イモ類

2021年2月15日 (月)

サツマイモの糖度と味わいとその好み

米(コメ)だと現在のデファクト標準は「コシヒカリ」やその系統の米(北海道米なら「ゆめぴりか」、山形米なら「つや姫」)で、甘くて白くて粘り気が強い。ざっくりと言うと糯米(もちごめ)風味がいっぱいの粳米(うるちまい)です。そういうコメじゃないと消費者需要がありません。1979年くらいからそうなってきました。だから、昔風の粳米(昔といっても数十年前ですが)で当時は一世を風靡した「ササニシキ」もその人気は凋落し、今では一部のファンを除いては見る影もないようです。

我が家は、昔風の粳米(うるちまい)が好きなので、とてもマイナーな品種ですが、北海道産の粳米が常食です。たまに、人気の「甘くて白くて粘り気が強い」品種を食する機会がありますが、美味しいとは思わない。まあ、好みの問題です。

なので、サツマイモも味の好みの問題ということになりますが、サツマイモの好みのコメの好みと似ていて、「サツマイモは美人の鳴門金時」や「蔵出しの鳴門金時が夜10時に届いた」で書いたように、我が家はもっぱら「鳴門金時」です。焼き芋としておやつとしても楽しみますが、サツマイモの食べごろの季節は野菜サラダやスープとしても頻繁に味わいます。

Photo_20210211180501  鳴門金時

トレンディーとされるサツマイモも2~3種類オーブンで焼いて試しに口にしてみましたが、また食べようとは思いませんでした。なぜか。

ねっとりとし過ぎているからです。鳴門金時のようなホクホク系はコメだとササニシキのような粳米(うるちまい)に近く、トレンディーとされるねっとり系はコシヒカリを通り越して糯米(もちごめ)に近かったからです。

ネット記事に以下のようなサツマイモの甘味と味わいの比較表がありました(「品種別 サツマイモ比較表」)。現役のサツマイモ生産農家がこの比較表の作成をお手伝いしたようです。別の所には品種ごとに測定糖度を表記した一覧もありました。両者は必ずしも一致しませんが、「ねっとり系」はねっとりとしていてとても甘い、とは言えそうです。

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                          Photo_20210211161901 

「ホクホク系」が好きな人は「ねっとり系」を評価できないし、「ねっとり系」を美味しいと思う人は「ホクホク系」をパサパサしていて味気ないと思う。おそらくお互いに「蓼(たで)食う虫も好き好き」と考えているのでしょう。


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2021年1月25日 (月)

蔵出しの鳴門金時が夜10時に届いた

正確には午後9時50分でしたが、氷点下の冬の夜のこういう時刻に玄関チャイムが鳴ると何事かといささか驚きます。業務用の貨物運送を得意とする会社の宅配便でした。届けてくれたのは中年の女性担当者。深い雪でも大丈夫な、そして運転にも差し支えないような作業用ブーツを履いています。

コロナで宅配便の需要が以前よりもさらに伸び、雪と凍結で運送環境も悪く、その日の配達予定分を通常は最終配達時刻であるところの午後9時までにこなせなかった。我が家の荷物は9時までに処理できなかったもののひとつで、配送ルートの都合で10時近くになったのでしょう。

「遅くなったので来る前にお電話しようと思ったのですが、伝票に書いてなくて、申し訳ありませんでした」
ぼくは伝票にハンコをつきながら
「気にしなくていいですよ。とてもお忙しそうだから」

届いたのは、待ち望んでいた「蔵出しの鳴門金時」、サツマイモです。蔵出しというのは収穫した鳴門金時を温度と湿度を管理した倉庫で数か月保存したもの。食欲をそそる大振りな外側の器量のいい赤紫色は言うに及ばず、加熱した時の黄金(こがね)色の中身のホクホク感と甘さが別ものになっています。こうすることで収穫期以降も美味しい鳴門金時が味わえます。蔵出しサツマイモは、1~3年からものによっては10年も寝かせて熟成させる北陸の「蔵囲い昆布」ほどの大きな在庫維持費用はかかりませんが、数か月分の在庫管理コストは価格に反映されているようです。

家庭での最適保管温度は13℃くらい。オーブンでじっくりと焼いて野菜サラダの一部にするのが我が家の好みです。

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関連記事は「サツマイモは美人の鳴門金時」。


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2020年12月29日 (火)

新潟県五泉市産の里芋

里芋のスープは大人の味」の関連記事です。

里芋は大人の味で美味しいといっても、すべての産地の里芋が必ずしもそうではないのは、すべての産地やすべての種類のサツマイモやジャガイモがうまいとは限らないのと同じです。

白くてなめらかでねっとりとした食感が評判の新潟県五泉市(ごせんし)産の里芋をデパ地下で見かけたので迷わず購入しました。色と形がともかく美形です。こういう見た目の上品な里芋が不味いはずがない。そう直感が知らせます。肌理(きめ)細かくて煮くずれしにくいのが特徴だそうですが、それを疑う余地はなさそうです。しかし、値は張ります。

さっそく一部を煮物にしてみました。評判通りの色艶と味わいでした。美人と付き合うにはお金がかかるようです。しかし、皮はとても薄く無駄になる部分が極小なので、実質的には安いお買い物です。

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2020年12月11日 (金)

里芋のスープは大人の味

イモを材料にしたスープを以前から楽しんでいます。イモの種類は三つでサツマイモとジャガイモとサトイモ。ジャガイモは洋のテイスト、サトイモは和のテイスト、サツマイモもどちらかというと和のテイストです。サトイモはサトイモではなく里芋と書いたほうが「らしさ」が出るので以降ここでは里芋で通します。里芋スープがいちばん渋い大人の味になる。

里芋(さといも)は、熱帯アジアの主食であるタローイモの一種で、タローイモの中ではいちばん北の地域(たとえば日本)で栽培される種類です。里で栽培されるので、山芋に対して、里芋と呼ばれるようになったらしい――そう聞いています。日本での歴史は古く、江戸時代半ばにサツマイモが普及するまではイモといえば里芋でした。

イモの名前は、もともとの産地や伝来経路の名前を含むのが伝統のようで、だからサツマイモは薩摩イモだし、サツマイモという呼び名が一般化する前は伝来経路をさかのぼって琉球イモと呼ばれていました。サツマイモの生産が盛んなのはアジアですが、本籍地は中米です。だからグアテマライモという古称が存在したとしてもおかしくない。

ジャガイモも、生まれは日本からはずいぶんと遠い南米のアンデス山脈です。そこから、メキシコ、スペインと経由し、日本にはインドネシアのジャカルタ経由でオランダ人が持ち込みました。だからジャガタライモ、つまりジャガイモとなりました。

里芋の一種にセレベスというのがありますが、この里芋はインドネシアのセレベス島(今はスラウェシ島という名に変わっている)からやってきました。

料理の味付けで油や脂を一番欲しがるのは三つのイモのなかでは断然ジャガイモです。数年前に調べた総務省の統計によれば、日本人のジャガイモの消費量は里芋の5倍くらい多い。洋風料理のお供はジャガイモだし、ポテトサラダはジャガイモだし、ステーキにもジャガイモです。北海道のイモのデフォはジャガイモだし、ファストフード店ではフレンチフライが定番です。

里芋の煮っころがしは和風の飲み屋では定番だとしても、家庭で調理するには里芋はジャガイモよりもはるかに面倒です。

最初に戻り我が家のイモのスープに戻ると、最近はサツマイモ(鳴門金時)か、里芋です。ジャガイモに対する欲求は大幅に低下してきており、サツマイモも時には甘すぎるので、和風を大人の舌で楽しむときは、甘くないまろやかさが口に拡がる里芋に限ります。


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2020年10月26日 (月)

サツマイモは美人の鳴門金時

焼き芋にすると中身が金色に近くなるサツマイモを金時芋(きんときいも)と呼ぶ慣わしです。このサツマイモは鳴門の産なので鳴門(なると)金時ということになりますが、実際はブランド化されていて、徳島県の北部、鳴門海峡近くの砂地のある地域で栽培された金時芋だけを「鳴門金時」と呼んでいるようです。「松阪牛」などと同じです。砂地栽培なので色がきれいです。

おいしいサツマイモのブランドはいくつかありますが、我が家では鳴門金時がいちばんの好みです。赤紫の色が鮮やかで姿かたちが整ったのが、つまり美人なほうが、長年食した経験上、味もいい。鳴門金時は、姿かたちの美しさと味の良さが正の相関関係にあるようです。他の野菜と同じです。

写真の鳴門金時はLサイズ。Lサイズくらいが味もいいし、料理での使い勝手もいい。オーブンで焼き芋にしてそのままおやつで食べても、焼いたのや蒸したのをマッシュしてサラダの一部にしても美味しい。

鳴門金時の収穫最盛期は8月~9月。札幌の野菜売り場でも9月以降によく見かけるようになります。水分が抜けたほうが甘味が増すので食べごろは秋から冬ですが、収穫後、蔵に貯蔵してあったのを寒い時期に付加価値を付けた「蔵出し」として出荷するところもあり、そういうのを味わうのも悪くない。

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2020年10月 8日 (木)

野菜と器量

野菜の美味さと器量は関係ないという意見があります。不揃いな野菜、器量の良くない野菜とそうでない(つまり、器量の良い)野菜との間に味わいの差はないという主張です。

その主張が全面的に間違えていると言うつもりはありませんが、少なくとも我が家の好物であるところの「鳴門金時」というサツマイモに関しては、器量と味にとても高い相関があります。それが長年の経験でわかっています。不器量なのは安いけれど、残念ながら、その分不味い。だからお店で選ぶ場合も、器量良しに限ります。美人がいないと買いません。

「鳴門金時」はおやつに焼き芋として食べても、焼いたり蒸したりしたのをサラダの一部として使っても美味しい。お節料理だと鳴門金時と栗の甘露煮で作る「栗きんとん」です。

しばらくすると器量の良い鳴門金時と出会えそうです。収穫後にしばらく貯蔵したほうが味わいが深くなるので「蔵出し」をマーケティングしているところもあります。

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          鳴門金時(2017年12月)


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2020年5月 7日 (木)

サラダには焼いたサツマイモ、「鳴門金時」と「紅はるか」

焼いたサツマイモとは「焼き芋」のことです。以前、家庭でオーブンが普及していなかったころは、おいしい「焼き芋」は街を流す焼き芋屋の「石焼き芋」と決まっていました。加熱した石が詰まった焼き窯でゆっくりじっくり焼き上げるので家庭では出せない美味しいがあった。家庭ではサツマイモは蒸して食べていました。「焼き芋」に対して「ふかし芋」です。

この冬もサラダの一部として焼いて楽しんだのは、蔵出しの「鳴門金時」(鳴門なので徳島産)。秋に収穫したのを貯蔵しておき、それを1月中旬くらいから出荷するので蔵出しというわけです。その蔵出しの鳴門金時を、オーブンで160℃で50分焼くとホクホクの焼き芋ができ上がります。時間がない場合は200℃で30分でも構いませんが、低温でゆっくりと焼いた方が当然美味い。それを軽くマッシュしたのを酢と塩麹でドレッシングしてたいていは葉物野菜といっしょに食べます。

4月になってその蔵出し鳴門金時の出荷時期が終ってしまったので代りになるのを探したら4月いっぱいまでは蔵出しを出荷しているのがあってそれが大分産の「紅はるか」でした。さっそく一箱購入し、現在はそれと付き合っています。きれいな赤紫のサツマイモです。

その「紅はるか」を「鳴門金時」と同じようにオーブンでじっくりと焼いて焼き芋にしてみると、古典的なホクホク食感の「鳴門金時」とは違って、ねっとりと柔らかくて甘い。その焼き上がりの雰囲気と食感は、焼き芋というよりは蒸し芋、ふかし芋の感じです。

石焼き芋らしい「ホクホク」食感の品種には「鳴門金時」「紅あずま」「紅おとめ」がありますが、最近は消費者の好みが「より甘い」「より柔らかい」に変化してきたこともあってか「紅はるか」「安納いも」「シルクスイート」のような甘くねっとりとした(あるいはクリーミーな)味わいのサツマイモが人気を集めているようです。

蛇足ですが、サツマイモは保管温度が寒すぎると腐ってしまう。だから今回の「紅はるか」にも『長持ちさせるためにまず箱を開け、乾燥防止のために新聞紙で包みます。保管場所は温度13℃位が適しています。温度が低すぎますと腐りやすくなりますので、ご注意ください。特に、冷蔵庫や屋外での保存はさけてください。』と印刷されたペラ案内が同封されていました。間違えて冷蔵庫に保管してあとで慌てる主婦のかたがたがそれなりにいらっしゃるのでしょう。

4月から5月前半の札幌の気温は有難いことにサツマイモの保管に向いています。


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2020年2月28日 (金)

サラダにはジャガイモよりもサツマイモ

札幌に住んでいるから、イモ類はジャガイモというわけではありません。最近はどちらかというとジャガイモの消費量は少なくて(ごくわずかで)、食事にはサトイモやサツマイモです。北海道でもわずかにサツマイモを生産していて、そしてそういうのは必ず試してはみるものの、普段口にするのは「鳴門金時」です。

札幌の店頭でいちばん見かけるのは関東産の「紅あずま」ではあっても、我が家の食欲は赤紫がきれいな「鳴門金時」に向かいます。

現在、この冬という季節に楽しんでいるのは、蔵出しの鳴門金時。秋に収穫したのを貯蔵しておいて、それを1月中旬くらいから出荷するので蔵出しです。その蔵出しを、オーブンで160℃で50分焼くと下の左側の写真のような焼き芋ができ上がります。時間がない場合は200℃で30分でも構いませんが、低温でゆっくりと焼いた方が美味い。

これを軽くマッシュしたのを酢と塩麹でドレッシングしてサラダのひとつとして、たいていは葉物野菜のサラダといっしょにいただきます。

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2020年2月26日 (水)

炭水化物に炭水化物、あるいはその親戚

米ファストフード大手が、ニュージーランドで、フライドポテトだけをはさんだバーガーを売り出したというニュースが流れていました。それにベーコンを加えた商品もあるそうです。商品名は「チップ・バティ」(Chip Butty)。

そのニュースでは、ある店舗の調理場で責任者が偶然、バンズの上にフライドポテトを落としたのをきっかけに考案されたとなっていましたが、その理由付けはやや嘘っぽい。なぜなら「フィシュ・アンド・チップス」の発祥の地である「大英帝国」ではそれは以前から存在していたからです。チップはフライドポテト、バティはバターを塗ったパンなので、フィシュ・アンド・チップスの変奏です。

Chipbutty-bergerking-2  画像は当該企業のウェブサイトからお借りしました

「ジャンクフード」の代表を炭水化物に炭水化物を重ねたもの(およびその親戚)と定義するなら、日本だとラーメンライス。おなかが空いていて懐も温かくない若者がおなかをいっぱいにしようとしたらラーメンとライスを同時に注文するだろうし、かけ蕎麦の大盛りにおにぎりやいなり寿司を組み合わせるかもしれない。炭水化物と炭水化物は、そのときの空腹への簡便で安価な対応法としては理に適っています(食べる回数が増え過ぎるとケンコーに良くないというのはさておき)。

それからジャガイモがいっぱい入っただけのカレーライスもそれに近い。パンの間にマヨネーズとケチャップ付きのフライドポテトやベーコンが挟まれているのと(こういう場合に必ずマヨネーズとケチャップが登場するのが、なんとも、ですが)、市販のカレールーを放り込んだだけのカレーとジャガイモとご飯(ライス)が一緒になったのと、味の差にうるさいことを云わなければ、そして料理文化における民度の差に目をつぶれば、それほど違うとも思えない。

ラーメンライスも、誰かから教えられるのではなくて、おなかが空いて初めてその組み合わせに気付く若者がいるかもしれないことを考えると、「ある店舗の調理場で責任者が偶然、バンズの上にフライドポテトを落としたのをきっかけに考案された」というのも嘘っぽいけれど嘘ではないのかもしれません。でもなぜニュージーランドなのかは、英国の親戚ということ以外はよくわからない。

関連記事は「ジャガイモとオランダ人、あるいは世界の4大主食(その3)


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2019年1月 4日 (金)

二日と三日は九部屋の小分け皿

お節を重箱に盛り付けるのは元日だけで、二日と三日は写真のような九部屋の小分け皿を使い、四日からは普段のメニューに戻ります。

雑煮は、すまし汁と味噌仕立てを日替わりで楽しみます。すましには野菜にローストした鶏肉を食べやすい大きさにカットしたものを加えますが、味噌は野菜だけです。

味噌仕立てには今年は札幌の隣町で生産されている淡い色のこし辛口味噌(辛口といってもやや甘い)を使ってみました。餅は小ぶりな杵つきの丸餅(玄米餅)です。杵つきなのでとてもおいしい。あとを引きます。

Photo  2019

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