発酵

2018年5月 8日 (火)

2017年度版タクアンの最後のロット

ゴールデンウィークの最後の日に、2017年版のタクアンの最後の5本を樽から取り出しました。2017年の10月14日に干し始め、干し終わった24本を10月23日に樽に漬け込み、それを2カ月以上寝かせて(発酵させて)、食べ始めたのが年明けの1月9日、それから少しずつ毎日の朝ごはんの漬物のひとつとして食べ続けているうちに残りが5本になった、そのタクアンのことです。
 
樽から1本ずつ取り出すのは面倒なので、4~5本ずつまとめて取り出します。すぐに食べるもの以外は、それぞれ1本ずつ「つ」の字に折りたたんで糠をつけた状態で真空パックにしておきます(写真)。家庭用の電気密封器で空気を抜き、熱で封をします(専用袋を使います)。厳密には真空にはなりませんが、それに近い状態で密封できます。
 
201805 
 
2017年度版のタクアンは、今まで作ってきた中で一番目か二番目に出来が良かったと思います。つまり、とてもおいしかった。理由は、大根の品質がとてもよかったからです。我が家がひそかにファンであるところのある有機栽培野菜農家の有機栽培大根が、去年の秋に運よくまとめて手に入りました。
 
今年もそうでしたが、例年、ゴールデンウィークのどこかで最後のロット(最後の4~5本)を取り出します。
 
最後の取り出しは、屋外ではなく、樽(正確には一斗容量の業務用ホーロー容器、戸外で熟成中は、この樽を寒さ対策と汚れ対策のために大きなクーラーボックスにいれ、そのクーラーボックスを120リットルの厚手のポリ袋で包んである)を、あとの水洗いなどの片づけのために、台所に持ち込んで行います。タクアンの香りというか、発酵した糠の香りが台所やその周辺に濃厚に立ち籠め、こういうときに、たとえば宅配便が届いたら運送会社の担当者はちょっとその香りに驚くに違いない。なかには、いい匂いですね、と言ってくれる漬物好きのかたもいらっしゃるかもしれませんが。
 
消費という意味では、1月初めから5月末までの約5カ月間のお付き合いでした。残った糠はもったいないので、というか、とても貴重な産物なので、糠漬けに使います。
 
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2018年4月11日 (水)

塩麹と酢で作るドレッシング

塩だけでは味気ないけれど、自家製味噌で、手でポキッと割いたキュウリや、手で適当な大きさにちぎったレタスを食べると、市販のドレッシングなど使うよりもよほど野菜の味を楽しめます。
 
しかし、蒸したブロッコリーやカリフラワーには別のドレッシングが似合います。ぼくが好きなのは、すでに作ってある自家製塩麹と、それと等量の酢(たとえば100ccずつ)を、使用直前に混ぜ合わせて作るドレッシング。
 
市販のいいかげんなマヨネーズなんかで手抜きするのがいちばんよろしくない。
 
 
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2018年2月26日 (月)

美味しいタクアン

自家製のタクアンは美味しいと相場が決まっていますが、とくに今年の(というか、昨年の晩秋に漬け込んだ)タクアンは美味しい。たとえば、土曜日の午後に、寒さを我慢しながら戸外の甕(クーラーボックスに入れて寒さ対策をしてある)から糠をつけたままの数本をボールに取り出して台所に運ぶと、台所にタクアンの香りが濃くふんわりと拡がります。
 
米糠(こめぬか)は有機玄米を自家精米するときの副産物だし、市販のものを利用するところの塩・米麹(こめこうじ)・鷹の爪も、どれを使うかは決めているのでそれらに品質の差があるとは考えにくい。味の決め手は、やはり、大根です。
 
まず、大根そのものの美味しさ(要は生で食べたときのうまさ)、それから、天日干しの干し加減。今年は、ある有機栽培農家が栽培したとてもいいのが手に入ったし、天候にも恵まれました。
 
下は、取り出した数本のうちの一本を水洗いし、俎板の上で食べやすい厚さに切っているところ。数切れのタクアンは、我が家の朝食の必需品です。
 
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2018年2月14日 (水)

昨夕のチョコレート売り場

こちらのほうが長持ちするので、今年は大量に廃棄処分されたらしい恵方巻よりも、チョコレートのほうがいいかもしれません。ともに、誰かに上手に創り出された同じ二月のイベント商品ではありますが。
 
昨日の午後6時30分くらいのデパ地下のチョコレート売り場というのは、それを買う側にとっては最後の購入チャンスです。そこをその時刻に配偶者のお供でうろうろしていました。
 
そのチョコレート売り場では、赤い綱で仕切られた区画に女性客が行列を作っています。配偶者はその列に並びましたが、ぼくは場所がないので、若い女性客や若い女性客よりは人生経験が豊富そうな女性客がチョコレートを買い求めているあたりが眺められて、同時に、他のお客の邪魔にならないあたりに立ち、購入の状況を失礼にならない程度に観察しています。
 
配偶者にお供をしたのは、その売り場で買う必要箱数のチョコレート以外に、ぼくにも別の売り場で普段食べないタイプをおまけにひとつ買ってくれるらしいという理由からですが、どちらかというと穏やかな表情の女性買い物客を10分以上も観察し続けるというのは頻繁にある機会ではありません。まったく同じタイプを10個以上も包装してもらっている場面がありましたが、ああいうのは義理チョコに違いない。
 
ぼくのそばを、スマホを片手に女性が二人、中国語をしゃべりながら通り過ぎていきます。
 
最近のはやりなのか、Bean to Barの文字も目に入ります。手作り板チョコというのか、工場制手工業の板チョコというのか、手作り感が漂う板チョコのことです。ぼくのおまけは、札幌で作っているそのBean to Barでした。
 

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2018年1月29日 (月)

2018年は玄米麹で味噌づくり

今年は大豆は例年通り北海道産の有機栽培大豆、麹(こうじ)は数年ぶりに島根産の有機玄米麹、塩はいつものミネラル分の多い自然海塩です。大豆は4kg、麹も4kg、塩は1.8kg(塩は大豆ないし麹1kgに対して450g)。我が家の1日の大豆処理量は、鍋などの事情で最大2.5kgなので、1日に2kgずつ、週末の2日間を使って味噌づくり(の最初の段階)を完了しました。
 
北海道の大豆には「音更大袖(おとふけおおそで)」「トヨムスメ」「トヨコマチ」「ユキホマレ」「ゆきぴりか」などがあります。北海道の大豆は、味噌・醤油・納豆には向いていますが、豆腐向きではありません。豆腐がふわふわと柔らかい。普通に硬くしようとすると豆乳がいっぱい要るので値段が高くなる。豆腐適性(固まりやすく硬い豆腐ができる)は、九州生まれの「フクユタカ」や長野生まれの「エンレイ」にはかないません。しかし味噌や納豆となると話は違ってきます。
 
玄米麹は、白米麹よりも、味噌の香りがいい。コクも出るので、長期熟成向きです。2013年2月に仕込んだ玄米麹味噌は、少しずつ、まだ楽しんでいます。おいしい。
 
下の写真は、塩切りした(つまり、塩と混ぜ合わせた)玄米麹。これと、ミンチした茹で大豆(蒸し大豆がいいのだが、一般家庭では無理)を混ぜ合わせて、味噌玉をつくります。(味噌玉については【味噌づくりの工程】参照)
 
__20180126
 
甕に詰め、ゆっくりと熟成させるために、3年間は暗冷所で寝かせます(最初の天地返しは、6か月後)。おいしく食べるのは従って、2021年の春以降ということになります。
 
以下が「味噌づくりの工程」。工程そのものは、シンプルです。
 
【味噌づくりの工程】
 
・大豆と麹と塩を用意する。その割合は、大豆が1kgの場合、大豆1kg、麹1kg、塩450g
 
・よく水洗いした大豆を前の晩から底の深い大鍋で十分に水に浸しておく
 
・その大豆を柔らかくなるまで、吹きこぼれに注意しながら、煮る(プロは大豆を蒸しますが、自宅では量が多い場合は蒸すという作業は無理)
 
・モノづくりの工程にはクリティカルパスというのがあるが、我が家の味噌作りのクリティカルパスは、鍋で煮るという工程。深い大鍋を総動員しても一日の最大処理量は大豆2.5kg。だから作業量は一日2kgまでとする
 
・熱で柔らかくなった大豆をミンサーにかけてミンチにする(ミンサーは強い焼酎で雑菌消毒しておく)
 
・米麹と塩を、大きなボールなどで上述の割合できれいに混ぜ合わせたのを、並行して用意しておく(塩は一部分、後の工程のためにとっておく)
 
・大豆のミンチを、麹菌が活発に活動できる50℃まで冷ます
 
・その大豆と米麹と塩を混ぜ合わせる
 
・味噌玉をつくる
 
・度数40度以上の強い焼酎で雑菌消毒した甕(我が家は常滑焼)に、次々に味噌玉を投げ入れる(こうすると空気が中に入らない。酸化防止になる)
 
・全体を平らに整える
 
・とっておいた塩を薄くかぶせ、大きめに切った幅広の干し昆布をその上に敷く(干し昆布を敷くのは、北陸地方の智恵。それを拝借。こうするとカビない。昆布の風味も楽しめる)
 
・重石をかける(我が家では、常滑焼の大きめの中蓋を重石にしている)
 
・上蓋をする
 
・大きめのポストイットに、大豆の投入量や麹の種類、仕込み年月日などを書き、上蓋に貼り付ける
 
・天地返しまで、暗冷所で静かに寝かせる
 
・天地返しで、発酵中の味噌の天(上)と地(下)を混ぜ合わせ、甕全体の発酵状態を平準化する(発酵に偏りが出ないようにする)
 
【以上】

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2017年11月17日 (金)

ココアは発酵食品

 
「我が家では甘さ控えめの自家製コーヒーゼリーや自家製お汁粉風ゼリーを晩ごはんの最後に楽しんでいますが、ごく最近、ココアを使った自家製ココアゼリーが新作として登場しました。ココアゼリーと95%チョコレートを食べると、なかなかに幸せな気分になれます。」のココアゼリーがここでの話題です。
 
我が家のゼリーのベースは「寒天」(かんてん:テングサとオゴノリが原料)です。寒天を水で煮溶かしたものに、甘みをつけたコーヒーやココアを混ぜて、軽く熱を加えながらゆっくりと混ぜて、ゼリーを作ります。それを、たとえば、食べやすいサイズのガラス容器に順番に注いで、冷蔵庫で冷やせば、出来上がりです。
 
_ 寒天
 
寒天は食物繊維がいっぱいだし、甘みを抑えた寒天ゼリーなので、中年以上のデザートには向いていると思います。
 
ココアが発酵食品なら、そこには酵母、乳酸菌、酢酸菌などの微生物が生きているはずです。今回、ココアゼリーの甘味付けには黒砂糖を利用しました。ココアに黒砂糖を加えて、かき混ぜました。黒砂糖は発酵微生物のゴハンになります。
 
はたして、しばらくすると、ぶくぶくとココア溶液が泡立ってきました(写真)。眠っていた微生物が活動し始めたようです。小学校の理科の実験みたいですが、なかなかに楽しかった。確かにココアは発酵食品でした。
 
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2017年11月15日 (水)

真面目なタクアン、残念なタクアン

両方とも、ウェブサイトで商品説明を読んで、その上での感想です。食べたことはありませんが、タクアンは自宅で作るので味の想像はつきます。「真面目なタクアン」とは食べてみたいタクアン、のこと、「残念なタクアン」とは、とくには食べたいとは思わないタクアン、のことです。
 
以下は、「天日干しした大根を、樽に詰める(2017年度版タクアン)」で書いたように、我が家で作るタクアンの原材料です。原材料のそれぞれの素性は確かです。たとえば、大根は有機栽培ですが、栽培農家はわかっているし、米麹はどういう銘柄のどういうコメを使ったものなのかを確かめてあります。日本酒は純米酒。
 
『タクアンの材料は、天日干しの完了した大根、塩、米麹(こめこうじ)、米糠(こめぬか)、鷹の爪です。塩・米麹(こめこうじ)・米糠(こめぬか)・鷹の爪はいっしょに混ぜ合わせ薄茶の粉を作っておきます。同時に用意しておくのは、44度の焼酎と日本酒。焼酎は容器の雑菌消毒用です。』『大根は干したといっても水分は残っているので、適度な重石をかけておけば、全体が湿ってきますが、その呼び水として日本酒を使います。』
 
「真面目なタクアン」は北海道の食材を選び、おそらく札幌市内の自分のお店(だけ)で小規模に製造販売している漬物屋さんの商品。「残念なタクアン」(失礼千万な言い方ですが、まあ、ここではそう呼ぶとして)は、漬物業界としては大規模で、品質管理や安全管理もとてもプロセス重視で、インターネット通販も得意そうな漬物の(北海道ではない地域にある)製造販売会社の商品です。
 
後者(大規模なところ)のタクアンの原材料は以下の通りです。そのまま引用します。
 
『原材料名: 干し大根、漬け原材料(食塩、糖類(果糖ぶどう糖液糖、砂糖)、醸造酒、唐辛子、米ぬか)、調味料(アミノ酸等)、酒精、酸味料、ビタミンC、甘味料(スクラロース)、原材料の一部に大豆を含む』
 
前者(小さな漬物屋さん)のほうのタクアンの原材料は、これもそのまま引用すると、
 
『原材料名: 大根 漬け原材料(糠 食塩 ザラメ 赤唐辛子 昆布 果物剥皮(蜜柑 柿 リンゴ))』。
 
一定規模以上で加工食品を流通網に乗せるとしかたないのですが、両者の違いは、後者には『糖類(果糖ぶどう糖液糖)、醸造酒、、調味料(アミノ酸等)、酒精、酸味料、ビタミンC、甘味料(スクラロース)』といった、一般家庭の台所では見かけないものや一般家庭の家庭料理に使わないものが含まれているということです。
 
最近、真面目な松前漬けを食べてないので、この札幌中心部にまあまあ近い漬物屋さんに買いに行こうかなと思っています。
 
『松前漬  松前産スルメ、人参、南茅部産がごめ昆布を無添加醤油をベースにして甘辛い特製タレに漬けた昔ながらの本格松前漬です。噛めば噛むほどスルメの旨みが広がります。  原材料名: スルメ 人参 がごめ昆布 漬け原材料(濃口醤油 味醂 日本酒 ザラメ 食酢 赤唐辛子)原材料の一部に小麦大豆を含む。』
 
ちなみに、この漬物屋さんのタクアンの商品説明は、
 
『たくあん漬 米糠にじっくり漬け込む昔ながらの作り方。干し大根の旨み、糠の香り、ほのかな酸味。一口食べれば懐かしい味に出会います。塩気が強いと感じたら水にさらして塩抜きしてください。』
 
おいしそうです。

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2017年11月13日 (月)

苦いチョコレートはおいしい発酵食品

ある食品会社の、あるブランド名のチョコレートには、カカオ濃度(製品中のカカオ分)が95%のものと86%のものと72%の3種類があります。
 
95%のものだと、チョコレート1箱(60g)のなかに含まれるカカオポリフェノールが2,088mg(2g)。糖質は60g中に7.0g。95%と86%と72%を食べ比べると、断然に95%です。95%には「非常に苦いチョコレートです」と注意書きがありますが、ぼくにはちょうどいい。86%や72%は甘すぎる。
 
95%チョコの商品パッケージの表に「1枚でポリフェノール174㎎ 1箱で2088㎎」と印刷してあるように、チョコレートには、フリーラジカル(活性酸素がその代表)と戦う抗酸化物質のポリフェノールが豊富に含まれています。(関連記事は「活性酸素と脂肪酸(その1)」)
 
カカオ100%のチョコレートを食べたことがありますが、100%となると、ほとんど健康食品の趣きです。でも、このタイプがお好きなかたは有力な継続購入者(リピーター)になるかもしれません。
 
チョコレートやココアはカカオ豆を微生物(酵母、乳酸菌、酢酸菌など)で発酵させて作った発酵食品です。チョコレートは発酵したお菓子として楽しみ、ココアは発酵した飲み物として味わいます(「チョコレート・ココアは発酵食品」 科学と生物 Vol. 49 No.8, 2011)。
 
我が家では甘さ控えめの自家製コーヒーゼリーや自家製お汁粉風ゼリーを晩ごはんの最後に楽しんでいますが、ごく最近、ココアを使った自家製ココアゼリーが新作として登場しました。ココアゼリーと95%チョコレートを食べると、なかなかに幸せな気分になれます。
 

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2017年11月 9日 (木)

納豆が人気だそうです

大豆を発酵させた加工食品(ないし調味料)には、日本では、味噌と醤油と納豆があります。納豆は、納豆菌で大豆を発酵させたものですが、インドネシアにはテンペというテンペ菌で大豆を発酵させた食べものがある。テンペのほうが納豆よりもクセ(臭いとネバネバ)がない。最近は国産テンペも手に入ります。
 
納豆とテンペを始めて目にした食文化の違う外国人がいるとします。さあ召し上がれと言われて、こんなものを食べて大丈夫なのだろうか、大丈夫だとしてはたしてどうやって食べるのだろうか、ということに関して躊躇と迷いが少ないのが納豆よりもテンペだと思います。
 
納豆が売れているそうです。「納豆の販売額が急成長している。全国納豆協同組合連合会(納豆連)の推計によると2016年の市場規模は、前年比16%増の2140億円と過去最高を記録。健康ブームに加え、国産大豆を使用した高価格帯商品の売れ行きの良さが、成長を後押ししている。国産の使用量は、3年で倍増した。」(日本農業新聞 2017年7月16日)
 
その人気は持続し「納豆の人気が高まり、2017年の消費額は過去最高を記録した16年をさらに上回る勢いとなっている。安くて栄養豊富な点が節約志向にマッチし、最近は高めの商品も健康重視の女性らに売れている。」(茨城新聞 2017年11月8日)
 
大豆は、どういう方法で調理されても、かつては健康食材とされていました。その背景には、グローバル市場のほとんどの大豆が、除草薬や殺虫剤への強い抵抗性を植え付けられた遺伝子組み換え大豆に移行したというわりに最近のビジネス事情がありました。その事情は現在も引き続き存在しています。大豆は健康食材という方向のマーケティングプロモーションなしでは、遺伝子組み換え大豆をグローバルに大量流通させられない、というわけです。
 
しかし、だんだんと食べものと健康の関係についての研究者や一般の人たちの知見が深くなるに従い、大豆は、健康食品から、たとえば反栄養素(サポニンやフィチン酸といった自然毒素であるところの反栄養素)を含んだできるだけ食べないほうがいい食材へと、その位置づけが変化してきました。
 
同時に、味噌・醤油・納豆のような大豆を発酵させた食品・食材はその限りではない、いやその逆だ、との認識も広がりました。長い発酵過程で反栄養素は大幅に減少するので消化システムに悪影響がないどころか、腸内の善良な微生物叢を活性化させるので発酵食品の良さをそのまま享受できるという認識の変化です。そこに、遺伝子組み換えでない国産大豆が加わります。
 
「国産大豆を使用した高価格帯商品の売れ行きの良さ」や「高めの商品も健康重視の女性らに売れている」ということは、消費者にそういう知見が広まってきて、つまりは、アジアの食文化の伝統的な知恵が再認識されているということです。けっこうなトレンドだと思います。
 
日本の家庭には、糠漬けやタクアンといった発酵食品が身近にあります。欧米で、ドイツ生まれのザワークラウトを楽しむのといっしょです。納豆の好きな「健康重視の女性」が糠漬けでも作り始めるともっといいのですが、どうなるでしょう。
 
ぼくの好きな納豆の食べ方は、塩と亜麻仁油です。亜麻仁油を軽くかけ、塩をパラパラと振って、よくかき混ぜて朝ごはんの時にいただきます。付属のタレなどは使わない。
 

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2017年10月24日 (火)

漬物雑感

「タクアン」は仕込みが終わったので、あとは順調に発酵が進むのを待つだけです。新鮮な白菜や大根が出回る時期は、「白菜の浅漬け」か大根の「べったら漬け」が我が家の漬物の定番です。
 
「白菜、塩、輪切りの鷹の爪」にしっかりと重石をかけて数時間から1日程度、常温の涼しい場所や冷蔵庫に置いておけばおいしい「白菜の浅漬け」ができ上がります。簡単です。
 
縦に二つに切った、頃合いの大きさの「大根」の切り身を塩漬けにしたのを、わずかな塩と唐辛子と柚子を加えた甘酒に、五日から一週間くらい漬けこんでおくと、「べったら漬け」ができ上がります。軽い塩味と軽い甘みが協調した、タクアンなどとは方向のちがう軽快な感じの漬物です。
 
ただ、「べったら漬け」には、甘酒が必要で、甘酒は麹と白米で作ります。作り慣れると簡単ですが、やや敷居が高い準備作業かもしれません。その工程は、「①うるち米をお粥(かゆ)にする。②お粥を60℃に冷ます。③そこに麹を入れて混ぜる。④そのあと60℃に近いそれ以下の温度で10時間ほど発酵する(ヨーグルトをつくるための電気式容器などを利用すると便利)。⑤でき上がる。」です。
 
タクアンなど冬の漬物を準備する時期に、気の利いた小売店の野菜売り場などに立ち寄るのはけっこう楽しいものです。通常販売しているものの3倍くらい大きい白菜がいくつもどんと置いてあったり、10本入りの箱売り青首ダイコンの箱が積み重ねられています。お店によっては札幌大球という巨大なキャベツが並んでいる。漬物関連コーナーは、塩、麹、鷹の爪、クチナシなど必需品で埋まっています(クチナシの黄色が必需品かどうかは別にして)。
 
我が家は、ニシン漬けなど魚介類を素材とする漬物は苦手なので作りません。しかし、以前、松前町に宿泊した時に旅館で出された「松前漬け」(素材は、数の子、スルメ、昆布)がとてもおいしくて、すぐそばの漬物屋でその長持ちしない松前漬けを冷蔵便で自宅まで送ってもらったことがあります。それほど旨かった。デパートなどで売っている袋詰めにした添加物がいっぱいの松前漬けには食欲がわきません。
 
考えてみると、松前漬けの材料は、それが江戸後期に松前藩で生まれた当時は、ニシン(数の子)もスルメイカも昆布も塩も大量に獲れた安価な食材だったので、ぼくたちが白菜の浅漬けを作るように、松前周辺の家庭ではとても気軽に松前漬けを漬け込んでいたのでしょう。

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