昆布

2024年4月 2日 (火)

近所の鳥・獣・虫・魚

三月下旬に印象的だったのは、ゴミ出し場近くの原っぱの十数匹のモンシロチョウと、最初の耕起を終ったばかりの近所の田んぼに集まった数十羽以上の小鳥の群れです。

新しい緑で溢れた原っぱをモンシロチョウが不思議な飛行曲線を描いて飛び続けます。目勘定で十数個の白いのがひらひらと舞っている。途中で休憩するのは柔らかそうな葉にやがて芋虫になるところの卵を産み付けているのでしょう。その作業が終わると愚図な一部を残してどこか次の場所に集団でさっさと移動していきます。

モンシロチョウの芋虫は可愛らしい緑で、顎が特別にしっかりとした図体の大きい色鮮やかなアゲハ蝶の芋虫とは違いますが、ともに柑橘系の植物が好きで、放っておくとそのうちレモンや橙の若い葉が虫食いだらけになる予定です。

耕起の終わった田んぼでは百舌鳥(モズ)によく似た大きさの小鳥――おそらくモズ――が集団で餌を啄んでいます。前夜の豪雨に近い雨のせいで田んぼは水溜まり状態ですが、そういうのは気にならない様子で食事に集中しています。ハクセキレイもその周辺でモズたちの邪魔をしないように土の表面に這い出てぼんやりとしている虫(おそらく)を食べています。足の長い小柄なハクセキレイはそういう作業中もモズと違って決して群れをつくらずせいぜいペアを組むくらいです。独立独歩の精神の小鳥なのでしょう。

蝶々の芋虫をそういう鳥が啄んでくれると嬉しい限りですが、そうはならない。モズはヘリコプターのようにホヴァリングが得意なのでその気になれば狩猟採集は簡単なのに、グルメなのか蝶の芋虫を美味しいとは思わないらしい。


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2024年1月 5日 (金)

ほとんど何でもあるけれど、クロマグロのトロは手に入らない地産地消

地産地消は地元で収穫されたものを――穀物でも野菜でも魚介類でも肉でも――地元で消費するということなので、その地域の消費能力の大きさによって地産地消の規模は決まってきますが、そのまえに地元で生産していないものや地元で獲れないものは消費しようにもできません。それを理由に不満を抱くというのは筋違いだとしても、いくぶんの不満は残ります。

四国東北部の瀬戸内に暮しているので、地産の範囲を四国四県として海鮮食材の地産地消の様子を眺めてみます。

タイ(鯛)は天然ものと養殖ものが競い合っています。タイの天然ものは徳島の鳴門、養殖ものは愛媛。ブリ(鰤)ないしハマチも天然ものと養殖ものが覇権を争っていて、産地は徳島と愛媛。タイもブリも、丸ものでも柵でも刺身仕立てでも何でも手に入る。

カツオ(鰹)は高知。高知の人はカツオを他所の数倍は食べるようです。関連記事は「カツオを普通の人の5.4倍食べると・・・」。

鰆(サワラ)も簡単に手に入ります。サワラは刺身がいちばん美味いし、他の魚の刺身よりも旨い。しかしすぐに手に入るのはサゴシ(成長途上のサワラ)で九州北部で水揚げされるような大型のサワラにはなかなか出会えません。札幌ではサワラの刺身は無理だったので――刺身で食べられるほど新鮮なのが流通してこない――自宅でニンニク醤油に漬け込んだ大振りの切り身をよく調理しました。

ピンク地に黄色の縞が鮮やかなイトヨリダイやクロダイ(黒鯛)、アジ、ホウボウ、カワハギも地の魚で、ハモ(鱧)やタチウオ(太刀魚)やマナガツオも旬の季節にはよく見かけます。

当然ながら北の魚は獲れませんが、鮭などはなくても構わない。構わないのだけれど、あるスーパーの魚売り場には塩鮭のコーナーが常設されています。お弁当用とは限らないとしても家庭需要が継続してあるのでしょう。しかし「時不知」(トキシラズ)は売っていない。

イカもタコも地のものが揃っています。チリメンジャコは細かいのがきれいにパッケージされて並んでいる。

ワカメも、それから驚くことに昆布も生産しており、ワカメはおいしいとしても、昆布は薄くて煮物にはいいかもしれないけれど、いい出汁は引けそうにありません。

困っているのがマグロです。マグロも、クロマグロ以外は少しは獲れますが、クロマグロ(本マグロ)にお目にかかる機会は非常に少ない。ヨコと呼ばれている成長途上の小型のクロマグロはときどき売り場に並ぶとしても、若いクロマグロなので、脂ののった成熟した味わいとはいきません。だからDHA/EPAがいっぱいのとろけるようなトロは残念ながら地産地消の流れでは味わえない。

地域の消費需要が十分大きければ、クロマグロの赤身もトロも魚売り場に並ぶのだけれど、そうではないのでそうならない。最高級品は築地へ高値で運ばれるとはいえ、北海道には戸井、松前など青森の大間と競うクロマグロの水揚げ地があり、それが札幌という200万都市で消費されていました。


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2023年11月21日 (火)

おでんの季節

寒くなってきたのでおでんです。大根と結び昆布とゆで卵はこちらで用意するとして、おでん具材の中心であるところの魚の練り物は取り寄せます。

過去二十年、いろいろと試しましたが、がんもやさつま揚げやちくわやその他の魚介類を油で揚げたおでん種は小田原のものがいちばん旨い。今は小田原のあるお店を贔屓にしています。十年の単位で見れば、お店の味やモノづくりの姿勢も変化するので、贔屓のお店は十年前と今とでは違っています。

四国東北部の瀬戸内では、東京にお住いのかたと違って小田原のものを近所のデパ地下に買いに行くというわけにはいかないので通販でお取り寄せです。最近、愛媛県のじゃこてんが話題になりましたが、そのうちそれを加えてもいいかもしれません。以前、鰆やサゴシ(サワラの子供)がある径路で結構安く手に入った頃は、自宅でさつま揚げを作り、おでんの季節はおでん種にしていたこともありましたが、今はそうはいかない。

お取り寄せでは四~五人前を買い、二回に分けて――たとえば今晩と明後日の夜――堪能します。大根と卵は地のものだとして、結び昆布は、普段の出汁昆布と同じで、北海道で採れたのを北陸で加工したのを選びます。北海道の昆布と言っても、種類と用途によって産地は利尻、羅臼、日高、函館など何カ所かに分かれます。おでん用の結び昆布は道東産が多い。

おでんには日本酒で、それも純米酒の燗酒に限ります。


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2023年2月 6日 (月)

瀬戸内で令和5年の味噌作り

今年の味噌作りでお世話になる大豆は北海道産の「白目」の無農薬栽培大豆で4kg――去年仕込んだ味噌と同じ農家で生産された大豆で、令和4年度分は調達の都合上「黒目」大豆でしたが今年は白目、麹は島根産の有機玄米麹で4kg。塩はいつも使っている自然海塩を1.8㎏(我が家では大豆と麹と塩の割合は、大豆1kgに対して麹1kg、塩450gが基準です)。

2月4日と5日の二日間(準備時間も入れると3日の夜からの二日半)でその量の味噌の寒仕込みを終えました。

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       北海道産、無農薬栽培の白目大豆(2kg、500g x 4)

味噌づくりの手順は以下の通りです。毎年のことだとしても年に一回だけの作業なので、念のために、また将来の参照目的のために毎回手順を書くことにしています。

《用意する食材は前述の通り大豆4kgと麹(今年は玄米麹)4kgと自然海塩1.8kg、そしてアルコール度数が44度の強い焼酎(強い度数の焼酎は器具や容器の雑菌消毒のための必需品)、および10年は使い続けている電動ミンサーと半年先の天地返しまで出来たばかりの味噌を寝かせておく一斗樽(正確には19リットルの業務用ホーロー容器)》

・よく水洗いした大豆を「前の晩から」半日、底の深い大鍋で十分に水に浸しておく。

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・その大豆を柔らかくなるまで、吹きこぼれに注意し、アクを丁寧に取り除きながら、煮る(プロは大豆を蒸すが、一般家庭では量が多い場合は蒸すという作業は困難)。

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・モノづくりの工程にはたいていはクリティカルパスが存在する。我が家の味噌作りにおけるクリティカルパスは「鍋で煮る」という工程。深い大鍋を総動員しても一日の最大処理量は大豆2.5kgなので大豆は一日2kgまでとする。だから4kgに対応するには二日間が必要。

・熱で柔らかくなった大豆を電動ミンサーにかけてミンチにする。ミンサーは必要箇所を44度の焼酎で丁寧に消毒。

・麹と塩を、大きなボールなどできれいに混ぜ合わせたのを別途並行して用意する。これを一般に「麹の塩切り」と呼んでいる。ただし塩は「塩切り」で全部を使い切らずに一部分を後の工程のためにとっておく。

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・ミンチした大豆を、麹菌が活発に活動できる50℃くらいまで冷ます。熱すぎると麹菌が死んでしまうので注意。こういうときは非接触型の温度計があるととても便利。

・50℃くらいまで冷えたミンチ大豆と、塩切りした麹をしっかりと混ぜ合わせる。

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・混ぜ合わせたものをテニスボールの大きさに丸める。これを「味噌玉」という。

・「味噌玉」を次々に作ってそれを野球のボールを投げる要領で、焼酎で雑菌消毒した19リットルのホーロー容器に、投げ入れる。こうすると味噌玉の中や隙間に空気が入り込まないので雑菌の混入防止になる。味噌玉は作る人と投げ入れる人の分業にすると作業は円滑にすすむ。

・味噌玉を投げ入れると段々とその嵩が増してくるので、投げ入れ終わったら、全体を手で平らに整える。

・「塩切り」のときに残しておいた塩をその上に薄くかぶせ(とくに周辺部を丁寧に)、大きめに切った幅広のよく乾燥した(できたら北陸地方の専門店が干した)干し昆布を塩の上に敷く(干し昆布を敷くのは北陸地方の伝統で我が家でも数年前からそれを拝借。こうすると昆布の風味も楽しめるし、味噌が熟成した時に昆布の漬物風ができ上がる。小さく切ると昆布の朝ごはんの佃煮だし、おにぎりの具としても活躍する)。干し昆布がないときはポリエチレン・ラップでもよい。

・重石をかける。我が家では、常滑焼の大きい中蓋(けっこう重い)を重石にしている。

・上蓋をする

・大きめのポストイットに、大豆の投入量や麹の種類、仕込み年月日などを書き、上蓋に貼り付けてる。「天地返し」日付を書く欄を開けておく。

・埃(ほこり)予防のために、ホーロー容器全体を大きなポリ袋で覆うか、あるいはサイズが合うなら埃防止キャップ(食品工場で従業員が頭にかぶっている透明キャップ、あるいは食品工場の見学の際に見学者が頭にかぶることになっている蛇腹式の透明キャップ)で上蓋あたりをすっぽりと覆う。

ここまでが二日間(前の晩からの準備 ―水洗いした大豆を底の深い大鍋で水に浸しておく― を入れると二日半)の作業工程です。

次の作業は半年先の「天地返し」。


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2023年1月30日 (月)

自宅で作る鯖寿司

下はおそらく日本でいちばん美味しい鯖寿司のひとつです。だから、京都に立ち寄った際には必ず買いその日のうちにどこかで賞味するように心がけています。

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ちらし寿司などは家庭で作って家庭で楽しむ寿司だし、細巻きや太巻きも遠足やピクニックや、今はどうか知らないけれど運動会などに持っていくための寿司です。札幌で暮らしていた頃は、札幌ドームにプロ野球のナイターを見にいくときに細巻きをそれなりの分量で持参したものです。ナイターの時間は晩ごはんの時間です。ビールをその場で購入し――ビールを飲まないプロ野球観戦は、ぼくの意見では、存在しない――いくつかの違う具を巻いた細巻きを楽しみました。

締められる鯖は札幌では入手が難しかったのですが――つまり、「この鯖は締められる?」といった会話を鯖の丸ものを見るたびに毎月のようにしていても「うーん、無理ですね」ではなく「今日は大丈夫です、お勧めです」という返事が対面販売の魚売り場で返ってくる回数はとても少なかったのですが――、四国東北部の瀬戸内では事情が違います。

握り寿司はプロの技であり美味しい鯖寿司やバッテラも、巻き寿司とは違って、専門家が作るものだとしても、鯖寿司を家庭で作っても悪くはない。昨晩は家庭料理としての鯖寿司を楽しみました。鯖寿司は、白板昆布も簡単に手に入るし、アマチュアにとっては太巻きの変奏曲みたいなものなので、それほど敷居は高くない。


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2022年6月21日 (火)

令和4年版の味噌の天地返し

仕込みから半年経過したので、熟成中の味噌一斗樽を二樽、天地返ししました。

一樽は令和3年(2021年)12月に札幌で寒仕込みしたもので、大豆は北海道産の無農薬栽培大豆、麹は北海道産の米麹、塩は天然海塩。もう一樽は令和4年(2022年)1月に、これも札幌で寒仕込みしたもので、大豆は北海道産の無農薬栽培大豆、麹は島根産の玄米麹、そして塩は同じ天然海塩です。

天地返しとは、樽の中の味噌の上(天)と下(地)をかき混ぜて味噌の均等な発酵を促すという作業ですが、大きな樽でそれをやるのはたいへんなので、我が家では、一斗樽を三つの常滑焼の甕に三等分して移し替えることで天地返しとしています。同じ効果が得られます。白黴(カビ)以外の色の黴が発生していた場合には、それを全部丁寧に取り除きます。

味噌の表面には、それぞれ、アルコール度数44度の焼酎に軽く浸して雑菌消毒を済ませた羅臼昆布を敷き詰め、その上に常滑焼の中蓋を重石として重ねます。昆布で表面を覆うのはは北陸地方の味噌作りの知恵の拝借です。

上蓋には、以下のような内容のメモをポストイットに書いて貼っておく。

・北海道産大豆 4kg
・玄米麹 4kg
・仕込み 2022年1月  ・天地返し 2022年6月
・① of ③ (【註】3個口の中の1、という意味)

外蓋の上から透明なシャワーキャップ風の帽子(食品工場などで工場見学者が頭にかぶることになっているアレ)をかぶせ、ホコリ除けとします。

札幌では味噌や梅梅干しは自宅の最も冷暗な場所に保管してありその基準は瀬戸内でも変らないとしても、季節の平均気温はそれぞれ10度以上は確実に高いので常温保存にやや不安なところもありますが、味噌は気候の違う全国各地の家庭で作られてきたのでつまらない心配は無用と思われます。

味噌汁などに使い始めるのは2024年の新春以降の予定です。

関連記事は「そろそろ手前味噌の季節」、「令和四年の味噌作り」、「続・令和四年の味噌作り」。

 


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2022年2月17日 (木)

ジョーシキとしての偽装食品

食材に敏感な消費者なら、ある種の食品偽装はずいぶん以前から存在するジョーシキ的なものであって、なにをいまさら(騒ぐのだ)という気がしないでもない。

アサリは、一週間かどうかは忘れましたが、輸入したのを短期間日本のどこかの海岸で砂の中に寝かせておくと「促成栽培」の日本産になるし、ワカメも輸入ものが瀬戸内や三陸などの有名産地のものとして生産量以上に出回っているし、日本海側の有名米どころのコシヒカリもその生産量以上の量がその地のコメとして出回っています。松阪牛も以前は――ブランド認可が厳しくなる前は――肉売り場に、結構な量が、高価だけれども高価なりに多様な値段で並んでいました。

我が家は、昆布(コンブ)と若布(ワカメ)が好きでだからよく使いよく食べますが、日本におけるコンブの自給率は90%と高いとしても、ワカメの自給率はとても低くて20%に届きません。中国と韓国から大量に輸入されています。

自給率90%のコンブの国内生産は、北海道が圧倒的に多くて国内生産量の90%以上を、残りを青森と岩手と宮城でカバーしています。昆布の好みの食べ方は、出汁以外だと、北陸の「とろろコンブ」、関西の「佃煮と塩コンブ」、そして沖縄の「煮コンブ」といわれていますが、おでんに結び昆布は必需品、出汁を引いたあとの昆布を蓄えて置いてあとでまとめて佃煮にしたりもします。

一方、自給率20%の国産ワカメは、三陸ワカメと鳴門ワカメといわれるように、岩手県と宮城県の国内生産高シェアは合わせて75%程度(1位が岩手で2位が宮城)、そして徳島県のシェアが10%強で3番目です。今回は国内流通量シェアが2%の「鳴門ワカメ」が偽装対象になったようです。

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2022年1月12日 (水)

大根が安すぎて廃棄処分だそうです

大根の出荷価格が安過ぎるので農家や農協がきれいな大根を廃棄処分にしているそうです。配偶者からそういう報道があったという話を聞きました。その背景を聞くともっともで、大根をよく食べる我が家としても気になる話です。

今年は北海道でも大根が不作だったのですが、その割には北海道産の大根が出回る時期に大根の値段は比較的低いあたりで安定していました。

理由はいくつかあって、そのひとつは、サンマの不漁だそうです。サンマに大根おろしは不可欠です。大根おろしなのでサンマの塩焼き一皿につき結構な量の大根を使います。

サンマが不漁なので家庭で食べる回数が減っています。魚売り場で拝見してもサンマとは思えない大きさのサンマがサンマとは思えない値段で並んでいるので購入は手控えます。事情は街の食堂や居酒屋でも同じだろうし、新型コロナの影響でそういう場所でのサンマ需要がさらに減少している。従って大根が売れない。

もうひとつがおでんだそうです。我が家ではおでんは冬の定番で、おでんにはひき魚肉の揚げ物以外に大根と昆布とコンニャクや卵がないと始まらない。自宅でおでんを作るのが面倒な人たちには「コンビニおでん」という手があるのですが、その「コンビニおでん」を提供しているコンビニチェーンが新型コロナのせいで非常に限られているそうです。だからさらに大根が売れない。

大根はおでん以外にいろいろな食材と組み合わせて煮物になります。「ふろふき大根」や「ブリ大根」といった懐かしいもの以外にも、鶏肉などと組み合わせるといったレシピがWEBのレシピサイトに満載です。だから食材としての大根の人気は高いはずです。

しかし、大根の欠点は主婦が持ち帰るには重すぎることだそうです。近所の商店街の八百屋に、あるいは近所のスーパーから袋かなんかで持って帰ろうとすると、ある程度大きな大根は一本が1kg以上なので、他の食材や加工食品といっしょだと重くなりすぎ、ではいちばん重いものを買い物袋に入れるのを止めようという判断になると大根が外される。

大根は以前から重かったのですが、以前はそういう話が購入手控えの理由にはならなかったと思います。べったら漬けが日常食の我が家では、それ以外の用途も含め大きな大根を2本買ったときの運搬時の重量は実感としてよくわかるとしても、ぼくが重いダイコンの持ち運び担当なので重さと不買の葛藤といった心配は我が家ではありません。

 


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2021年12月20日 (月)

令和四年の味噌作り

そろそろ手前味噌の季節」の続きです。その記事で「例年なら1月下旬が具体的な作業の開始時期ですが、今年は、いつもの倍の量を作りたいので、1回目の仕込みを年内に終え、2回目を1月下旬あたりに行う予定です」と書いたように、一回目の寒仕込みを先週末に終えました。外は北海道らしくない湿った雪の大雪で札幌の積雪量は55cm、気温は最高がマイナス6℃で、マイナス8℃と6℃の間を推移していました。

味噌作りは年に一回の作業なので、開始前に手順(工程と言うほうがモノづくりらしい)を一応確認しておきます。味噌づくりは配偶者との共同作業・分担作業で、長年やっているので、やり始めると手が勝手に作業を思い出します。冬の寒い時期に仕込むので「寒仕込み」。

「味噌づくりの手順」は慣れてくれば簡単です。今回は投入する大豆は4kgです。我が家の一日の大豆の処理量は2kgなので作業は二日間連続で行って4kgに対応します。

今年お世話になる大豆は、北海道産の無農薬栽培大豆で、必要量は既に購入済みです。下の写真は2kgのその大豆。味噌の製造企業は消費者にとっての仕上がりの見栄えが重要なので大豆は「白目」を選択しますが、我が家の優先順位は無農薬栽培なので「黒目」でも気にしない。「黒目」だと味噌に黒い異物が混入しているのではないかと騒ぐ消費者がいるそうです。

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【味噌づくりの手順(その一)】

・大豆4kgと麹(米麹ないし玄米麹)4kgと塩1.8kg(我が家では大豆1kgに対して麹1kg、塩450gを基準にしている)と、アルコール度数が40度超の強い焼酎を準備する(強い度数の焼酎は器具や容器の雑菌消毒のための必需品、我が家で利用しているのは度数が44度のもの)。新型コロナ対応で高濃度の食品用除菌アルコールが手元にあるならそれでもよい。

・よく水洗いした大豆を「前の晩から」半日、底の深い大鍋で十分に水に浸しておく。

・その大豆を柔らかくなるまで、吹きこぼれに注意し、アクを丁寧に取り除きながら、煮る(プロは大豆を蒸すが、一般家庭では量が多い場合は蒸すという作業は難しい)。

・モノづくりの工程にはたいていはクリティカルパスが存在する。我が家の味噌作りにおけるクリティカルパスは「鍋で煮る」という工程。深い大鍋を総動員しても一日の最大処理量は大豆2.5kgなので大豆は一日2kgまでとする。だから4kgに対応するには二日間必要。

・熱で柔らかくなった大豆を電動ミンサーにかけてミンチにする。ミンサーは必要箇所を焼酎で丁寧に消毒。

・麹と塩を、大きなボールなどできれいに混ぜ合わせたのを別途並行して用意する。これを一般に「麹の塩切り」と呼んでいる。ただし塩は「塩切り」で全部を使うのではなく一部分を後の工程のためにとっておく。

・ミンチした大豆を、麹菌が活発に活動できる50℃くらいまで冷ます。熱すぎると麹菌が死んでしまうので注意。こういうときは非接触型の温度計があると便利。

・50℃くらいまで冷えたミンチ大豆と、塩切りした麹をしっかりと混ぜ合わせる。

・混ぜ合わせたものをテニスボール大に丸める。これを「味噌玉」という。

・焼酎で雑菌消毒した甕(実際は一斗容量の業務用ホーロー容器)に、「味噌玉」を次々に作って、それを野球ボールを投げる要領で投げ入れる。こうすると味噌玉の中や隙間に空気が混じらないので雑菌の混入防止になる。味噌玉を作る人と投げ入れる人の流れ作業にすると円滑にすすむ。

・味噌玉を投げ入れると段々とその嵩が増してくる。投げ入れ終わったら、全体を手で平らに整える。

・「塩切り」のときに残しておいた塩をその上に薄くかぶせ(とくに周辺部を丁寧に)、大きめに切った幅広のよく乾燥した(できたら北陸地方の専門店が干した)干し昆布を塩の上に敷く(干し昆布を敷くのは北陸地方の伝統で我が家でも数年前からそれを拝借。こうすると昆布の風味も楽しめるし、味噌が熟成した時に昆布の漬物風ができ上がる。小さく切ると昆布の朝ごはんの佃煮だし、おにぎりの具としても活躍する)。干し昆布がないときはポリエチレン・ラップでもよい。

・重石をかける。我が家では、常滑焼の大きい中蓋(けっこう重い)を重石にしている。

・上蓋をする

・大きめのポストイットに、大豆の投入量や麹の種類、仕込み年月日などを書き、上蓋に貼り付けてる。「天地返し」日付を書く欄を開けておく。

・埃(ほこり)予防のために、ホーロー容器全体を大きなポリ袋で覆うか、あるいはサイズが合うなら埃防止キャップ(食品工場で従業員が頭にかぶっているあれ、食品工場の見学の際に見学者が頭にかぶることになっているあれ)で上蓋あたりをすっぽりと覆う。

ここまでが二日間(前の晩からの準備 ―水洗いした大豆を底の深い大鍋で水に浸しておく― を入れると二日半)の作業です。


【味噌づくりの手順(その二)】

寒仕込みから半年から一年くらい経った頃に「天地返し」を実施する。

・「天地返し」とは、甕で発酵中の味噌の天(上)と地(下)をかき混ぜて甕全体の発酵状態を平準化する(発酵に偏りが出ないようにする)こと。ただし、大きな甕の中で天地返しをするのは一苦労なので、別の複数のより小さな甕に移し替える形で天地返しをすることもある。

・天地返しまでは、味噌は暗冷所で静かに寝かせる(熟成させる)。

・天地返しをしたら、その日付を上蓋に貼り付けてあるポストイットの空欄に記入する。

手前味噌とも呼ばれる自家製味噌は大豆も麹も塩も好みのものを選び、ゆっくりと熟成させるので、市販のものよりも旨い。あるいは味が深い。だから、一年中美味しい味噌汁を飲み続けるためにも、毎年作ります。

 


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2021年11月19日 (金)

「ぐんま名月」は和菓子とは限らない

買わなかったけれども、「トキ」という美味しい黄色いリンゴの隣に、「ぐんま名月」という初めて出合ったところの黄色いリンゴが置かれてありました。それがリンゴであることに驚いたというのはさておいて、「ぐんま名月」なので群馬から来たのかと思いきや産地は北海道でした。あとで調べてみると「ぐんま名月」は群馬県農業技術センターで「あかぎ」に「ふじ」を交配・育成した品種だそうです。

それが最初に生れた土地の名前を品種名や、品種名の一部にしている果物は多くはないけれど珍しくもない。

越後生まれのコメなので「コシヒカリ」。津軽生まれのリンゴだと「津軽」。長野生まれのリンゴなので「信濃ゴールド」、「信濃スイート」。伊予生まれの柑橘類なので「いよかん(伊予かん)」。鹿児島県原産なのに「温州(うんしゅう)」という中国の地名を持っているミカンもあります。柑橘類の名産地である中国の「温州(ウェンジョウ)」にあやかってこの名前を付けたらしい。

北海道の農産物や海産物には、メロンのように産地名を訴求力のある商品ブランドとすることに成功した「夕張メロン」や「富良野メロン」、あるいは乾燥や加工の得意な北海道外の流通加工パートナーのマーケティング力もあって産地名が直に品質と旨さの表示ブランドといなった「利尻昆布」や「羅臼昆布」などがありますが、一般名詞の場合は「きた・・・」や「ゆき・・・」が接頭辞として好まれるようです。

思いつくまま書き並べると、「きた・・・」では、ジャガイモの「きたあかり」、小麦粉(薄力粉)の「きたほなみ」、キャベツの「きたひかり」、コメの「きたくりん」。「ゆき・・・」だとコメの「ゆきひかり」(昔ながらのうるち米)、あるいは、白くて硬いカボチャの「雪化粧」。

しかし、名前だけではどんな農産物なのかよくわからないし、名前によってよく売れるのとそうでないのとがある。「ぐんま名月」も名前だけではリンゴだとは想像できなくて、地域限定の秋の和菓子などを思い浮かべるかもしれません。ネーミングは簡単そうで、そして難しい。

 


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