2017年3月 8日 (水)

酒の肴には、「きのこ」の蒸し焼き

半日ほど天日干しした原木栽培の「生しいたけ」の軸をカットし、短くなった軸の部分を上にした状態 (upside-down) で軸に塩をのせて蒸し焼きにし、じわっとなった傘の内側にスダチかユズをかけて味わうと、じつに陶然とした心持になります。酒の肴に最適です。
 
それに近いことを採りたての「エリンギ」で試してみました。採りたてというのは、正午に収穫したのを午後7時に食べたという意味です。写真が収穫直前のエリンギの様子。産地直送という言葉がありますが、蒸し焼きにしたエリンギは、工場直送というか、正確には見学会で訪問した「きのこ」工場からの直接持ち帰りです。
 
エリンギ全体をしっかりと手で支えながら、もぞもぞと動かして生育ベッド(容器)から取り外し、収穫が完了。透明な袋に詰めて自宅に持って帰りました。
 
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縦に食べやすい大きさに切ったエリンギを蒸し焼きし、軽く塩をふり、スダチもユズもない季節なのでレモンで代用(瀬戸内の国産レモンは12月から1月が旬)。それでもある程度陶然とした気分になります。酒はぬる燗の純米酒。

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2017年2月20日 (月)

冬は純米酒の燗酒

ぼくたちが朝ごはんや晩ごはんで食べるいわゆる「白米」の「精米歩合」は、「玄米」から糠(ぬか)や胚芽が削られるので、下の図(玄米の構造)からわかるように91%から92%です。

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一方、日本酒の精米歩合ということになると、一般によく見かける数字では、純米酒と呼ばれているのが「60%~65%」、吟醸酒と呼ばれているのが「55%」、大吟醸は「50%以下」となっています。しかし、なかには70%から75%の純米酒や、39%や23%という磨きに磨いた大吟醸もあります。
 
ウイスキーは17年物、21年物と熟成年数を伸ばすにつれ在庫維持費用と、それから蒸発によるウイスキーそのものの目減りで、値段が加速度的に高くなりますが、大吟醸はコメをどんどんと削っていくので、こちらも精米歩合によって値段がどんと跳ね上がります。
 
ぼくにとって気持ちのいい晩酌は、食前酒に小ぶりのぐい吞み一杯分か二杯分の吟醸酒や大吟醸酒、それで少しいい気分になり、そのあとは、適量の燗にした純米酒です。
 
最近は、日本酒も高付加価値化で、つまり、値段の高い四合瓶(720ml)の吟醸酒や大吟醸酒ばかりで、燗向きの一升瓶の純米酒というのが少なくなってきました。現在は、ある頃合いの価格の銘柄を贔屓にしていますが、生産量が多くないのか、常に店頭に並んでいるわけではありません。しかし、入手可能な限り、そいつとこれからもお付き合いです。

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2017年2月 6日 (月)

酒粕の季節

日本酒は収穫されたばかりの米(コメ)を使って作り、基本が新酒(ヌーボー)です。だから、酒の副産物であるところの酒粕(さけかす)が一般消費者へ販売される時期は、たいていは、毎年11月から3月のどこかです。
 
買いやすいのは11月から1月。例外もありますが、入手可能な期間が限定されています。一般家庭では、味噌は自分で作れても、日本酒は作れない。したがって酒粕は買うしかありません。
 
酒粕の利用方法(以前は業界用語だったのがスマートフォンの登場で急に一般用語になった言葉を借りると「アプリ」)は、大きく分けて二つです。
 
ひとつは甘酒。酒粕で作る簡易版の甘酒です。
 
もう一つは食材の粕漬け。白身魚の切り身や、鶏のモモ肉などを漬け込んでおきます。味付けと数日間の短期保存機能を兼ねています。頃合いを見て、たとえば、焼いて食べると実に旨い。塩焼きや煮つけでは出ない深い香りが楽しめます。

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2017年1月18日 (水)

自家製の、昆布の佃煮

我が家は昆布が好きで、産地の違う北海道の昆布をそれぞれに楽しんでいます。季節を通して頻繁に使うのは利尻(りしり)と羅臼(らうす)の「出汁(ダシ)昆布」、そして秋から冬の時期のおでんには日高(ひだか)の「おでん用結び昆布」などですが、利尻や羅臼でダシをひいたときには、毎回ではありませんが、自家製の佃煮を作ります。厚めの昆布の佃煮がほしいという理由で羅臼を使う場合もあります。
 
利尻や羅臼は基本的に出汁用で、特に利尻は非常に硬いし、また羅臼は厚いので、商用の佃煮にはあまり向いていませんが、家庭用は一番出汁を引いたのを使うので、佃煮用に別に昆布を調達する必要はありません。
 
好みの大きさ・長さ・細さにそのたびごとに刻んで、冷蔵庫(チルド)にためておいたのを取り出し、醤油・みりん・日本酒・生姜・実山椒・梅酢(隠し味)を調味料に2~3時間かけて、味を確かめながら水分を飛ばしていきます。歯ごたえを残しつつ柔らかくなるまで煮詰めると、朝ごはん用のおいしい昆布の佃煮ができあがります。
 
我が家の朝ごはんの漬物は、作るのに手間暇がかかっているという意味で贅沢で、たとえば今の時期なら、べったら漬け、タクアン、梅干し、昆布の佃煮を毎日少しずついただきます。
 
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      利尻昆布で作った佃煮

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2017年1月11日 (水)

橙(だいだい)のポン酢

ポン酢の原材料は、橙(写真)の搾り汁、煮切り味醂、鰹節と昆布、そして醤油。2リットルの広口ガラス瓶に詰め、冷蔵庫の中でたいていは数か月寝かせておきます。毎年複数本作るのですが、今年は3本。時期が来れば、その広口ガラス瓶から昆布を取り出し、鰹節を濾して、小ぶりな容器に移せばいつでもおいしいポン酢として便利に使えます。
 
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我が家では、漬物や基礎加工食品を季節に応じて作ります。以下がその一覧。橙のポン酢の季節の位置づけもわかります。べったら漬けはその一覧に入れましたが、糠漬けは季節が長いので除外してあります。
 
◇冬(12月から2月)
 ・橙(だいだい)のポン酢
 ・橙(だいだい)のマーマレード<ただし、2017年はお休み>
 ・味噌(仕込み、大豆は北海道産)
 
◇春(3月から5月)
 ・とくになし、夏の作業のスケジュールなどを考える
 
◇夏(6月から8月)
 ・梅干し
 ・梅酢(白梅酢と赤梅酢:梅干し作りの貴重な副産物です)
 ・梅ジャム
 ・実山椒の塩漬け
 ・しば漬け(乳酸発酵バージョン)
 ・味噌(天地返し)
 ・バジルソース(バジルは自宅で栽培)
 ・トマトソース(近所の農家で栽培している調理用トマトを使う)
 
◇秋(9月から11月)
 ・スダチのポン酢
 ・柚子胡椒(ゆずこしょう)
  ・べったら漬け
 ・タクアン(仕込み、食べるのは翌年の年明け以降)

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2016年12月22日 (木)

冬至は個人的な祝祭日

北欧など冬が長くて日照時間の短い北の国では、一般に、夏至をお祝いする慣習があります。その慣習の意味はよくわかります。札幌という緯度が高くて夏の短い土地に住んでいると、気温の高さよりも、日照時間が長いこと、昼間が長いことの方が嬉しいと思うようになります。一年でいちばん昼間の長い日が特別なものになります。
 
その裏返しですが、ぼくは勝手に冬至をお祝いの日と決めています。その理由は、明日から日照時間が長くなり始めるからです。三月を経由し六月に向かってだんだんと長くなる。気温は二月下旬に向かってますます低くなりますが、たとえ雪で日照が陰っていても昼間の増加は喜ばしいことです。
 
昨日は冬至でした。特に何かをしたわけではありません。夜のお酒の量が若干増えたことくらいでしょうか。

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2016年12月 6日 (火)

地元の新しい酒米と地元の酵母で作った日本酒

知人から、彼の地元でできた日本酒の四合瓶が冷蔵便で送られてきました。日本酒の説明を兼ねたメールもすでに届いています。
 
華やかさを抑えこんだような感じにしようとしているのに、その枠を破って抑えきれないフルーティーな香りと味が湧きだしてくる、しかも優しい、そんなお酒でした。どんなフルーツなのかは名前があげられない。たとえてみると、はじめての土地ではじめて食べた名前を知らないおいしい果物。世の中にこんな果物があったのか。そんな香りと味の日本酒でした。
 
ぼくが食前酒にしているあるマイナーブランドの日本酒もそうですが、これも地元産のコメと地元産の酵母が絶妙に組み合わされています。その日本酒の磨き(精米歩合)は55%。コメに過度な磨きをかけ続けることで付加価値を生み出すタイプのものとは違った方向のお酒です。この日本酒で使われている酒米(酒造好適米)は平成22年に品種登録された新しい品種です。
 
食前酒として、毎晩、ぐい吞み一杯分ずつ楽しむつもりです。

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2016年11月30日 (水)

ビールとプロスポーツ

ビール(のようなアルコール飲料)なしで、プロスポーツを観戦するということはぼくには考えられません。劇場で席に着く前や幕間にビールよりはアルコール度数の強い飲み物を少量口にするのと同じことです。その方が球技場や劇場という空間の中でプロのパフォーマンスをより賞味することができる。だから、そういうのが排除されているような種類のプロスポーツには近づきません。
 
ビールの似合うプロスポーツのひとつは野球です。しかし、プロサッカーの試合ではテレビ画面で見る限りはビールなどを飲んでいる観客はいそうにありません。だから、サッカーの試合には近づかない。(サッカーの試合でアルコール飲料を許可したら、荒れる観客がどんどんと出てきて収拾がつかなくなることは予測できますが。)
 
もっとも野球でもふつうの内野席や外野席だと気楽にビールが楽しめますが、応援の仕方などが組織化されていて、そのチームの応援ユニフォームを着ていないとそこに入っていけないような雰囲気の席では、ビールなどを飲んでいたら白い目で見られそうなので、そういう場所には近づきません。
 
鳴り物などがまったくない野球場で鋭い打球音が球場全体に響きわたるのをビールをゆっくりと飲みながら楽しんでみたいと思っています。しかし、近場ではどうも難しいようです。

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2016年7月28日 (木)

酒粕でお菓子、酒粕で甘酒

酒粕(さけかす)は甘酒づくりに便利です。しかし、我が家では、甘酒は酒粕(さけかす)を使った簡易版ではなく、麹(こうじ)を使ったまじめなタイプが好みで、実際に後者をよく作って楽しんでいます。しかし、酒粕も吟醸や大吟醸のそれとなると酒粕の甘酒も深い味わいになります。でも、そういう酒粕は直接に蔵元からでないと普通は手に入らない。運が良ければ、毎年11月から3月くらいにデパ地下などでそういう洗練された酒粕に巡り合える場合もありますが・・・。
 
酒粕を使ったお菓子についての会合があったので参加してみました。酒粕を使ったお菓子といっても小麦粉や砂糖などが大半で酒粕の分量はわずかです。酒粕を多量に有効活用するというわけにはいかないみたいです。しかし、わずかな量が量とはいってもそのお菓子ににもアルコール分は1%程度は含まれるので、子供向けの食べものとしては無理がある。ブランデー入りのチョコレートと同じです。
 
酒粕を使った粕漬けや味噌を使った味噌漬けも生魚の切り身などの数日間の保存には便利です。保存と同時に酒粕や味噌の風味がしみ込んで、塩焼きや煮つけでは決して出ない深い香りが漂います。こちらの方が、お菓子よりは酒粕を多量に使うのは間違いない。しかし、主題は酒粕を使ったお菓子のような甘いものです。
 
そういう主題の展開の中で、甘酒も話題になったのですが、酒粕を利用した市販の甘酒や、どこかの大吟醸の酒粕でつくったあるお店の甘酒はとてもおいしいという話が多くて、つまりそれがデフォで、麹を材料にしたタイプの甘酒を自分で作って味わうということには関心のない方が多かったようです。
 
甘酒は夏の季語です。古くから夏の飲み物として楽しまれてきました。季語になった当時の甘酒は麹を使って自宅で作った甘酒だったと思いますが、江戸時代の夏の風物詩のひとつが「甘酒売り」でした。したがって、今の俳句なら、コンビニで買ったペットボトル入りの甘酒が登場しても不思議ではないのかもしれません。

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2016年7月15日 (金)

淡い陽射しの読書とウイスキー

こういう古い建物の人気のない淡い陽射しの場所で、ベンチに置かれた座布団に座り、また目を通したい箇所のある紙の本をゆっくりと読み返すような午後の三~四時間を過ごしてみたいと思いますが、公共施設なので、実際には、人の出入りとかがあります。むつかしい。自分で撮った写真を見ながら、そういう時間の流れを想像するだけにします。
 
左は初秋の穏やかな陽射し、右は前日の雨の後の初夏の淡い日差し、です。ともに湿度は低かった。
 
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そんな空間で読み返すとしたらどんな本がいいか。ル・カレの初期の作品群は候補の一つです。フリーマントルのチャーリー・マフィン・シリーズもいいかもしれませんが、ちょっと違和感がある。ロバート・パーカーの前半の作品群の方が向いています。井筒俊彦の「意識と本質」以降の著作集からもう一度読みたい論文やエッセイをいくつか選んでもいい。
 
簡潔な文体も、重い刺激的な文体も、それぞれにこの陽射しに向いています。そして、陽射しに夕方が滲むころに、軽くストレートのスコッチ、あるいは、ある人が「北海道の地酒」と呼んだ余市のウイスキー。
 
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              樽詰めは、1986年4月

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