木と樹々

2020年2月20日 (木)

湿った雪の夜明けと午後

昨日あたりから、節気は「雨水」です。雪から雨へと変わり、降り積もった雪も溶けだす頃という意味ですが、札幌ではパウダースノーが湿気のある重い雪になりました。

樹々の枝に明け方にかけてゆっくりと降り積もったばかりの早朝だと雪の白が控えめに反射してやや眩しい感じです。

太陽が高くなり気温がプラスに転じるとそれが3℃くらいでも、道路の表面はきれいだった白からタイヤに踏まれ続けて黒に変化します。そういうときに歩道を革の冬靴で進んでいると、本当はゴム長で歩きたいと切に思います。しかし、そうもいかない。

いちばん困るのは横断歩道を横切る時です。路上の雪がタイヤに崩されてそのあたりは水浸しの一歩手前で、水の浅いあたりをより分けより分け歩を進めます。

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梅の香りは少し上から降ってきます。こういう日の雪も上から降ってきます。ただし、梅の香りのようにふんわりとではなく、歩道にはみ出した樹の枝の下をぼんやりと歩いているとその枝を滑り落ちたのが上から頭や肩にドサッと降ってくる。そういう意味です。これも「雨水」です。


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2019年12月18日 (水)

早めの正月準備、年賀状と正月飾り

正月準備といっても、ここでは「年賀状(年賀はがき)」と「正月飾り」についてです。

年賀状は、令和二年分から写真年賀はがきにしました。写真年賀はがきは初めてですが、今まで撮りためた中に近所の冬の札幌らしい(本人評価だとそれなりに出来のいい)写真があるので、それを使います。我が家では新機軸です。

写真年賀はがきは厚いので手元のPCプリンターで宛名印刷をするには難があります。で、今回はそういうサービスをインターネット上で提供している企業にまるごとお願いしました。住所録を提供するのでサービス提供会社は選別します。見本印刷のやりとりの後、出来上がりが宅配便で届きました。仕上がりを確認後、昨日、差し出し口に年賀郵便というシールが貼られたばかりの郵便ポストに投函しました。これで確実に元日の午前中に届きます。

玄関の正月飾りも、先週末に、ここ数年は毎年お世話になっている近所の花屋さんに注文しました。このお店のデザインが最初から気に入っています。この花屋さんの本業は結婚式のフラワーアレンジメントで、正月飾りもいくつかのタイプが用意されていますが、我が家の選択は「生花、松、南天、稲穂、しめ縄」などの伝統的な素材だけを組み合わせたものです。「松」は必需です。店頭やペラ案内には「素材:生花、お正月のお花、松、南天の組み合わせ。定番のお正月飾りです」と書いてある。27日の昼頃に届けてくれます。

我が家は興味はないのですが、そういう需要が増えてきたのか、生花でなく、ドライフラワーやプリザーブドフラワーを素材にした正月飾りもメニューにはあります。「しめ縄と稲穂と、たとえば梅結びの水引」で構成されるシンプルで古典的な「しめ縄飾り」はドライな素材だけなので、その延長線上のバリエーションかもしれません。

「正月飾り」は、「正月」と「節分」あるいは「サト」と「ヤマ」のつながりでその意味を理解するのが、僕にはいちばん腑に落ちます。

サトは、農耕の地。農作物がいっぱいで安定し生活も便利です。しかしその分、霊的なものの勢いが衰えています。一方ヤマは、霊的なものやスピリットのパワーに満ちています。だから、山伏たちは、霊的なものの力を求めて山に入る。

年に一度、サトの人たちは、ヤマから霊的なものにサトに降りてきてもらい、サトをヤマのスピリットで満たします。それが正月で、霊的なものは「オニ」と呼ばれます。サトの家では、オニのための目印にヤマのシンボルを玄関に置きます。門松です。

二月の節分(立春の前日)までの一ヶ月あまり、オニはサトを霊的なパワーで満たします。霊的な力がサトに充溢したら、オニはヤマに帰ります。「鬼は外」です。そのとき、サトの人たちは、感謝の念を込めて、豆を撒きます。


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2019年11月21日 (木)

雪とナナカマド

ナナカマドは札幌の地味な街路樹ですが、季節ごとに違う風情を提供してくれます。
 
秋は、葉が紅葉・黄葉し、それが赤い実のきれいな背景になり、冬は、その葉が落ち、赤い実に雪がかぶさって、お菓子のようになります。本格的な初雪の早朝にそういう景色を撮影に行くときは寒さも顔に降りかかる雪も気になりません。そういう早い朝でも、犬を連れたお年寄りや熟年世代を見かけます。犬は寒くないのかしらん。
 
2_20191121112101              秋のナナカマド

S_20191121112201          本格的な初雪後のナナカマド
 


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2019年10月29日 (火)

紅葉(黄葉)するナナカマドと、桜もみじ

札幌市内をぶらぶら歩くと頻繁にナナカマドに出合います。でも、仕事で速足のかたはナナカマドそのものに気がつかないし、なんだかよくわからない街路樹が並んでいるという程度の感慨しか持たないかもも多いかもしれません。
 
ナナカマドの実は、秋には、たいていは赤に染まります。なかにはオレンジと朱色の中間の色合いになるのもあります。葉も「黄葉する」ものと「紅葉する」ものがいますが、紅葉するのはけっこう少数派のようです。
 
秋の色になったナナカマドに遭遇すると写真で残したくなります。黄葉したのと紅葉したのをならべてみました。ともにこの一週間の様子です。
 
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桜の葉が地味に紅葉した状態を「桜もみじ」と言います。ぼくはそういう地味なのが好きなようです。
 
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2019年10月23日 (水)

プラタナス

プラタナスの幹の模様はほとんど抽象画で、秋以降は肌の鮮やかさがいくぶん失われますが、葉が鬱蒼と生い茂る前の春の頃は、プラタナスの並んだ通りをそれぞれに個性のある抽象模様を比べながらやや冷える早朝に散歩する楽しみがあります。
 
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その街路樹としてのプラタナスは、夏に緑の大きな葉を多すぎるほどに茂らせた後、札幌では10月になると冬越しのために大胆に選定されてしまいます。
 
冬越しを迎えるプラタナスは、来春の「再生」のために必要な小枝と少しの葉を残してあとはすっかり刈り込まれます。大枝はきれいに迷いなく市の園芸職員に切り落とされてしまって、いささか侘しいくらいです。しかしこういう姿だと雪は枝にはわずかしか積もらず、倒壊や枝折れの恐れはありません。
 
プラタナスの植わった通りは札幌にそれなりに多く、左下がそのひとつで、写真の時刻は先週の遅い午後。右下は別の通りで時刻は先週末の早朝です。大胆に枝を選定されたプラタナスの並びがレンズを通すとどんな風に見えるか、スマホで撮影してみました。
 
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2019年10月17日 (木)

プラタナスの大規模剪定の季節

プラタナスは札幌市では比較的本数の多い街路樹で(全部で約12,000本)、10月はそのプラタナスの剪定の時期です。プラタナスはともかくひとつひとつの葉が大きい。野球のグローブより大きい。で、秋に枝を思い切って根元あたりから剪定しないと、そのあたりの道路がグローブ大の葉だらけになってしまいます。
 
それに、この時期に大胆な剪定をしておかないと、雪の重みで枝が折れて危ないし、枝に積もった雪が下を歩く人の頭上にドンと落ちてきてこれもやや危険です。冬は、歩道に面した人の出入りの多い建物の歩道側に「落雪注意」という掲示板が置かれますが、そういうことです。
 
下の写真は、手前側が風で道路に落ちたプラタナスの葉と、奥側が札幌市に委託された業者が剪定用の専用車両で葉のついた枝をバサッバサッと切り落としているところです。その作業は早いところは10月中旬に着手し、雪が降り始めるまでには全部を回り終えるようです。切り落とされた葉と枝はけっこうな量になり、トラックで燃えるゴミ捨て場かどこかに運ばれていく。
 
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ビフォー&アフター風に言うと、左が初夏の午後のプラタナス、右が同じ場所の秋の夕方のプラタナスです。この、剪定後に微妙な感じでほぼ裸になった樹を眼にすると、あまり歓迎したくない雪が徐々に近づいてきていることを改めて知ることになります。

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2019年10月16日 (水)

秋のシンジュの舞い

台風19号の影響は札幌では、雨が降り続いたり比較的強めの風が吹いたりした以外はなかったのですが、その風で、シンジュのタネの舞いを堪能することができました。空中を竹トンボのように、あるいは竹トンボ以上の飛翔力で飛び回ります。一旦舞い上がるとひらひらと漂い、ときに上昇してスーと滑空し、なかなか落ちてきません。
 
我が家にいっぱい飛び込んできたもののごく一部が10円玉といっしょに撮ったすぐ下の写真です。
 
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どういう場所を基地にしてそこから飛翔し始めるかというと、たとえば以下の写真のようなところです。夏は緑だったのが、秋に茶色になり、風が吹けばいつでも舞える準備が整っています。今回やや強めの風が吹き、最初の写真のような「竹トンボ」が大量にその辺りを飛び、落下してきました。
 
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        シンジュの樹と茶色くなった「竹トンボ」
 

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2019年9月30日 (月)

コートと半袖がいっしょに歩く季節

日曜日、北海道立近代美術館の「カラヴァッジョ展」に足を運びました。カラヴァッジョは宗教画をそれまでの約束事を無視して光と影でとてもリアルに描いたイタリアで画家です。16世紀末から17世紀初めにかけて活躍し38歳で死去するまでの彼の人生も光と影が入り混じり晴れやかさと無頼が交差しています。
 
彼の作品を観ていると、リアルな人物描写であっても、描かれた人物の眼の表情が感情の表れで微細に違っても、男性も女性も同一人物の眼のようです。すべての人物画は自画像の変奏曲ということかもしれません。
 
美術館から大通公園までゆっくりと向かっているときに、陽が降り注ぐ午後3時くらいの歩道の人たちの格好を拝見すると、コートとジャケットとセーターと半袖シャツが混在しています。ぼくはサマーセーターです。早朝はけっこう寒くて、それが日中はポカポカと心地よくなる、札幌の今はそんな季節です。早朝に家を出たかたはコートを着て、暖かくなったお昼くらいに外に出た方は半袖でということでしょう。だから街中をコートと半袖がいっしょに歩く。
 
日本の文化は季節の着物や衣類の色や種類に約束事として敏感で、それはそれでけっこうなことで、でもこのくらいのヴァリエーションの対比はあってもいい。プールサイドのリクライニングチェアで高価そうな毛皮のコートを着て本を読んでいるおばあさんのすぐ前を、若い女性がセパレートというよりもビキニ風で元気に泳いでいくという光景にさる晩夏にさる外国で出会いましたが、それに比べるとその対比はそれほど印象的ではないにしても。
 
途中、ナナカマドに日が差して光と影を作っていて、「カラヴァッジョ展」のあとなのでなんとなくその光と影を写してみました。あまり印象的な写真ではないのですが。
 
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2019年9月18日 (水)

歩道に落ちていたナナカマドの活用法

以前にも書いたように、札幌市で本数のいちばん多い街路樹は「ナナカマド」です。本数は約35,000本。どういう樹かというと、こういう場合は植物辞典ではなく一般の国語辞典でも十分に役に立ちます。
 
ななかまど【七竈】 バラ科の落葉小高木。山地に生じ、高さ約10メートル。花は小形白色で、七月に群がり咲く。果実は球形で、秋に葉とともに鮮やかに赤く色づき、落葉後も残る。材は堅くて腐敗しにくく、細工物に用い、七度かまどに入れても燃えないという俗説がある。<季語:秋>
 
とても燃えにくい樹なので、かりに街が火事になった時に、そこにナナカマドの樹木列があればそこで延焼が食い止められるということで街路樹に採用されているのでしょう(しかし、いったん火がついたら何日もくすぶり続けるかもしれないにしても、そのあたりはよくわからない)。だからナナカマドは一般の道路際にも公園にもあるし、オフィス街でも歩行空間の広いところや植栽場の揃っているところでは適当な間隔を置いてきれいに並んでいます。
 
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        オフィス街のナナカマド(一昨年の10月中旬)
 
9月になって少し経つと、そのナナカマドの実が赤くなります。赤といっても、樹によっていわゆる赤い色とそれから橙色の二種類があり、どちらも美しい。
 
風で落ちたのか、それとも機嫌の悪いカラスがわざと落としたのか、ナナカマドの赤い実が小枝付きで近所の歩道に落ちていました。落ちて間もないのか汚れていません。そのまま放っておくのも可哀そうなので、拾い、持って帰りました。
 
軽く水洗いをして乾かして、サイズ的に合いそうな花瓶に放り込んだのが下の写真です。落ちたナナカマドのこういう風な役立ち方もあります。
 
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2019年9月12日 (木)

シンジュ、夏の景色と秋の景色

10月中旬になると写真のような、姿かたちからしてよく飛行するに違いないタネが、実際にも舞うように風に乗って次から次と飛び込んできます。シンジュ(神樹)のタネ(果実の一部)です。シンジュは中国原産の落葉広葉樹で、札幌でも本数は少ないですが街路樹に使われています。
 
この樹はニワウルシと称されるのが一般的で、シンジュは別名扱いのようです。欧州でこの樹が成長が早く背が高くて天まで届きそうなのでそういう意味で「tree of heaven」と呼ばれていて、その直訳が「神樹」、で、別名「シンジュ」となったらしい。
 
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個々にバラバラと飛び立つ前に、小枝ごとタネ(果実)が風で地面に落とされるのもいて、それが歩道で横たわっている姿はそれなりに風情があります。
 
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そのタネ(果実)が青い時はどんな状態かというと、下は8月下旬の近所のシンジュですが、枝からいっぱい垂れ下がっていて、繁殖力を感じさせます。
 
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これが色づいて茶色の竹トンボになり、秋が深まると誰かに工程管理をされている雰囲気で一度にではなく順番に少しずつ飛び出していくので、竹トンボの在庫は真冬になってもなくなりません。いささか迷惑なくらい離れたところまで種を播き散らすのですが、その結果そのあたりがシンジュの若木だらけになったとは聞きません。

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しかし、日本の他の地域では河川敷や空き地などに群生しているのが観察されるそうなので、次世代の確保のために一応はすばらしい生産管理能力を持っているということにしておきます。
 
最初にシンジュは中国原産の落葉広葉樹だと書きましたが、中国ではシンジュのことを「樗(ちょ)」と言います。手元の漢和辞典で「樗」の意味を調べると
 
① 木の名。にがき科の落葉高木。皮は荒く、材は柔らかくて白く、用途はない。
② 役に立たないもの。無用の長物。
 
となっていて、ひどい説明なので最後に持ってきました。ほとんど「独活(うど)の大木」です。タネを意味なくやたらと遠くまで撒き散らすところはその通りかもしれませんが、ぼくはそういうシンジュが嫌いではありません。


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