畜産物など

2018年11月15日 (木)

アップルパイ、原材料はすべて北海道産

地元産のリンゴが楽に手に入る季節になりました。そのまま生で食べても、ニンジンといっしょにジュースにして楽しんでもいいのですが、昼のおやつや夜のデザートにはアップルパイです。

原材料はシンプルです。北海道産(余市産)の酸っぱめで硬いリンゴ、北海道産の小麦粉、北海道産のバター。砂糖などは不要、というか邪魔。甘味はリンゴの甘味だけ。大人の味のアップルパイを作ります。製造責任者は配偶者。

リンゴは皮をむき、一口サイズに切り分けたあと、レモン水にくぐらせ、蒸し煮にし、火が通ったらフタをあけて、できるだけ水分をとばします。そういうプロセスを通った紅玉系のリンゴをアップルパイにすると、そのほのかな甘みとすっぱさが大人向きの穏やかな味を作り出します。砂糖は禁止。アップルパイに砂糖を使うと、子供舌向けのつまらない味になってしまう。

今回のひとり分サイズのパイだと、使うリンゴはそれぞれちょうど1個分で、パイ生地は最小限にしてあります。我が家では、1個がひとり分です。パクっとは食べられません。ゆっくりと味わいます。夕方に6個焼いて、そのうち配偶者と1個ずつを晩ごはんの後に食べて、残りは冷蔵庫。写真は冷蔵庫の中の2個を翌朝に取り出して撮影したもの。

Apple_pie_2018

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2018年9月10日 (月)

棚には食べものが、見事に何もなかった

先週の土曜日(9月8日)の午後に、近所の食料品店を配偶者といっしょに訪れてみました。流通がすっかり止まっていて商品入荷はないはずなので、おそらくお店には何もないだろうけれど、万が一、一般に人気のない野菜でも残っていたら買うことにするか、という気分での訪問です。

生鮮食料品は野菜も肉も卵も魚も、パンも、そして、納豆や竹輪や蒲鉾(かまぼこ)やハムやソーセージのような加工食品も、すべて売り切れていました。停電も解消されたので、「チン」(電子レンジ)の対象となりうる加工食品類もきれいに消えていました。棚に何もないので、お店の人たちは棚の掃除がとてもやりやすそうです。

例外的に残っていたのが、リンゴなどの果物と一部のキノコ類、調理が面倒くさいということになっている少量の土付きゴボウ、それから、ぼくたちにとっては僥倖でしたが、佐賀産のレンコン。どうしてこんな新鮮できれいなレンコンが売れ残っているのかその理由は不明ですが、ありがたく購入させていただきました。

こういう棚に何にもない状態なので気がついたのですが、普段は蒲鉾や豆腐などが並んでいるあたりに、なんと、買い手のつかない「米麹」が10袋くらい置かれていました。雰囲気からすると、この北海道産米が原料の米麹は常に販売されているらしい。我が家に米麹のストックはあるのですが(たとえば「ベッタラ漬け」用の甘酒づくりによく使う(「ベッタラ漬け」に関しては、以下の【註】参照)、この米麹がいつものと比べてどういう味わいのものか確かめてみたいので、1袋(200g)購入しました。これも僥倖です。

お湯でどうにかなるカップ麺やインスタント焼きそばなんかは、お店に十分なストックがあったのか(あるいは消費者側にストックがあったのか)、商品はそれほどの隙間もなく並んでいます。

菓子パンやチョコレートやお菓子類もそれなりに商品棚に在庫があります。お店の商品在庫の種類別状況から大胆な判断をすると、普段は、主食に菓子パンや菓子類しか食べない若い女性も、地震で食料難の場合は、食に対する姿勢が急に変化するのか、普通のパンや簡単にチンのできるご飯(白米)パックを購入したように思われます。

商品棚がもとのようににぎわい始めるのは、札幌中央卸売市場が活動し始める今日(月曜日)、の午後以降だと思われます。商品の種類によっては、もっと遅れるかもしれません。

【「ベッタラ漬け」と、その作り方についての蛇足的な註】 麹と白米で「甘酒」を作ります。大根を縦に二つに切り、頃合い大きさの切り身を作り、塩漬けにします。塩漬けにした大根の切り身を、塩と唐辛子と柚子をわずかに加えた甘酒に、五日から一週間くらい漬けこんでおくと、「ベッタラ漬け」ができ上がります。軽い塩味と軽い甘みがコラボレーションした、タクアンなどとは方向の異なる軽快な感じの漬物です。

札幌でも清田区のように液状化現象でいまだに断水中の地域もあります。厚真町や札幌などで今も避難も続けているかたがたに、お見舞い申し上げます。

また、台風21号の暴風雨の爪痕が一部に残っている関西地方も「関西の停電3万戸、長期化も…現地調査できず」「関西電力によると、台風21号の影響による管内の停電戸数は8日午後1時現在、約4万3900戸となった。このうち約3万1000戸は、倒木や土砂崩れなどの影響で現地調査ができず、復旧の見通しは立っていない」(2018年09月08日 YOMIURI ONLINE)という状況のようです。合わせてお見舞い申し上げます。

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2018年8月 8日 (水)

羊肉

仔牛肉を英語でヴィール(Veal)と言いますが、羊肉の場合は、一般的には、生後1年未満の子羊の肉をラム(Lamb)、生後1年以上の羊肉はマトン(Mutton)と呼んでいます。なお、生後1年から2年の若い羊の肉をホゲット(Hogget)、生後2年以上から7年くらいまでの大人の羊の肉をマトンとする分類もあるようです。

食材用に育てた牛や羊をわざわざ子供のときに食べてしまうので残酷と言えば残酷な話です。しかし、ヒトはそういう酷さはあまり気にしない。出世魚をそれぞれの成長段階で味わう伝統と実質的な差はありません。

ラムやマトンなどの羊肉を用いた日本の焼肉料理(鉄板焼き料理)を日本ではジンギスカンと呼んでいます。北海道で生まれ育った人たちにとって、男女を問わず、ジンギスカンというのはある種のソウルフードのようです。

ジンギスカンと銘打った料理屋でジンギスカン料理を楽しんでいる人たちを見ることには何の不思議もないのですが、以前、ぼくが初めて出合った時に驚愕したのは、満開の桜の下のジンギスカン、大学キャンパス内の新入部員歓迎会らしき集まりのジンギスカン、そして海水浴場のジンギスカンです。大げさに言えばある種のカルチャーショックでした。

しかし、その驚愕も、桜の花びらと羊肉の鉄板焼き料理の匂いの同居に違和感を覚える感性が、その組み合わせをとても自然だと思う感覚に戸惑っただけのことだし、夏の海水浴場は泳ぐ場所ではなく羊の焼肉を食べる場所だと理解してしまえばなんということもない。

北海道では、屋外が温暖な時期は、というか、寒くない間は、家族や仲間のイベントには羊肉のジンギスカン料理が定番のようです。最近は北海道の広大な緬羊(めんよう)牧場から出荷される羊肉の量も増えてきましたが、日本で消費される羊肉のほとんど(99%以上)は、ニュージーランドやオーストラリアからの輸入です。

以前、飛行機で1時間以上かかる地域からの旅行者から「昨晩食べたジンギスカンはとてもおいしかった。さすが、北海道産の羊肉は違いますね。」と言われて返事に窮したことがあります。でも、ジンギスカンは北海道らしい料理には違いない。

これは、ぼくの個人的な実験と経験にもとづく感想に過ぎないので蛇足的な言い方にしますが、反芻類の動物、つまりもともと雑草を常食としてきた種類の動物(たとえば、牛や羊)の肉のほうが、そうでない種類の哺乳類や家禽類(たとえば、豚や鶏)の肉よりも、それなりに食べても太らないという意味で、ぼくには合っているようです。ぼくとの相性という点でタンパク質や脂肪酸の性質が違うのでしょう。

そういうことも含めて、北海道で北海道産の肉を楽しみたいなら、羊肉と、(反芻胃形態ではありませんが、ジビエの)エゾ鹿肉だと思います。

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2018年3月30日 (金)

Tシャツとアイスクリーム

夏も冬も家庭着にはTシャツが活躍します。冬は暖房のよく利いた居間でアイスクリームを喩しむといった家庭ではTシャツが便利かもしれません。実際、北海道では、地元産の牛乳を使ったアイスクリームやソフトクリームがとてもおいしいということもありますが、冬季のアイスクリームの売り上げが他の地域よりも断然多い。
 
知り合いの女性も冬のアイスクリームが大好きです。冬の地下街のお店や路面店では、コートを脱いでソフトクリームを楽しんでいる女性も目立ちます。ソフトクリームに関しては、北海道では、季節はまったく関係ないかもしれません。たいていのソフトクリームは美味しいですが、中からミルクが香り立ち唸るようなうまさのものもあります。
 
暑い時期の休日の半袖にはポロシャツやゆったり目のTシャツが便利です。半袖の時期でない季節の休日はどうするかというとノーアイロンではない綿の長袖ワイシャツに、ふた回り大きなサイズの厚手のTシャツを重ね着してます。理由は、ワイシャツだと洗い物のときに袖をまくり上げられて便利だし、寒いときは厚手のゆったりTシャツを重ねると邪魔にならないし暖かい。
 
長袖ポロシャツは、不器用なのか、袖を水で濡らしてしまう。ノーアイロンシャツは生地が形態安定用の薬品のせいでゴワゴワしていて気持ちがよくない。一度間違えて買ってしまい後悔し、それ以来、縁がない。やはりアイロンの必要な、柔らかい綿100%です。
 
ふた回りほど大きなサイズの厚手の綿Tシャツ(ぼくの場合はXX-LARGE)はそのあたりでは売っていないので、あるTシャツの専門店から地味な色の無地を何枚かまとめて通販購入しています。厚手無地の大判というのは、どこにでもありそうで、実際は気に入ったものがなかなか見つからないものです。
 
Tシャツとアイスクリームの間に一般的には何の相関関係もありませんが、季節を横断して需要があるという意味ではつながりがありそうです。

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2018年3月 9日 (金)

山葵(わさび)と山わさび

上の緑が「山葵(わさび)」、下のベージュが「山わさび」です。山わさびを漢字で書くと「山山葵」となって紛らわしいので「山わさび」と表記する習慣らしい。
 
写真の山葵も山わさびも、以前、冷蔵庫に保管中のものを取り出して撮ったものなので、色がくすんでいます。m(_ _"m)
 
Photo
 
「山わさび」とは「ホースラディッシュ」「西洋わさび」のことで、ローストビーフを食べるときに薬味としてよく使われます。東ヨーロッパの生まれですが、明治時代に北海道に導入され、現在では北海道の特産品になっています。
 
山葵(わさび、「本わさび」ともいう)は、たとえば伊豆・天城のように湧き水を利用した石の段々畑風のわさび田で育てますが、山わさびは畑で栽培します。畑の多い北海道向きです。山葵は保存がききませんが、山わさびは農家の倉庫で保存ができます。必要な時に必要な分だけ、洗浄しカットして出荷する。
 
山葵を、たとえば、ファストフードばかり食べていて刺身の味がよくわからないであろうタイプの外国人のために英語に訳すときには、面倒なので horseradish としてしまいますが、両者は似て非なるものです。実際には似てもいない。
 
しかし、似ているところはあって、卸すには、どちらも鮫皮が最適だということです。
 
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いろいろな料理と合いますが、やっぱり、魚介類には「山葵」、肉類には「山わさび」ということでしょうか。野菜だけのサラダには、どっちでしょう?

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2018年1月23日 (火)

なんでも1ポンドなので、パウンドケーキ

パウンドケーキ(pound cake)はバターケーキの一種ですが、ものの本によれば、小麦粉とバターと砂糖と卵をそれぞれ1ポンドずつ使って作るので「パウンド」ケーキと名づけられたそうです。
 
ステンレスボウルで投入材料を混ぜていく、家庭でも簡単に作れるシンプルなケーキです。材料は必ず室温に戻すとか、バターは白くふんわりとするまで丁寧に混ぜるとか(電動のハンドミキサーを使うと便利)、いくつかの基本を守ると誰にでもできる(配偶者談)。
 
混ぜ物や混ぜ方を変えると、味も食感も変わります。そういう意味ではシンプルだけれど奥深い。いろいろなのを食べたけれど、それぞれに味わいが違いました。
 
写真は、橙(だいだい)ピールを混ぜ込んだパウンドケーキです。しっとりとしていて、大人の男性にも美味しい。色が黒いのは黒砂糖の影響。
 
調べたわけではないのですが、パウンドケーキという名称が英国でできた頃から、バターのパッケージ単位は1ポンドだったと考えると腑に落ちます。それを基準重量にしてその他の材料も1ポンド(約450g)に合わせた。それぞれが約450gずつなので分かり易いし、写真のような頃合いの大きさのケーキができあがります。日本の業務用バターのパッケージ単位が1ポンドなのは、その頃の習慣を引き継いでいるのでしょうか。
 
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2017年10月10日 (火)

エゾ鹿肉

エゾ鹿肉を販売している肉屋は札幌でもとても少ない。その少ない肉屋のひとつにシチュー用のエゾ鹿肉の塊(かたまり)肉を求めました。肩ロースの塊を、750gくらいから1kgくらいの範囲の冷凍パッケージで販売していたので。そのひとつを購入。
 
エゾ鹿肉の塊は濃い赤で、脂身はほとんどありません。鹿肉の脂質(脂肪)量は牛肉の10分の1です。森林を走りまわっているので、メタボな霜降りにはなりようがない。
 
しかし、森林を走りまわっていると言っても、近隣の農産物に悪さはするし、木の芽や樹の皮を食い散らかす。北海道の東部や東北部を旅行すると、樹皮を食べられてしまって哀れな状態になった多くの樹木を目にすることができます。エゾ鹿肉の商品流通には、そういうことが背景にある。
 
エゾ鹿肉の流通経路は、ぼくの知る範囲では二つで、ひとつは、ハンターに狩猟された鹿肉を専門に取り扱う肉屋からのルート、もうひとつは、生きたまま捕獲したエゾ鹿を自然に近い状態で養鹿(ようろく)したあと出荷するというルート。その二つがあるので、ぼくが買いに行っても比較的簡単にその場で手に入るのでしょう。
 
カウンターには、最近のお店の流行に倣って、肉料理と一緒に使う調味料などが並べてありますが、端のほうに、塩の箱入りパッケージが置いてあるのが眼に入りました。
 
手に取るとイギリス製の自然海塩のようです。箱には商品名とSea Salt Flakesと書いてあります。どういう理由で、そこで、伝統的なイギリス東部産の海塩が販売されているのか定かではありません。肉専門店としての判断があるのでしょう。そういえば、海をはさんだというか、大西洋に面したフランス西部にも家内製造的な自然海塩がありますが、それは置いていない。岩塩も置いてはいない。塩の輸入が自由化されたのは、たしか、2002年だったなと、エゾ鹿肉には直接関係のないことを思い出したりしていました。
 
カウンターの内側で対応してくれるのは、「メタボな」(ここでは太っておなかの出た、という意味)中年男性のブッチャーです。肉を食べるということとメタボであるということとは関係ないのですが、痩せたブッチャーが仕切っているお店の肉は、やはり、おいしくなさそうに見えます。

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2017年8月 1日 (火)

ぼくが「最強の食事」を面白いと考える理由

直接にお会いしたことはありませんが、米国には「健康のためなら死ぬのも厭わない」というような健康オタクがいるらしい。そういう人たちのうちでシリコンバレー(IT分野)でひと稼ぎしたひとりが書いた本が「最強の食事」だと思っていました。
 
原題は「The Bulletproof Diet」。原著に忠実に意訳すると「スーパーマン・ダイエット」。「空を見ろ!」「鳥だ!」「飛行機だ!」「いや、スーパーマンだ!」のスーパーマンです。
 
スーパーマンは機関銃で打たれても弾を跳ね返すので「Bulletproof」(防弾)です。ただし、スーパーマンもクリプトナイト(という隕石)には弱いらしい。近づくと体調を崩し下手をすると死んでしまう。つまり、体調の崩れの原因となるハイリスク食品(クリプトナイト)を巧みに回避しながら、頭も体もスーパーマンに近づくためのノウハウが詰まったダイエット本という意味で「The Bulletproof Diet」というタイトルにしたのだと思います。米国人ならわかりやすい。しかし、日本では受けない。というわけで、日本語タイトルは「最強の食事」「完全無欠レシピ集」としたのでしょう。
 
相当なオタク本に違いないと思って読み始めたのですが、どうもそういう雰囲気ではありません。そういう雰囲気でないどころか、妙に理屈っぽい。その理屈っぽさも理屈のための理屈、牽強付会の理屈ではなく、「思想」の雰囲気が漂っています。
 
似た感じの雰囲気の本が、たしか、まだ本棚にあったはずだと、それらしき場所を捜したら、ありました。「TRONを創る」(坂村 健著、共立出版、1987年)がそれです。「TRONを創る」のカバー見開きに下のような一節があります。少し用語を置き換えたら「最強の食事」の紹介文としてそのまま使えそうです。
 
「本書は主にエンジニアのためのTRONの入門書である。TRONプロジェクトがどのような技術的な問題点の把握を出発点としているのか、またコンピュータ周辺の技術をどのように見ているのか、といったことについて突っ込んだ記述をしている。」
 
何が似ているかというと、「TRONを創る」がTRONという「コンピュータ・アーキテクチャ」、「コンピュータの設計思想」について述べた書物であるように、「最強の食事」は食べものと健康(健康の中には頭の状態の持続的活性化も含まれる)に関する考え方、言葉を換えると、日々のQOL (Quality of Life) を高く維持するための「食事のアーキテクチャ」、「日々の食事の設計思想」について述べた本だからです。IT分野の出身者らしい雰囲気が出ています。
 
細部で間違いがあり、味噌・醤油・納豆のような大豆の発酵食品が好きで自家製味噌を作っているぼくには違和感のある記述もある。著者が弱いらしい醤油に関しては、ある通販サイトのカスタマーレビュー欄で米国在住の日本人女性読者が「思うに著者が寿司を食べていた時は、(1) 150kgの巨漢だったから食べる量が多い。(2) アメリカ人は寿司に醤油をほんとうにべたべたにつける。この二つの要素も多いと思います。」とお書きになっていらっしゃる。しかし、そういうことにかかわりなく、アーキテクチャは堅牢です。ただし、そのアーキテクチャを納得するかどうかは、また別の話です。
 
アーキテクチャ骨子は以下の通り。
 
●健康とは頭と体の両方のクオリティーを高いレベルで維持すること。
 
●そのためには、何をおいても「野菜」を食べること。ただし、「果物」は控えめに。「牧草を食べて育った牛肉やラム肉の動物性脂肪」は完全無欠の脂肪源なのでどんどん食べよう。鶏肉は放し飼いのものを。「バター」(短鎖脂肪酸)と「ココナッツオイル」(中鎖脂肪酸)はともにお勧め。ただし、一般の乳製品や植物油にはご用心。「コーヒー」は最大のポリフェノール供給源なのでお勧め。ご飯は玄米よりも「白米」。
 
●「体調不良」や多くの「慢性疾患」の原因は「炎症」。「炎症」は心疾患、がん、糖尿病だけでなく、多くの自己免疫病や一部の精神衛生上の問題とも連関。「慢性炎症」の原因は「反栄養素(栄養阻害物質)」。自然由来の反栄養素の主なものに、「レクチン」、「フィチン酸」、「シュウ酸」、「カビ毒」がある。反栄養素は、植物および植物製品の栽培や貯蔵中に形成される。反栄養素を含む食品はなるべく摂らない。
 
●「生体アミン」のひとつである「ヒスタミン」は季節性アレルギーを起こすことでおなじみ。「ヒスタミン」等を含む食品に注意。
 
といったことをコアにして、
 
(1) 食材や加工食品や調味料といった「入力系」を、
 
「野菜」
「脂肪・油」
「タンパク質」
「乳製品」
「ナッツ・豆類」
「でんぷん質」
「果物」
「調味料・スパイス」
「甘味料」
「飲み物」に分類し、それぞれのカテゴリーで、
 
「QOL維持のために食べることが非常に望ましいもの」
「望ましいもの」
「食べてもいいがとくには役に立たないもの」
「食べないほうがいいもの」
「QOLを阻害するリスクが高いので食べないほうがいいもの」へと、アナログ的に区分し、

(2) 調理方法という「共通サブルーティーン」を、最も望ましい方から順番に
 
「生食/未調理、軽い加熱調理」
「アルデンテに蒸す(歯ごたえを遺す程度に)、160℃以下で焼く」
「とろ火で煮る、茹でる、ポーチ(湯・出汁に落とす)」
「軽いグリル(焦がさないようにあぶる)」
「真空調理、スロークッカー調理」
「バーベキュー、電子レンジ」
「強火で炒める」と、アナログ的に並べたあと、
「焦がす(焼きすぎ)、たっぷりの油で揚げる」を最もリスクの高い調理法と位置づけ、
 
そうした食材と調理方法の組み合わせで日々の食事というユーザインターフェース重視の「処理系」を考える、そうすれば、頭と体の状態(QOL)を高いレベルで維持するという「出力系」が結果する。
 
それが、アーキテクチャの概要。
 
そういう風に読むと「最強の食事」はけっこう面白い。
 

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2017年7月14日 (金)

アボカドと脂肪酸成分表

たまには手元の「日本食品標準成分表」や「脂肪酸成分表」に目を通すのもいいものです。記憶がリフレッシュされます。
 
森のバターと呼ばれることもあるアボカドは、分類上はイチゴやミカンと同じ果実です。野菜ではありません。ある小売店の野菜・果物売り場では、リンゴの近くでレモンの隣に、メキシコ産のアボカドを並べてあるので、係の人がそういうことをしっかりと意識しているのでしょう。
 
アボカドは確かにバター風味ですが、その脂肪酸構成と風味を合わせると、以下のように表現できます。
 
アボカド = 牛のフィレ肉 + オリーブ油
 
脂肪(中性脂肪)の主要構成要素である脂肪酸は、酸化されないもの、酸化されにくいもの、酸化されやすいものに分けられます。酸化されやすいものは加熱料理向きではありません。そういう観点で脂肪酸を並べてみると
 
・飽和脂肪酸(通常環境では酸化されない。パルミチン酸やステアリン酸など。バターやラードに非常に多く含まれる。加熱料理向き。)
 
・一価不飽和脂肪酸(酸化されにくい。オレイン酸など。オリーブ油やアボカド油に大量に含まれる。加熱料理やドレッシングなど応用範囲が広い。)
 
・n-3系の多価飽和脂肪酸(酸化されやすい。亜麻仁油や紫蘇油に多く含まれるα-リノレン酸や、青魚やマグロのトロに多く含まれるEPA/DHAなど。)
 
・n-6系の多価飽和脂肪酸(酸化されやすい。リノール酸など。大豆油やキャノーラ油や調合サラダ油に多く含まれる。)
 
脂肪酸ほど、その評価の推移、その毀誉褒貶の移り変わりが激しいものも珍しいようです。栄養学というものにおける知見が多くの学者のおかげでどんどんと進歩しているとも云えますし、栄養学というのはまだ未成熟なところのある学問だとも云えますし、ヒトの生というのは、形而上的なことを別にしても、あるいは分析に分析を重なても総体的にはまだまだよくわからないところのあるものだとも云えます。
 
たとえば、数十年前は、n-6系の脂肪酸を多く含むところの「植物油」を摂取することが健康のもとのように考えられていました。しかし、そういう(当時の)知見とその知見を利用した企業のマーケティングプロモーション活動の結果、揚げ物(フライ)やファストフードやサラダドレッシングやマヨネーズなどの摂取過剰で不健康が蔓延し、しばらく前から、n-6系の摂取を抑え、その代わりにn-3系を増やして両者のバランスをとることが推奨されるようになってきました。
 
バターやラードも同じで、n-6系植物油がもてはやされ始めた頃は、悪の枢軸のような扱いを受けていましたが、現在では、(製品の原料にもよりますが)バターやラードに含まれる飽和脂肪酸はとてもヒトの健康に貢献しているという風に認識が変わってきました。
 
マーガリンも評価の逆転現象が発生した加工食品のひとつで、健康を促進するために植物油で作られたけっこうな食材だという以前の評価から、トランス脂肪酸を含んだ健康を阻害するどうしようもない食材だという現在の評価へと、その評価がひっくり返ってしまいました。
 
そういう文脈で、アボカドを眺めてみると、さきほど 「アボカド = 牛のフィレ肉 + オリーブ油」だと書きましたが、アボカドに含まれる脂肪酸の割合は、「成分表」によれば
 
・飽和脂肪酸(=バターなど):         20%
・一価飽和脂肪酸(=オリーブ油など):   67%
・n-3系多価飽和脂肪酸(=亜麻仁油など):  1%
・n-6系多価飽和脂肪酸(=大豆油など):  12%
 
なので、少しだけn-6系が多いのですが、現在の知見では、非常にバランスのよい食べもの(ほとんど野菜のような果物)です。ドレッシングは自家製でシンプルなものにして、サラダで、2~3種類の葉物野菜や軽く蒸したブロッコリーと一緒に生で食べるのがいちばんおいしいようです。

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2017年5月12日 (金)

食用油脂のことなど

必ずしもそうとは言えないとは思うのですが、いちおう、長生きの方がそうでないのよりもいいことだということにしておきます。
 
食用油脂、とくに植物油や植物油を使ったマヨネーズのような加工食品は食品会社のマーケティングがとても盛んな領域なので、ときどきはそのマーケティングメッセージの内容を眉に唾をつけて見ることも必要です。食用油脂に関して参考になった本のひとつが「油の正しい選び方・摂り方―最新 油脂と健康の科学」です。8年ほど前に、食用油脂の雑駁な知識の整理のために読んでみました。今もときどきの参照目的のために本棚においてあります。
 
その本の著者がある雑誌(「通販生活」)のインタビューで食用油脂について語っていました。アップデート情報もあったので興味深く読ませてもらいましたが、その骨子は、記事のタイトル通りで「『バターやラードなどの動物油より、サラダ油などの植物油のほうが体にいい』は間違いです。」
 
その方のお勧めの食用油脂は、
 
□飽和脂肪酸であるところの「動物性脂肪」を多く含む「バター」と「ラード」
□多価不飽和脂肪酸であるところの「αリノレン酸(オメガ3系)」を多く含む「エゴマ油(シソ油)」「アマニ油」「魚油(DHA・EPA)」。
 
多価不飽和脂肪酸であるところの「リノール酸(オメガ6系)」を多く含む「ごま油」「大豆油」「コーン油」「紅花油(サフラワー油)や、トランス脂肪酸がいっぱい入っている「マーガリン」を推奨していないのは当然としても、一価不飽和脂肪酸であるところの「オレイン酸(オメガ9系)」を多く含む「オリーブ油」や「菜種油」「キャノーラ油」「(高オレイン酸型の)ヒマワリ油」などもおすすめ対象ではありません。
 
コレステロールに関する箇所では「体に悪いどころか、コレステロ ールは人間に欠かせない成分です。・・・略・・・細血中のコレステロール値が高いと心臓病が増えるとする研究も一 部にはあります。しかし、研究対象の集団に偏りがあり、心臓病のリスクが強調され過ぎています。そもそも心臓病のリスクが多少減ったとしても、長生きできなければ意味がありません。」と語っています。
 
「血中のコレステロール値が高いと心臓病が増えるとする研究」(者)は、血圧の高さと循環器系疾患の関連を妙に強調する人たちと似ています。血圧を下げる薬を飲んで(飲み続けて)心臓病のリスクが多少減ったとしても、長生きできなければ意味がありません。しかしながら、最近ではまた、血圧は130未満というのが勢いを盛り返してきたみたいです。「『収縮期血圧が147以下』で『拡張期血圧が94以下』なら高血圧を気にしなくてもいい」という一般健常者にとって実際的なガイドラインはどこかに隠れてしまいました。
 
 

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