木と樹々

2020年11月16日 (月)

雪で実感する紅葉や黄葉の意味

風で小麦粉のように直ぐに飛び散るパウダースノーは別としても、雪は積み重なると凍った水分なのでけっこう重い。だから、雪下ろしをしないと雪国の家屋は倒壊します。

樹々にとっても積雪は死活問題です。重い雪が降り積もると枝が折れ、下手をすると樹自体が倒壊します。樹々は自分では雪下ろしができないので何らかの方法で自分に積もる雪の量を少なくするしかありません。そのためにはまず葉を落として積雪面積を小さくすればいい。

落葉広葉樹は秋になると赤や黄に色を変えます。葉を落とすための準備です。冬の風が吹いてきた時にさっと葉を落とすための準備として、樹は葉への糖分や水分の供給を断ちます――その結果、紅葉系はアントシアニンが生成されて紅くなり、黄葉系は緑のクロロフィルに隠れていたカロチノイドが現れて黄色くなる。

下の写真は、今年ではない年の秋と冬に撮影した楓(かえで)です。楓は広葉落葉樹なので葉はきれいに紅葉し、そのあとすっかり葉を落としますが、それでも雪は大枝と小枝に少なからず降り積もっています。結構な重さだと想像しますが、葉が落ちずに残っているとすると、その負荷は倍くらいでは済まない。落葉のない針葉樹は葉を針のように細くして葉への積雪量をできるだけ少なくしているのでしょう。

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        枝に雪が積もった落葉広葉樹の楓(かえで)


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2020年10月 5日 (月)

札幌の秋は「ななかまど」の赤

札幌では、「ななかまど」の実は、9月中旬以降雪が降り始めたあとまでも継続して、さまざまな色合いの赤を提供してくれます――札幌に限ったわけではないとしても――。その期間が長いのは「ななかまど」という樹の生命力が強いということがあり、色合いの豊富さは彼らに種類の差や個体の差があるからです。

実の色は濃い赤から、朱色に近い赤、橙色に近い赤などがあり、葉の色も濃い緑から淡い感じの黄緑までいろいろなので、それらの組み合わせの妙を街中の通りや植栽場や公園で堪能できます。

歩いているときに姿のきれいな女性が佇んでいるのを見かけた感じで「ななかまど」の鮮やかな赤や風情のある赤に出会うと、立ち止まってしばらく眺めてしまいます。

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2020年6月25日 (木)

アカシアは夏至の花

アカシア(正確にはニセアカシア)は札幌では夏至の花です。ぼくが勝手にそう決めました。やや黄色味を帯びた白い地味な花です。

「正確にはニセアカシア」と書きましたが、こういう場合の「正確には」という表現もいい加減なものです。植物分類上の名前がたまたまニセアカシアで、そういう場合は似たような植物が他にあってそれが本家のアカシアということになるのでしょう。てんとう虫とてんとう虫だましがいるように。植物や昆虫にとってはいい迷惑です。

ニセアカシアは札幌では本数の多いほうの街路樹で、1万9000本あまり植えられているので、街路を歩けば、6月下旬には写真のような花が咲いたのに出会えます。桜と同じで、全部が一斉に花開くのではなくて、早いのと遅いのがあり、二週間くらいはその地味な花を楽しめます。遅くなるとだんだんと黄色味が強くなってくるようです。

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2020年6月 4日 (木)

札幌は五月と六月と七月

札幌は五月と六月と七月の三カ月のために残りの九カ月が控えに回っているのではないかと思えるほどこの三カ月の気候は素晴らしい。五月にリラ冷えはあっても寒くなく、七月に夏日があっても暑くなく、湿度が低いので爽やかです。

結婚式は一年でいちばん心地よい季節に挙げるのが人間の本性に適っているとすると札幌の結婚式はこの三ヶ月です。しかし今年はその人間の事情でそうはならない様子です。。

写真は上が五月半ばの白樺、下が六月初めの白樺で、ともに早歩き散歩コースにある街路樹です。

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そういう散歩はこの時期はたいていは夕方で、明るい夕方の長さを味わいながら樹々の緑を横切っていく。

リラ冷えの日は長袖のポロシャツに厚手の木綿のスウェットシャツ、少しだけ寒い日は長袖ポロシャツに厚手の半袖Tシャツを重ね、心地いい気温のときは薄手の半袖Tシャツと厚手のTシャツの重ね着、夏を感じるときは半袖Tシャツのみ。速度はひとりだと時速6.0㎞くらい、配偶者といっしょだと5.6㎞程度。赤信号待ちは嫌なので、途中駆け足になる場合もあります。

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2020年5月19日 (火)

リラ冷え

札幌では5月中旬から下旬にかけて肌寒い日があります。薄いコートがないと外を歩けないくらいの肌寒さです。室内でも重ね着をする。そういう寒さを「リラ冷え」と呼んでいます。

「第62回さっぽろライラックまつりは、大通会場は令和2年5月20日(水)~31日(日)の12日間、川下会場は令和2年5月30日(土)、31日(日)の2日間で開催を予定していたところですが、現在全国的に拡大している新型コロナウイルス感染症の状況を鑑み、来場者や関係者の皆様の健康・安全を第一優先に考え、大通、川下両会場ともに中止することを決定いたしました。」(主催者の発表)

今年のライラックまつりは中止です。ライラックは札幌市の市の木です(ついでに市の花はスズラン)。市の木なので、季節になると、公園に限らず近所のそのあたりの歩道や道路際で、あるいは家庭の庭先で、紫や濃淡の具合がいろいろなピンクの花を咲かせます。白いのも少しいる。

この記事を呼んでらっしゃるかたがわざと混乱するような書き方をここまでしてきたのですが、「リラ」と「ライラック」は同じものです。しかし「リラ冷え」とは言いますが「リラ祭り」とは言わない。「ライラックまつり」とは称しますが「ライラック冷え」という表現は使わない。何故かは知らない。習慣です。

リラはフランスでのこの木の呼び名です。この木の英語名がライラックです。フランスで「リラの咲くころ」と言うのはいちばん気候の良い時期のことだそうですが、緯度の高い、湿気のない札幌だとその気持ちが手に取るように実感できます。「リラ冷え」くらいの寒さが混じる方が外気は心地いい。

軽やかなソメイヨシノタイプの桜が終ると、重い感じの八重桜とそれなりに華やかな桜桃が続き、そのあとライラックが桜よりは長い間咲き続けます。

下に、リラ冷えを感じさせる早朝の街路樹のライラックと、ライラックと同じ時期かたいていはそれよりも前に咲き終わる家庭鑑賞用の白い羽衣ジャスミン(近所の花屋で買ったもの)を並べておきます。

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2020年5月14日 (木)

桜桃(サクランボの樹)・補遺

桜桃はその実であるサクランボに目がいってしまい、札幌では八重桜と時期が重なりながら桜桃の花を今まではとくには意識したことがなかったので、今年は新しい流儀のお花見です。桜桃は桜というよりも梅に近い。見方によっては華やかだけれど、重い雰囲気の八重桜のそばだと白い控え目な花となります。

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サクランボの産地であるところの山形県・寒河江(さがえ)市のウェブサイトには「さくらんぼ大百科事典【さくらんぼの歴史】」と題する箇所があり、そこから一部を引用すると、桜桃が日本で初めて植えられたのは北海道南部だったようです。そこからすぐに山形に桜桃が移植され栽培が始まった。

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七飯(ななえ)町は、函館の北側にある町ですが、そこから、余市、仁木、札幌とサクランボが伝わってきた。そういう歴史を背景に、誰かの明確な意思のもとで、札幌の街路樹の一本としてサクランボの樹が植えられた。と考えると、散歩の途中になぜ桜桃があるのかも腑に落ちます。

「札幌市街路樹種別一覧」によると札幌市内には「サクラ類」が9100本あります。この「類」のなかに「桜桃」が含まれているとしても、具体的な本数はわからない。


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2020年5月11日 (月)

遅咲きの八重桜と満開の桜桃を楽しむ

札幌だとお花見が始まるゴールデンウィークにさしかかるあたりは、今年は、スマホを片手にそばをさっと通り過ぎるだけでお花見にはわずかな時間しか割けませんでした。ゆっくりと桜という空気ではどうもなかったからです。その頃が満開であるところのソメイヨシノは今やすっかりと葉桜になってしまいました。葉桜の若い緑は花びら以上に目に沁みるにもかかわらず、葉桜見物というのはどうも人気がない。

というわけで、一昨日(先週の土曜日)に、人通りが閑散としたあたりを配偶者とゆっくりと散歩しながら、葉桜見物も兼ねて、一週間から十日遅れのお花見です。遅咲きの「八重桜」がそれなりに目に入り、ちょうど六分から七分咲きくらいの按配で濃い目の色合いの花が枝に溢れていました。

それから、その存在が札幌市内では珍しいところの「桜桃(おうとう)」が満開に近い状態で白い花を咲かせているのにも出合いました。桜桃も含めて、お花見です。北海道でも果樹栽培の盛んな仁木や余市(ウイスキーの生産地でもある)では7月にサクランボ狩りが楽しめるので、そのサクランボ園から車で2~3時間の距離であるところの札幌の一部で桜桃に遭遇しても別に驚くことではありません。

最初の写真が六分から七分の「八重桜」、二番目が満開の「桜桃」です。今年もお花見ができました。

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2020年5月 8日 (金)

歩道に散り落ちた桜の花びら

ひっそりとお花見」の続きです。

歩道や遊歩道に散り落ちた桜の花びらの景色が好きで、毎年その風情を撮影しています。その風情がいちばん味わえるのは晴れた日に強めの風で花びらが舞い落ちたその直後から数時間以内です。はらはらと比較的広い範囲に花びらが散り拡がったのも結構ですし、風で歩道際に吹き寄せられたのが一直線になって伸びているのも悪くない。桜は、その季節に、咲いたときと舞い落ちたときの二回楽しんでいます。

しかし、春の冷たい雨が歩道の花びらを濡らしてしまうとその桜色が急に白っぽく色褪せてしまい、一部は薄茶色に変色するので、枝の上だけでなく歩道の上でも桜の命は短いようです。

そういう定点鑑賞の場所をいくつか、長めの散歩でカバーできる範囲で持っていたとしても、今年はStay Home等で一ヶ所しか行けなかったので、下に並べたうちの最初の写真は今年の撮影ですが二番目の写真は以前のものです。

こうやって比べてみると、落ちた花びらにも桜の種類による色合いの差がよく出ています。

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2020年5月 1日 (金)

ひっそりとお花見

札幌もやっと桜です。ゴールデンウィークの入り口なので開花時期は例年の通りで、人間界の騒動とは関係なく花開きました。昨日は晴れていて午後の気温が20℃近くなったので配偶者とひっそりとお花見です。春から秋のいつのも散歩コースというか、もっと暖かくなると運動(速足で歩くという運動)をするコースのうち桜の樹のあるあたりを選んでゆっくりと歩を進めます。古人なら、腰に一瓢を携えて西南に杖を曳く、とでもなったでしょうか。

ぼくたちの散歩及び運動コースは、普段の週末の遅い午後から夕方にかけてでもすれ違う人は少ない。昨日もいつものように出会う人は少なかったのですが、ここ数日では珍しい午後の陽気だったので散歩を楽しんでいる親子連れやご夫婦の姿が目に入りました。ほとんど全員が不織布や布(市販のものか手作り布)のマスクをしています。ガーゼのアベノマスクは、配布が途中で頓挫したみたいなので、まったく見かけません。予算委員会でもアベノマスクと同タイプを着用している閣僚は安倍首相を除いては皆無で、皆さん、アベノマスク風マスクの機能性についてよくご存じらしい。

どこもそうかもしれませんが、札幌も、ソメイヨシノ以外を楽しめます。下の写真はその午後出会った桜たちです。4枚目は「梅に鶯」ではなく「桜に雀」です。地面に眼を遣ると、黄色いタンポポが咲き始めています。レンギョウの黄色も眼に入ります。

散歩のあとは、野菜の買い出しです。

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2020年2月20日 (木)

湿った雪の夜明けと午後

昨日あたりから、節気は「雨水」です。雪から雨へと変わり、降り積もった雪も溶けだす頃という意味ですが、札幌ではパウダースノーが湿気のある重い雪になりました。

樹々の枝に明け方にかけてゆっくりと降り積もったばかりの早朝だと雪の白が控えめに反射してやや眩しい感じです。

太陽が高くなり気温がプラスに転じるとそれが3℃くらいでも、道路の表面はきれいだった白からタイヤに踏まれ続けて黒に変化します。そういうときに歩道を革の冬靴で進んでいると、本当はゴム長で歩きたいと切に思います。しかし、そうもいかない。

いちばん困るのは横断歩道を横切る時です。路上の雪がタイヤに崩されてそのあたりは水浸しの一歩手前で、水の浅いあたりをより分けより分け歩を進めます。

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梅の香りは少し上から降ってきます。こういう日の雪も上から降ってきます。ただし、梅の香りのようにふんわりとではなく、歩道にはみ出した樹の枝の下をぼんやりと歩いているとその枝を滑り落ちたのが上から頭や肩にドサッと降ってくる。そういう意味です。これも「雨水」です。


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