米と麦

2019年10月 4日 (金)

賞味期限が近づいてきたので「ごはんパック」を片付ける

以前のブログ記事に次のような防災関連の一節があります。
 
〈そのときもそれなりに防災グッズや食べものや予備バッテリーは用意してありとくに不自由はなかったのですが、停電が長引くかもしれない次回の災害に備えて、地震後に、スマホの充電パックや非常用ランプ、そしてカセットガスボンベなどをより充実させました。「ごはんパック」と「ペットボトルの水」、「自家製梅干し」と「自家製味噌」、それに抹茶のような粗挽き茶が手元に十分にあるので1週間くらいなら同じ食べものの繰り返しになりますがひもじい思いはしません。〉
 
引用の最初の「そのとき」とは、北海道全体が停電(ブラックアウト)してしまった2018年9月の「北海道胆振東部地震」が発生したときのことです。
 
現在「ごはんパック」は1日2食として5日分を人数分用意してあります。どんな「ごはんパック」かというと、米は北海道の「ななつぼし」、容器に「原材料も製造も北海道にこだわった北海道産食品です」「ガス直火炊き、無菌パック」といったアイキャッチャーがあり、「冷蔵不要 200g」「要加熱」「電子レンジ2分間」と続きます。加熱したほうがほかほかと美味いに決まっていますが、常温保存してあるのをそのまま加熱せずに食べても、出来の悪いおにぎりだと思えばそれなりに食べられます。ただし、美味しくはない。
 
パックに印刷されている「賞味期限」が近づいてくると、その分を新たに購入して古いのを頑張って食べてしまいます。現在の在庫は、5日分の備蓄のうち半分の賞味期限が今月初旬で、残りの半分はその1か月後です。現在消費しつつあるものの代わりに新しく買った「ごはんパック」の消費期限は来年の7月上旬。工場出荷後9カ月くらいが賞味期限のようです。店頭在庫になっている期間が長いと期限までの時間がそれだけ短くなります。しかし、それ以上長持ちするとあやしげな添加物が入っていることになるのでかえって気持ち悪い。そんな感じで回していきます。

「賞味期限」なので、それを少々過ぎても食べるのに問題はないのですが、ではどれだけ過ぎても大丈夫かということになるとそれを判断するのも面倒なので、製造会社が決めた賞味期限を基準としてそれに従います。
 
賞味期限前の平時の消費なので「ごはんパック」は加熱して食べるのですが、そしてさきほど「(ごはんパックは)常温保存してあるのをそのまま加熱せずに食べてもそれなりに食べられます」とは書いたものの、たとえ加熱しても、普段「土鍋」で炊いているごはんの美味しさに比べると、味わいが相当に物足りません。「ごはんパック」はやはり災害時用途に適したごはんのようです。

災害時には、別途在庫してある「切り餅」をカセットガスボンベ方式のコンロで焼いてヴァリエーションをつけましょうか。プーと膨らんだ餅に常温保存の味噌を少しつけて食べると美味しいですよ。

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2019年9月25日 (水)

三角形のおにぎりの型

 
ぼくは、配偶者と違って、きれいな三角形のおにぎりを作るのが得意ではないので、型を買ってみました。「ギュッとつめて、ポンと押すだけ」というのがそのおにぎりの型の宣伝コピーです。もっと細かくは「ダブルエンボス加工なので」「型ばなれがよく、お手入れラクラク」と書いてある。
 
実際に使ってみるとその通りでした。最初はくっつきを恐れて軽く水を付けましたが、何個か作っても、型ばなれの良さは持続します。
 
おにぎりの具は、自家製梅干しと自家製の昆布の佃煮です。我が家ではそれ以外の具は食べない。デフォは梅干し。
 
とても早い朝の出発の日などは時間がないので、前の晩遅くに作ってラップで包んであとは冷蔵庫。朝は、その北海道産米のおにぎりを少しだけ暖かくなる程度に軽くチンして、多めの海苔でくるんで食べる。あとはこれも前の晩に作っておいた手前味噌の味噌汁。それを温め、そしてお湯を沸かして抹茶風の粗挽き茶。そうすると、さっと食べてさっと片付けてさっと出かけられます。

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2019年9月19日 (木)

「アル添」と、マイナス120点

評論家の中村光夫は、ある出版社に持ち込まれた「中世」など複数の三島由紀夫の初期作品原稿に目を通す機会があって、その時に「マイナス120点」と言ったそうです(しかし、その後、中村の三島評はプラスの方向に豹変)。
 
ぼくは若い時分はそのころの日本酒が嫌いで、その理由を二つ挙げると
 
― 夜、仕事の後で、遅めの電車に乗ると、酒場の会話の続きを持ち込んだ酔っ払いの親父どもが、日本酒の気持ちの悪いにおいをぷんぷんさせて、声高な会話は耐えるとしても、彼らが発する日本酒のにおいの酷さを我慢するのが辛かった
 
― 普通の居酒屋や小料理屋の日本酒は、とくに燗酒は関西の有名ブランドであれ何であれ「アル添」(醸造用アルコールを添加した日本酒)だったので、そのためだけだったのではないにせよ、ぼくは悪酔いや二日酔いをすることが多く、日本酒というのはどうしようもない酒だと思っていた。
 
コメ不足になった太平洋戦争後は、日本酒の供給量を増やすために全国の酒蔵で「三倍増醸」と呼ばれたアルコール添加が盛んに行われていました。たとえばある酒蔵ではアルコール添加を全面的に止めたのは2006年になってからだそうで(当該酒蔵のウェブサイトによる)、ということはつまり、それまでは「アル添」をそれなりに出荷していたということになります。
 
今でも本醸造酒(に分類される日本酒)は「アル添」で(アルコール添加量は控えめですが)、これを「淡麗辛口」と評される方もいらっしゃるようです。燗酒をお願いすると、何も言わない限り、デフォで本醸造酒の入ったお銚子になることが多い。
 
評論家とも小説家ともエッセイストとも言えない三つの混淆のようなある文士のエッセイ集(文庫本)を読んでいたら、おそらく昭和32年(1957年)に発表したと思われるある旅のエッセイの中で「アル添」日本酒に関する記述にぶつかりました。以下その部分をそのまま引用します(□□□は固有名詞の伏字、改行はありません)。
 
『□□□は、類別すれば辛口の部類に属する酒なのだろうと思う。しかしいつからのことなのか、米を節約するために政府の命令で醸造中の酒の原液に何パーセントかのアルコールをぶち込むことになってからは、酒を作る技術はこのアルコールの匂いを消すのに集中されることになったようで、上等な酒であればある程、最初に口に含んだ時の味は真水に近いものなのだと、まずそう考えて間違いなさそうである。喉を焼かれる感じがするから辛口で、甘いから甘口なのだという区別はもう存在しない。その代わりに、何杯か飲んでいるうちに、昔飲んだ酒の味の記憶が微かに戻って来て、それが現在飲んでいる酒の味になるから不思議であり、そして暫くすると、要するに昔とは規律が根本的に変わったのだということに気付く。今の醸造家が目指しているのは、酒の中の酒というふうなものであるらしくて、その域に達すれば甘口も辛口もないし、ある意味では、我々はアルコール添加のお蔭で昔よりも純粋な酒の味に接していることになる。そして□□□は、日本で現在作られているそういう良酒の一つである。』
 
これは昭和32年の話だし、当該文士にもいろいろな事情と気遣いがあったにせよ、この一節に関しては「マイナス120点」を付けたいと思います。
 
この文脈で『上等な酒であればある程、最初に口に含んだ時の味は真水に近いものなのだと、まずそう考えて間違いなさそうである』と言われても、それから『ある意味では、我々はアルコール添加のお蔭で昔よりも純粋な酒の味に接していることになる』と説得されても、はあ、と返答するしかありません。


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2019年9月 3日 (火)

サンマと地震ときれいな星空

今年もサンマが不漁というニュースが流れています。いくつかのニュース映像を見てもけっこう酷い状態のようです。品揃えのいい対面販売の魚売り場でどんなサンマが並んでいるか確かめてみました。細い頼りないサンマが何尾か氷水のなかで消費者に購入されるのを待っていましたが、消費者はちらっと見て通り過ぎるだけのようです。売り場のベテラン女性と立ち話です。「今年はまだこんなのしか入ってこない。こんなのは初めてです。」
 
札幌市から「広報さっぽろ」の最新版が届きました。表紙に大きな活字で「特集 災害に備えるために 〈北海道胆振東部地震から1年〉」と印刷されています。
 
ほぼ1年前のブログ記事「大きな地震で夜中に急に停電した時に役に立ったもの」を読み返すと、その地震が発生したのは2018年9月6日の午前3時過ぎで、そのすぐあとに北海道全体が停電、ブラックアウトしてしまいました。我が家で冷蔵庫が再稼働の低い音を出し始めたのは、9月7日の早朝です。まる1日と数時間、停電していたことになります。寒くもなく暑くもないいい季節だったのが不幸中の幸いでした。
 
そのときもそれなりに防災グッズや食べものや予備バッテリーは用意してありとくに不自由はなかったのですが、停電が長引くかもしれない次回の災害に備えて、地震後に、スマホの充電パックや非常用ランプ、そしてカセットガスボンベなどをより充実させました。「ごはんパック」と「ペットボトルの水」、「自家製梅干し」と「自家製味噌」、それに抹茶のような粗挽き茶が手元に十分にあるので1週間くらいなら同じ食べものの繰り返しになりますがひもじい思いはしません。
 
その記事の4日前の記事に「サンマが、突然、大衆魚に」というのがあり、2018年は9月になって突然にサンマが獲れ始めたようです。だから、今年は去年よりもサンマの状況は悪い。
 
ブラックアウトに突然見舞われたことの僥倖は、札幌でもきれいな星空が6日の夜に楽しめたことです。札幌はけっこう立て込んできたとはいえ空は大きい。ブラックアウトなので、視線の届く範囲は、救急車の走る以外は、真っ暗、真っ黒です。
 
以前、南半球の緑の灌木と草原が延々と拡がる地域で夜空にそのまま引き込まれてしまいそうな全面の星空を経験したことがあります。世界にはこれほど多くの大小に煌(きら)めく星々があったのかという驚きです。こういう星や星座で埋まった夜空、星空を毎日眺めていたら、各文化で星の物語、星座の神話が次々に紡ぎ出されたのも不思議ではありません。
 
札幌のその夜の星空は空気の透明度が違うのでその美しさには及びもつきませんでしたが、札幌で生活しているなかでいちばん星がきれいな夜空だったと思います。

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2019年8月30日 (金)

平飼い有精卵が選り取り

ある農家の「平飼い有精卵」の6個入りパックのなかに、手書きの文章をコピーして短冊風(あるいは栞風)にカットしたのが入っていました。そのまま引用します。
 
「朝夕はずいぶんと涼しくなってまいりましたね。先日農場で蛍を見つけました。蛍を見ていると環境に負荷の少ない取り組みを応援してくれているようにも思えました。このような取り組みができるのも皆さんのお陰です。本当にありがとうございます。(農場名)(代表者名)」
 
平飼いとは、下の写真のような飼い方のことです。北海道の農家は広いので鶏を地面で遊ばせておく。狭い団地のようなケージには閉じ込めない。写真は上の農家のウェブサイトからお借りしました。
 
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農家によって何を鶏の飼料(エサ)にするかはそれぞれに差がありますが、北海道で暮らすことのありがたいところは、ご近所野菜売り場の中の鶏卵コーナーの棚に「平飼い有精卵」が5種類ほど並んでいることです。5種類というのは5つの違う鶏卵農家からやって来たのがそこで買い手を待っている、という意味です。
 
たとえば、下のラベルの鶏卵を出荷している農家では、鶏用の飼料は
 
「北海道産を主体とした(一部国産を含む)米、大豆、牡蠣(カキ)殻、魚粉などの自家配合飼料と青草・野菜などを食べて育ちました」となっています。コメも大豆も牡蠣も魚も青草も野菜も全部北海道産が手に入ります。野菜なんかは自分で栽培するし、青草もそのあたりに自生しています。
 
北海道産以外の国産飼料は一部は含まれるかもしれませんが、外国産(たとえば米国産)のトウモロコシや大豆はまったく含まれていない。だから、消費者はラベルを読んで自分が鶏に食べてほしいという種類のエサで育った平飼い有精卵を買えばいい。本質的なことではありませんが、コメをよく食べる鶏の黄身の色は淡くなり、ニンジンや黄色いトウモロコシをよく食べると黄身はオレンジ色になります。
 
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いろいろと不可思議な政治文脈で「食べて応援」という言葉が溢れていたことがありましたが(今でも一部そうですが)、そういう文脈ではなく、消費者目線の非常に真っ当な意味でこういう鶏卵農家の卵は「食べて応援」だと思われます。


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2019年8月28日 (水)

小腹が空いたら個別包装の小ぶりな切り餅と甘酒

北海道はぼくたちが炊いて食べる普通のコメ(粳米、うるち米)の一大生産地ですが、糯米(もち米)の主要生産地でもあります。「はくちょうもち」や「きたゆきもち」が代表的な品種で、北海道のやや北部の上川(かみかわ)地区が生産の中心地です。細かくは名寄、風連、士別。
 
赤飯(おこわ)が好きな東京の知り合いから、最近は北海道産の「もち米」を使っていると聞きました。ご近所のスーパーマーケットの棚に最近は北海道産が常に並んでいるからだそうです。
 
小腹が空いたら、個別包装の小さなサイズの切り餅が便利です。原料は当然のことながら北海道産のもち米。小さな切り餅を横に二つに割り、グリルだと4分くらいで表に淡い焦げ目がつくのでひっくり返して2分弱。湯を沸かしている間に焼きあがります。ぼくは、自家製の味噌少々といっしょに食べるのが好きで、それに自家製の甘酒(をミキサーで細かくしたの)が加わるとちょっと贅沢なおやつになります。
 
大根の季節の「べったら漬け」には甘酒が必須なので甘酒はよく作ります。甘酒に使うのは一般的には「うるち米(白米)」と「米麹」ですが、「うるち米」でなく「もち米」を使ったほうが柔らかい甘さになるので、最近はもっぱら「もち米」バージョンの甘酒です。
 
以前にも書いたことですが甘酒は夏の季語で、「べったら漬け」には「コメのつぶつぶ」のままの甘酒を使い、「甘酒」という名の飲みものとして楽しむときはミキサーで「つぶつぶ」を小さく砕きます。その方が飲みやすい。

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2019年8月 9日 (金)

日本の食料自給率は37%で穀物自給率は28%、サウジアラビアの穀物自給率は7%

3日前に次のような報道がありました。

「農林水産省は6日、2018年度のカロリーベースの食料自給率が前年度より1ポイント低下の37%だったと発表した。天候不順で小麦や大豆の国内生産量が大きく減少したためで、コメの記録的な凶作に見舞われた1993年度と並ぶ過去最低の水準となった。政府は2025年度に45%にする目標を掲げているが、達成が遠のいた。」(共同通信)

「天候不順で小麦や大豆の国内生産量が大きく減少したためで」というのは苦しい言い訳で、小麦と大豆の国内自給率は以前から低いので、わざわざ小麦や大豆を持ち出すのもどうかと思います。四半期GDPがマイナスになったのを雨のせいにするのと同じです。

農水省のウェブサイトにお邪魔すると、品目別自給率の例として

「小麦の品目別自給率(平成30年度)
=小麦の国内生産量(76.5万トン)/小麦の国内消費仕向量(651.0万トン)=12%)

と小麦がとりあげられていました。

昭和40年から平成30年までの総合食料自給率の推移は以下の通り。

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OECD諸国の2018年(日本は2018年度)の食料自給率を比較したのが以下のグラフです。以前と同じパターンです。

2018-2018

ぼくは、食べ物は(他の財や産品と違って)自給したほうがいい(国のレベルでの地産地消)、という意見の持ち主ですが、諸般の事情でそういうわけにいかない国もあります。例えばサウジアラビア。2010年3月に「穀物自給率「ゼロ」をめざす国」というブログ記事を書きました。そこから一部を引用します。

「サウジアラビアは雨はほとんど降らないし、地下水も砂漠にまだ緑があった頃の雨水がたまったものですが、地下水は小麦生産などに今まで大量に消費してきたのでそのツケがたまって、今世紀なかばに石油よりも早く枯れてしまうとのこと。瑞穂(みずほ)の国の日本とは事情が違います。

そういう背景から、水を大量に使う小麦のような農作物は減産を続けて2016年までに国内生産を打ち切り、それ以降、穀物はすべて輸入。ただし、農業がないとさすがに困るので、あまり水を使わないもの、つまり温室野菜栽培や酪農、養鶏などの付加価値の高い農業へ転換するそうです。

穀物がないと国民は飢え死にしてしまいますから、そういう国のとる手段のひとつは、外国に農耕地や農場を確保し、それを自国の穀物供給基地にすることです。サウジアラビアの場合だと、上記報告書によれば、アフリカのスーダン、エチオピア、タンザニア、エジプトあたりでことが進行中です」

そのサウジアラビアがどうなったか

サウジアラビアにおける農業・水産業・食品産業の概況及び市場について」(野村総合研究所 2018年2月19日)によると、2015年のサウジアラビアの穀物自給率は6.8%だそうです。自国が所有するところの外国の穀物供給基地からの流入量も輸入とカウントされるので、実質的な穀物自給率は6.8%よりも高いはずですがこの資料では詳細は不明です。日本の2018年の穀物自給率は最初の折れ線グラフにあるように28%です。

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2019年6月25日 (火)

キュウリ(胡瓜)雑感

北海道産のキュウリの旬は6月から9月なので、6月になると野菜売り場には地元のキュウリがいっぱい並びます。キュウリ好きの身としてはご同慶の至りです。北海道産キュウリの出荷量は、全国のそれの3%くらいです。

キュウリは野菜サラダの具のひとつになったりもしますが、そしてそれも嬉しいのですが、いちばん嬉しいのは糠漬けです。じつに旨いと思う。キュウリのない夏の糠漬けは、夏の糠漬けの存在意義を半分以上失っています。ただし、キュウリはとても水っぽいので、他の糠漬け野菜(たとえばニンジン)と糠床を分けておかないと他の糠漬け野菜の風味を損なってしまう。

我が家では、手軽なお出かけ弁当はもっぱら自家製梅干し入りのおにぎりで、サンドイッチという選択肢は、まずありません。

しかし、そういえば、キュウリ入りのサンドイッチというのがありましたが(喫茶店や軽食屋風のお店でサンドイッチを頼むとミックスサンドしかなくてそこにそれが出てきたと思う)、美味しかったという記憶はありません。ところが調べてみると、作り方にもよるのでしょうが、評判は悪くない。とても美味しいとは書いてありませんが、うまいサンドイッチのひとつくらいの感じで紹介されています。

ある料理サイトを拝見すると、キュウリ・サンドイッチ(Cucumber Sandwiches with Cream Cheese)を上手に作るための細かい基準が並んでいました。なおそこで使う材料は、「良質で柔らかいパン・クリームチーズ・キュウリ・塩・胡椒・バター・セリの葉」です。

・パンはとても柔らかいもので、色は白であること
・クリームチーズやバターは厚く塗ること
・キュウリは、皮を剥いたのを、できるだけ薄くスライスすること
・パンの耳は取り除くこと

1974年に出版された吉田健一の「英国に就いて」というエッセイ集の中に「食べものと飲みもの」というのがあります。そのなかに「胡瓜のサンドイッチ」が登場します。ここでの評価はすこぶる高い。その部分を以下に引用してみます。

『英国のお茶の御馳走に、胡瓜のサンドイッチがある。これにも何か形容を絶するものがあって、よく西洋料理にあのパセリというつまが付いてくることがあるが、あの味をそのままサンドイッチに仕立ててもう少しみずみずしいものにしたら、まず英国の胡瓜のサンドイッチに近いものが出来るかもしれない。噛んでいると、眼の裏に緑色の芝生が拡がり、緩慢に流れて行く河の水面に白鳥が二三羽浮かんでいるのが見える趣向になっている。』

著者は酒や食べものにはうるさいので、本当に美味しかったのでしょう(ときどき幻想的な、夢か現かわからない記述が、現について書いたエッセイの中に境目なく混入しますが)。

ということであっても、ぼくはキュウリのサンドイッチは食べないと思います。それを口にするくらいなら、新鮮な生のキュウリをポンと手で割って、キュウリの割口をお皿に用意した自家製味噌につけて、ぬる燗の日本酒の肴にします。これはなかなかです。

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2019年5月29日 (水)

東京・大阪は「北海道物産展」、札幌は「京都老舗まつり」

着実な人気があって収益予想も確実なデパートの催事のひとつが、東京と大阪では「北海道物産展」です。

主催者やバイヤーと出品者は定番商品と目玉商品を毎年、一定量、用意するのに、けっこうな努力を継続していると思いますが、「北海道物産展」が失敗したという話はまず聞きません。東京と大阪の消費者にしてみれば、飛行機の往復運賃なしに、新鮮な魚介類やおいしい加工食品が手に入ります。だから常連客は3~4万円以上も購入するらしい。人気があるのは当然かもしれません。

逆に札幌の消費者に訴求効果があるのは「京都老舗まつり」のようです。配偶者宛てに、そこに参加するある茶舗から案内状が届いたので出かけました。しかし、お目当ては、お茶ではなくて、あるお店の鯖(さば)寿司です。ここの鯖寿司を食べると他の鯖寿司がかすんでしまいます。

締め鯖を自宅で作るのが好きなので、対面販売の魚売り場に新鮮な鯖が並んでいるときには必ず買うようにしています。つまり、美味しい締め鯖や鯖寿司には目がない。同時に、味のレベルの違いもよく理解できます。で、写真の鯖寿司です。京都の本店は夜には青い灯や赤い灯が並ぶ通りにあります。

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上の写真は寿司にぐるりと巻いてあった昆布を丁寧にとりはずした状態。昆布は別においしくいただきました。

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関連記事は「美味しい締め鯖」。

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2019年3月20日 (水)

ひさしぶりに「コシヒカリ・タイプ」の北海道産米を食べた

最近は「猫跨ぎ(ネコまたぎ)」という言葉はほとんど聞きませんが、もともとはまずい魚を指して使った言葉です。魚の好きな猫でさえ跨(また)いで通り越すほどまずい魚の謂(いい)です。聞かなくなったのは、家庭で魚を食べる量や機会が減っていることも関係しているかもしれません。

昔の北海道産米は「猫跨ぎ」と呼ばれていたそうです。まずいのでネコも跨ぐ。しかし、最近の北海道のお米は美味しくなってきたのでネコも立ち止まってガツガツ食べるようになってきました。

お米にとって白米の輝くような白さというのもとても重要な要素ですが、お米の食味は「甘み」と「粘り」で判断されます。コシヒカリが基準ですが、「白くて甘くて粘りが強い」お米がおいしいお米とされています。もっと粘りを強くして「もっちり」になると、同じコメでもぼくたちの常食である「粳米(うるち米)」ではなく「糯米(もち米)」になってしまいます。だから、現在、世間で人気の「うるち米」は(北海道産だと「ゆめぴりか」など)、白くて甘くて、もち米風味を取り入れたタイプと言えます。

その対極が、というのも大げさですが、粘りが少ないサラッと系(さらりとしたあっさり系)のコメで、たとえば、ササニシキ。かつては一世を風靡しましたが、コシヒカリ(やコシヒカリ・タイプ)に押されて、現在は「猫跨ぎ」状態になっています。

しかし我が家で数年前から人気なのは、そのサラッと系の北海道産のうるち米で「ゆきひかり」という名前です。北海道産のコメの生産量や収穫量を「ゆめぴりか」や「ふっくりんこ」や「ななつぼし」のようなブランド別に円グラフにすると、我が家の人気米は一本の細い線になってしまいます。古いタイプのあっさり系で、ついでに無農薬栽培米を求めたら、このマイナーなうるち米にたどり着きました。

先日、「甘みと粘りのバランス」がいいという意味ではとても人気の北海道産米をいただいたので、晩ごはん用にさっそく土鍋で炊いてみたところ、白くて、甘くて、ねっとりしていていて、「あっさり系のもち米」のようでした。普段のもの(現在のコメの美味しさ判断基準からすれば「猫跨ぎ」と言われるかもしれない風味のもの)との違いを実感した次第です。

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