米と麦

2019年6月25日 (火)

キュウリ(胡瓜)雑感

北海道産のキュウリの旬は6月から9月なので、6月になると野菜売り場には地元のキュウリがいっぱい並びます。キュウリ好きの身としてはご同慶の至りです。北海道産キュウリの出荷量は、全国のそれの3%くらいです。

キュウリは野菜サラダの具のひとつになったりもしますが、そしてそれも嬉しいのですが、いちばん嬉しいのは糠漬けです。じつに旨いと思う。キュウリのない夏の糠漬けは、夏の糠漬けの存在意義を半分以上失っています。ただし、キュウリはとても水っぽいので、他の糠漬け野菜(たとえばニンジン)と糠床を分けておかないと他の糠漬け野菜の風味を損なってしまう。

我が家では、手軽なお出かけ弁当はもっぱら自家製梅干し入りのおにぎりで、サンドイッチという選択肢は、まずありません。

しかし、そういえば、キュウリ入りのサンドイッチというのがありましたが(喫茶店や軽食屋風のお店でサンドイッチを頼むとミックスサンドしかなくてそこにそれが出てきたと思う)、美味しかったという記憶はありません。ところが調べてみると、作り方にもよるのでしょうが、評判は悪くない。とても美味しいとは書いてありませんが、うまいサンドイッチのひとつくらいの感じで紹介されています。

ある料理サイトを拝見すると、キュウリ・サンドイッチ(Cucumber Sandwiches with Cream Cheese)を上手に作るための細かい基準が並んでいました。なおそこで使う材料は、「良質で柔らかいパン・クリームチーズ・キュウリ・塩・胡椒・バター・セリの葉」です。

・パンはとても柔らかいもので、色は白であること
・クリームチーズやバターは厚く塗ること
・キュウリは、皮を剥いたのを、できるだけ薄くスライスすること
・パンの耳は取り除くこと

1974年に出版された吉田健一の「英国に就いて」というエッセイ集の中に「食べものと飲みもの」というのがあります。そのなかに「胡瓜のサンドイッチ」が登場します。ここでの評価はすこぶる高い。その部分を以下に引用してみます。

『英国のお茶の御馳走に、胡瓜のサンドイッチがある。これにも何か形容を絶するものがあって、よく西洋料理にあのパセリというつまが付いてくることがあるが、あの味をそのままサンドイッチに仕立ててもう少しみずみずしいものにしたら、まず英国の胡瓜のサンドイッチに近いものが出来るかもしれない。噛んでいると、眼の裏に緑色の芝生が拡がり、緩慢に流れて行く河の水面に白鳥が二三羽浮かんでいるのが見える趣向になっている。』

著者は酒や食べものにはうるさいので、本当に美味しかったのでしょう(ときどき幻想的な、夢か現かわからない記述が、現について書いたエッセイの中に境目なく混入しますが)。

ということであっても、ぼくはキュウリのサンドイッチは食べないと思います。それを口にするくらいなら、新鮮な生のキュウリをポンと手で割って、キュウリの割口をお皿に用意した自家製味噌につけて、ぬる燗の日本酒の肴にします。これはなかなかです。

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2019年5月29日 (水)

東京・大阪は「北海道物産展」、札幌は「京都老舗まつり」

着実な人気があって収益予想も確実なデパートの催事のひとつが、東京と大阪では「北海道物産展」です。

主催者やバイヤーと出品者は定番商品と目玉商品を毎年、一定量、用意するのに、けっこうな努力を継続していると思いますが、「北海道物産展」が失敗したという話はまず聞きません。東京と大阪の消費者にしてみれば、飛行機の往復運賃なしに、新鮮な魚介類やおいしい加工食品が手に入ります。だから常連客は3~4万円以上も購入するらしい。人気があるのは当然かもしれません。

逆に札幌の消費者に訴求効果があるのは「京都老舗まつり」のようです。配偶者宛てに、そこに参加するある茶舗から案内状が届いたので出かけました。しかし、お目当ては、お茶ではなくて、あるお店の鯖(さば)寿司です。ここの鯖寿司を食べると他の鯖寿司がかすんでしまいます。

締め鯖を自宅で作るのが好きなので、対面販売の魚売り場に新鮮な鯖が並んでいるときには必ず買うようにしています。つまり、美味しい締め鯖や鯖寿司には目がない。同時に、味のレベルの違いもよく理解できます。で、写真の鯖寿司です。京都の本店は夜には青い灯や赤い灯が並ぶ通りにあります。

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上の写真は寿司にぐるりと巻いてあった昆布を丁寧にとりはずした状態。昆布は別においしくいただきました。

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関連記事は「美味しい締め鯖」。

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2019年3月20日 (水)

ひさしぶりに「コシヒカリ・タイプ」の北海道産米を食べた

最近は「猫跨ぎ(ネコまたぎ)」という言葉はほとんど聞きませんが、もともとはまずい魚を指して使った言葉です。魚の好きな猫でさえ跨(また)いで通り越すほどまずい魚の謂(いい)です。聞かなくなったのは、家庭で魚を食べる量や機会が減っていることも関係しているかもしれません。

昔の北海道産米は「猫跨ぎ」と呼ばれていたそうです。まずいのでネコも跨ぐ。しかし、最近の北海道のお米は美味しくなってきたのでネコも立ち止まってガツガツ食べるようになってきました。

お米にとって白米の輝くような白さというのもとても重要な要素ですが、お米の食味は「甘み」と「粘り」で判断されます。コシヒカリが基準ですが、「白くて甘くて粘りが強い」お米がおいしいお米とされています。もっと粘りを強くして「もっちり」になると、同じコメでもぼくたちの常食である「粳米(うるち米)」ではなく「糯米(もち米)」になってしまいます。だから、現在、世間で人気の「うるち米」は(北海道産だと「ゆめぴりか」など)、白くて甘くて、もち米風味を取り入れたタイプと言えます。

その対極が、というのも大げさですが、粘りが少ないサラッと系(さらりとしたあっさり系)のコメで、たとえば、ササニシキ。かつては一世を風靡しましたが、コシヒカリ(やコシヒカリ・タイプ)に押されて、現在は「猫跨ぎ」状態になっています。

しかし我が家で数年前から人気なのは、そのサラッと系の北海道産のうるち米で「ゆきひかり」という名前です。北海道産のコメの生産量や収穫量を「ゆめぴりか」や「ふっくりんこ」や「ななつぼし」のようなブランド別に円グラフにすると、我が家の人気米は一本の細い線になってしまいます。古いタイプのあっさり系で、ついでに無農薬栽培米を求めたら、このマイナーなうるち米にたどり着きました。

先日、「甘みと粘りのバランス」がいいという意味ではとても人気の北海道産米をいただいたので、晩ごはん用にさっそく土鍋で炊いてみたところ、白くて、甘くて、ねっとりしていていて、「あっさり系のもち米」のようでした。普段のもの(現在のコメの美味しさ判断基準からすれば「猫跨ぎ」と言われるかもしれない風味のもの)との違いを実感した次第です。

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2019年3月18日 (月)

プレゼントに糠床(ぬかどこ)

新婚の女性や、新婚ではない主婦で糠(ぬか)漬けをしたいのだけれど敷居が高い、どこから手を付けていいのかわからないというかたに、糠床をプレゼントすることがときどきあります。プレゼント用糠床(ぬかどこ)の製造責任者は配偶者です。誰にでもプレゼントするわけではありません。

Photo

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一番目の写真から開始です。素材は米糠、塩、昆布、鷹の爪、水。二番目の写真の状態まで作業をしたら、ニンジンなどの適当な野菜を捨て漬けし、それを何度か繰り返し、風味や香りが糠床らしく育ってきたら、それをさしあげます。

この容器は蓋付きのガラス製で、糠漬け容器としては最小に近い大きさですが、冷蔵庫の中にスポッと納まる形とサイズなので、糠漬け初心者には重宝だと思います。

けっこう喜ばれます。糠床はその中で乳酸菌や酵母やその他の多様な微生物が生きています、それらが糠漬け特有の風味を生み出します、それらを育てなくてはいけない、だからかき混ぜ作業を適宜忘れないようにというアドバイスも、忘れずに伝えます。そのやり方や野菜の選択に関してときどき電話がかかってきて、配偶者がヘルプデスクをやっているようです。

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2019年3月14日 (木)

続・白味噌も年に一度くらいは自家製を楽しむ

鰆(さわら)の西京漬けや味噌風味のパウンドケーキなどにどんどん使ったので、20日ほど前に作った白味噌が底をつきました。で、今年2回目の製造です。今回は前回よりも多め。原材料は、前回の繰り返しになりますが、多い順に米麹(大豆の2倍)、大豆、塩(控えめ)。

作ったままだと「粒餡(つぶあん)」風なので、それをハンドミキサーで混ぜ合わせると、下の写真のような「漉し餡(こしあん)」風になります。

西京味噌漬けは魚だと「鰆」が定番ですが、「目抜き」も試してみますか。

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2019年3月 6日 (水)

素朴な色合いの自家製タクアン

とても寒い時期にタクアンを樽から取り出すのは気合の要る作業ですが、寒さも少し緩んできたので、その分作業が楽になりました。

2014年版から2018年版の自家製タクアンの写真を並べてみました。

2014年版のタクアンとは、ここでは、2014年の10月末くらいに漬け込んで年明け(2015年)の10日くらいから食べ始め、ゴールデンウィークあたりまで食べ続けるタクアンを指します。朝ごはんの漬物のひとつです。

2015a 2014年版タクアン

2015年版タクアン 2016

2017a 2016年版タクアン

2018_2 2017年版タクアン

2018年版タクアン 2018c

自家製タクアンの原材料は、大根と塩と米麹(こめこうじ)と米糠(こめぬか)と赤い鷹の爪だけ。黄色を発色させるウコンも使っていません。だから地味な色合いの仕上がりになります。

季節になると「タクアン漬けの素」なるものも漬け物コーナーに並びますが、我が家は縁がありません。市販の「タクアン漬けの素」の中身(原材料)は、無作為に調べた範囲では、以下のような具合です(そのまま引用)。

A社: 『乳糖、酵母エキス、澱粉分解物、魚醤、蛋白加水分解物、貝カルシウム、甘味料(ステビア、甘草)(原材料の一部に大豆を含む)、食品添加物/着色料製剤(ビタミンB2 4.2%、ウコン末 0.8%、乳糖 95.0%)』

B社: 『煎りぬか、たんぱく加水分解物、調味料(アミノ酸等)、着色料(ウコン、ビタミンB2)、グルコン酸ナトリウム、調味料、加工でん粉』

C社: 『炭酸カルシウム 44.9%、着色料(ウコン)25.5%、調味料(アミノ酸)18.4%、サッカリンナトリウム11.2%』

使うかどうかは、消費者次第です。これらを使うと、鮮やかな黄色の甘いタクアンができあがるはずです。

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2019年3月 5日 (火)

味噌風味の小麦粉パウンドケーキ、あるいは、自家製は安心

味噌風味のパウンドケーキ」の続編です。

前回のパウンドケーキの原材料は「米粉、グラスフェッド・バター(強い弾力があって濃い黄色)、砂糖(砂糖は標準量の半分)、(放し飼いの鶏の)卵、そして(自家製の)白味噌」だったのですが、今回は、「米粉」ではなく本来の(というか一般的に使われているところの)「小麦粉」です。それ以外は前回とまったく同じ。

今回の小麦粉(北海道産)バージョンのほうが、米粉(北海道産)バージョンよりもよく膨らみました。小麦粉と米粉の特性の違いです。

A_201903

北海道のお菓子やケーキは、洋風であっても和風であっても、小麦粉や米粉や小豆やバターや牛乳など原材料の素性・出所がすっきりとしていることが多いので安心です。自分の知識や経験に照らして、それらがすっきりとしていないと思えば、あるいはそれら以外にすっきりとしていないもの(ある種の添加物など)が使われていると判断すれば、買わなければいいし、食べなければいい。

自宅で、たとえばパウンドケーキやアップルパイなんかを、自分で原材料を選択して作る場合は、そういう意味ではすべてがすっきりとしています。知り合いにも安心して食べてもらえます。

料理や調理がすべて「時短」だと味気ない。それともサラダでも炒め物でも市販の「マヨネーズ」で済ませますか、それとも和風味付けはなんでも「めんつゆ」ですか。

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2019年3月 1日 (金)

ストローは麦わら

ストローはぼくは使わないので、もっと正確に言うと、ストローが必要な飲み物は家でも店でも飲まないので、ミクロ的にはどうでもいいのですが、最近のストロー素材のデフォであるところのプラスティック製(ポリプロピレン製)が、たとえば一部のファストフード店などでは、ECなどでの流れに応じて、マクロの観点から使用禁止になるらしいです。

以前はストローは麦わら(麦藁)でした。ストローという語の意味そのものが、その素材であるところの「Straw(麦わら)」からきています。夏の必需品だった(今でも一部の人たちにはそうであるところの)麦わら帽子の素材であるところの麦わらです。麦稈(ばっかん)ともいいます。

プラスティック(ポリプロピレン)製のストローが世に出てきて段々と蔓延(はびこ)ってきたときには、その風情のなさに驚きあきれたものですが、それが廃止ということになると以前の風情の一部が取り戻せそうです。全部が麦わらという具合にいかない場合は、麦わらのような品の良い紙製になるのか、それともストローなるものを使わなくなるのか。派手な色彩の紙素材だとかえって興ざめです。

プラスティック・ストロー廃止のニュースを聞いて、プラ以外の素材のストローがあることに驚いている若い女性が少なくないみたいですが、生まれてからずっと麦わらストローの存在を知らないのだから仕方ありません。

余談ですが、夏の終わりの北海道では、麦稈(ばっかん)ロールと呼ばれる、麦の穂を刈り取った後の麦わらを丸めて作った、直径が大人の背丈よりも高い短い円筒形のものが麦畑にゴロゴロと並んでいます。麦稈は牛の寝床に敷かれます。

下の写真は(手持ちの写真がなかったので)「森の中の支配人」さんのTwitter【#畑の学校】からお借りしたものです。麦稈ロールと麦わら帽子がいっしょに撮影されています(「森の中の支配人」さんにはこの場を借りてお礼申し上げます)

Family
       麦稈ロールと麦わら帽

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2019年2月28日 (木)

味噌風味のパウンドケーキ

パウンドケーキ(pound cake)はバターケーキの一種ですが、伝え聞くところでは、小麦粉とバターと砂糖と卵をそれぞれ1ポンドずつ使って作るので「パウンド」ケーキと名づけられたそうです。

ステンレスボウルで投入材料を混ぜていく、家庭でも簡単に作れるシンプルなケーキです。材料は必ず室温に戻すとか、バターは白くふんわりとするまで丁寧に混ぜるとか(電動のハンドミキサーを使うと便利)、いくつかの基本を守ると誰にでもできる。配偶者がそう言っていました。

混ぜ物や混ぜ方を変えると、味も食感も変わります。そういう意味ではシンプルだけれど奥深い。いろいろなのを食べましたが、それぞれの味わいがあります。

今回のは、自家製の白味噌(関連記事は「白味噌も年に一度くらいは自家製を楽しむ」)を使った味噌風味の米粉パウンドケーキです。原材料は米粉、グラスフェッド・バター(強い弾力があって濃い黄色)、砂糖、卵、そして白味噌です。砂糖は標準量の半分です(標準量だと甘すぎるので半分です)。

白味噌の風味がなかなか刺激的です。ちょっと癖になる味とも言えます。

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下は、以前に作った米粉のパウンドケーキ(干し葡萄入り)。こちらは米粉100%にバターと砂糖だけなので、色白美人に仕上がっています。

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2019年2月21日 (木)

白味噌も年に一度くらいは自家製を楽しむ

白味噌は、西京(さいきょう)味噌とも呼ばれる甘い風味の簡易熟成の味噌です。デパ地下では「鰆(さわら)の切り身の西京漬け」などをよく売っている。鰆の切り身を白味噌に漬け込んだものです。

白味噌はとくに米麹の甘さと香りに活躍してもらうタイプなので、投入する米麹の量は(赤味噌が麹と大豆の重量割合が一対一であるのに対して)大豆の重量の二倍です。煮てすり潰した大豆と米麹と控えめの量の塩をよくかき混ぜて、60℃で8時間ほど発酵させます。そういう発酵のための便利な電気式の容器が市販されていて我が家でもそれを使います。

赤味噌と違って味噌汁などに毎日使う種類の味噌ではないので、下の写真程度の量が二つあればけっこう使い出があります。

さっそく福岡で獲れた鰆の切り身の一部を西京漬けにしたのを焼魚にしました。自家製はやはり旨い。他の切り身は醤油麹に漬け込んで別の味わいを楽しみます。

関連記事は「味噌の『寒仕込み』の季節」。

Photo ミキサーにかけた後の白味噌

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