漬物と塩辛

2017年10月19日 (木)

大根の天日干しと急な雨

火曜日夕刻の所用先で、スーツの肩と背中を雨に濡らした勤め人が眼に入ったので、外を見たら、想定外の激しい雨が降っていました。雨が降ることは想定内ですが、これほど強い雨脚になるとは思わなかった。まずいなあ。ベランダで10日間の大根の天日干しの最中(4日目)です。風は強くはなさそうなので、それが救いです。
 
用件が片付き次第すぐに帰宅して、天日干し中の大根の保護です。さいわい、雨は降り込んではいませんでした。
 
大根は24本を写真のように干してあるので、90リットルの透明のポリ袋を二つ用意し、二つの大根の吊るし台(もともとは花の鉢植えを吊るして喩しむ演芸用品)のそれぞれを、大根が雨にあたらないようにすっぽりと覆います。覆った後は、麻ヒモで、ポリ袋がパタパタしないように結わえます。
 
3
 
天気予報に関しては、日本気象協会公式の天気予報専門メディア 「tenki.jp」 のお世話になっています。天日干しのような状況で、ぼくがとくに参照させてもらっているのが「雨雲の動き(実況)」と「雨雲の動き(予報)」です。
 
「雨雲の動き(実況)」で、過去2時間の雨雲の動きを確認できます。「雨雲の動き(予報)」は、今後6時間の雨雲の動きをシミュレーションして見せてくれます。両方をつないで見ると、札幌市のぼくが住んでいるあたりの上空に雨雲が飛来するかどうか、やってくるとしてどれくらい大きな雨雲か、延べ停滞時間はどれくらいかが、直感的にわかります。貴重な情報です。
 
次の日の明け方には雨は止んだので、ポリ袋を取り払い、大根を陽と冷たい風にさらしてやりました。天日干しを無事に完了するのはなかなかに大変です。

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年10月18日 (水)

梅を干す陽射し、大根を干す陽射し

天日干しとは、陽光や風を使って野菜や魚の水分を飛ばし、干物や漬物といった保存食を作る素朴な方法のことです。陽光を利用する天日干しは好きですが、寒風を使った天日干しは、実作業としては、ほとんど経験がありません。

天日干しは、食材作りのプロセス全体となる場合が多い。たとえば、開いた魚の一夜干し、目刺し、ドライトマトなどです。しかし、梅干しのように、食材つくりのプロセスの(一応の)仕上げに天日干しを組み込む場合もあります。
 
それ以外には、プロセスの最初に天日干しがくるケースもあります。発酵食品であるところのタクアンがその例で、タクアンらしさは発酵プロセスにありますが、歯ごたえのあるタクアンにするために最初に大根をよく干しておく。
 
ドライトマトやタクアン用の大根は干すのに時間や日数がかかりますが、普通の干し野菜は簡単です。ビタミンD・ビタミンB群・カルシウム・鉄分・食物繊維などが含まれている野菜は、天日干しにすると栄養価が上昇します。
 
先日、タクアン用に買った大根についていた葉は、有機栽培で新鮮だったのですぐに切り取って洗い、1日半ほどネット付きのカゴに入れて天日干し、そのあと刻んで、薄味の佃煮風にしておかずです。

下に陽射しを二つ並べてみます。最初のが、8月上旬の梅干しのときの夏の陽射し、二番目が、現在(10月中旬)タクアン用の大根を天日干ししている最中の秋の陽射しです。それぞれの陽射しに季節の味わいがあります。
 
8_b
 
10 大根
 

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年10月16日 (月)

タクアン用の大根の天日干し(2017年度版)

先週の土曜日(10月14日)は朝から晴れで、札幌近郊の農家に注文してあった有機栽培の小ぶりな大根26本がそのほかの野菜といっしょに届いたのが午前10時。その中で、最もサイズの大きな2本をベッタラ漬けに回し、24本は、タクアンづくりのためにすぐに干し始めます。
 
干す前に、葉をスパッと落とした24本を並べてみました。
 
2017_20171014
 
3本ずつをセットに麻ひもで結わえますが、ひもの結び方を書いた手作りメモを引っ張り出してやり方を確認します。1年に1度の作業なので念のため、です。
 
下は、ベランダに干し終わった直後の24本。陽射しがいい。
 
2017_a
 
その日の午後2時の気温と湿度を確認すると、気温は14℃、湿度は41%でした。気分のいい天日干し開始日の午後です。
 
ダイコンの天日干しには10日は必要です。当たるか当たらないかよくわからない天気予報によれば、今後10日くらいは、途中の雨の1日を除いて、天気は天日干しに向いているみたいです。気温も明け方の4~6℃から午後の11~15℃くらいの範囲で推移するらしい。けっこうです。
 
とすれば、今はまっすぐな大根も、10日後には、「く」の字や「へ」の字になっているはずです。その「く」や「へ」の両端をもってもっと折り曲げると「つ」の字が現れます。その確認作業が何とも楽しい。

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年10月12日 (木)

雪虫とタクアン

弱弱しくふわふわと舞うように飛ぶ白い虫に出会うと、その日から1週間から10日ほどで初雪だと言われています。だいたい当たっています。週間天気予報よりも雪に関しては正確だと思う。昆虫の本能をなめてはいけない。その白い虫は雪虫(ゆきむし)と呼ばれています。
 
今週の月曜(体育の日)に、配偶者と近所を散歩中に、彼女がゆっくりと飛んでいる雪虫を見つけました。
 
タクアンを作るためには10月の最後の週に大根を干し始めるというのが札幌の主婦の伝統的な知恵です。早すぎると大根が腐ってしまう。遅すぎると、寒くなりすぎるし、雪が降る。
しかし、去年は、ヒト(配偶者とぼく)の直感で、いつもよりも1週間前倒しで作業を開始して、それが正解でした。
 
今年からは、雪虫を見たら、その翌日から、タクアン作りの準備にとりかかるというふうに知恵を改良した方がいいかもしれません。手ごろな大きさの品質の良い大根を予定の本数だけ手に入れる準備をする、米麹と良い塩と鷹の爪を用意する・・・。糠(ぬか)は有機栽培の玄米を日常的に精米しているので自宅に十分にある。
 
手元にその雪虫の写真がないので、「えんがる(遠軽)で見た」という北海道・遠軽町にお住いのかたのブログからお借りしました。雪虫が林の中を舞っています。この場を借りてお礼申し上げます。
 
Photo

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年9月14日 (木)

奈良漬と酒粕

ずっと以前は、奈良という土地と日本酒という飲み物が頭の中でうまく連携しなかったのですが、考えてみると、奈良は「奈良漬」の発祥地で、奈良漬の原材料は「瓜と酒粕」です。そして、酒粕は日本酒を醸造していないと手に入らない。しかし、奈良が日本酒の発祥の地であっても、地元でそれなりの量のおいしい日本酒を作り続けていないと、それなりの量の酒粕が手に入らないので、それなりの量のおいしい奈良漬は生産できません。
 
というわけで、ある時期に、近所や近隣の奈良漬業者に酒粕を供給しているに違いないと思われる奈良の地酒を呑んでみたところ、ホテルの食事処の日本酒リストには載っていない、少量生産の地元の銘柄がとても旨いという、ある意味、よくある結論に落ち着きました。しかし、こういう量から味への寄り道散歩のような結論では、奈良の奈良漬けが地酒の酒粕だけで作られているのかどうかはわかりません。奈良で作られている奈良漬は、実際にはどこの酒粕を使っているのでしょう?
 
下の写真は、「見ていて飽きない奈良漬けの内容表示ラベル」という記事で使ったものです。このラベルが貼ってあった丁寧なつくりの奈良漬けは2014年秋に奈良市内のそのお店で購入しました。
 
Photo
 
原材料は「しろうり、清酒粕」、添加物は「一切使用せず」とわかりやすい。ところが原材料原産地名が「徳島県」となっていて、「しろうり」の産地は徳島県に違いないとは思うものの、ここにはもう一つの原材料である「清酒粕」の産地が記載されていません。そんなもの、奈良に決まっているでしょうに、ということかもしれませんが。それならそれで納得です。
 
しかし、それではやはり埒が明かないので、別の丁寧なつくりの奈良漬屋さんのウェブサイトを拝見すると、そこには、「瓜は徳島県産の白うり『あわみどり瓜』」を、「酒粕は奈良や灘など全国有名酒蔵から仕入れた酒粕をブレンド、熟成させて」使っていると書いてあります。それから「また当店の奈良漬は、食品添加物は不使用でございます。」
 
ということで、昔はいざ知らず、今は、「奈良や奈良以外の信頼できる酒蔵から仕入れた酒粕」をお店の好みにブレンドし熟成させて使っているということなのでしょう。奈良漬屋さんに電話をして酒粕の仕入れ先を問い合わせてもいいのですが、そこまでの大ごとではないし、先方にとっても迷惑な話なので、やめておきます。「企業秘密」とおっしゃるかもしれません。

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年8月25日 (金)

活性酸素と脂肪酸(その2)

脂質とは「あぶら」のことですが、この「あぶら」はヒトの中にもあれば、食べものの中にもあります。「あぶら」をここでは「脂質」と表現します。脂質は、炭水化物やタンパク質とならぶ三大栄養素の一つです。ちなみに、常温で液体の食用あぶら(植物系が多い)を「油」、常温で固体の食用あぶら(動物系が多い)を「脂」、まとめて、「油脂」と呼んでいます。
 
「脂質」を分類すると「ステロイド(コレステロール)」「脂肪(中性脂肪)」「リン脂質」「糖脂質」の4つに分かれます。食べものに含まれる脂質でも、ヒトの身体の中にある脂質でも、9割以上が「脂肪(中性脂肪)」です。
 
ぼくたちが健康診断・メタボ診断の結果などでお目にかかる「中性脂肪」というのは、「トリアシルグリセロール(またはトリグリセリド Triglycerides)」と呼ばれていて、次のような構造をしています。(絵は農水省ウェブサイトの「トランス脂肪酸」説明ページからお借りしました。)
 
__2
 
この「脂肪酸3本+グリセリン(最近はグリセロールといいます)」は、それが食べものの中にあっても、ヒトの体内にあっても、「脂肪」や「中性脂肪」と呼ばれています。
 
「中性脂肪」(トリアシルグリセロール)は、果糖・砂糖などの糖質(炭水化物)や動物性脂肪を主な原料として肝臓でつくられます。食事でこれらを多く摂りすぎると、皮下脂肪の主成分として蓄積されます。ヒトの体が活動するとき、第一のエネルギー源となるのは、一般的には、ブドウ糖(グルコース)ですが、不足してくると、貯蔵されていた脂肪が分解されて血液中に放出されエネルギーとして使われます。
 
「中性脂肪」の構成要素である「脂肪酸」には「飽和脂肪酸(炭素の二重結合という弱い部分がない、そういう意味で飽和)」と「不飽和脂肪酸(炭素の二重結合という弱い部分がある、そういう意味で不飽和)」の2つがあります(下の絵参照、絵は先ほどと同じ農水省のウェブサイトから引用)
 
__4
 
飽和脂肪酸は、炭素の二重結合がないので、通常は酸化されません。
 
比較的酸化されにくいのは、炭素の二重結合が1カ所の単価不飽和脂肪酸。たとえば、オレイン酸を含むオリーブオイルやアボカドオイルなどがこのタイプの食材です。
 
酸化されやすいのは、炭素の二重結合が複数個ある多価不飽和脂肪酸。たとえば、大豆油・ごま油やそれらを使ったサラダオイルやマヨネーズ。青魚に多く含まれるω-3系のDHA/EPAも酸化されやすい。相手を酸化したくてしかたない活性酸素は、炭素の二重結合部分とという弱い部分を襲います。二重結合のない飽和脂肪酸には、活性酸素は悪さを仕掛けられません。
 
飽和脂肪酸は、その長さによって、短鎖脂肪酸と中鎖脂肪酸と長鎖脂肪酸に区分されています。短鎖脂肪酸は1~7個の炭素で構成されている飽和脂肪酸。中鎖脂肪酸は8~10個。それよりも構成炭素数の多いものが長鎖脂肪酸です。
 
吸収効率や吸収速度が高いのは、飽和脂肪酸の中で長さが短かめのもの、つまり、短鎖脂肪酸や中鎖脂肪酸です。短鎖脂肪酸と中鎖脂肪酸は、非常に簡単にエネルギーに変換されて、体脂肪として残らない。短鎖脂肪酸を含む食材は牛乳やバター、中鎖脂肪酸を含む食材はココナッツオイルなど。いずれにせよ、食材の種類は非常に少ない。
 
それに、短鎖脂肪酸を含む牛乳とバターにしても、飽和脂肪酸全体の10%弱くらいが短鎖です。乳脂肪全体からみると、短鎖脂肪酸の量はわずかです。また、中鎖脂肪酸は、ぼくたちが日常よく食べている食品にはほとんど含まれていません(東南アジアでココナッツオイルを料理に毎日使っている人たちは別ですが)。
 
牛肉などの食品に含まれる飽和脂肪酸の大部分は、炭素数16のパルミチン酸と炭素数18のステアリン酸、つまり長鎖脂肪酸です。こうした胴体の長い脂肪酸は、すぐにエネルギー放出のために利用することもできるし、体脂肪としてためておくこともできます。
 
短鎖・中鎖脂肪酸と長鎖脂肪酸では、体内への吸収のされ方も違います。長鎖脂肪酸は、腸の中で胆汁と混ざりあってはじめて体内で吸収できるかたちになります。つまり、腸壁から吸収されたあとは、まずリンパ管に入り、それから血液中に入るという流れになります。一方、短鎖脂肪酸や中鎖脂肪酸は、胆汁と合体する必要はありません。そのまま血液中に吸収されていきます。
 
乳脂肪にはわずかしか含まれない短鎖脂肪酸ですが、短鎖脂肪酸は別の形でも手に入ります。
 
水溶性食物繊維は、大腸の中に棲んでいる善良な腸内細菌叢(ビフィズス菌などいろいろ)の働きで発酵し、分解され、その結果、短鎖脂肪酸が作り出されます。こうして作られた短鎖脂肪酸は、腸内の有益菌にとっても重要な食糧になります。ヒトと細菌叢の共生関係です。大腸の中を短鎖脂肪酸の豊饒な海にするためには、水溶性食物繊維の豊富な野菜や海藻、それから豆類(豆類が向いていない人もいますが)をたくさん食べると簡単です。
 
脂肪の中には、酸化されやすいものもありますが、飽和脂肪酸のように通常は酸化されないものや、簡単にエネルギー変換されるので体内に蓄積されないもの(飽和脂肪酸の中の短鎖脂肪酸や中鎖脂肪酸)があります。「脂肪を食べる=体内にたまって太る」ということではありません。健康な細胞膜とホルモンは、酸化されていない飽和脂肪酸を使って作られます。
 
以上を、それ以外のω-3・ω-6・ω-9関連情報などをいっしょに整理すると以下のようになります。通常は酸化しない飽和脂肪酸も、調理の仕方によっては酸化するので(焦げるほど焼く、強く揚げるなど)、配慮が必要です。
 
2017
 
人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年8月24日 (木)

活性酸素と脂肪酸(その1)

1年ほど前から糠漬けを作り始めた知り合いの若い女性から、飽和脂肪酸や不飽和脂肪酸、酸化や活性酸素などという言葉をインターネットの食べもの関連サイトでときどき見かけるのだがその意味がよくわからない、とこぼされました。たしかにそうだと思います。自分でその気になってキョーカショやサンコーショを調べてみないとこういうことの意味はよくわかりません。ぼくは糠漬けやその他の漬物(家庭発酵食品)を作る若い女性には親切です。で、この記事です。
 
まず、酸素や酸化ということから。
 
電子を他の物質から奪い取ることを「酸化」といいます。このときに、わかりやすい身近な例なのでいろいろな場所でよく引き合いに出されるのが、皮をむいたリンゴです。酸素は、リンゴから電子を奪い取り(「酸化」)、その結果、皮をむいたリンゴはすぐに薄茶色に変色してしまいます。鉄が錆びるのと同じことです。皮をむく前のリンゴは酸化しません。リンゴの皮に含まれているファイトケミカル(ポリフェノール)が酸化を防止しているからです。(逆に、電子を多く持っていてそれを他に提供することを「還元」といいます。)
 
そういう目で活性酸素を見てみると、活性酸素とは、他から電子を奪い取って何とか酸化活動をやりとげたいという欲求に満ちた、とても不安定な状態の酸素だと言えます。
 
活性酸素は、後述のように、呼吸などのヒトの自然な生体活動の中で発生します。しかし、活性酸素の発生はそれにとどまりません。ヒトが以下のような環境変化や環境条件(おおざっぱにいえばヒトにとっての異物、ないしは異物相当物)に出合った場合には、活性酸素が過剰に体内に発生すると考えられています。
 
・紫外線
・大気汚染、排気ガス、煙草
・激しいスポーツ、ストレス
・医薬品、X線(レントゲン)
・加工食品、食品添加物、殺虫剤・農薬
・電磁波
 
ここまでが前置きです。
 
ヒトは呼吸によって体内に酸素を取り込みます。食べものによって取り込んだ栄養素と呼吸によって取り込んだ酸素を使って、ヒトは活動エネルギーを生み出します。その場所は細胞内の工場(ないし発電機)といわれているミトコンドリアです。このとき、エネルギー産生活動の副産物として「活性酸素(活発な酸素)」も生み出されます。その量は吸った酸素量の2%くらいです。
 
世の中には、ヒトとは違って、空気(酸素)を嫌う微生物がたくさんいて、これらは嫌気性の微生物と呼ばれています。ヒトや微生物やバクテリアがエネルギーを作る時に、空気(酸素)が関与する場合にはその行為は「呼吸」と呼ばれ、空気(酸素)が関与しない場合は「発酵」と呼ばれています。発酵とは、微生物が空気の無いところで生きるための一つの方法です。微生物の中には、発酵でアルコールや乳酸などを作るものがあり、その産物として日本酒や乳酸発酵食品ができあがります。それらをぼくたちは発酵食品としてありがたく頂戴する。
 
大昔、あるときあるところに、太陽の光エネルギーを利用して、空気中にふんだんにある二酸化炭素から有機物を作るのを得意とする光合成バクテリアというのが出現しました。これはほとんど経費がかからない、つまり省エネの有機物生産方式です。そういう光合成バクテリアがその生産方式でおおいに繁殖した結果、地球環境に「酸素」がだんだんと蓄積されてきました。しかし、バクテリアなどはそもそもが非常に酸素に弱い。酸素は彼らにとっては猛毒のようなものです。つまり、自分たちの繁茂の結果、環境が自分たちにとっては嫌な、困った方向に変化したわけです。そういうことになるとは想像しなかったと思います。
 
そこで、酸素に弱いバクテリアは、酸素が蓄積されてきた新しい地球環境で生き延びるために、いわば、かれらにとっての持続可能な社会の構築のために、何をしたか。画期的な適応戦略をとった。「酸素に強いミトコンドリアの祖先」と仲間になった。ミトコンドリアの祖先は、酸素を利用してブドウ糖からエネルギーを取り出す代謝経路の作成に成功した、酸素に強い変な奴です。バクテリアは地中深くに潜り込み酸素を避けて逃げ回るのではなく、酸素に強いミトコンドリアを自分の細胞内に取り込むことで酸素がいっぱいの地球環境と折り合いをつけ、生き延びることに成功しました。その結果、ぼくたちヒトの細胞の中でも、この細胞内工場(ないし発電機)とでもいうべきミトコンドリアが常に活躍しています。
 
活性酸素は、ヒトにとってとても重要な役割を演じています。ウィルスや細菌など体内に侵入してきた外敵から身体を守るという防御系機能の一部としての大切な働きが、それです。病原菌の侵入といった外部からの脅威があれば、細胞内で酸化ストレスを増大させ(活性酸素)、そうすることで免疫を活性化し、外部からの感染に打ち勝つようなメカニズムとプロセスが機能します。
 
しかし、同時に、活性酸素は、体内の細胞を酸化させることでさまざまな炎症や病気や老化を引き起こす原因にもなっています。たとえば、齢を重ねるにしたがって、脅威の対象が、外部から突然にやってくる感染から、細胞内のミトコンドリアの劣化(フリーラジカルの漏出、フリーラジカルの代表的なもののひとつが「活性酸素」)といった内的な現象へとシフトしていきます。細胞の工場機能の劣化がきっかけで細胞内の酸化ストレスが増大し、それによって活性化された防御作用が、外敵ではなく、自分自身を継続的に傷つけます。継続的に発生する炎症(慢性的な炎症)が、ヒト自身の内部に心臓病やガン、関節炎などを引きおこします。

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年5月10日 (水)

2016年度産の最後のタクアン

 
2016年度のタクアン」の最後に「数日間、発酵の始まる様子を見ながら、必要なら日本酒を追加するなどの工夫をします。落ち着いてきたら蓋が閉まるまで重しを減らし、寒い中でゆっくりと寝かせてやる。食べ始めるのは来年1月の中旬くらいから。5月の連休あたりまで、ほぼ毎日、朝食で味わうことになります。」と書きましたが、この前の日曜日(5月7日)に最後の6本を取り出しました(すぐに食べないのは、真空パックして冷蔵庫へ。真空パックをすると風味が逃げず、長持ちします)。
 
札幌は暖かい日があるといってもやはり寒いのでゴールデンウィークあたりまでは、タクアンを戸外で発酵させ続けても大丈夫ですが、さすがにそのあたりがギリギリです。漬かり過ぎの一歩手前といったところでしょうか。配偶者もぼくも、この程度の漬かり具合を堪能できますが、ひとによっては、漬かり過ぎというかもしれません。微妙なところです。
 
2016_b2_2
 
戸外でアイスボックスに収められてこの半年を過ごしてきた一斗(いっと)入りの容器(正確には19リットル入りのホウロウ容器)を、丁寧に洗い、次の出番まで休ませます。
 

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年2月27日 (月)

2014年夏の梅干しと2013年夏の梅干し

現在、毎日食べているのが2014年夏の梅干しで種類は龍神梅。比較的小ぶりな梅です。眠らせてあった時間でいうと2年もの(正確には2年半もの)になりますが、これくらいの時間がたつと、塩味に丸みが出てくるようです。
 
梅干し用の梅の種類は、2012年までは南高梅、2013年は南高梅と龍神梅の両方、2014年以降は龍神梅だけにしました。
 
2013年夏に干しあがった南高梅のうち、大粒の完熟梅を使ったのはまだ甕(かめ)に保存してあり、現時点で3年半ものということになりますが、もう少し寝かせておこうと思います。
 
20140802 梅の天日干し(龍神梅、2014年夏)
 
2013 梅の天日干し(南高梅、2013年夏)
 
2013_2 梅の天日干し(完熟南高梅、2013年夏)

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年1月20日 (金)

冬の大根

「我が家の朝ごはんの漬物は、作るのに手間暇がかかっているという意味で贅沢で、たとえば今の時期なら、べったら漬け、タクアン、梅干し、昆布の佃煮を毎日少しずついただきます」と「自家製の、昆布の佃煮」に書きましたが、「べったら漬け」は新鮮な大根がないとできません。
 
北海道に限らず、雪の多い地域では、新鮮な野菜の採れない冬の野菜対策として、キャベツや大根などを雪の下で越冬させる「越冬野菜」という知恵を持っています。写真はその越冬大根で、ブランド名(なのか、それとも一般名称なのか定かではないが、ここでは気にしない)は「雪の下大根」。この大根のパッケージには「雪の下で貯蔵したことにより、旨味・甘味が増した大根です」と書かれています。
 
大根やキャベツ以外には、ニンジン・ゴボウ・ジャガイモ・長ネギなども「雪の下」野菜の対象です。雪の下は寒すぎず、温度が一定で、かつ水分がある。野菜が鮮度を維持できる条件がそろっています。
 
冬の「べったら漬け」にはそういう種類の大根を使います。
 
_

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧