農業ビジネス

2024年3月 7日 (木)

北海道フードマイスター雑感

このブログ「高いお米、安いご飯」の現在の一行紹介は「瀬戸内に転居した北海道フードマイスターです。食べものと食べることと経済・マーケティングの交差するあたりを食から見た健康という視点も交えて考えます」となっています。二年前に瀬戸内に引っ越したときに少し書き替えました。

「高いお米、安いご飯」はその一行紹介からはみ出す内容のブログ記事も少なくありませんが、今日は「北海道フードマイスター」の資格更新についてです。

手元のカード形式の認定証には「資格取得日」が2009年3月1日、「有効期限」が2024年3月31日と記載されており、確か2008年の秋に配偶者といっしょに受験したと記憶しています。三年に一度、更新手続きが必要です。昨年の12月に更新案内資料が送られてきました。配偶者もぼくも五回目の更新になります。

札幌で複数回開催される資格更新セミナーに参加すれば資格は更新されるのですが――札幌で暮らしている頃はそうしました――現在のぼくのように北海道外に住んでいる者や、北海道内でも根室や羅臼や網走といった札幌まで簡単に日帰りできない地域で生活をしている人たちのためには通信講座が用意されています。通信講座には課題があって、それに70点以上で合格しないと更新が認定されません。

参考資料として「北海道食材ハンドブック」というのがあって――ハンドブックというよりは食材写真付きの読み応えのある本です――現在は第八版ですが、これが穀物・野菜・果実・キノコ・畜産物・魚介類など北海道食材全般にわたって細かく網羅してあるので、最新版以外にも古いのといっしょに本棚に立ててあります。

よくできたハンドブックで、そういうことなら「四国食材ハンドブック」といったものがそばにあると便利だと思っても、それに匹敵するものを作るのは長年の積み重ねがないと簡単ではないようです。たとえば北海道大学・農学部(国立)や帯広畜産大学(国立)、あるいは酪農学園大学(私立)といった学術インフラもその積み重ねの一部です。北海道大学(JR札幌駅のすぐ北側)と酪農学園大学(札幌市の隣の江別市)は農業・畜産業・水産業や食材に関する各種のセミナーや催し物等で教室や会議室に、結構な回数、お邪魔したことがあります。

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酪農学園大学の白樺並木(2016年春、TPPに関するシンポジウムが開催された)


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2023年5月25日 (木)

二十日遅れの田起こし

夕刻の速足ウォーキングの途中で、複数の、それぞれが一反半から二反くらいの小規模な田んぼと出会います。

ほとんどの田は五月の中旬に入るころには田植えも終わって五月の下旬だと「水田」(文字通り、水の豊かに張られた田)でイネの苗が伸び始める頃ですが、そのなかに一カ所だけ手つかずの田がありどうしたのだろうと気になっていました――そこは一年前もたしか周りよりも一週間から十日遅れでのんびりと作業が開始されたところです。しかし二十日間は遅すぎる。高年齢か何かの事情で今年からコメ作りを止めたのかしらん。

作業は午後には完了していたのでしょう。トラクターの作業跡が明瞭な、田起こしされてまもない田が昨日の夕方にはそこにありました。今年もコメを栽培するようです。

田起こしをすると土の中でまどろんでいた虫たちが表面に現れ出るので、雀やハクセキレイにとって、その田はまたとない餌場になります。何十羽という雀の群れが餌を啄んでおり、ある程度食べ終わるとその何十羽が一斉に飛び立ちますが――どこに向かうのでしょうか――そういうのを目にするのも季節を感じて悪くありません。

翌日か翌々日には農業用水を他に引き入れて、その後すぐに代掻き(しろかき)に移るはずです。代掻きとは、田起こしが完了した田に水を張り、田起こしでいくぶん細かくした土をさらに細かく砕いてかき混ぜて、土の表面を平らにする作業のことですが、土起こしがトラクターに乗って実施されるように、代掻きもたいていは代掻き専用の爪を装着したトラクターで行われます。そのあと、田植え専用機を利用して田植えです。

次回のウォーキングの時には田植えの完了した水田を見ることになると思われます。


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2023年5月 8日 (月)

代掻き(しろかき)前の田、代掻きの終わった田、田植えの終わった田

ゴールデンウィーク中は食材の買い出しと速足ウォーキング以外は外に出るということもなかったのですが、近所を歩いたり近所からいくぶん離れたあたりを車で走っていたりすると、代掻き(しろかき)前のまだ水を張っていない田と、明らかに代掻きの終わった風情の田と、代掻きが終わって田植えを済ませてある田とが眼に入ってきます。お互いに場所の近い複数の小規模水田で一週間から十日くらいの幅に、その三つの状態の水田が並んでいるというのは興味深い。

代掻きは、田起こしが完了した田に水を張り、田起こしでいくぶん細かくした土をさらに細かく砕き、かき混ぜて、土の表面を平らにする作業です。代掻きは今はたいてい代掻き用の爪を装着したトラクターで行います。

今年は帽子とタオルで日焼け対策をしている女性が独りでトラクターを運転して代掻きを遣っている現場を見ることもできました。トラクターの操作はそれほど上手ではなかったけれど、農業は生活のための副次的な営み(というか、自家消費米を生産するだけ)であるところの兼業農家の主婦が作業している雰囲気です。買い物に出かける主婦の乗る軽自動車とは操作の複雑さが違うし運転回数もとても限定されているのに上手いものだと感心していました。趣味の農業といってしまうには設備投資や設備更新の負担があるとしても、農地のまま保有し続けたほうが都合がいいのかもしれません。

稲の苗の育苗は別の場所でやっているとして、あるいは小規模兼業農家は農協から苗を共同購入するとして、代掻き前と、代掻き後と、田植え後の水田がいわば隣近所で併存しているというのは、農家によって、田起こしと代掻きと田植えのそれぞれに頃合いの時にの微妙な差があるのでしょう。あるいはひょっとして好みの稲の種類が違うのかもしれません。それで田植えの時期がそれぞれ異なる。

下の写真は、時刻は夕方で、向こう側が田起こしは終わっているが代掻きはまだの状態の田、手前は代掻きが終わって田植えを待つ状態の田です。両者は水平で――傾斜地の棚田のそれぞれが水を張った田として機能するように水平であるように――向こうとこちらは畦(あぜ)できちんと区切られています。

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次の写真は、上の写真と同じ場所で時刻は二日後の昼前。手前の田はいつの間にか田植えが終わっていました。田の水はもっと深く張られると思います。向う側の田はまだ変化がありません。

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田植え後の田に張られた水が深くなりました。

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2023年4月20日 (木)

野菜売り場は淡路産の新タマネギがいっぱい

札幌に暮らす消費者の眼には野菜売り場のタマネギは以下のような感じで季節とともに推移します。

《大ざっぱにいえば、佐賀の新タマネギが晩春から初夏にかけて野菜売り場のタマネギコーナーを独占した後、7月下旬から8月にかけて主役は淡路島のタマネギにうつり、そして9月から10月に収穫される北海道のタマネギが、秋とその後の寒い時期に大量に市場に出回ります。タマネギは収穫から出荷までの時間調整が柔軟なので、タマネギが野菜売り場に並ぶ期間は長い。(2010年の「高いお米、安いご飯」より)》

淡路島は瀬戸内海にある大きな島で、四国の瀬戸内側とは橋でつながっています。だから4月になると淡路の新タマネギが四国東北部の野菜売り場にもどんどん並びます。

日本に最初にタマネギが入ってきたのは明治の初めですが、その最初の品種が北海道で土着したのが「札幌黄」であり、大阪で普及したのが「泉州黄」です。アメリカからやってきたタマネギ(イエローグローブダンバースという品種)がそれぞれの地域でローカライズ(地域特性を加味して改良)されたものですが形は違っており、札幌黄が球形に近いのに対して、泉州黄は平べったい形です。

淡路ではその「泉州黄」が導入され、品種が選別されて、多収性と貯蔵性が高い中甲高の系統が――甲高とは球形に近くなるという意味、中甲高はやや上下に丸い形――淡路中甲高系として分化成立するようになったようです。そしてその流れが、固定種からF1品種へという大きなトレンドに巻き込まれ、収穫量を増やしながら進んでいきました。その結果、淡路のタマネギが我が家の台所で――札幌でも瀬戸内でも――存在感を発揮していたし、しているという次第です。

農家やタマネギの好きな消費者のなかには、最近のF1品種ではなく昔からの固定種が好みのかたがいて、札幌では「札幌黄」が、淡路では「淡路中甲高」がリバイバルし間歇的に控えめに市場に出回ります。

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画像はネットから勝手にお借りしました。著作者のかたにこの場を借りてお礼申し上げます。


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2023年4月13日 (木)

商品内容が厳選されたホームセンターと外見と展示が華やかなホームセンター

頑張れば歩けない距離ではないとしてもそれだと重い荷物は持ち帰れないので車で行きますが、そこでは園芸用品、野菜や花の苗、樹の苗、園芸用の各種の土などを定期的に購入しています。世間の一部で「農家のコンビニ」と呼ばれているホームセンターです。

箱というか建物や売り場面積は、ぼくたちが利用する店は大きくはないけれど、品揃えは充実しています。ネットで探しても発見が困難だった径の小さいステンレス製の排水栓ネットもそこで入手できましたし、今年用のイタリアンパセリの苗も、オクラの苗も柑橘系植物用の土の追加分もそこで購入しました。目利きが揃っているのか、あたりまえの標準的な商品から特殊なものまで探せば棚のどこかに置かれてあるという按配です。

そのホームセンターのすぐそばに別のホームセンターができました。あるスーパーマーケットのすぐ近くに別のスーパーマーケットが、あるコンビニの近所に競合関係にある別のコンビニが生まれるといった事態は割におなじみのものですが、つまり、それです。

新しくできたホームセンターは箱の作りが立派そうで、園芸コーナーの表示も遠くからよく目に付いたので、どういう店か、ホームセンターというものが以前から好きであるらしい配偶者といっしょに覗いてみました。気になる商品や関心のある商品が並んでいるあたりをゆっくりと歩くとその店が我々に向いているのかどうか簡単に判断できます。我々がお世話になるタイプではなさそうでした。

駐車場に止まっている車に違いがあります。一般乗用車が多いのはどちらもそうだとしても、軽トラックやその種の業務用車両の有無に差があるし、実際に商品を吟味し購入している客層を拝見しても違いが明瞭です。

一方では作業用の制服を着た男性の二人連れがある部品の前で何か話し込んでいたり、女性の二人連れが野菜の苗売り場で経験者でないとできない種類の園芸関係の込み入った話をしていたりしているのに対して、もう一方では、どこのスーパーマーケットにでもいそうな家族連れがカートを押して歩いています。複数のホームセンターができたというのは地元住民にとっては便利なことだとして、客層は明らかに分かれそうです。


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2020年12月29日 (火)

新潟県五泉市産の里芋

里芋のスープは大人の味」の関連記事です。

里芋は大人の味で美味しいといっても、すべての産地の里芋が必ずしもそうではないのは、すべての産地やすべての種類のサツマイモやジャガイモがうまいとは限らないのと同じです。

白くてなめらかでねっとりとした食感が評判の新潟県五泉市(ごせんし)産の里芋をデパ地下で見かけたので迷わず購入しました。色と形がともかく美形です。こういう見た目の上品な里芋が不味いはずがない。そう直感が知らせます。肌理(きめ)細かくて煮くずれしにくいのが特徴だそうですが、それを疑う余地はなさそうです。しかし、値は張ります。

さっそく一部を煮物にしてみました。評判通りの色艶と味わいでした。美人と付き合うにはお金がかかるようです。しかし、皮はとても薄く無駄になる部分が極小なので、実質的には安いお買い物です。

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2019年8月30日 (金)

平飼い有精卵が選り取り

ある農家の「平飼い有精卵」の6個入りパックのなかに、手書きの文章をコピーして短冊風(あるいは栞風)にカットしたのが入っていました。そのまま引用します。
 
「朝夕はずいぶんと涼しくなってまいりましたね。先日農場で蛍を見つけました。蛍を見ていると環境に負荷の少ない取り組みを応援してくれているようにも思えました。このような取り組みができるのも皆さんのお陰です。本当にありがとうございます。(農場名)(代表者名)」
 
平飼いとは、下の写真のような飼い方のことです。北海道の農家は広いので鶏を地面で遊ばせておく。狭い団地のようなケージには閉じ込めない。写真は上の農家のウェブサイトからお借りしました。
 
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農家によって何を鶏の飼料(エサ)にするかはそれぞれに差がありますが、北海道で暮らすことのありがたいところは、ご近所野菜売り場の中の鶏卵コーナーの棚に「平飼い有精卵」が5種類ほど並んでいることです。5種類というのは5つの違う鶏卵農家からやって来たのがそこで買い手を待っている、という意味です。
 
たとえば、下のラベルの鶏卵を出荷している農家では、鶏用の飼料は
 
「北海道産を主体とした(一部国産を含む)米、大豆、牡蠣(カキ)殻、魚粉などの自家配合飼料と青草・野菜などを食べて育ちました」となっています。コメも大豆も牡蠣も魚も青草も野菜も全部北海道産が手に入ります。野菜なんかは自分で栽培するし、青草もそのあたりに自生しています。
 
北海道産以外の国産飼料は一部は含まれるかもしれませんが、外国産(たとえば米国産)のトウモロコシや大豆はまったく含まれていない。だから、消費者はラベルを読んで自分が鶏に食べてほしいという種類のエサで育った平飼い有精卵を買えばいい。本質的なことではありませんが、コメをよく食べる鶏の黄身の色は淡くなり、ニンジンや黄色いトウモロコシをよく食べると黄身はオレンジ色になります。
 
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いろいろと不可思議な政治文脈で「食べて応援」という言葉が溢れていたことがありましたが(今でも一部そうですが)、そういう文脈ではなく、消費者目線の非常に真っ当な意味でこういう鶏卵農家の卵は「食べて応援」だと思われます。


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2019年8月 9日 (金)

日本の食料自給率は37%で穀物自給率は28%、サウジアラビアの穀物自給率は7%

3日前に次のような報道がありました。

「農林水産省は6日、2018年度のカロリーベースの食料自給率が前年度より1ポイント低下の37%だったと発表した。天候不順で小麦や大豆の国内生産量が大きく減少したためで、コメの記録的な凶作に見舞われた1993年度と並ぶ過去最低の水準となった。政府は2025年度に45%にする目標を掲げているが、達成が遠のいた。」(共同通信)

「天候不順で小麦や大豆の国内生産量が大きく減少したためで」というのは苦しい言い訳で、小麦と大豆の国内自給率は以前から低いので、わざわざ小麦や大豆を持ち出すのもどうかと思います。四半期GDPがマイナスになったのを雨のせいにするのと同じです。

農水省のウェブサイトにお邪魔すると、品目別自給率の例として

「小麦の品目別自給率(平成30年度)
=小麦の国内生産量(76.5万トン)/小麦の国内消費仕向量(651.0万トン)=12%)

と小麦がとりあげられていました。

昭和40年から平成30年までの総合食料自給率の推移は以下の通り。

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OECD諸国の2018年(日本は2018年度)の食料自給率を比較したのが以下のグラフです。以前と同じパターンです。

2018-2018

ぼくは、食べ物は(他の財や産品と違って)自給したほうがいい(国のレベルでの地産地消)、という意見の持ち主ですが、諸般の事情でそういうわけにいかない国もあります。例えばサウジアラビア。2010年3月に「穀物自給率「ゼロ」をめざす国」というブログ記事を書きました。そこから一部を引用します。

「サウジアラビアは雨はほとんど降らないし、地下水も砂漠にまだ緑があった頃の雨水がたまったものですが、地下水は小麦生産などに今まで大量に消費してきたのでそのツケがたまって、今世紀なかばに石油よりも早く枯れてしまうとのこと。瑞穂(みずほ)の国の日本とは事情が違います。

そういう背景から、水を大量に使う小麦のような農作物は減産を続けて2016年までに国内生産を打ち切り、それ以降、穀物はすべて輸入。ただし、農業がないとさすがに困るので、あまり水を使わないもの、つまり温室野菜栽培や酪農、養鶏などの付加価値の高い農業へ転換するそうです。

穀物がないと国民は飢え死にしてしまいますから、そういう国のとる手段のひとつは、外国に農耕地や農場を確保し、それを自国の穀物供給基地にすることです。サウジアラビアの場合だと、上記報告書によれば、アフリカのスーダン、エチオピア、タンザニア、エジプトあたりでことが進行中です」

そのサウジアラビアがどうなったか

サウジアラビアにおける農業・水産業・食品産業の概況及び市場について」(野村総合研究所 2018年2月19日)によると、2015年のサウジアラビアの穀物自給率は6.8%だそうです。自国が所有するところの外国の穀物供給基地からの流入量も輸入とカウントされるので、実質的な穀物自給率は6.8%よりも高いはずですがこの資料では詳細は不明です。日本の2018年の穀物自給率は最初の折れ線グラフにあるように28%です。

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2018年8月27日 (月)

北海道の、生産量がとても少ない、おいしいカボチャ

北海道には、たとえば色だと濃い緑から灰白色に近い薄い緑まで様々な種類のカボチャ(南瓜)が生産されており、全体の生産量(収穫量)も非常に多いので、カボチャの季節になると今年はどのカボチャを喩しむか、どういう調理方法で楽しむか、といろいろと考えることになります。

客観的なデータに言及すると、日本のカボチャの収穫量は、平成28年(2016年)は、185,300トン。そのうち、北海道の収穫量は飛び抜けて多くて 82,900トン、シェアは 44.7%です。2番目が鹿児島県で、収穫量は 9,130トン、シェアは 4.9%。3番目が茨城県で収穫量は 8,090トン、シェアは 4.4%(農水省データ)。

つまり、北海道では様々な銘柄のカボチャがそれぞれに少なからず生産されている。といっても、カボチャの評論家は別かもしれないけれど、次から次へと違った銘柄を食すわけにはいきません。だから、この濃い緑の小ぶりな硬いカボチャを2年前までは知りませんでした。「大浜みやこ」というカボチャです。

「どのカボチャがお勧め?」と2年前にある野菜売り場のベテラン女性に尋ねたことがあります。「わたしなら絶対にこれですね」と勧められたのが「大浜みやこ」。値段は高い。一般のカボチャの2倍くらいです。

「みやこ」という種類のカボチャが札幌市の北西部で栽培され始め、それが品質維持努力でブランド化して「大浜みやこ」になったらしい。品質維持努力の中には、出荷対象品の厳しい選別も含まれる。有体に言えば、姿形の美しくないのは、「大浜みやこ」としては出荷されない。こういうところは「夕張メロン」と似ています。だからでしょう、売り場で出合う「大浜もやこ」は、色艶の鮮やかな美人だけのようです。

その「大浜みやこ」の平成29年の年間収穫量は129トン。とても少ない。さきほど触れた北海道のカボチャの年間収穫量のわずか 0.15%です。特定のチャネルでしかお目にかかれない。

このカボチャは小ぶりで硬い。主婦泣かせの(主婦とは限りませんが)硬いカボチャはたいていはうまいのですが、このカボチャも硬い。硬くておいしい。おいしくて甘い。最近はトマトでも他の野菜でも「甘い」と「おいしい」とが同義語になる傾向が強すぎてぼくなんかはちょっとうんざりですが、「大浜みやこ」は甘いがおいしい。

新しい調理方法をいろいろ考えても、一般家庭ではカボチャの食べ方はそれほどは変化しません。蒸すか煮るか揚げるか。上手が揚げた天ぷらは魅力的ですが、ぼくがいちばん好きなのは、やはり蒸したカボチャ。良質な塩を軽く振りかける。そのシンプルな調理法が生み出す味わいが結局は深い。だから飽きない。

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2018年1月15日 (月)

晩ごはんに「さつまいも」

週末の夕方、小腹が空いたので、配偶者といっしょに「さつまいも」の焼きいもを食べることにしました。「鳴門金時」(写真)です。そういう場合は、普通は、1本を二人で分けるのですが、二人ともとてもおなかが空いたという感じだったので、ひとり1本になりました。さすがに形のよい「鳴門金時」で、甘くてホカホカして美味しい焼き芋でした。
 
で、その後、どういうことになったかというと、晩ごはんは、サラダと魚料理と野菜料理と味噌汁のみ。ご飯(コメ)は無理でした。
 
「さつまいも」は、江戸中期に、飢饉対策として関東地方でも栽培されはじめたそうです。「さつまいも」は漢字で書くと「薩摩芋」。薩摩藩(鹿児島県)で栽培が盛んだったので「薩摩芋」です。それまでは、唐芋(からいも)や甘藷(かんしょ)や琉球藷(りゅうきゅういも)などと呼ばれていました。鹿児島への輸入経路や流通経路がわかります。なお、「さつまいも」の原産地は、メキシコなど、中南米です。
 
以前、農林水産省が食料自給率・食料自給力を上昇させる方法を考察する際に、その一環として「いも」を中心にした食事メニューを提示したことがあります(2015年3月)。そのメニューとは以下のようなものです。なかなかに興味深い。
 
□朝食: お茶碗一杯のごはん、浅漬け2皿、焼きいも2本
□昼食: 焼きいも2本、サラダ2皿、粉吹きいも1皿
□夕食: 焼きいも2本、粉吹きいも1皿、野菜炒め2皿、焼き魚1切
 
蛇足的な説明を加えると、「焼きいも」とは普通は「さつまいも」の焼きいもで、「粉吹きいもの」とは普通は「ジャガイモ」です。「さつまいも」を「甘藷(かんしょ)」と呼ぶなら、「ジャガイモ」は「馬鈴薯(ばれいしょ)」です。
 
芋尽くしの、一日を経験してみてはいかがでしょうか。関連記事は「ジャガイモとオランダ人、あるいは世界の4大主食(その3)」。
 
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