ヘルシーエイジング

2019年9月11日 (水)

塩とミネラル

医者でもバランス栄養食のパンフレットでも、あるいは梅干し売り場でもどこでも「減塩」という言葉や表示やガイダンスがいつの頃からか「デフォ」になっているようです。だから医者に塩分は控えめにと言われる辛いもの好きのかたは多いのかもしれません。
 
ある甘いものが好きで野菜の嫌いな知り合いが、なんとはなしの体調不良の原因を相談に行った総合内科医から「塩分不足ですね」と言われたそうです。こういうかたは、今どきは珍しい。
 
頑張って塩分を控えめにし続けた結果なのか、それとも好き嫌いが激しくて、つまり甘いものの摂食過多で、しかし味噌汁はほとんど飲まないし漬物に箸は伸びない、梅干しはハチミツ入りの甘い梅干しという生活の結果なのかはぼくにはわからない。しかしいずれにせよ「塩分不足」とは「ミネラル不足」という意味です。
 
しかし、スーパーマーケットやそれに類する売り場でも、買い物カゴの中はお菓子やスイーツ類だけという若い女性をよく見かけるので「今どきは珍しい」というのでもないのかもしれない。
 
塩を分類すると「天然塩(未精製塩)」と「精製塩」の2種類になりますが、実際の商品としては「天然塩(未精製塩)」と「精製塩」と「再生加工塩」の3種類が販売されています。「天然塩(未精製塩)」は「自然海塩」と「岩塩」に分かれます。
 
塩は海水から作られます。海水を天日干しし、あるいは釜で煮詰めると天然塩ができあがりますが、天然塩にはマグネシウムやカルシウムやカリウムや鉄分のようなよく知られたミネラルだけでなく、その他の数多くの種類の微量ミネラルが溶け込んでいます。
 
岩塩も大昔の海水から作られた天然塩です。地殻変動によって閉じ込められた約2億5000万年前の海水が天日干しされ圧縮されて岩のような塩の地層になりました。多くのミネラル類が含まれています。そういう意味では天然塩(未精製塩)は自然海塩でも岩塩でも生きた塩です。
 
一方、「精製塩」とは、工場の化学プロセスで生産された純度の高い(つまり塩化ナトリウムだけの)塩で、ミネラル類(という不純物)は製造過程で除去されています。精製塩は死んだ塩です。
 
「再生加工塩」は、その「精製塩」に、塩の風味に関係するわずかな種類のミネラル類を添加して、その分だけ天然塩(自然海塩)に似せたものです。
 
塩はミネラルという不純物の活躍が決め手です。
 
ミネラルはヒトの体内で合成できないため食物として摂取する必要があります。不足した場合は欠乏症やさまざまな不調が発生します。ヒトの身体に必要とされるミネラルは16種類で、それらは「必須ミネラル」と呼ばれています。「必須ミネラル」は、7種類の「主要ミネラル」(体内に比較的多く存在し1日あたりの必要所要量が100mg以上のもの)と、それ以外の「微量ミネラル」(9種類)に分かれます。
 
きちんとした天然塩(未精製塩)には「必須ミネラル」がバランスよく含まれています。つまり、「カルシウム・ナトリウム・カリウム・塩素・リン・硫黄・マグネシウム」の主要ミネラル7種類がすべて、それから微量ミネラルだと「鉄・亜鉛・銅・クロム・ヨウ素・コバルト」が含まれています。それ以外に含まれている微量元素にはフッ素やマンガンなどがあります。海水に溶け込んでいる(いた)ミネラルという不純物が、料理に使う天然塩(未精製塩)を通して私たちの健康を支えています。
 
だからいい天然塩を使って熟成させた味噌はおいしいし、いい塩で寝かせた梅干しもおいしい。タクアンもいい塩でないと風味にかける。塩麹もそうです。
 
関連記事は「塩の好み」。


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2019年7月22日 (月)

夜中に足が攣(つ)ったときはマグネシウムの多い硬水をがぶ飲み

運動を予定以上に長くやりすぎて、そのことは別に悪くないのですが、そのあと水分を十分に摂らなかったような場合、睡眠中の夜中に足が攣(つ)ることがあります。痛みで寝ているどころではありません。

そういう場合は、足の攣った箇所を揉んだりせずに(そういうのを効果的にするのはひとりでは難しいので)、足を引きずってでも起き出して、ある種の水をがぶ飲みすれば(実際にはコップいっぱいに注いだのをゆっくりと何杯も飲む)、筋肉の攣りとそれに伴う痛みは、たいていの場合、10分から15分くらいで、すーと引いていきます。ちょっとした魔法です。

ある種の水とは硬水のことで、とくにマグネシウムなどのミネラル含有量が多いタイプのものです。我が家では「100mlあたりカルシウムの含有量が46.8㎎、マグネシウムの含有量が7.45㎎、カリウムの含有量が0.28㎎」の硬水を1.5リットル入りのペットボトルでそれなりの本数をストックしてあります。

先週末の睡眠中に久しぶりに急に足が攣り、原因は明かで、その日の夕方に頑張って歩き過ぎたのとそのあと水をあまり飲まなかったし、就寝前にも水を飲まなかった。自業自得です。で、台所まで歩けるようになるまで足を揉み、その硬水です。ゆっくりとコップで4~5杯分くらい飲んで様子を見ていると、攣りの痛みは消えていきました。

この「緊急療法」の欠点は、大量の水を体内に入れるので、たとえば2時間後に、本当は起き出したくない時刻に攣りの痛みとは別の理由で確実に目が覚めることです。仕方ありません。

 

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2019年5月24日 (金)

ウォーキングの季節

ウォーキングの季節になりました。ランニングとかジョギングは苦手なので、もっぱらウォーキングです。それなりに速く歩きます。

服装は上は普通の半袖Tシャツとその上に長袖のスウェットシャツか、あるいは半袖Tシャツとその上にひと回り大きい厚手(heavy duty)の半袖Tシャツの組み合わせ、下は正確にはなんというのか知りませんが、裾を絞ってない(つまりストレート)タイプのスウェットパンツ風。靴はきちんとしたスポーツ用品メーカーのジョギング用シューズ。5月中旬の夕方の札幌にはそういう格好がいい感じです。

道路際の樹木の列の下や、若い緑が塀や地面に生い茂る様を横目で見たりしながら速足で歩きます。

週末は男性ジョガーと女性ジョガーの両方に出会いますが、週日の夕方にすれ違うのはほとんどが女性ジョガーです。たまに、すばらしいフォームとスピードで駆け抜けていく体育会系女子高生と思しきグループと遭遇すると、止まって見学。

高い頻度でお目にかかるのは、すでに何キロか走った後なのかよたよたと頑張る中年男性ジョガーです。着ているものはぼくのよりは断然お金がかかっている。よたよたジョギングなので、ぼくのウォーキング速度とさほど変わりません。走っているという意識、ジョギングしているんだという意識を運動中に常に頭のなかに置いておかないと落ち着かないのかもしれませんが(あるいは走ったという記憶がないとシャワーの後のビールが美味しくないのかもしれませんが)、あの速度で無理して走る必要があるのか疑問ではあります。

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2019年4月25日 (木)

高血圧に関する、愉快な業界・愉快なコメント・愉快なデータ

高血圧 75歳未満は「最高130」目標に 降圧剤処方が増える可能性〉というタイトルの記事が眼に入りました。記事の一部と説明図を引用します。

「日本高血圧学会は19日、医療者向け「高血圧治療ガイドライン(指針)」の2019年版を発表した。75歳未満の成人の降圧目標について最高血圧(収縮期血圧)を「130ミリHg(水銀)未満」とし、前回の指針から10ミリHg引き下げた。血圧はより低い方が総死亡や脳卒中、心筋梗塞(こうそく)の発症率などが低く抑えられるという米国などの臨床試験の結果を反映した。治療をする1000万人以上もの高血圧患者への降圧剤処方が増える可能性がある。」

13080-2019

世の中にはスマートなかたがいらっしゃるみたいで、この日本高血圧学会の発表に対して愉快なコメントとデータがネット上で提供されていました。原文のママ、引用します。

『医者、薬屋は嘘は言わないが全部も言わない
血圧下げると脳梗塞は減ると言うが認知症、骨粗鬆のリスクは言わない
塩分控えろと言うが、糖分控えろとは言わない
脳梗塞、ガンで死んでる人は大体75歳以上だから自然死と同じですよ、とは言わない』

『降圧剤市場の遷移
160のとき 3000億
140のとき 6000億
130の今 1兆2000億
分かりやすいよねー』

『降圧剤市場の遷移』というのをもっとわかりやすく(あるいは冗長に)書き直すと次のようになります。

降圧剤市場の推移
・最高血圧が「160未満」というガイドラインのときの市場規模は3000億
・最高血圧が「140未満」というガイドラインのときの市場規模は6000億
そして
・最高血圧が「130未満」というガイドラインになった今、今後の市場規模は1兆2000億

記事にも「治療をする1000万人以上もの高血圧患者への降圧剤処方が増える可能性がある」とあったので、降圧剤市場の市場規模について別のソースを当ってみました。

【降圧薬】市場は5500億円』という記事があり、その内容は

『処方量と単価が分かっているので、各降圧剤の年間売上高を簡単に計算することができます。全部足し合わせれば、降圧剤の市場規模も分かります。結果は<表>のようになりました。
 NDBオープンデータには処方量の上位100品目までが掲載されています。それらの合計金額は、なんと5492億円。・・・101位以下がどのくらいになるかは分かりませんが、市場規模は大ざっぱに5500億円と言っていいでしょう。』

その<表>とは以下のようなものです。引用します。

2015

「140のとき 6000億」と「この表の金額」は同じものを指しているので「最高血圧ガイドラインが140のときは、降圧剤の市場規模は5500億円、ざっくりと6000億円」ということになります。だから「130の今 1兆2000億」という数字にとくに反対する理由はありません。

140から130になったときの、市場拡大効果(売り上げ金額の増加)が例えば5000億円だとして、その1%の50億円がロビーイング経費としてすでに関係各所に流れ出ていても不思議ではありません。ROIは良好。けっこう愉快な業界です。

関連記事は「血圧が「130/85」から「148/95」へ」、それから「現在の血圧基準値は?」。

特定の専門分野の尖った意見だけでなくいろいろな状況を勘案した場合、「正常」な収縮期血圧(最高血圧)は「年齢+90」以下という古い簡易指標がいちばんすっきりとしているようです。

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2019年1月30日 (水)

咽喉(のど)に風邪を感じたら天然のハチミツ

季節は冬だけでなく、人ごみの中や複数の人といっしょの場所では差し支えない範囲でマスクをするようにしていますが、それでも外から戻ったときに咽喉(のど)に若干の違和感を覚えることがあります。そういう場合は、うがいの後で天然のハチミツです。

口に含んで喉のあたりでころがすようにゆっくりと味わいます。一般的に風邪といわれるのはウイルス感染によって引き起こされる鼻や咽喉の炎症のことですが、風邪予防というか初期段階の治癒効果という意味での天然のハチミツのコストパフォーマンスはとても高い。風邪薬コマーシャルには申し訳ないのですが、風邪薬の類は意味がない。

天然のハチミツとは、蜜蜂の巣箱から採蜜したものを、漉し網や漉し布で濾過しただけのものです。精製や加熱などの加工処理はされていない。だからもともとは蜜蜂の巣の一部であったところが微小な黒い粒や微細な白い欠片として混じっている。つまり、天然の抗生物質であるところのプロポリスが勝手に入り込んでいる。そしてそれだけでなく、ビタミン、ミネラル、アミノ酸や酵素、ポリフェノール、乳酸菌などもいろいろと含まれています。

タンポポに西洋タンポポ(多数派)と日本タンポポ(少数派)があるように、蜜蜂にも大多数派の西洋蜜蜂と少数派の日本蜜蜂がいます。西洋蜜蜂は花ごとに蜜を集める習性があり、だから、「シナノキ(菩提樹)」や「アカシア」、「クローバー」や「蕎麦」などの花の種類の応じたハチミツが瓶詰めされて販売されています。一方、日本蜜蜂は基本的に「百花蜜」、つまり特定の花ではなく居住地の半径2キロの範囲にあるいろいろな樹木や花の蜜をお好みで集めてくるそうです。従って、日本蜜蜂のハチミツには花の種類の表示がない。

欲を言えば、日本蜜蜂の集めてきた国産ハチミツを嘗めたい。生産量がわずかで、したがって値が張るとしても。私的な経験値だと、日本蜜蜂の天然ハチミツの方が西洋蜜蜂の天然ハチミツよりも、ポジティブな意味合いでの「不純物の力」が強い。だから、風邪薬なんぞはなくても「和蜂」の天然ハチミツは常備していたほうがいいようです。

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2018年12月27日 (木)

「屠蘇散をください」 「トソサン???」

屠蘇散(とそさん)を買ってなかったので、昨日の夜に近い夕方にデパ地下に飛び込みました。お正月食材が並んでいるあたりにも、味醂や酢や日本酒のコーナーにも屠蘇散が見あたりません。こういう時は近くの薬局です。

ということで、全国展開している近所のドラッグストアチェーンのお店のひとつ(路面店)に入ることにしました。地上に出るためには1階に上がる必要がありますが、その路面店に近い方の出口をめざして1階フロアを横切っていると、デパートの1階はご存知のように化粧品売り場なので、夕方でも女性客で混雑しています。ただし、そのフロアの標準語というかデフォ言語は中国語のようです。日本語は補足言語。

ドラッグストアのガラスドアを開けカウンターにいた若い女性店員に話しかけました。「屠蘇散をください」

「トソサン???」発音に少し独特のものがあったので名札を見たら中国名でした。で、「と・そ・さ・ん」とゆっくりと発音してみたのですが埒があきません。その店員はカウンターのもう一人の女性店員に「トソサン」という単語が混じった中国語で何か尋ねていますが、尋ねられた方も、この女性も中国名の名札を胸につけていましたが、首をかしげるばかりです。

その様子を別の場所から見ていた中年のベテランらしい女性が「なんでしょうか」と助けに入りました。名札を見ると彼女も中国(ないしは台湾)のかたのようです。「と・そ・さ・ん、ありますか?」 一瞬考えこみ、カウンターの入り口に近い辺りのカゴに立てて10数個並べてある屠蘇散の入った紙袋を指さしたので「それです、それが屠蘇散」

正月直前なので、屠蘇散はどこか目立つ場所に置いてある(積んである)に違いないと自分で見つける気になりかけていましたが、やはり目立つ場所にありました。

なぜ対応してくれた店員がすべて中国名の女性だったのは、そのお店の売上金額的に最も重要な顧客層が中国や台湾からの観光客だから、ということなのでしょう。中国語もできる日本人店員では、購買意欲に満ちあふれた大きい声の中国人観光客の対応が十分にできない。日本語のできる中国人店員が不可欠というわけです。

蛇足。「お屠蘇(とそ)気分」の「屠蘇」とは。「屠蘇散(とそさん)」をひたした味醂(みりん)のことです。「屠蘇散」は延命長寿の漢方薬です。だから屠蘇は正月の祝い酒になりました。屠蘇には独特の漢方薬の香気があります。日本酒のようにたくさん飲める種類のお酒ではありません。

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2018年12月21日 (金)

姥捨て(うばすて)

以前にも書いたことですが、世の中には大きな網に放り込んで姥(うば)捨て山に持っていって棄ておきたい、そういう婆さん連中がいらっしゃる。そういう爺さん連中もいるかもしれませんが、ぼくの偏見では婆さんのほうが多い気がします。大した理由があって姥捨て山などという大袈裟な言葉を持ち出しているわけではありません。しかし、つまらない理由も徐々に積み重なるとこういう文章を書かせるほどの内圧になります。

男の子や女の子が、といっても中学生や高校生ですが、コンビニの前や駅の構内で座り込んでおしゃべりしているのに出くわすことがあります。以前はそういう子たちをジベタリアンといった。動線上にべたっとされると邪魔といえば邪魔なので、たとえば「そういうところに坐り込まれるとちょっと迷惑なんだけれど」「うっせー、俺たちの勝手だろ」という会話が発生することになります。

商品棚の特定の商品の前をふさいでしまって他の人にはその場所を決して譲ってくれない。ほかに待っている人がいますよという気配を控えめに送っても気づかないのか無視しているのかその場をどいてくれない、あるいは、こちらが商品を手に取ろうとしている最中に平気でどんと割り込んでくる勇猛な「姥(うば)」さまがいらっしゃる。老齢で感覚や視野が狭くなって他者の存在や気配が感じられないのかとも推察しますが、一瞬見せる他を見下すような眼付きは年齢でぼけているとは思えない。歳のころは70から80歳くらい。

昔々姥捨て(うばすて)という風習があったらしい。そういう民話や伝説が日本の各地に伝わっています。これを棄老(きろう)伝説といいます。柳田國男の「遠野物語」はその一例です。姥(うば)とは老女や老婆を指します。爺ではない。しかし姥捨てとなると棄(す)てられるのはお年寄りで、そこにはおばあさんもおじいさんも入っています。しかし、古人が選んだ名称は「姥」。

傍若無人な「姥」に遭遇した時は、姥捨て伝説を思い出し、いったん別の場所に行って戻ってくる。しかし、その場所をまだ占拠されている場合は、心の中で投網(とあみ)を持ち出すことになります。

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2018年12月14日 (金)

煙草とウイスキー

必要があって、1960年代の終わりから1980年代半ばくらいまでに書かれたある米国作家の短編集を読んでいるのですが、そのときにけっこう驚かされるのが煙草(紙巻き煙草)の場面がとても多いことです。いつも煙草を喫っている。灰皿や吸い殻や投げ捨ての描写も多い。男女を問わず、それから年齢の偏りもなく登場人物の大部分がしきりに煙草を喫っています。

バーでもレストランでも家庭の居間でも病院の休憩室でも、煙(紫煙という風情のある言葉もありましたが)が漂っている。ウイスキー(バーボンウイスキーだと思いますが)を飲む光景も多い。女性の喫煙が少なかったということを除けば、当時の日本も似たような状況だったとは思いますが。

ぼくは煙草を止めて20年近くなりますが、禁煙当初のころは夢にまで登場した煙草もいつのころからか他の人にそれを近くで嗜まれるとそこから静かに離れるような存在になりました。煙草の煙と距離を置くほうが楽だからです。しかし、そうではあってもかりに何かのきっかけでもう一度喫いはじめると、また20年近く前の状態に戻らないとは限らない。でもありがたいことに、ウイスキーを楽しむ場面に出合うと一杯ひっかけてみたい気分になりますが、煙草はそうはならない。

だから、感心するのは、もう煙草を止めているのに煙草を喫う場面を演じないといけない役者のかたです。どう見ても、実際に肺に深く吸い込んで、ニコチンのクラクラを楽しみ、そのあとでゆっくりと煙を吐き出していると見える。それもうまい演技かもしれませんが、元喫煙者なら、その演技はけっこう辛いはずです。

おいしい範疇の国産ウイスキーが極端な品不足だそうです。長年寝かさないと商品にならない。だから想定外の需要が発生すると出荷停止にならざるを得ない。少し前までは、過去の遺物のような取り扱いだったのですが不思議な変化です。

関連記事は「モルトウイスキーの蒸留所」。

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2018年10月 2日 (火)

おいしい有機栽培ニンジンは味が濃い

野菜スティックというのがあります。きゅうりや大根、セロリなどの生野菜を使っても、にんじんなど蒸して熱を通した温野菜を加えても、どちらでも美味しく作れます。黄色や赤の生のパプリカなんかも彩りと歯ごたえには捨てがたい。

野菜スティックはビアホールなんかでもメニューのひとつです。ほかに食べるものもないような気分の時は、気が進まないけれど野菜スティックです。気が進まないのは、たいていはそういう場所の野菜スティックはおいしくないからです。でもビール以外に何も注文しないのは申し訳ない気がして、注文してしまう。しかし、ビールといっしょにやって来たのを見ても、実際のところ、新鮮ではあるのだけれど、色白すぎるというか、覇気がないというか。噛んでみて、やっぱり、と失望することが多い。

野菜売り場のセロリも、いかにも今まで太陽と遊んでいたという色に育ったのと、まったく食欲をそそらないような色つやのものとがあります。

ニンジンも同じで、遠目にはなんとなく似ていても、手に取る距離に近づくと差が出ます。たとえば、手をかけた有機栽培のニンジンとそうでないのとでは、リンゴとレモン(ないしは、スダチやカボス)を加えてニンジンジュースにするとその違いが露骨に出ます。

だから、そういう有機栽培のニンジンにプレミアム価格をお支払いするのは当然だという気持ちになります。もっとも、有機栽培であればなんでも美味しいかというとそういうわけではないので、そこは消費者の選択責任。

B Tm

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2018年6月14日 (木)

血圧を10くらい上下させるのはとても簡単、あるいは「正常」血圧って何?

定期的に、そしてできるだけ同じような時間帯に家庭で血圧を測っていても、血圧というのはけっこう変動するものです。調査対象は配偶者とぼくの二人で、サンプル数は少ないけれど、ぼくの数値だけを相手にするよりも客観的な物言いができます。血圧計は家庭向けのしっかりとしたもの。

ぼくの場合、たとえば日曜日の早朝に気分よくぼんやりしているときの血圧と、早朝にもかかわらず何かを考え続けているときの血圧、あるいは朝刊のある種の記事を読んでイライラした直後の血圧とは明らかに違います。10単位くらい(あるいはそれ以上)は簡単に上昇するし、その逆の場合もあります。つまり、血圧は気分(この場合は目覚めているときの気分)にけっこう左右されます。

もしそうなら、嫌な夢やイライラする夢を見ているときも血圧は高いに違いない。無意識は意識の深層だし、無意識と意識を合わせた状態を広義の意識と考えると、血圧は意識の顕在的な現れと潜在的な顕れの両方の影響を受けているようです。

だから、たとえば、健康診断などで、こんなことをやって意味があるのかしらんと無意識に近い領域でイラついているような状態で血圧を測ってもらうと測定値は高くなるかもしれません。逆にボーとしている場合や医者や健康診断への信頼度が素直に高い場合は測定値は低くなる。

以前にも書いたことですが、この数十年の「正常」な血圧に関するガイドラインは以下のような具合に推移しています。

□ 1960年代は、「収縮期血圧が149以下 /拡張期血圧が 99以下」
□ 1970年代は、「164以下 / 94以下」(WHO世界保健機構)
□ 1993年からは、「139以下 / 89以下」(いわゆる「140 / 90」)
□ 2009年からは「129以下 / 79以下」が正常血圧、「130~139 / 80~89」は「正常高値血圧」という不思議な言葉で呼ばれるようになった(日本高血圧学会)
□ 2014年に「収縮期血圧が147以下」、「拡張期血圧が94以下」なら高血圧を気にしなくてもいい(日本人間ドック学会)
□ 現在は循環器系の学会の主張が復活してきて「129以下 / 79以下」

循環器系の医者の意見なのか、製薬会社の意図なのか、高血圧の患者、および患者予備軍が増えたり減ったりで、けっこう気ぜわしい。見方によってはけっこう面白い現象だとも言えます。そういう流れに敏感なサプリメント会社の宣伝メッセージ「血圧が130を超えたら、〇〇を」も、当然のことながら復活してきました。

「正常」な収縮期血圧は「年齢+90」以下という古い簡易指標があります。こうやっていろんな意見や意見の推移を見ると、この古い指標がいちばん柔軟性があるみたいです。

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