塩・味噌・醤油・酢

2018年1月30日 (火)

ついでに、白味噌

2018年の手前味噌は「玄米麹の味噌」でしたが、普通の味噌(ここでは白味噌との対比で赤味噌と呼びますが)の製造途中で、ついでに白味噌を作ってみました。白味噌は、西京(さいきょう)味噌とも呼ばれる甘い風味の簡易熟成の味噌です。デパ地下では「鰆(さわら)の切り身の西京漬け」などを売っている。
 
赤味噌用に大豆を茹でてミンチしたのを、50℃になるまで冷やしている間にその一部をもらいます。ミンチしたのが250gくらいだともともとの大豆(の乾燥重量)は100gなので、それと200gの「白米麹」、および、30gの塩、それに大豆の煮汁を200gを入れて混ぜ合わせます。甘い白い味噌なので、麹は「白米麹」で、その量は大豆の2倍です(赤味噌は、大豆と麹が1対1)。
 
混ぜ合わせたのを、60℃で8時間ほど発酵させます。そういう発酵のための便利な電気式の容器が世の中にはあって、普段は、我が家では甘酒づくりなどでも愛用しています。そうすると白味噌の出来上がりです。容器に移して、冷蔵庫で保存します。
 
赤味噌と違って味噌汁などに毎日使う味噌ではないので、下の写真程度の量が二つあればけっこう重宝します。
 
20180127 ミキサーにかける前
 
201801
      ミキサーにかけた後の白味噌
 

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2018年1月29日 (月)

2018年は玄米麹で味噌づくり

今年は大豆は例年通り北海道産の有機栽培大豆、麹(こうじ)は数年ぶりに島根産の有機玄米麹、塩はいつものミネラル分の多い自然海塩です。大豆は4kg、麹も4kg、塩は1.8kg(塩は大豆ないし麹1kgに対して450g)。我が家の1日の大豆処理量は、鍋などの事情で最大2.5kgなので、1日に2kgずつ、週末の2日間を使って味噌づくり(の最初の段階)を完了しました。
 
北海道の大豆には「音更大袖(おとふけおおそで)」「トヨムスメ」「トヨコマチ」「ユキホマレ」「ゆきぴりか」などがあります。北海道の大豆は、味噌・醤油・納豆には向いていますが、豆腐向きではありません。豆腐がふわふわと柔らかい。普通に硬くしようとすると豆乳がいっぱい要るので値段が高くなる。豆腐適性(固まりやすく硬い豆腐ができる)は、九州生まれの「フクユタカ」や長野生まれの「エンレイ」にはかないません。しかし味噌や納豆となると話は違ってきます。
 
玄米麹は、白米麹よりも、味噌の香りがいい。コクも出るので、長期熟成向きです。2013年2月に仕込んだ玄米麹味噌は、少しずつ、まだ楽しんでいます。おいしい。
 
下の写真は、塩切りした(つまり、塩と混ぜ合わせた)玄米麹。これと、ミンチした茹で大豆(蒸し大豆がいいのだが、一般家庭では無理)を混ぜ合わせて、味噌玉をつくります。(味噌玉については【味噌づくりの工程】参照)
 
__20180126
 
甕に詰め、ゆっくりと熟成させるために、3年間は暗冷所で寝かせます(最初の天地返しは、6か月後)。おいしく食べるのは従って、2021年の春以降ということになります。
 
以下が「味噌づくりの工程」。工程そのものは、シンプルです。
 
【味噌づくりの工程】
 
・大豆と麹と塩を用意する。その割合は、大豆が1kgの場合、大豆1kg、麹1kg、塩450g
 
・よく水洗いした大豆を前の晩から底の深い大鍋で十分に水に浸しておく
 
・その大豆を柔らかくなるまで、吹きこぼれに注意しながら、煮る(プロは大豆を蒸しますが、自宅では量が多い場合は蒸すという作業は無理)
 
・モノづくりの工程にはクリティカルパスというのがあるが、我が家の味噌作りのクリティカルパスは、鍋で煮るという工程。深い大鍋を総動員しても一日の最大処理量は大豆2.5kg。だから作業量は一日2kgまでとする
 
・熱で柔らかくなった大豆をミンサーにかけてミンチにする(ミンサーは強い焼酎で雑菌消毒しておく)
 
・米麹と塩を、大きなボールなどで上述の割合できれいに混ぜ合わせたのを、並行して用意しておく(塩は一部分、後の工程のためにとっておく)
 
・大豆のミンチを、麹菌が活発に活動できる50℃まで冷ます
 
・その大豆と米麹と塩を混ぜ合わせる
 
・味噌玉をつくる
 
・度数40度以上の強い焼酎で雑菌消毒した甕(我が家は常滑焼)に、次々に味噌玉を投げ入れる(こうすると空気が中に入らない。酸化防止になる)
 
・全体を平らに整える
 
・とっておいた塩を薄くかぶせ、大きめに切った幅広の干し昆布をその上に敷く(干し昆布を敷くのは、北陸地方の智恵。それを拝借。こうするとカビない。昆布の風味も楽しめる)
 
・重石をかける(我が家では、常滑焼の大きめの中蓋を重石にしている)
 
・上蓋をする
 
・大きめのポストイットに、大豆の投入量や麹の種類、仕込み年月日などを書き、上蓋に貼り付ける
 
・天地返しまで、暗冷所で静かに寝かせる
 
・天地返しで、発酵中の味噌の天(上)と地(下)を混ぜ合わせ、甕全体の発酵状態を平準化する(発酵に偏りが出ないようにする)
 
【以上】

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2018年1月18日 (木)

イトヨリのソテーに橙(だいだい)を絞る

北海道の魚は、「アンコウ・カジカ・カレイ・ヒラメ・サケ・サンマ・シシャモ・ソイ・タラ・ニシン・ハタハタ・ハッカク・ホッケ・イワシ」など地味な色のものが多い。例外は紅いキンキ(キチジ)とメヌケです。
 
北海道を離れると、ノドグロ(アカムツ)という脂ののった赤い美味しい魚がいます。それ以外の色のきれいな魚のひとつがイトヨリで、札幌でもときどきは対面販売の魚売り場で見かけます。先日、それなりに大きなサイズのイトヨリを見かけたので買ってきて、バターでソテーです。仕上げに橙(だいだい)を絞りました。結構な按配です。
 
日本のポン酢用の柑橘類には、柚子(ゆず)やスダチがあり、ここに橙(だいだい)を入れてもいいのですが、生産量は橙が極端に少ない。橙は風前の灯の状態です。
 
柚子には一般家庭でも(一般家庭の場合は主にポン酢を通して)、全国のどんな和風の料理屋でもお目にかかれますが、スダチは関西の料亭・料理屋には広く出回っているものの、関東だと少し値の張る料亭や料理屋に限定されているかもしれません。橙になると、伝手(つて)がないと入手が困難です。
 
下は、その橙。ポン酢だけでなく、ジュースにもジャムにもなります。
 
20172018

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2018年1月16日 (火)

おふくろの味は、食品会社の味?

けっこう以前の話ですが、米国のあるプロスポーツ選手にとっての「おふくろの味」は、ミートソースのスパゲティっだったそうです。久しぶりにそのミートソースが食べたくなったので、シーズンオフに実家に帰ったときにそのおふくろの味を所望したら、ある食品会社の缶詰ミートソースを取り出してきて「これよ」。あるいは、「あれはもう作れないわ。缶詰ミートソースの会社がつぶれちゃったから。」細部の記憶が曖昧ですが、そんな話だったと思います。
 
日本の家庭のおふくろの味は、以前は、食材を別にすれば、主婦が味付けに使う昆布や鰹節などの出汁の種類や量、醤油や砂糖や味醂や酢や塩などの種類と量によって決定され、それがその家庭のユニークな味付けになっており、子供の味覚も、そのおふくろの味によって育てられてきました。
 
正確な商品グループ名には不案内なのですが、「めんつゆ」「鍋のつゆ」と総称されるものが人気だそうです。理由は、出汁・醤油・味醂などがオールイン・ワンで、たいていの料理の味付けに使えて便利だから。こういうと申し訳ないけれど、ぼくには添加物がいっぱいの偽物っぽいものだと思われます。偽物っぽいかどうかは別にして、そういう食品会社の味が、徐々に(ないしは急速に)家庭の味、おふくろの味になっているようです。出汁入り醤油などもこのサブセットです。
 
そういう意味では、その走りはマヨネーズで、マヨネーズに関しては、自分で作るのは簡単だけれどやはり面倒なので、K社のものを選ぶかA社のものを使うか、各家庭で好みが分かれたようです。そのマヨネーズも、最近の宣伝では、競合を意識して、幅広い利用範囲(アプリケーション)を訴求しています。
 
まもなく家庭の味、おふくろの味とは、食品会社の味から選択するものだということになるのでしょう。食品会社の出来合いの味と無縁に育った子供は幸せですが、学校だとまわりの子供と話が噛み合わずに疎外感を抱くかもしれません。

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2018年1月11日 (木)

自宅で味噌を作るひとは家庭的?

ある辞書の説明を引用すると、「家庭的」とは、
 
1。 家庭生活に向いているさま。また、家庭を大事にするさま。「家庭的な人」
2。 家庭にいるように、うちとけてくつろぐことができるさま。「家庭的な雰囲気の宿」
3。 家庭に関するさま。「家庭的に不遇である」
 
となっており、言葉(単語)の意味としては、まあ、その通りだと思います。
 
30歳代後半で独身の働く女性がいらして、仕事で忙しいにもかかわらず味噌や梅干しを自分で作るので、彼女は実際はとても「家庭的」であるに違いないという趣旨の文章に合いました。そういう意味合いの「家庭的」には、上の三つの説明では、最初のものが該当しそうですが、すっきりしません。
 
だから、はたしてそう言い切っていいのか?つまり、自家製味噌や自家製梅干しを作る人は、家庭の基礎食材を家庭で作るので従って家庭的だという以上の積極的な意味で、家庭的なのか?
 
味噌や梅干しをひとりで作るのはたいへんです。二人でやってもかなりの重労働なので、ひとりでやるには相当の覚悟がいります。だから、伝統的な家庭基礎食品をわざわざ自分で作るということは、その彼女は家庭的であるに違いない。それが、ひとつの考え方。
 
別の考え方もあって、それは、その彼女は美味しいものが好きで、料理が好きで、しかし家庭のようなものは大嫌いで、だから、自分の楽しみのために、あるいは気の置けない仲間をときどきの料理でもてなすために自家製の味噌や梅干しを作っているのかもしれません。そういう情景のほうがぼくにとっては腑に落ちやすい場合も多い。
 
ところで、そのひとが独身女性でなく独身男性であったらどうなるか。彼を家庭的と呼ぶのかどうか。辞書定義的には彼もある意味では家庭的ですが、生活文脈的には家庭的ではありません、家族的な生活を歓迎していないという意味で「非家庭的」です。
 
しかし、「非家庭的」なひとはつきあいにくいというわけではないので、たまに、自家製味噌などを肴に一杯やる相手としては、そういう「非家庭的」な女性や男性のほうが、おそらく話題が豊富なので、好ましいかもしれません。
 

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2017年12月28日 (木)

梅干しは自家製が、いちばん、美味しい

自家製味噌がいちばん美味しい(と感じられる)ことを指して「手前味噌」と呼んだりしますが、そういう意味では、自家製梅干しも「手前梅干し」です。我が家の梅干しは、常温で何年間も保存が可能なように塩分が18%の昔ながらのスタイルで、自分でいうのもなんですが、とても旨い。使う梅は、以前は「南高梅」でしたが、最近は「龍神梅」。ともに和歌山県で無農薬栽培されたものです。
 
久しぶりに市販の梅干しも味わいたくなったので、塩分が15%~16%くらいの伝統的な作りのものを少量ずつ二度に分けて買ってみました。最初は龍神梅の梅干し、二回目は南高梅の梅干し。異なる製造元の梅干しを選びます。
 
最初の龍神梅のほうは、残念ながら期待外れでした。十分に大きなサイズの梅干しですが、柔らかすぎてコシがない。梅干しにコシがないというのも変な評価ですが、梅干しの皮も果肉もふにゃふにゃと柔らかくなり過ぎている。値段はしっかりと高い商品だったので、なにやら騙された気分です。まじめに天日干しをしたのかしらん。
 
そのことがあったので、二回目に16%の南高梅を買ったときは、お店のベテランらしき男性店員に、「これはちゃんと天日干しした梅干しですね」と念を押しました。「うちのは干したものです。梅漬けではありません。」色合いは赤紫蘇に染まって美しい。箸で具合を確かめ、口に運びました。どうも納得できません。つまり、自家製の美味しさに及ばないということです。
 
この柔らかすぎるとかコシがないというのは、よく熟した梅だと柔らかい梅干しができる、熟しきらない青い梅を使うとカリカリの梅干しになるといった類の議論ではありません。
 
ここで勝手な仮説を持ち出すと、梅干しの美味しさは、まず、干す段階で、夏の陽の光を梅が一定時間以上どれだけ気持ちよく浴びたかで最初の半分が決まり、そして、あとの半分は、その後のゆっくりとした熟成で決定される、ということです。そうやって味がこなれていく。今回二度試してみた市販品には、そういう「こなれてきた」感じがありませんでした。
 
「こなれてきた」ということに関して云うと、自家製梅干しは味見のために(あるいは待ちきれずに)一年半くらいで朝ごはんに登場させることもありますが、二年以上寝かせておくとと確実に味がこなれてきます。塩辛いのが甘くなるというのも変な表現ですが、塩のかどが取れてくる。塩味に丸みが出ます。
 
たとえば、すぐ下の(梅干しが二個並んだ)写真だと、左側の梅干しは二年物、右が三年物です。二年物とか三年物というのは、天日干しの後、常滑焼の甕(かめ)に寝かせ始めてから二年以上、ないし三年以上が経過した梅干しのことです。この二個では右のほう(三年物のほう)が赤みが強い。しかし、赤の濃さは色付けに使った赤紫蘇の量に依存するので、年数は関係ありません。
 
我が家の天日干しは実質で三日間以上。三日間の天日干しというのは、昼間干した梅を、夜は赤梅酢に漬け戻し、早朝にまた竹ざるに順番に並べていくという作業を三日間繰り返す。そうやって、徐々にきれいな赤に染めていく。
 
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下は完熟した南高梅ですが、これが右側の三年物の素材になりました。
 
Photo 完熟した南高梅
 
下は、寝かせて一年半で味見した時の龍神梅の梅干し。
 
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気持ちいい陽の光を一定時間以上浴びさせるということに戻ると、下は、土用干し(天日干し)三日目の梅の様子です。
 
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相当に手間暇がかかりますが、納得できる風味の梅干しは、自分で作るしかなさそうです。

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2017年11月22日 (水)

我が家の食卓は、「絶滅危惧種」らしい

何年か前に読んだ「家族の勝手でしょ!」がとても面白かったので、その続編である、岩村暢子著「残念和食にもワケがある」を買ってみました。2010年の前作と同じように、現在進行形の(その時点で最新の)家族の食卓の風景について、そして食事内容については主婦がフィルム式の簡易写真機で撮影した写真をつけて、解説してあります。ちなみに、その本の中では家族の食卓とは「子供のいる家庭の食卓」を指します。
 
新作であるところの「残念和食にもワケがある」の主題はタイトル通りで、日本の食卓で提供される和食とは呼びがたい不思議な和食(「残念和食」)、和食離れや白米離れ、そういうものが出現してきた背景、つまりその「ワケ」について記述されています。白米離れと言っても、玄米を食べ始めたという意味では、もちろん、ありません。
 
朝食は和食、それも炊き立てご飯と自家製味噌を使った味噌汁、自家製の漬物、自家製の梅干しや自家製の昆布の佃煮などが朝ごはんの必須であるところの、あるいは夜は一汁四菜を基本とするところの我が家のような「アンシャン・レジーム」がこの本を読むと、この調査のために食卓の光景や食事の作り方を提供された方々には申し訳ないのだけれど、何度も笑ってしまいます。捧腹絶倒にちかいところもある。同時に少し悲しい「革命」風景でもあります。
 
登場する主婦のほとんどは30代の初めから40代の終わりくらいの年齢層。「子供のいる家庭の食卓」が対象なので、ご主人の年齢もだいたいわかります。
 
最近の「革命的な食卓」の全体像や個々の詳細やその細かい背景説明については「残念和食にもワケがある」をお読みになってなっていただきたいのですが、ぼくにとって「印象的」だったのは「味噌汁」と「だし」についての記述です。
 
味噌汁は、かつては、ご飯と味噌汁と漬物があればなんとかなるというようなものではあっても、あるいはそうだからこそ、毎食ごとにテキパキと用意するものだったのですが(といっても、おいしい味噌汁作りには慣れと技術が必要です。しかし、それはさておき)、今は、味噌汁とは、主婦が作り置きする料理へと変身したようです。「煮返し味噌汁」だそうです。煮返しの時に具が足りなくなると、『主婦たちは「乾燥ワカメをオンした」「卵を追加投入」などと、ごく当たり前のことのように語る。』
 
味噌汁の調理方法もなかなかにユニークです。作っているのは、繰り返しますが、30代と40代の、つまり、料理歴10年~20年以上のベテラン主婦です。
 
『「何をどう組み合わせて入れても大丈夫なのが、味噌汁」という感覚』『例えば、「ニラ、大根、乾燥ワカメ、油揚げ」の味噌汁を作った主婦(38歳)。「材料を全部沸騰したお湯に入れて私は結構グツグツ煮る。シャキシャキしているものは子どもも食べないので、くたくたになったらだし入り味噌を入れる」。「ナスとネギとワカメ」の味噌汁を作った主婦(37歳)も「具材とだし入り味噌を同時に水の中に入れ、沸騰させて煮る」と言う。「大根、ナス、玉ネギ」の味噌汁を作った主婦は、「美味しくするには、味噌を入れてからグツグツ煮込むのがコツです」(31歳)と教えてくれた。』
 
2年間から3年間ほど寝かせた、たまらなく良い香りの自家製味噌を味噌汁に使っている我が家としては、ちょっとこの「革命的な手法」にはついていけません。これでは、ほとんど「味噌殺し」です。
 
次は、「だし」。最初に『「味噌汁」と「だし」』と書きましたが「出汁」と書かなかったのは、「出汁」と書くと昆布や鰹節できちんと出汁を引くのかとかえって誤解を生むので、この本にならって「だし」としました。
 
『家庭では、だし入りの「つゆの素」「だし醤油」がいつの間にか「醤油」と入れ替わって、基礎調味料と同等に使われているのだ。そのせいか、それらを使って料理する時には、ほとんどの主婦が「顆粒だし」や「だしの素」をさらに添加している。』
 
「だし」を重ねると、「味が決まる」「旨味やコクが出る」「味がはっきりする」「味に深みが出る」のだそうです。だから、『もちろん味噌も例外ではない。「だし入り味噌を使い、最後に風味を出すために顆粒だしを添加する」主婦がとても増えた。』
 
「つゆの素」や「だし醤油」や「だし入り味噌」に入っているのは日本では旨み調味料、グローバルにはMSG(グルタミン酸ナトリウム)とよばれている化学調味料です。化学調味料の入ったA社の「基礎調味料」にA社の別の、あるいはB社の「化学調味料」を追加して、味を深くするらしい。日本の食品会社のマーケティング力というのはあらためてすごい。
 
そんなものを食べ続けていたら、国民の平均寿命はそのうち下降カーブを描きそうですが、しかし、それを新薬とiPSのような最新の部品交換医療技術で食い止めるので、おそらく平均寿命は高止まりするのでしょう。そうなるとマクロな医療費は下がるのでしょうか、上がるのでしょうか。
 
家族がいっしょに集まって一汁三菜を食べるということがなくなり、主食重ね(たとえば、おにぎりとラーメン)を含めそれぞれが好きなものを都合のいい時間に食べるという家族の「自由」に対応するための主婦の知恵の成果が「残念和食」であり、その「ワケ」です。この本にはそのあたりの事情がきれいに整理されています。
 

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2017年11月15日 (水)

真面目なタクアン、残念なタクアン

両方とも、ウェブサイトで商品説明を読んで、その上での感想です。食べたことはありませんが、タクアンは自宅で作るので味の想像はつきます。「真面目なタクアン」とは食べてみたいタクアン、のこと、「残念なタクアン」とは、とくには食べたいとは思わないタクアン、のことです。
 
以下は、「天日干しした大根を、樽に詰める(2017年度版タクアン)」で書いたように、我が家で作るタクアンの原材料です。原材料のそれぞれの素性は確かです。たとえば、大根は有機栽培ですが、栽培農家はわかっているし、米麹はどういう銘柄のどういうコメを使ったものなのかを確かめてあります。日本酒は純米酒。
 
『タクアンの材料は、天日干しの完了した大根、塩、米麹(こめこうじ)、米糠(こめぬか)、鷹の爪です。塩・米麹(こめこうじ)・米糠(こめぬか)・鷹の爪はいっしょに混ぜ合わせ薄茶の粉を作っておきます。同時に用意しておくのは、44度の焼酎と日本酒。焼酎は容器の雑菌消毒用です。』『大根は干したといっても水分は残っているので、適度な重石をかけておけば、全体が湿ってきますが、その呼び水として日本酒を使います。』
 
「真面目なタクアン」は北海道の食材を選び、おそらく札幌市内の自分のお店(だけ)で小規模に製造販売している漬物屋さんの商品。「残念なタクアン」(失礼千万な言い方ですが、まあ、ここではそう呼ぶとして)は、漬物業界としては大規模で、品質管理や安全管理もとてもプロセス重視で、インターネット通販も得意そうな漬物の(北海道ではない地域にある)製造販売会社の商品です。
 
後者(大規模なところ)のタクアンの原材料は以下の通りです。そのまま引用します。
 
『原材料名: 干し大根、漬け原材料(食塩、糖類(果糖ぶどう糖液糖、砂糖)、醸造酒、唐辛子、米ぬか)、調味料(アミノ酸等)、酒精、酸味料、ビタミンC、甘味料(スクラロース)、原材料の一部に大豆を含む』
 
前者(小さな漬物屋さん)のほうのタクアンの原材料は、これもそのまま引用すると、
 
『原材料名: 大根 漬け原材料(糠 食塩 ザラメ 赤唐辛子 昆布 果物剥皮(蜜柑 柿 リンゴ))』。
 
一定規模以上で加工食品を流通網に乗せるとしかたないのですが、両者の違いは、後者には『糖類(果糖ぶどう糖液糖)、醸造酒、、調味料(アミノ酸等)、酒精、酸味料、ビタミンC、甘味料(スクラロース)』といった、一般家庭の台所では見かけないものや一般家庭の家庭料理に使わないものが含まれているということです。
 
最近、真面目な松前漬けを食べてないので、この札幌中心部にまあまあ近い漬物屋さんに買いに行こうかなと思っています。
 
『松前漬  松前産スルメ、人参、南茅部産がごめ昆布を無添加醤油をベースにして甘辛い特製タレに漬けた昔ながらの本格松前漬です。噛めば噛むほどスルメの旨みが広がります。  原材料名: スルメ 人参 がごめ昆布 漬け原材料(濃口醤油 味醂 日本酒 ザラメ 食酢 赤唐辛子)原材料の一部に小麦大豆を含む。』
 
ちなみに、この漬物屋さんのタクアンの商品説明は、
 
『たくあん漬 米糠にじっくり漬け込む昔ながらの作り方。干し大根の旨み、糠の香り、ほのかな酸味。一口食べれば懐かしい味に出会います。塩気が強いと感じたら水にさらして塩抜きしてください。』
 
おいしそうです。

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2017年11月 9日 (木)

納豆が人気だそうです

大豆を発酵させた加工食品(ないし調味料)には、日本では、味噌と醤油と納豆があります。納豆は、納豆菌で大豆を発酵させたものですが、インドネシアにはテンペというテンペ菌で大豆を発酵させた食べものがある。テンペのほうが納豆よりもクセ(臭いとネバネバ)がない。最近は国産テンペも手に入ります。
 
納豆とテンペを始めて目にした食文化の違う外国人がいるとします。さあ召し上がれと言われて、こんなものを食べて大丈夫なのだろうか、大丈夫だとしてはたしてどうやって食べるのだろうか、ということに関して躊躇と迷いが少ないのが納豆よりもテンペだと思います。
 
納豆が売れているそうです。「納豆の販売額が急成長している。全国納豆協同組合連合会(納豆連)の推計によると2016年の市場規模は、前年比16%増の2140億円と過去最高を記録。健康ブームに加え、国産大豆を使用した高価格帯商品の売れ行きの良さが、成長を後押ししている。国産の使用量は、3年で倍増した。」(日本農業新聞 2017年7月16日)
 
その人気は持続し「納豆の人気が高まり、2017年の消費額は過去最高を記録した16年をさらに上回る勢いとなっている。安くて栄養豊富な点が節約志向にマッチし、最近は高めの商品も健康重視の女性らに売れている。」(茨城新聞 2017年11月8日)
 
大豆は、どういう方法で調理されても、かつては健康食材とされていました。その背景には、グローバル市場のほとんどの大豆が、除草薬や殺虫剤への強い抵抗性を植え付けられた遺伝子組み換え大豆に移行したというわりに最近のビジネス事情がありました。その事情は現在も引き続き存在しています。大豆は健康食材という方向のマーケティングプロモーションなしでは、遺伝子組み換え大豆をグローバルに大量流通させられない、というわけです。
 
しかし、だんだんと食べものと健康の関係についての研究者や一般の人たちの知見が深くなるに従い、大豆は、健康食品から、たとえば反栄養素(サポニンやフィチン酸といった自然毒素であるところの反栄養素)を含んだできるだけ食べないほうがいい食材へと、その位置づけが変化してきました。
 
同時に、味噌・醤油・納豆のような大豆を発酵させた食品・食材はその限りではない、いやその逆だ、との認識も広がりました。長い発酵過程で反栄養素は大幅に減少するので消化システムに悪影響がないどころか、腸内の善良な微生物叢を活性化させるので発酵食品の良さをそのまま享受できるという認識の変化です。そこに、遺伝子組み換えでない国産大豆が加わります。
 
「国産大豆を使用した高価格帯商品の売れ行きの良さ」や「高めの商品も健康重視の女性らに売れている」ということは、消費者にそういう知見が広まってきて、つまりは、アジアの食文化の伝統的な知恵が再認識されているということです。けっこうなトレンドだと思います。
 
日本の家庭には、糠漬けやタクアンといった発酵食品が身近にあります。欧米で、ドイツ生まれのザワークラウトを楽しむのといっしょです。納豆の好きな「健康重視の女性」が糠漬けでも作り始めるともっといいのですが、どうなるでしょう。
 
ぼくの好きな納豆の食べ方は、塩と亜麻仁油です。亜麻仁油を軽くかけ、塩をパラパラと振って、よくかき混ぜて朝ごはんの時にいただきます。付属のタレなどは使わない。
 

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2017年11月 7日 (火)

カボチャを気軽に食べる(あるいは、カボチャと岩塩と味噌)

カボチャを気軽に食べると書きましたが、カボチャ時は硬い。切るという料理の準備作業がそれほど楽な野菜ではありません。だから、我が家では比較的小さいサイズのカボチャを選ぶようにしています。
 
凝ったカボチャの料理はいろいろありますが、そういうのは料理店に任せておきます。
 
カボチャは蒸して食べるのがいちばんいい。それ自体甘いので、いろいろなミネラルを含む岩塩(たとえば、ヒマラヤのピンク・ソルト)を、ミルで細かく砕いて振りかけて食べると旨い。おやつにもなります。洋風スープも捨てがたい。しかし、洋風スープより簡単なのは、きちんと引いた出汁を準備してあればという条件がつきますが、和風スープであるところの味噌汁です。
 
朝の味噌汁の具に、適度に細かく、しかし小さくなり過ぎないように切ったカボチャを使うと、おいしいし便利です。甘い具の味噌汁が我慢ならないひとには向いていませんが、そしてぼくも以前はそうでしたが、2年物~3年物の自家製味噌のこなれた塩辛さとカボチャの甘さが口の中で溶け合って、それはそれでひとつの世界です。
 
蛇足ですが、カボチャ(たとえば下の写真のようなカボチャ)は英語では普通はSquashと呼ばれています。お店によっては、カボチャを丁寧にKabocha Squashと表記してある。 Pumpkinとは云わない。オレンジ色で大きくてハロウィーンで使うのがパンプキン。おそらく食べても不味い。
 
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良質な天然塩(自然海塩や岩塩)には必須ミネラルがバランスよく含まれています(細かく言えば、カルシウム・ナトリウム・カリウム・塩素・リン・硫黄・マグネシウムといった主要ミネラル、それから、鉄・亜鉛・銅・クロム・ヨウ素・コバルトなどの微量ミネラル)。以下は、我が家で実際に使ったことのある日本とベトナムの自然海塩と、パキスタンの岩塩(ピンク・ソルト)の主要成分を比較したものです。ご参考まで。
 
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