イモ類

2020年10月26日 (月)

サツマイモは美人の鳴門金時

焼き芋にすると中身が金色に近くなるサツマイモを金時芋(きんときいも)と呼ぶ慣わしです。このサツマイモは鳴門の産なので鳴門(なると)金時ということになりますが、実際はブランド化されていて、徳島県の北部、鳴門海峡近くの砂地のある地域で栽培された金時芋だけを「鳴門金時」と呼んでいるようです。「松阪牛」などと同じです。砂地栽培なので色がきれいです。

おいしいサツマイモのブランドはいくつかありますが、我が家では鳴門金時がいちばんの好みです。赤紫の色が鮮やかで姿かたちが整ったのが、つまり美人なほうが、長年食した経験上、味もいい。鳴門金時は、姿かたちの美しさと味の良さが正の相関関係にあるようです。他の野菜と同じです。

写真の鳴門金時はLサイズ。Lサイズくらいが味もいいし、料理での使い勝手もいい。オーブンで焼き芋にしてそのままおやつで食べても、焼いたのや蒸したのをマッシュしてサラダの一部にしても美味しい。

鳴門金時の収穫最盛期は8月~9月。札幌の野菜売り場でも9月以降によく見かけるようになります。水分が抜けたほうが甘味が増すので食べごろは秋から冬ですが、収穫後、蔵に貯蔵してあったのを寒い時期に付加価値を付けた「蔵出し」として出荷するところもあり、そういうのを味わうのも悪くない。

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2020年10月 8日 (木)

野菜と器量

野菜の美味さと器量は関係ないという意見があります。不揃いな野菜、器量の良くない野菜とそうでない(つまり、器量の良い)野菜との間に味わいの差はないという主張です。

その主張が全面的に間違えていると言うつもりはありませんが、少なくとも我が家の好物であるところの「鳴門金時」というサツマイモに関しては、器量と味にとても高い相関があります。それが長年の経験でわかっています。不器量なのは安いけれど、残念ながら、その分不味い。だからお店で選ぶ場合も、器量良しに限ります。美人がいないと買いません。

「鳴門金時」はおやつに焼き芋として食べても、焼いたり蒸したりしたのをサラダの一部として使っても美味しい。お節料理だと鳴門金時と栗の甘露煮で作る「栗きんとん」です。

しばらくすると器量の良い鳴門金時と出会えそうです。収穫後にしばらく貯蔵したほうが味わいが深くなるので「蔵出し」をマーケティングしているところもあります。

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          鳴門金時(2017年12月)


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2020年5月 7日 (木)

サラダには焼いたサツマイモ、「鳴門金時」と「紅はるか」

焼いたサツマイモとは「焼き芋」のことです。以前、家庭でオーブンが普及していなかったころは、おいしい「焼き芋」は街を流す焼き芋屋の「石焼き芋」と決まっていました。加熱した石が詰まった焼き窯でゆっくりじっくり焼き上げるので家庭では出せない美味しいがあった。家庭ではサツマイモは蒸して食べていました。「焼き芋」に対して「ふかし芋」です。

この冬もサラダの一部として焼いて楽しんだのは、蔵出しの「鳴門金時」(鳴門なので徳島産)。秋に収穫したのを貯蔵しておき、それを1月中旬くらいから出荷するので蔵出しというわけです。その蔵出しの鳴門金時を、オーブンで160℃で50分焼くとホクホクの焼き芋ができ上がります。時間がない場合は200℃で30分でも構いませんが、低温でゆっくりと焼いた方が当然美味い。それを軽くマッシュしたのを酢と塩麹でドレッシングしてたいていは葉物野菜といっしょに食べます。

4月になってその蔵出し鳴門金時の出荷時期が終ってしまったので代りになるのを探したら4月いっぱいまでは蔵出しを出荷しているのがあってそれが大分産の「紅はるか」でした。さっそく一箱購入し、現在はそれと付き合っています。きれいな赤紫のサツマイモです。

その「紅はるか」を「鳴門金時」と同じようにオーブンでじっくりと焼いて焼き芋にしてみると、古典的なホクホク食感の「鳴門金時」とは違って、ねっとりと柔らかくて甘い。その焼き上がりの雰囲気と食感は、焼き芋というよりは蒸し芋、ふかし芋の感じです。

石焼き芋らしい「ホクホク」食感の品種には「鳴門金時」「紅あずま」「紅おとめ」がありますが、最近は消費者の好みが「より甘い」「より柔らかい」に変化してきたこともあってか「紅はるか」「安納いも」「シルクスイート」のような甘くねっとりとした(あるいはクリーミーな)味わいのサツマイモが人気を集めているようです。

蛇足ですが、サツマイモは保管温度が寒すぎると腐ってしまう。だから今回の「紅はるか」にも『長持ちさせるためにまず箱を開け、乾燥防止のために新聞紙で包みます。保管場所は温度13℃位が適しています。温度が低すぎますと腐りやすくなりますので、ご注意ください。特に、冷蔵庫や屋外での保存はさけてください。』と印刷されたペラ案内が同封されていました。間違えて冷蔵庫に保管してあとで慌てる主婦のかたがたがそれなりにいらっしゃるのでしょう。

4月から5月前半の札幌の気温は有難いことにサツマイモの保管に向いています。


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2020年2月28日 (金)

サラダにはジャガイモよりもサツマイモ

札幌に住んでいるから、イモ類はジャガイモというわけではありません。最近はどちらかというとジャガイモの消費量は少なくて(ごくわずかで)、食事にはサトイモやサツマイモです。北海道でもわずかにサツマイモを生産していて、そしてそういうのは必ず試してはみるものの、普段口にするのは「鳴門金時」です。

札幌の店頭でいちばん見かけるのは関東産の「紅あずま」ではあっても、我が家の食欲は赤紫がきれいな「鳴門金時」に向かいます。

現在、この冬という季節に楽しんでいるのは、蔵出しの鳴門金時。秋に収穫したのを貯蔵しておいて、それを1月中旬くらいから出荷するので蔵出しです。その蔵出しを、オーブンで160℃で50分焼くと下の左側の写真のような焼き芋ができ上がります。時間がない場合は200℃で30分でも構いませんが、低温でゆっくりと焼いた方が美味い。

これを軽くマッシュしたのを酢と塩麹でドレッシングしてサラダのひとつとして、たいていは葉物野菜のサラダといっしょにいただきます。

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2020年2月26日 (水)

炭水化物に炭水化物、あるいはその親戚

米ファストフード大手が、ニュージーランドで、フライドポテトだけをはさんだバーガーを売り出したというニュースが流れていました。それにベーコンを加えた商品もあるそうです。商品名は「チップ・バティ」(Chip Butty)。

そのニュースでは、ある店舗の調理場で責任者が偶然、バンズの上にフライドポテトを落としたのをきっかけに考案されたとなっていましたが、その理由付けはやや嘘っぽい。なぜなら「フィシュ・アンド・チップス」の発祥の地である「大英帝国」ではそれは以前から存在していたからです。チップはフライドポテト、バティはバターを塗ったパンなので、フィシュ・アンド・チップスの変奏です。

Chipbutty-bergerking-2  画像は当該企業のウェブサイトからお借りしました

「ジャンクフード」の代表を炭水化物に炭水化物を重ねたもの(およびその親戚)と定義するなら、日本だとラーメンライス。おなかが空いていて懐も温かくない若者がおなかをいっぱいにしようとしたらラーメンとライスを同時に注文するだろうし、かけ蕎麦の大盛りにおにぎりやいなり寿司を組み合わせるかもしれない。炭水化物と炭水化物は、そのときの空腹への簡便で安価な対応法としては理に適っています(食べる回数が増え過ぎるとケンコーに良くないというのはさておき)。

それからジャガイモがいっぱい入っただけのカレーライスもそれに近い。パンの間にマヨネーズとケチャップ付きのフライドポテトやベーコンが挟まれているのと(こういう場合に必ずマヨネーズとケチャップが登場するのが、なんとも、ですが)、市販のカレールーを放り込んだだけのカレーとジャガイモとご飯(ライス)が一緒になったのと、味の差にうるさいことを云わなければ、そして料理文化における民度の差に目をつぶれば、それほど違うとも思えない。

ラーメンライスも、誰かから教えられるのではなくて、おなかが空いて初めてその組み合わせに気付く若者がいるかもしれないことを考えると、「ある店舗の調理場で責任者が偶然、バンズの上にフライドポテトを落としたのをきっかけに考案された」というのも嘘っぽいけれど嘘ではないのかもしれません。でもなぜニュージーランドなのかは、英国の親戚ということ以外はよくわからない。

関連記事は「ジャガイモとオランダ人、あるいは世界の4大主食(その3)


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2019年1月 4日 (金)

二日と三日は九部屋の小分け皿

お節を重箱に盛り付けるのは元日だけで、二日と三日は写真のような九部屋の小分け皿を使い、四日からは普段のメニューに戻ります。

雑煮は、すまし汁と味噌仕立てを日替わりで楽しみます。すましには野菜にローストした鶏肉を食べやすい大きさにカットしたものを加えますが、味噌は野菜だけです。

味噌仕立てには今年は札幌の隣町で生産されている淡い色のこし辛口味噌(辛口といってもやや甘い)を使ってみました。餅は小ぶりな杵つきの丸餅(玄米餅)です。杵つきなのでとてもおいしい。あとを引きます。

Photo  2019

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2018年12月11日 (火)

鳴門の「なると金時」と江別の「金時芋」

最近は北海道でもサツマイモをわずかに生産するようになってきましたが、鳴門金時と同じ種類の金時芋も栽培しているようです。札幌のある小売店の野菜売り場で、江別産の「紅あずま」のとなりに江別産の「金時芋」が並んでいました。

金時芋でも「鳴門金時」とは表記できません。「鳴門金時」は鳴門(徳島)産の金時芋につけられたブランドだからです(調べてみたら正確な登録商標は「なると金時」で、登録日は平成19年(2007年)4月20日、対象は「徳島県鳴門市・徳島市・板野郡産の金時さつまいも」だそうです)。

「シャンパン」とほぼ同じアルコール飲料を日本やカリフォルニアで製造しても「シャンパン」とは表記できません。「スパークリングワイン」なら大丈夫です。「スパゲティ」も同様で、「硬質小麦(デュラム)をひいた精製粉のセモリナ粉」以外の国産強力粉で作ったスパゲティ形状の小麦加工食品をスパゲティと表記していないのと同じです。

さて、その金時芋ですが、両方が手元にあったので「北海道・江別産の『金時芋』(ラベルには「なると金時と同品種」と書いてあります)と「徳島県産の『なると金時』」を左右に並べてみます。左が「江別」、右が札幌のデパ地下で購入した「鳴門」です。少し雰囲気が違います。

焼き芋にするとホクホクと美味ですが、蒸してマッシュして野菜サラダの一部というのもなかなかです。

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2018年4月25日 (水)

アピオスという油がいっぱいの小さなイモ風野菜

ご近所野菜のコーナーに「アピオス」があったので買ってみました。完全無農薬栽培と表記してあります。「アピオス」は無農薬栽培に向いているみたいです。
 
「アピオス」とは、最近は割にポピュラーな小イモ風の野菜ですが、マメ科に分類されています。原産地が北米のつる性植物で、肥大した根茎を食べます(写真)。最初に青森県に入って来たらしい。ポピュラーといっても、我が家で食べるのは今回が初めてです。
 
塩茹でして、野菜サラダの食材のひとつとして、たとえばアスパラやレタスの隣に並べるとおいしそうです。皮ごと茹でます。
 
茹でるときは端の固い部分だけ切り落とします。ホクホク感があり、上品な甘さです。確かに野菜サラダに向いた食材でした。パッケージには素揚げもお勧めとあります。素揚げだとビールが進むに違いない。お好みでどうぞ。
 
調理後は、鍋と包丁とシンクが「アピオス」の油でベトベトになるのでご注意ください。調理時に、知らずに、無理に皮を剥こうとすると手と包丁が油で悲劇的な状態になるかもしれません。でも、美味しいです。
 
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           調理前のアピオス
 
ある種苗会社のの説明をそのまま借用すると、「アピオス」は「北米原産のマメ科ホドイモ属の植物です。つる性植物で小芋が土のなかで育ちます。花は芳香のある紫色の花を咲かせます。根は1~2mと長く、数珠つなぎのように3cm程のラグビーボール形小芋をたくさんつけます。つるは2.5mほどに伸び、緑のカーテンに向きます。」

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2018年1月15日 (月)

晩ごはんに「さつまいも」

週末の夕方、小腹が空いたので、配偶者といっしょに「さつまいも」の焼きいもを食べることにしました。「鳴門金時」(写真)です。そういう場合は、普通は、1本を二人で分けるのですが、二人ともとてもおなかが空いたという感じだったので、ひとり1本になりました。さすがに形のよい「鳴門金時」で、甘くてホカホカして美味しい焼き芋でした。
 
で、その後、どういうことになったかというと、晩ごはんは、サラダと魚料理と野菜料理と味噌汁のみ。ご飯(コメ)は無理でした。
 
「さつまいも」は、江戸中期に、飢饉対策として関東地方でも栽培されはじめたそうです。「さつまいも」は漢字で書くと「薩摩芋」。薩摩藩(鹿児島県)で栽培が盛んだったので「薩摩芋」です。それまでは、唐芋(からいも)や甘藷(かんしょ)や琉球藷(りゅうきゅういも)などと呼ばれていました。鹿児島への輸入経路や流通経路がわかります。なお、「さつまいも」の原産地は、メキシコなど、中南米です。
 
以前、農林水産省が食料自給率・食料自給力を上昇させる方法を考察する際に、その一環として「いも」を中心にした食事メニューを提示したことがあります(2015年3月)。そのメニューとは以下のようなものです。なかなかに興味深い。
 
□朝食: お茶碗一杯のごはん、浅漬け2皿、焼きいも2本
□昼食: 焼きいも2本、サラダ2皿、粉吹きいも1皿
□夕食: 焼きいも2本、粉吹きいも1皿、野菜炒め2皿、焼き魚1切
 
蛇足的な説明を加えると、「焼きいも」とは普通は「さつまいも」の焼きいもで、「粉吹きいもの」とは普通は「ジャガイモ」です。「さつまいも」を「甘藷(かんしょ)」と呼ぶなら、「ジャガイモ」は「馬鈴薯(ばれいしょ)」です。
 
芋尽くしの、一日を経験してみてはいかがでしょうか。関連記事は「ジャガイモとオランダ人、あるいは世界の4大主食(その3)」。
 
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2017年11月30日 (木)

「からゆたか」という北海道産サツマイモの風味

北海道でも最近はサツマイモができます。「からゆたか」という名前の北海道産のサツマイモを、好奇心から購入し、食べてみました。お店に並んでいたのは、買うのを止めようかというくらい細くて不器量なものでした(写真)。不器量なものは、経験上、美味しくない。でも、味の実験です。
 
水っぽいサツマイモでした。オーブンでしっかりとした焼き芋にしても、焼き芋の風味ではなく、蒸し器で蒸した感じです。繊維が多い。ぼくたちが子供のころの、品種改良される前のサツマイモに近い。たとえば、鳴門金時を焼き芋にしたときのホクホクの甘さと比べると、残念ながら、旨さは落ちる。
 
農研機構の紹介ページによれば、「からゆたか」は「いもの肥大が早く、ごく多収の青果用サツマイモの新品種で、栽培期間が短いため早掘栽培や新規導入に最適」だそうです。
 
「外観が良く、肉質はねっとりしていて、焼きいもに適し」ており、「栽培期間が短いため、早掘栽培での収量向上やサツマイモの新規作付けが期待されます」ということなので、我が家で食べた「からゆたか」は、イモづくりの下手な農家が、他の主要根菜類の栽培のついでに作ったダメな「からゆたか」だったのかもしれません。
 
ま、こういうことも、ときどきはあります。
 
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