれぞれの割合は、大豆が1kgの場合は、大豆1kgに対して麹が1kg、塩は450gなので、今年の実際の使用量は、大豆が4kg、米麹が4kg、そして塩が1.8kgになります。

味噌づくりではいちばんポピュラーな米麹を我が家でも使うので、できあがった味噌は米味噌です。玄米麹を使うと玄米味噌、豆麹だと豆味噌(赤だし用の八丁味噌など)と呼ばれます。ときどきは玄米味噌も作ります。

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麹と塩も揃ったところで、原材料全部の集合写真を撮りましょうか。

それから延び延びになっていた昨年の味噌(2019年2月5日に仕込んだもの、大豆は4㎏)の「天地返し」をいい機会なので実施しました。一斗容量の甕(正確には19リットル入りの業務用ホーロー容器)に入っている味噌の天地をひっくり返すのは至難の業なので、それを常滑焼の甕三つに分けることによって天地返しとしました。少し舐めてみるともう味噌として出来上がっているのでさっそく一部を食するか、それともまだ寝かせておくか。

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2020年1月20日 (月)

もう少し雪を

雪が少ないので寒い、という事態は、ぼくにとっては「雪がないのでとても寒いですね」に書いた通りだとしても、雪が少ないといろいろと悪影響が出る恐れがあります(一部は実際に出ています)その影響対象は、ここでは、「ナナカマド」と「札幌雪まつり」と「秋小麦」です。

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このナナカマドは去年の12月上旬に撮影したもので、ナナカマドの赤い実の上半分が雪で覆われています。雪が普通に降り続くと、ナナカマドはこの白い帽子を被った、見ていて楽しい状態を2月初めくらいまでは持続します。しかし、今年は雪が少ないのでその帽子も直ぐに融け、そのあと冷たい風が吹き渡るので、近所のナナカマドに関する限りは、赤い実が年末には全て落ちてしまいました。残念です。

札幌雪まつりは、地元の雪ではまったくの雪不足です。だから雪像作りに必要な雪を札幌から数十キロ離れた雪の多い地域から運んできています。もっともときどきはこういう事態になるので運営管理者は対応方法には慣れています。札幌ではホテル代が一年で一番高いのは2月の雪まつりの頃です。ホテルや飲食店などがもっとも観光関連収入が稼げる時期なので、雪の大量輸送にお金がかかっても引き合います。

小麦は、種まきの時期によって、秋小麦(秋まき小麦)と春小麦(春まき小麦)の二種類に分かれます。

春まき小麦は4月~5月に種をまいて8月上旬~中旬に収穫します。主にパン用になりますが、秋まき小麦に比べて栽培される期間が圧倒的に短いので収穫量が少なく、しかも、収穫期の8月は雨の日が多い年があるため品質が不安定になりやすい。今年の春小麦は一般消費者向けには限定販売しかできませんという年もときどきあります。

秋まき小麦は9月中旬に種をまき、10月上旬に芽が出ます。この新芽は雪の下で静かに冬を越し、翌年の7月下旬~8月上旬に収穫されます。雪の下は雪が外気を遮断するため地上に比べると温度が下がらず0℃で維持され、しかもほどよい湿度も確保できる。雪の下キャベツや雪の下ダイコンと同じ環境です。

雪の蒲団は温かい。雪がなくて氷のような冷たい風が畑を吹く抜けると芽は死んでしまいます。今は雪がそれなりに十分にあるとしても、今後の積雪量によっては困った事態になる恐れがあります。秋小麦は主に「うどん」などに使われます(下の表で「日本麺用」というのは「うどん用」という意味です)。近年はパン用の品種も登場しています。

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【註】色を付けた品種(銘柄)は、我が家で実際に使ったことがあるか(たとえばそれでパンを焼いた)、あるいはそれを使った加工食品を食べたことがあるもの。

ということで、雪よもう少し降れ。


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