麺類

2024年5月21日 (火)

小豆島の醤油

小豆島の特産品は、醤油と佃煮と素麺、そしてオリーブオイルです。その小豆島にある二十軒ほどの醤油蔵のひとつで作られている木桶仕込みの天然醸造醤油(濃口醤油)を三十年以上使い続けています。半年分くらいをまとめて電話注文します。

この三十年で、電話で注文を受けてくれるかたが、ゆっくりとした話し方で対応してくれた高齢者女性から歯切れのいい応対の熟年女性に、ぼくたちが瀬戸内に引っ越してきたあたりで、切り替りました。

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その小豆島を訪れることにしました。

小豆島の醤油作りは四百年ほど前に始まったそうです。どなたが名付けたか現在は「醤の郷(ひしおのさと)」と呼ばれている醤油蔵や佃煮工場が軒を連ね黒い焼杉の板壁が続く町並みを醤油の香ばしい香りをかぎながらゆっくりと歩くのが今回の旅行の目的のひとつです。その中には三十年間お世話になってきた醤油蔵の風情をひそかに拝見することも含まれます。

オリーブ畑やオリーブ公園を散策するのがもうひとつの目的です。

素麺が特産品ということは小麦も胡麻油も地元で作っているということですが、時間があればその素麺をお昼に食べたいとも思うし、オリーブ園に好みの質のオリーブオイルがあれば食用でも肌用・髪用でも購入したいとも考えています。結果としては、素麺を食べないかもしれないし、オリーブオイルを買わないかもしれないにしても。

旅に目的が必要かどうかは意見が分かれるところです。たとえば次のような考え方もあります。

《旅行をする時は、気が付いて見たら汽車に乗っていたという風でありたいものである。今度旅行に出掛けたらどうしようとか、後何日すればどこに行けるとかいう期待や計画は止むを得ない程度にだけにして置かないと、折角、旅行しているのにその気分を崩し、無駄な手間を取らせる。》(吉田健一)

すでにJRの特急は席を予約したので理屈の上では気が付いてみたら列車に乗っていたという風には行きませんが、気分としては気が付いてみたら列車とフェリーに乗っていたに近い旅行になるかもしれません。


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2023年10月16日 (月)

サラサラとネバネバ

こういう話題は全くの雑感ということになるとして、似たような種類ものでもネバネバしたのとサラサラしたのがあります。

日本では女性の髪が習慣として長かった昔から椿油が整髪料として使われてきました。椿(つばき)の種を搾って抽出した油です。「笠にぽつり椿だった」(種田山頭火)の椿です。英語だとほぼcamellia(カメリア)と呼ばれているもので、少し粘りのある油です。スキンケアや整髪料に人気ですが、食べられるので料理にも使われます。

似たような油に、つまり植物の似たような種を搾って取り出した油にアプリコットがあります。こちらのほうは種を搾ったという意味でアプリコット・カーネル・オイルと称されることが多いようです。アプリコットは英語だとapricotで日本名で杏(あんず)と呼ばれているものです。室生犀星の小説に『杏っ子』(あんずっこ)というのがあります。この油も食べられますが、ほとんどが化粧用として使われているようです。とてもサラサラした油です。

ぼくは化学的な原材料を含む整髪料は使わないので、髪には椿油とアプリコット・カーネルを控えめにつけています。少し粘り気が欲しい時は椿油、サラサラと仕上げたい場合はアプリコット・カーネル・オイルです。

我が家では配偶者がよくケーキ(たとえばパウンドケーキ)やパイ(たとえばアップルパイ)を焼いてくれます。使う粉のデフォは小麦粉ですが、ケーキなら一部は米粉を混ぜ込むと軽い食感の美味しいのができ上がります。

小麦粉で作ったお菓子はとくにクッキーなどの場合は、噛んでいると歯にまといつく感じのネバネバ感やベタベタ感が口に残ります。これは小麦粉のグルテンの影響です。グルテンが含まれているので、小麦粉に水を加えてこねると粘りと弾力性が出てきます。小麦粉はグルテンの量が多くて質の強いものから順に強力粉・中力粉・薄力粉と区分されています。パスタやパイやケーキやラーメンやうどんなどで強力粉と中力粉と薄力粉を使い分けるのは皆さんご案内の通りです。

一方、米粉はグルテンがないのでサラサラしています。だから米粉のケーキ、あるいは小麦粉に米粉を混ぜ込んだケーキは食感が軽い。米粉(もち米)と塩だけで作ったオカキはサラサラとして食感です。


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2019年4月 2日 (火)

アーリオ・オリオ・ペペロンチーノ

「彼女に作ってほしい手料理ランキング」という投稿欄にまた味わい深い投稿がありました。内容的には先日の記事「イタリア産調理用トマトの缶詰」で引用させてもらった投稿の親戚です。

投稿者が前回と同じかたなのかどうかはわかりませんし、その内容が、前回と同様、実際にあったことなのか、それとも投稿者の創作なのかもわかりませんが、実際にありそうな話だし、味のある話なので再び「原文のママ」引用させていただきます()。

『結婚して初めて、嫁がペペロンチーノを作った。
おそらく、俺の言い方も悪かったのだろう。
嫁はよかれと思って作ったはずだ。
すっかり反省した俺は嫁の実家へと足を運んで非礼を詫び、なんとかなだめて家へ連れ戻した。
嫁も挽回しようと思ったのだろう。
翌日の夕飯はペペロンチーニだった。
「自信があるの。大丈夫でしょ?」
と聞かれたので、
「ああ、とても美味かったよ」
と前置きしてから、以下の改善点をメモ帳に列挙して一項目づつ読み上げた。
・なぜニンニクを焦がした
・なぜタマネギとピーマンの千切りを入れた
・輪切りのウインナーが入ってるのは何かの冗談か
・唐辛子の種を入れた判断の根拠は何だ
・醤油かけんな
・1.8mmのパスタを使うのはこっちじゃない
・海苔も紫蘇も頼んでない
・バターで全てが台無しだ
・お前の育った村ではこれをペペロンチーニと呼ぶ風習があったのか
義母から、
「涙で顔をぐちゃぐちゃにした娘が突然戻ってきた。心当たりは無いか」
という電話が入った。
俺が悪いのか。』

ペペロンチーノはニンニクとオリーブオイルと唐辛子だけでソースを作り、パスタとしてはスパゲッティよりも細目の、スパゲッティーニ(約1.6 mm)やフェデリーニ(約1.4 mm)を使うもので、長く言うと(パスタ・)アーリオ・オリオ・ペペロンチーノです。アーリオはニンニク、オリオはオイル(オリーブオイル)、ペペロンチーノは唐辛子なので、名前の通りニンニクとオリーブオイルと唐辛子のパスタです。

お昼ごはんにイタリアの簡易な家庭料理であるところのペペロンチーノを食べるのは、和食だと、炊き立ての熱々ご飯と出汁の効いた味噌汁とポリポリと香り立つタクアンを食べるようなものです。シンプルだけれど難しい。味に差が出ます。

奥さんも、そのパスタをペペロンチーノなどと呼ばずに、異文化風味のにぎやかパスタとでも言えばよかったのに。ニンニクを焦がしたのと唐辛子の種を入れたのは反省するとしても。ご主人も、どんな表情だったかはわかりませんが、「ああ、とても美味かったよ」と言ってくれたわけですから。

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2018年12月11日 (火)

鳴門の「なると金時」と江別の「金時芋」

最近は北海道でもサツマイモをわずかに生産するようになってきましたが、鳴門金時と同じ種類の金時芋も栽培しているようです。札幌のある小売店の野菜売り場で、江別産の「紅あずま」のとなりに江別産の「金時芋」が並んでいました。

金時芋でも「鳴門金時」とは表記できません。「鳴門金時」は鳴門(徳島)産の金時芋につけられたブランドだからです(調べてみたら正確な登録商標は「なると金時」で、登録日は平成19年(2007年)4月20日、対象は「徳島県鳴門市・徳島市・板野郡産の金時さつまいも」だそうです)。

「シャンパン」とほぼ同じアルコール飲料を日本やカリフォルニアで製造しても「シャンパン」とは表記できません。「スパークリングワイン」なら大丈夫です。「スパゲティ」も同様で、「硬質小麦(デュラム)をひいた精製粉のセモリナ粉」以外の国産強力粉で作ったスパゲティ形状の小麦加工食品をスパゲティと表記していないのと同じです。

さて、その金時芋ですが、両方が手元にあったので「北海道・江別産の『金時芋』(ラベルには「なると金時と同品種」と書いてあります)と「徳島県産の『なると金時』」を左右に並べてみます。左が「江別」、右が札幌のデパ地下で購入した「鳴門」です。少し雰囲気が違います。

焼き芋にするとホクホクと美味ですが、蒸してマッシュして野菜サラダの一部というのもなかなかです。

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2018年9月10日 (月)

棚には食べものが、見事に何もなかった

先週の土曜日(9月8日)の午後に、近所の食料品店を配偶者といっしょに訪れてみました。流通がすっかり止まっていて商品入荷はないはずなので、おそらくお店には何もないだろうけれど、万が一、一般に人気のない野菜でも残っていたら買うことにするか、という気分での訪問です。

生鮮食料品は野菜も肉も卵も魚も、パンも、そして、納豆や竹輪や蒲鉾(かまぼこ)やハムやソーセージのような加工食品も、すべて売り切れていました。停電も解消されたので、「チン」(電子レンジ)の対象となりうる加工食品類もきれいに消えていました。棚に何もないので、お店の人たちは棚の掃除がとてもやりやすそうです。

例外的に残っていたのが、リンゴなどの果物と一部のキノコ類、調理が面倒くさいということになっている少量の土付きゴボウ、それから、ぼくたちにとっては僥倖でしたが、佐賀産のレンコン。どうしてこんな新鮮できれいなレンコンが売れ残っているのかその理由は不明ですが、ありがたく購入させていただきました。

こういう棚に何にもない状態なので気がついたのですが、普段は蒲鉾や豆腐などが並んでいるあたりに、なんと、買い手のつかない「米麹」が10袋くらい置かれていました。雰囲気からすると、この北海道産米が原料の米麹は常に販売されているらしい。我が家に米麹のストックはあるのですが(たとえば「ベッタラ漬け」用の甘酒づくりによく使う(「ベッタラ漬け」に関しては、以下の【註】参照)、この米麹がいつものと比べてどういう味わいのものか確かめてみたいので、1袋(200g)購入しました。これも僥倖です。

お湯でどうにかなるカップ麺やインスタント焼きそばなんかは、お店に十分なストックがあったのか(あるいは消費者側にストックがあったのか)、商品はそれほどの隙間もなく並んでいます。

菓子パンやチョコレートやお菓子類もそれなりに商品棚に在庫があります。お店の商品在庫の種類別状況から大胆な判断をすると、普段は、主食に菓子パンや菓子類しか食べない若い女性も、地震で食料難の場合は、食に対する姿勢が急に変化するのか、普通のパンや簡単にチンのできるご飯(白米)パックを購入したように思われます。

商品棚がもとのようににぎわい始めるのは、札幌中央卸売市場が活動し始める今日(月曜日)、の午後以降だと思われます。商品の種類によっては、もっと遅れるかもしれません。

【「ベッタラ漬け」と、その作り方についての蛇足的な註】 麹と白米で「甘酒」を作ります。大根を縦に二つに切り、頃合い大きさの切り身を作り、塩漬けにします。塩漬けにした大根の切り身を、塩と唐辛子と柚子をわずかに加えた甘酒に、五日から一週間くらい漬けこんでおくと、「ベッタラ漬け」ができ上がります。軽い塩味と軽い甘みがコラボレーションした、タクアンなどとは方向の異なる軽快な感じの漬物です。

札幌でも清田区のように液状化現象でいまだに断水中の地域もあります。厚真町や札幌などで今も避難も続けているかたがたに、お見舞い申し上げます。

また、台風21号の暴風雨の爪痕が一部に残っている関西地方も「関西の停電3万戸、長期化も…現地調査できず」「関西電力によると、台風21号の影響による管内の停電戸数は8日午後1時現在、約4万3900戸となった。このうち約3万1000戸は、倒木や土砂崩れなどの影響で現地調査ができず、復旧の見通しは立っていない」(2018年09月08日 YOMIURI ONLINE)という状況のようです。合わせてお見舞い申し上げます。

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2018年7月25日 (水)

気になっていた蕎麦屋に入ってみた

近くのオフィスビル働く中年男性や近所のおやじさん連中が常連客のようです。最近は若い女性もひとりで、牛丼屋や焼鳥屋やなどいろんな食べもの屋に出入りしているようですが、この蕎麦屋にそういう女性が入っていくのをぼくは見かけたことがない。

オフィス街と住宅街がなんとなく接するあたりで、オフィス街の端に近いところにある小さな古びた雑居ビルの一階にその蕎麦屋はあります。熟年のご主人がひとりで切り盛りしている感じです。その店の存在は、以前から気になっていましたが、常連客で占有された店というのは入りづらいものです。

「手打ち蕎麦」と書かれた暖簾がかかっており、表からガラスで囲われた蕎麦打ち場が見えます。打っているのを見たことはないので、その日の朝に準備するのでしょう。いちばんの稼ぎ時は、客層を考えたら当然ですが、週日のお昼ご飯時と推察。

で、混みあっていないに違いない時間帯を選んで入ってみました。空いている席に着きます。食べるのは、ざる蕎麦の大盛りと決めてあるので、メニューを見るのは値段を確認するためです。穏当な値段です。

手打ち、手切りの平打ち麺です。腰が強くよく締まっています。舌触りは滑らか。色は白めの灰色ベージュ。更科ではないという意味で田舎風。蕎麦の割合は、8割くらいだと思います。硬めの蕎麦を短めに切ってあるので、食べやすい。ざるやもりは、食べたい分量をその分量だけはさめる。

蕎麦つゆは、甘くなくて(あるいは、とても控えめな甘さで)、そして出汁が効いている。そこが嬉しい。我が家では味噌汁でも何でも出汁は手間暇をかけて引くので、いい出汁の旨さはよくわかります。引き方を聞きたいくらいです。だから蕎麦湯もたっぷりと堪能できました。

思い切って入って得をした気分です。どこにでもありそうで、しかし実はそうではないタイプの蕎麦を出す蕎麦屋です。ご主人の生来の商品マーケティング力かもしれません。週に一度くらい、昼食時の客足が途絶えた頃に、大盛りのざるやもりと蕎麦湯を、この店でゆっくりと楽しみたい。

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2018年5月14日 (月)

スナック感覚のカップ蕎麦

以前からあった商品みたいです。知りませんでした。地場のコンビニチェーンが春になると販売しているスナック感覚の冷たいカップ蕎麦です。蕎麦以外にカップうどんや醤油味のカップラーメンもあるようですが、ぼくの関心は蕎麦だけに向かいます。
 
関心が向かうからといってそれがすぐにその場の購入に結びつくのではないのですが、記憶には残ります。
 
今年度版は「カップデザインが一新!化学調味料不使用のこだわりにつゆ!うどんは麵がのどごし良く生まれ変わりました!」となっていて、定価は税込みで158円。化学調味料不使用だからといって、商品棚に並べる食べもの(加工食品)なので、食品添加物がそれなりに加えられていることはしかたないにしても、小腹が空いたときのスナックとしては面白い。ハンバーガーチェーンのジャンクフードを食べるよりもいい。
 
これ1個ではまったく腹の足しにならないという向きは2個食べたらいいかもしれません。
 
また、北海道らしく山わさび昆布の入った大きなおにぎり(山わさびとはホースラディッシュのこと)が180円なのでこれとの組み合わせもありです。このおにぎりには「北海道産山わさび使用、無添加:保存剤、合成着色料、人工着色料を使用していません」と書いてあります。購入するかどうかの意思決定は、おにぎりパックの裏の原材料欄の記載を確認してからでも遅くありませんが、近いうちに、いちど「試食」です。

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2018年2月13日 (火)

ロシアの郵便局で、日本のカップ麺やトイレットペーパーが買える

ロシアの郵便局は、いわゆる郵便局の機能以外に、シンプルなコンビニ機能も兼ね備えているらしい。
 
ロシア郵便はロシア国営の郵便会社ですが、国内に4万2000の営業拠点を持っており、多くの郵便局で食品や日用品を扱う小売機能も持っているそうです。つまり、郵便局のコンビニエンス・ストア化です。
 
日本の郵便局も、民営化以降は、物品販売や保険などの取次業もやっているので、ロシアの郵便局のコンビニ化現象はとくに不思議ではありません。世界の流通がそういう方向に向かっています。
 
ちなみに、日本国内のコンビニ店舗合計数は、2017年末で、5万5322です(「日本フランチャイズチェーン【統計データ】」。
 
【註1】ロシアの郵便局のコンビニ機能をざっと眺めるには「郵便局とスーパーマーケット」という現地在住の日本人女性が書いた2016年9月の旅行案内記事が参考になります。

【註2】現在、結婚して北海道にお住いの、日本語検定1級の資格を持つ若いロシア人女性が日本語で書いているブログ記事のひとつに「ロシア人が選んだ!ロシアに来てほしい日本のもの」というのがありました。その「来てほしい」もののなかに「コンビニ」と「郵便局」が含まれています。つまり、ロシアの「郵便局とコンビニ」に関する状況の補足になります。
 
札幌に拠点を置くある商社が、ロシア郵便と業務提携し、極東地域の2000店舗を手始めに、日本の食料品などを販売する事業に乗り出すそうです。最初の品揃えはロシアでも人気が高い日本の即席麺や飲料、それに洗剤やトイレットペーパーなど(日本経済新聞、北海道新聞)。
 
カップ麺のようなインスタントラーメンは、ロシアでもすでにある程度は需要があります(下の表参照)。
 
日本のトイレットペーパーの品質は、各種トイレへの適応柔軟性という意味でも世界の優れモノです。ロシア人が好きにならないはずがない。
 
ただ、洗剤となると、柔軟仕上げ剤などの強い香料によって体調が悪化する「香害」が最近の日本では問題になっているので、芳香剤入りの香害洗剤がそのうちモスクワで人気になると街の生活空気はどう変化するのでしょう。少し心配ですが、日本人旅行者が懐かしい匂いに出合ったと喜ぶかもしれません。
 
さてインスタントラーメンです。ロシアの人口は、2016年時点で、1億4430万人。日本が1億2700万人なので、日本よりやや多い。下の表の数字からわかるように、一人あたりの即席麺の年間消費量は、ロシアでは単純計算で11~12食、日本では同様に44~45食なので、これを敷衍すると、即席麺が好きな人はロシアだと毎週、日本だと毎日食べている勘定になるので、それを見た他の消費者がパンの替わりやおやつにもっと食べ始める可能性が高い。なにしろ郵便局というコンビニで手軽に買え(るようになり)ます。
 
ロシアでカップ麺が欲しくなったら郵便局に行けばいい、といった記述がそのうち旅行ガイドに追加されるに違いない。
 
 
 
20122016
 
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2018年1月17日 (水)

ファスト・フードとしての蕎麦・寿司・天ぷら・鰻

ある程度以上の規模のデパートなら、食堂フロアの品揃えの上で必需品(必需店)は「蕎麦・寿司・天ぷら・鰻」の4つだそうです。それらを中心に、それら以外をそろえる。この4つがないと、デパート側も客側も落ち着かないのでしょう。最近はこの4つのセットにこだわらないデパートもありますが、たいていは見かけます。
 
考えてみたら、この4つは、そもそもの出発が、江戸時代の屋台のファスト・フードです。小腹が空いたときに食べるということもあったかもしれないし、独身で料理をしない職人や商人が消費都市であるところの江戸でいっぱい働いていて、ファスト・フードを消費した。今は、この4つは、お手軽なものから、とても高価・高級で敷居の高そうなものまで幅広くそろっていますが、ファスト・フードとはそもそも外で食べるものです。
 
だから、高級店がそれなりに多いといっても、この4つはファスト・フードの伝統を持ち続けることを運命づけられているのか、時代変化を考慮して、手に入りにくい「鰻」の替わりに手に入りやすい「牛肉ハンバーガー」を配置すれば、「蕎麦・寿司・天ぷら・ハンバーガー」は、街中や駅ビルのお店で、気軽に手軽に食べられます。店によっては、屋台でなくても立ち食いもできる。
 
最近は、ファスト・フードとはジャンク・フードの謂(いい)であることが多いのですが、日本における出発点は、ファストではあってもジャンクという内容ではまったくなかったようです。だから「蕎麦・寿司・天ぷら・鰻」は、今でも食堂フロアで健在です。

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2016年7月 8日 (金)

カップ麺と化学調味料

次のような新聞記事が目に入りました。
 
「味の素、南米でカップ麺、ベトナムでは調味料を増産」「味の素は南米でカップ麺市場に参入する。ペルーに新工場を建設し、同国を中心にチリなど4か国に販売する。ベトナムではうま味調味料『味の素』を増産する。南米や東南アジアでは中間所得層の増加に伴い、加工食品や外食需要が拡大している。市場に合わせた製品投入で・・・(後略)。」(日本経済新聞 2016年7月5日)
 
食のグローバル化とは、世界中の人たちが同じようなもの・似たようなものを食べるようになることで、つまりは、食べものの均質化ということです。農産物や食のグローバル化に関して、大まかにまとめてみると、以下のようになります。
 
□食や農業は、そもそもが、人々がそこで生き延びるためのローカルな営みである。嗜好品や贅沢品以外の農産物の貿易率は低い。
 
□農業が経済化し、農産物輸出国と農産物輸出国と密接な関係を持ったアグリビジネスのマーケティングや政治活動によって、世界中の人が同じような食材を同じような調理法で食べるようになった。これが食のグローバル化である。たとえば、
  ・パンと肉類と油脂類で食の欧米化・グローバル化(60年代以降の日本や最近の中国)
  ・世界中にハンバーガーショップ
  ・世界中で即席麺やカップ麺の消費が進行(51か国で年間1056億食、世界の人口は70億人なので大人も子供もひとりあたり年間15食)
  ・遺伝子組み換え農産物
 
□グローバル化の進んだ食材や料理は手に入れ易く、同時に奪われやすい。
 
□一方、地域独自性を維持した食材や料理(発酵食品など)は食糧安保が楽。たとえば、
  ・ジャポニカ米(世界のコメ消費量の15%)、刺身、ゴボウ、納豆、塩辛
 
農産物の生産はそもそも国内・地域内のローカルな営みで、胡椒やコーヒーといった嗜好品、あるいは高級果物を除き、農産物は国を超えた貿易の対象ではありませんでした。地域単位の地産地消が食の基本です。それぞれの地域や国が必要量を生産し、消費し、不測の事態に備えて少し蓄えておく。だから、農産物の貿易率(輸出量を生産量で割ったもの)は、自動車や石油といった製品に比べると当然に低い。これには、食べものは腐りやすいといういう事情もあります。それから、貿易率という意味では逆に、かつての植民地プランテーションで栽培作物が長年にわたって人為的に単作化されてしまい、それ以外の農産物については今でも輸入に頼らざるを得ないという別の事情を引きずっている国もあります。
 
しかし、農産物余剰国とその農産物余剰国を本籍地とするアグリビジネス(巨大な農業ビジネス)が、他国に対して農産物の販売活動、マーケティング活動を開始すれば、農産物は、衣類や自動車と同じような経済の一要素になり、食は徐々にグローバル化します。食がグローバル化するとは、世界中の人が同じような食材を同じような調理法で食べるようになることです。パソコンやパソコンOS、スマートフォンやスマートフォンOSのグローバル化と基本的には同じことです。
 
一部で最近のはやり言葉になっているらしい「攻める農業」というのも、その中身は、「たとえば、高級メロンや高級マンゴーのような贅沢な付加価値農産物」や「日本では数少ない農産物輸出品目のひとつであるカップ麺のような加工食品」をどういう風に輸出してどういう風に儲けるかということで、人々が地元で継続的に生き延びるための基礎農産物の安定的な生産という視点からは遠いようです。
 
【註】輸出入農産物といった場合、小麦粉やコメやジャガイモやパプリカだけでなく、カップ麺やビール、ウイスキーや煙草も農産物です。
 
最近では「うま味調味料」と呼ばれるようになった「化学調味料」も、かつては日本の食卓の人気商品で「白いふりかけ」風の瓶をよく見かけたものです。しかし、実態は「化学調味料」なので、直接の摂取という意味では日本では人気がなくなりました。もっとも、同じ現象が数年前から東南アジアで観察できます。食のグローバル化の一側面です。
 
この「うまみ調味料」は外食産業では日常活用品目だし、また、小型の瓶の消えた家庭の食卓から化学調味料がすっかり消えてしまったかというと決してそうではなく、後を引くような刺激的でおいしい味付けがされた加工食品や何とかの素という別の形でしっかりと浸透しています。
 
4年前の関連記事は「白いふりかけ、あるいは、うまみ調味料」。

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