2019年8月 9日 (金)

日本の食料自給率は37%で穀物自給率は28%、サウジアラビアの穀物自給率は7%

3日前に次のような報道がありました。

「農林水産省は6日、2018年度のカロリーベースの食料自給率が前年度より1ポイント低下の37%だったと発表した。天候不順で小麦や大豆の国内生産量が大きく減少したためで、コメの記録的な凶作に見舞われた1993年度と並ぶ過去最低の水準となった。政府は2025年度に45%にする目標を掲げているが、達成が遠のいた。」(共同通信)

「天候不順で小麦や大豆の国内生産量が大きく減少したためで」というのは苦しい言い訳で、小麦と大豆の国内自給率は以前から低いので、わざわざ小麦や大豆を持ち出すのもどうかと思います。四半期GDPがマイナスになったのを雨のせいにするのと同じです。

農水省のウェブサイトにお邪魔すると、品目別自給率の例として

「小麦の品目別自給率(平成30年度)
=小麦の国内生産量(76.5万トン)/小麦の国内消費仕向量(651.0万トン)=12%)

と小麦がとりあげられていました。

昭和40年から平成30年までの総合食料自給率の推移は以下の通り。

4030

OECD諸国の2018年(日本は2018年度)の食料自給率を比較したのが以下のグラフです。以前と同じパターンです。

2018-2018

ぼくは、食べ物は(他の財や産品と違って)自給したほうがいい(国のレベルでの地産地消)、という意見の持ち主ですが、諸般の事情でそういうわけにいかない国もあります。例えばサウジアラビア。2010年3月に「穀物自給率「ゼロ」をめざす国」というブログ記事を書きました。そこから一部を引用します。

「サウジアラビアは雨はほとんど降らないし、地下水も砂漠にまだ緑があった頃の雨水がたまったものですが、地下水は小麦生産などに今まで大量に消費してきたのでそのツケがたまって、今世紀なかばに石油よりも早く枯れてしまうとのこと。瑞穂(みずほ)の国の日本とは事情が違います。

そういう背景から、水を大量に使う小麦のような農作物は減産を続けて2016年までに国内生産を打ち切り、それ以降、穀物はすべて輸入。ただし、農業がないとさすがに困るので、あまり水を使わないもの、つまり温室野菜栽培や酪農、養鶏などの付加価値の高い農業へ転換するそうです。

穀物がないと国民は飢え死にしてしまいますから、そういう国のとる手段のひとつは、外国に農耕地や農場を確保し、それを自国の穀物供給基地にすることです。サウジアラビアの場合だと、上記報告書によれば、アフリカのスーダン、エチオピア、タンザニア、エジプトあたりでことが進行中です」

そのサウジアラビアがどうなったか

サウジアラビアにおける農業・水産業・食品産業の概況及び市場について」(野村総合研究所 2018年2月19日)によると、2015年のサウジアラビアの穀物自給率は6.8%だそうです。自国が所有するところの外国の穀物供給基地からの流入量も輸入とカウントされるので、実質的な穀物自給率は6.8%よりも高いはずですがこの資料では詳細は不明です。日本の2018年の穀物自給率は最初の折れ線グラフにあるように28%です。

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2019年7月30日 (火)

いなり寿司専門店のとてもシンプルなメニュー

メニューはとてもシンプルです。商品は「いなり寿司」の一つです。「がり」を別商品と考えると二つ。あとはパッケージ数量の違いだけ。二個か八個か二十個か。作りのしっかりとした控えめな色の手提げ紙袋に入れてくれます。

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箱入りの8個パッケージと瓶詰めのガリを買い、配偶者と小腹の空いた日曜日の夕方に食べてみました。シンプルで上品ないなり寿司です。やや固めの白胡麻入りの穏やかな酢飯が、(ぼくにとっては)やや甘めの油揚げに収まっており、手を汚さずに食べられるような包装になっています。おにぎりを手を汚さずに口に入れられるのがありますがそれと同じ配慮です(ただし後の処理まで考えたもっと上品な配慮)。東京だと伝統的な劇場の近くに「差し入れいなり」がありますが、それとは方向が異なります。

「いなり寿司」には違いはないのですが、競合商品はデパ地下の「いなり寿司」や「鉄火巻き」ではありません。女性向けに量を抑えたデパ地下の高級弁当でもない。その市場をこれから侵食するであろうという意味での競合は、保存料を使っていないので買ったその日に消費することが求められているタイプの高級餡饅頭や高級シュークリーム。つまりこれは「いなり寿司」の形をとった渋いスイーツです。

高級餡饅頭や高級シュークリームの消費者が、この「いなり寿司」の存在に気が付くと、彼女らが(彼もいるかもしれませんが、それは無視して)この「いなり寿司」に向かって緩やかに流れてくると思われます。すっかり置き替わるというのはなくて、餡饅頭やシュークリームと順番に楽しむという意味での部分代替が始まりそうです。自宅で楽しむのもいいし、そういうものがお好きなかた向けの(差し入れではなく)手土産にしてもいい。ぼくなら札幌ドームのナイトゲームに持参する。

写真は、目立たない店の入り口に置いてある控えめな色とデザインの小さなポータブル看板です。営業時間は午前9時から午後6時までとなっていますが、同時に「売り切れしだい閉店します」とも表示されています。

Shop-signお店の入り口に置いてある控えめなお店のサイン(看板)

かつて濃厚な風味で評判だった、北海道ではないところの豆腐屋さんがやはり「売り切れしだい閉店」でした。毎日正午前には店仕舞いだったと記憶しています。

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2019年7月11日 (木)

手亡豆で発酵白餡(白アン)

日常でおなじみの豆類には「大豆(ダイズ)」や「小豆(アズキ)」や「インゲン豆」があります。自分で豆料理をするかどうかを気にしなければ、味噌・醤油は大豆ですし、納豆も大豆。赤飯は小豆の仲間の「ささげ」か「小豆」だし、黒餡というか赤餡というか普通の餡(アン)は「小豆」です。「インゲン」は、若い鞘(さや)を食べる場合は「サヤインゲン」、豆を食べる場合や加工食品を作る場合は「インゲン豆」と呼ばれています。

我が家では、毎年の寒仕込みの赤味噌以外に、大豆と米麹で簡単にできる白味噌もときどき作ります(関連記事は「続・白味噌も年に一度くらいは自家製を楽しむ」)。白味噌があると、西京漬けだけでなく、和風風味のパウンドケーキも作れます。

北海道は豆の産地ですが、北海道の在来種の豆のほとんどが「インゲン豆」です。「サヤインゲン」のように夏場に「サヤ豆」として食べていました。「インゲン豆」と一括りにしましたがインゲン豆はとても種類が多い。たとえば、白餡(シロアン)の原料は「インゲン豆」のひとつである「手亡(てぼう)豆」です。関連記事は「続・いんげん豆と大豆」。

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「手亡豆」(200g)と「米麹」(200g)で「発酵白餡」を作ってみました。

手亡豆を柔らかく炊き、米麹を合わせて10時間発酵させます。出来あがったのをハンドミキサーで混ぜ合わせると、柔らかい漉し餡(こしあん)風が完成します。甘さの素は米麹だけなので、この発酵白餡の甘さは控えめで大人向き。饅頭には物足りません。だから、白餡だけをお茶菓子として楽しみます。

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         発酵白餡

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2019年3月15日 (金)

真面目な作りの納豆の原材料欄

まれに自宅で納豆を作るかたもいらっしゃるようですが、ぼくにはそういう技量はありません。それから味噌と納豆は、消費者として買ってきたものを同じ食卓で食べるだけなら何の問題もないのですが、作るときは麹菌と納豆菌の相性がよくないので両方を同じ場所では作れません。だから、味噌工場に勤める人たちは原則として日常生活でも納豆を口にしない。

我が家では毎年味噌を作っているし、熟成中の味噌甕もそれなりに多いので、製造という意味では納豆菌は立ち入り禁止です。本当は製造技術がないのですが、それを理由に納豆製造には手を出さないということにしてあります。

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上の写真は「とても真面目な作りの納豆」の原材料欄を撮ったものです。だから、原材料欄の記述の仕方もまっとうです。それでも見慣れない用語や名称が並んでいます。もっとも、この商品は、狭義の添加物は別出しでまとめてあり、消費者にわかり易くしようとしています。しかし、表記がスペースの関係で鮨詰め状態なので読みにくい。見やすい箇条書きに書き直すと以下のようになります。

●名称: 納豆

●原材料名

【納豆】 丸大豆(北海道産)(遺伝子組み換えでない)、納豆菌

【たれ】 しょう油(大豆・小麦を含む)、植物性たん白加水分解物、砂糖混合ぶどう糖果糖液糖、果糖ぶどう糖液糖、醸造酢、食塩、砂糖、みりん、かつおエキス

【からし】 からし、醸造酢、食塩、植物油脂

●添加物

【たれ】 調味料(アミノ酸等)

【からし】 酸味料、着色料(ウコン)、酸化防止剤(V.C)、増粘多糖類、調味料(アミノ酸等)(大豆を含む)、香辛料

食品添加物を広い意味で避けたいのなら、この小ぶりな北海道産大豆を納豆菌で発酵させた食品を食べるときは、付属の「たれ」と「からし」はいっさい使わないことです。生産者には申し訳ない気もしますがゴミ箱に捨ててしまいます。風味付けには、その代わりに、「塩」とオメガ3系の不飽和脂肪酸であるところのαリノレン酸をたくさん含む「フラックスオイル(亜麻仁油)」を使います。ぼくは、そのほうが納豆らしさをより賞味できます。

【註】食品添加物はその誕生理由からして一般家庭の台所には存在しないものがほとんどですが、なかには、台所で見かけるものもあります。たとえばウコン(ターメリック)のような天然香料です。色付けや香り付けのために動植物から得られるもので、使用量がわずかであり、長年のヒトの食経験で健康被害がないと認められています。

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2019年3月14日 (木)

続・白味噌も年に一度くらいは自家製を楽しむ

鰆(さわら)の西京漬けや味噌風味のパウンドケーキなどにどんどん使ったので、20日ほど前に作った白味噌が底をつきました。で、今年2回目の製造です。今回は前回よりも多め。原材料は、前回の繰り返しになりますが、多い順に米麹(大豆の2倍)、大豆、塩(控えめ)。

作ったままだと「粒餡(つぶあん)」風なので、それをハンドミキサーで混ぜ合わせると、下の写真のような「漉し餡(こしあん)」風になります。

西京味噌漬けは魚だと「鰆」が定番ですが、「目抜き」も試してみますか。

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2019年2月21日 (木)

白味噌も年に一度くらいは自家製を楽しむ

白味噌は、西京(さいきょう)味噌とも呼ばれる甘い風味の簡易熟成の味噌です。デパ地下では「鰆(さわら)の切り身の西京漬け」などをよく売っている。鰆の切り身を白味噌に漬け込んだものです。

白味噌はとくに米麹の甘さと香りに活躍してもらうタイプなので、投入する米麹の量は(赤味噌が麹と大豆の重量割合が一対一であるのに対して)大豆の重量の二倍です。煮てすり潰した大豆と米麹と控えめの量の塩をよくかき混ぜて、60℃で8時間ほど発酵させます。そういう発酵のための便利な電気式の容器が市販されていて我が家でもそれを使います。

赤味噌と違って味噌汁などに毎日使う種類の味噌ではないので、下の写真程度の量が二つあればけっこう使い出があります。

さっそく福岡で獲れた鰆の切り身の一部を西京漬けにしたのを焼魚にしました。自家製はやはり旨い。他の切り身は醤油麹に漬け込んで別の味わいを楽しみます。

関連記事は「味噌の『寒仕込み』の季節」。

Photo ミキサーにかけた後の白味噌

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2019年2月 6日 (水)

自家製味噌、手順を確認してから作業に

年に一回の作業なので、開始前に手順(工程と云うほうがモノづくりらしい)を一応確認します。味噌づくりは配偶者との共同作業・分担作業です。長年やっているので、やり始めると手が作業を思い出します。

以下が「味噌づくりの手順」ですが、わりにシンプルです。今年は大豆は4kgです。後述のように、我が家の一日の処理量は大豆2kg程度なので二日間連続の作業になります。

【味噌づくり手順】

・大豆と麹と塩を用意する。その割合は、大豆が1kgの場合、大豆1kg、麹1kg、塩450g。今年の実際量は、大豆4kg、麹4kg、塩1.8kg

・よく水洗いした大豆を前の晩から底の深い大鍋で十分に水に浸しておく

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・その大豆を柔らかくなるまで、吹きこぼれに注意しながら、煮る(プロは大豆を蒸すが、自宅では量が多い場合は蒸すという作業は難しい)

・モノづくりの工程にはたいていはクリティカルパスが存在するが、我が家の味噌作りにおけるクリティカルパスは、鍋で煮るという工程。深い大鍋を総動員しても一日の最大処理量は大豆2.5kg。だから作業量は一日2kgまでとする

・熱で柔らかくなった大豆をミンサーにかけてミンチにする(ミンサーは強い焼酎で雑菌消毒しておく、最近は40度超の強い焼酎が手に入りにくくなった)

・米麹と塩を、大きなボールなどで上述の割合できれいに混ぜ合わせたのを、並行して用意しておく(これを一般に塩切りという。塩はこのとき全部を使わずに、一部分を後の工程のためにとっておく)

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・大豆のミンチを、麹菌が活発に活動できる50℃まで冷ます

・その大豆と塩切した米麹を混ぜ合わせる

・味噌玉をつくる

・度数40度以上の強い焼酎で雑菌消毒した甕(通常は常滑焼、今回は一斗の業務用ホーロー容器)に、次々に味噌玉を投げ入れる(こうすると空気が中に入らない。雑菌防止になる)

・全体を平らに整える

・とっておいた塩を薄くかぶせ(とくに周辺を丁寧に)、大きめに切った幅広の干した羅臼昆布をその上に敷く(干し昆布を敷くのは、北陸地方の智恵。それを拝借。こうするとカビない。昆布の風味も楽しめる)

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・重石をかける(我が家では、常滑焼の中蓋を重石にしている。もっと直径の大きいのがいいのだが、他で全部使用中なのでこのサイズで妥協)

・上蓋をする

・大きめのポストイットに、大豆の投入量や麹の種類、仕込み年月日などを書き、上蓋に貼り付ける

■ここまでが当面の作業。以下は半年くらい経った頃に行う作業■

・天地返しまで、暗冷所で静かに寝かせる

・天地返しで、発酵中の味噌の天(上)と地(下)を混ぜ合わせ、甕全体の発酵状態を平準化する(発酵に偏りが出ないようにする)

・天地返しの年月日をポストイットに追加記入する

以上

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2019年2月 4日 (月)

味噌の「寒仕込み」の季節

味噌の「寒仕込み」の季節です。

味噌の原料は「大豆」と「麹(ないし糀)」と「塩」で、その割合は、我が家の今年の実際投入予定量に即していえば、大豆は4kg、麹(こうじ)も4kg、塩は1.8kg(つまり、大豆および麹の「1」に対して塩は「0.45」)です。大豆は、当然、北海道産の有機栽培大豆。

味噌は、大豆と塩は共通ですが、利用する麹(こうじ)に応じて種類が変わります。米麹を使うと「米味噌」、麦麹だと「麦味噌」、麹も豆だと「豆味噌」。

「米味噌」は広く全国各地でそれぞれの地域の特色を活かしながら作られています。我が家の味噌も米味噌です。「麦味噌」は、中国、四国、九州に多く、「豆味噌」は中京地方(「愛三岐(愛知・三重・岐阜)」ともいう)が中心です。「豆味噌」は八丁味噌とも呼ばれ、「赤だし」用の味噌です。ぼくの名古屋の知り合いは、毎日が「赤だし」です。

味噌用の米麹には気を遣います。タクアン用や通年で使うベッタラ漬け用の米麹は乾燥麹で十分なのですが、味噌には、生麹(なまこうじ)です。一般消費者には、生麹は「寒仕込み」のこの時期しか手に入らない。今年用はすでに手配済みで、販売開始と同時に注文しましたのが手元に届いたばかりです

たいていは普通の米麹(白米麹)を利用しますが、数年に一度くらいは「玄米麹」を選びます。玄米麹は、白米麹よりも、味噌の香りがいい。コクも出るので、長期熟成向きです。去年(2018年)は久しぶりの玄米麹(島根産)で3年くらいは熟成させるつもりです。その前に玄米麹味噌を仕込んだのは2013年。2013年産はまだ一部を常滑焼の甕に残してあります。今年使うのは普通の白米麹で、岐阜の酒蔵から購入したものです。来年は富山の米麹を試してみようと思っています。

白米麹味噌と玄米麹味噌の風味の違いを楽しめるのは、手前味噌(自家製味噌)の醍醐味です。同様に、地域と酒蔵によって異なる米麹の性格が反映された味噌の違いを味わえるのも自家製味噌ならではです。

20190201 米麹(岐阜産)350g入り袋、これを12袋用意

4kg_201901 大豆(北海道産有機栽培)、全部で4kg

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2019年1月 4日 (金)

二日と三日は九部屋の小分け皿

お節を重箱に盛り付けるのは元日だけで、二日と三日は写真のような九部屋の小分け皿を使い、四日からは普段のメニューに戻ります。

雑煮は、すまし汁と味噌仕立てを日替わりで楽しみます。すましには野菜にローストした鶏肉を食べやすい大きさにカットしたものを加えますが、味噌は野菜だけです。

味噌仕立てには今年は札幌の隣町で生産されている淡い色のこし辛口味噌(辛口といってもやや甘い)を使ってみました。餅は小ぶりな杵つきの丸餅(玄米餅)です。杵つきなのでとてもおいしい。あとを引きます。

Photo  2019

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2018年11月12日 (月)

小豆(あずき)・ささげ・甘納豆

北海道のある食品流通会社の今月号のPR雑誌を拝見していたら、「お赤飯」の紹介ページがありました。もち米(糯米)プロモーションのアプリケーションノート風のページです。

そこには、北海道らしくて、かつ今様の「お赤飯」の作り方が紹介されています。ひとつは、小豆(あずき)を使った赤飯。もうひとつは甘納豆を使った赤飯です。

どこが北海道らしいかというと、「小豆」と「もち米」と「甘納豆」。「小豆」と「もち米」は、今となっては北海道がいちばんの産地です。代表的な「もち米」は「はくちょうもち」と「きたゆきもち」。我が家もお世話になっています。それから「甘納豆」を使うところ。ほの赤い色味付けには食紅。

どこが今様かというと、炊飯器で炊くことをデフォとして記述してあることです。

「お赤飯」のことを「おこわ」とも言いますが、「もち米」を「蒸した」ものを「強飯(こわめし)」「お強(おこわ)」と呼んでいたその伝統が今に受け継がれているからです。だから、デパ地下の「お赤飯」コーナーの赤飯は、専門家のつくるものなので、ぼくの見た限りでは例外なく蒸してあります。でも、若い家庭で米を蒸すのは面倒だ、器具もなくどうしていいかわからないということになると、残った選択肢は炊飯器でもち米を炊くことです。そういうわけで「炊飯」がこのPR雑誌上では新しいデフォになっています。

赤飯にどんな豆を使うかは地域差があるみたいです。

大雑把に括(くく)ると、関西食文化圏は「小豆」、関東食文化圏は「ささげ」、北国や北海道は「甘納豆」。「甘納豆」の豆は、小豆(あずき)、えんどう豆、いんげん豆(とくに金時豆やうずら豆など)ですが、甘いことを別にすれば似たような豆であることには違いありません。北海道のように複数の食文化が人の移動とともに流れ込んでいる地域では、「小豆」と「甘納豆」が共存。

手でこねた丸餅と四角い切り餅が、それぞれの地域の餅デフォになっているのと似ています。

下の写真は、北海道産の「十六ささげ」です。前述のように「小豆」は北海道(十勝地方)で大量に生産され、「ささげ」は控えめに栽培されています。もち米(糯米)も、風連(ふうれん)など、もち米に特化したような米作地域があり、「はくちょうもち」「きたゆきもち」といった北海道産のもち米がお米売り場で簡単に手に入ります。

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蛇足ですが、「ささげ赤飯文化圏」のかたの意見によれば、「ささげ」は「小豆」よりも腹割れしにくいので家庭向きだそうです。色も「ささげ」の方が「小豆」よりも上品な感じに仕上がるとのこと。しかし、赤飯を作る家庭が少なくなってきたので、こういう知識も徐々に埋もれてしまうかもしれません。

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