脂と油

2023年11月21日 (火)

おでんの季節

寒くなってきたのでおでんです。大根と結び昆布とゆで卵はこちらで用意するとして、おでん具材の中心であるところの魚の練り物は取り寄せます。

過去二十年、いろいろと試しましたが、がんもやさつま揚げやちくわやその他の魚介類を油で揚げたおでん種は小田原のものがいちばん旨い。今は小田原のあるお店を贔屓にしています。十年の単位で見れば、お店の味やモノづくりの姿勢も変化するので、贔屓のお店は十年前と今とでは違っています。

四国東北部の瀬戸内では、東京にお住いのかたと違って小田原のものを近所のデパ地下に買いに行くというわけにはいかないので通販でお取り寄せです。最近、愛媛県のじゃこてんが話題になりましたが、そのうちそれを加えてもいいかもしれません。以前、鰆やサゴシ(サワラの子供)がある径路で結構安く手に入った頃は、自宅でさつま揚げを作り、おでんの季節はおでん種にしていたこともありましたが、今はそうはいかない。

お取り寄せでは四~五人前を買い、二回に分けて――たとえば今晩と明後日の夜――堪能します。大根と卵は地のものだとして、結び昆布は、普段の出汁昆布と同じで、北海道で採れたのを北陸で加工したのを選びます。北海道の昆布と言っても、種類と用途によって産地は利尻、羅臼、日高、函館など何カ所かに分かれます。おでん用の結び昆布は道東産が多い。

おでんには日本酒で、それも純米酒の燗酒に限ります。


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2023年8月 8日 (火)

鶏ガラのス―プストックとブーケガルニ・補遺

「ブーケガルニとは、肉料理や魚料理の臭みを消すために使うパセリやタイムなどの数種類の香草類を束ねたもののことですが、今回の我が家のブーケガルニはタイムとローズマリーとオレガノの組み合わせとなりました。なぜその三種類かというと我が家の菜園で気持ちよく育っているからです」

そのブーケガルニの写真を撮り忘れていたので、配偶者にまた同じものを作ってもらいました。急に鶏ガラスープストックの追加需要が発生したので、それ用に使うそうです。庭に出てササッと摘めばすぐにできあがります。

「タイムとローズマリーとオレガノを適当な長さで刈取り、水洗いして、ブーケガルニとして使いやすい長さにカットしてタコ糸で縛ります。その状態で香りをかぐとそれぞれの芳香がそれぞれに自己主張しています」

ステンレスのバットに置いたのを、ザルを敷いたのとそうでないのとで撮ってみました。

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2023年8月 7日 (月)

鶏ガラのス―プストックとブーケガルニ

ブーケガルニとは、肉料理や魚料理の臭みを消すために使うパセリやタイムなどの数種類の香草類を束ねたもののことですが、今回の我が家のブーケガルニはタイムとローズマリーとオレガノの組み合わせとなりました。なぜその三種類かというと我が家の菜園で気持ちよく育っているからです。

以前と比べて一般家庭では需要が少ないためか、素性のいい鶏ガラがなかなか手に入りません。しかし、供給頻度は高くないにしても定期的に手に入れる流通経路にめぐり合いました。相手側の慶事が自分にとっても喜ばしいことであるという意味合いで祝福する表現が「御同慶の至り」ですが、それを自分たちのためにも使ってみたい気分になります。

前回は購入したガラの三分の一を使って最初に作ったのが四月の中旬で製造量は三リットルでした。消費量と残りの量を見ながらそれを三回繰り返します。今回も製造量は一回につき三リットルです――それが我が家の適性製造量なので。我が家の場合三リットル用意しておけば――作った後は冷凍庫保存です――ひと月くらいの消費量は賄えるようです。だから今回も翌月と翌々月に三リットルずつ作ります。

タイムとローズマリーとオレガノを適当な長さで刈取り、水洗いして、ブーケガルニとして使いやすい長さにカットしてタコ糸で縛ります。その状態で香りをかぐとそれぞれの芳香がそれぞれに自己主張しています。

しかし、丁寧にアク抜きした鶏ガラといっしょに圧力鍋で熱を加えた後は、タイム(コモンタイム)の香りの影響力がいちばん強い感じです。

写真は上から順に自家菜園のタイム、オレガノ、そしてローズマリーです。

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関連記事は「地鶏の鶏ガラで作るス―プストック」。


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2023年4月14日 (金)

地鶏の鶏ガラで作るス―プストック

このブログ「高いお米、安いご飯」で、付加的な話題として最初にス―プストックが登場するのは「一杯2000円のラーメン」という札幌で暮らしていた時に書いた(2010年11月24日の)記事です。以下関連部分を引用します。

「一般の飲食店で、食べ物(料理)の値段に占める材料費の割合は、お店によって差があるのは当然としても、だいたい30%です。自分の食べる料理の材料費を知りたいと思ったら、30%でも3分の1でも暗算に便利な方を使えばいいのですが、値段が900円のお昼ご飯定食だと材料費は300円、1,200円の豪華カレーライスの材料費は400円、700円の味噌ラーメンや醤油ラーメンの場合は210円、300円の牛丼は90円から100円ということになります。」

「スープストックは比内地鶏の鶏ガラなども試したのですが、最近はもっぱら東北地方の別の地鶏の手羽先をもとにブーケガルニ(用途に応じて数種類の香草類を束ねたもの)やにんじんの皮などを加えて作っています。そのスープストックの材料費、味噌と生ラーメンと野菜と卵の材料費、そして野菜を炒めるときに使う国産ごま油などの費用を加えて、それを3倍するとラーメン一杯の値段は2,000円を超えてしまいます。」

10年以上前の話ですが、最後の行は、「2,000円を『軽く』超えてしまいます」と言い換えたほうがより正確だったかもしれません。

鶏ガラは、以前は、肉屋や肉売り場で比較的簡単に手に入りましたが、最近は一般のスーパーや小売店舗だと、そこに肉の専業店が入っていて手羽先や手羽元は並んでいても、消費者需要がほとんどないためか、鶏ガラは商品そのものが不在です。「鶏ガラはありませんか?」「ガラはうちでは扱ってないですね、すみません」――人口の多い地域のデパ地下や高級スーパーなどに店を構えている肉屋はそうではないとしても。

だから、鶏ガラを使ったス―プストック作りには苦労します。しかし、何とかチャネルを見つけて地鶏の鶏ガラをときどきは入手することができるようになりました。

以下、我が家での、鶏ガラを使ったス―プストック作りの簡単な手順です。

まず、ブーケガルニを用意します。買ってきてもいいのですが、材料が菜園にあるので自分で作ります。自家栽培のイタリアンパセリとこれも自家栽培のローズマリーをタコ糸で縛り、そして地元産の月桂樹の葉(ローリエ)を加えて自家製ブーケガルニを作っておきます。

鶏ガラ(最初の写真のもの)を二つ(二羽分)用意し、それをひとつずつアク抜きして(二番目の写真)、水洗いします(三番目の写真)。自家製ブーケガルニを加えて(四番目の写真)、圧力鍋で1時間グツグツと熱を加えます――普通の鍋で弱火で二時間煮るほうがスープストックの色がきれいですが、今回は圧力鍋を使った一時間作業とします。

そうすると(五番目の写真)脂が浮いてくるのでそれをそっと取り除きます。とりあえず脂を取り除いたス―プストックをさらに冷蔵庫で冷やすと黄色い油が浮んでくるので(六番目の写真)それも丁寧に取り除きます。以前、布や紙で脂を濾したこともありましたがそういうやり方では脂はきれいには取り切れません。

3リットルのス―プストックができあがります。それだけの量のス―プストックがあるとスープをはじめいろいろな料理のベースとして活躍してもらえてとても重宝です。

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2022年5月18日 (水)

透明な瓶・茶色い瓶・青い瓶

ゴミとしての瓶(ビン)は、リサイクル処理プロセスの中のどこかで「透明なもの」「茶色いもの」そして「青や緑などその他の色のもの」に分別されるようです。瓶の色の分別行為を住民に任せるか、それとも清掃センターのような場所で実施するかは、つまり、工程の最初の方で仕分けることにしているか後ろの方で仕分けるかは、それぞれの地域の自治体が決めることになっているらしい。

この3月まで住んでいたところでは、ゴミとしての瓶を出せる日は決まっていて、それを、どんな色の瓶でも同じ透明なゴミ袋にまとめて詰めてゴミ出し場に置いていました。色による仕訳は自治体の方で行います。瓶を他のゴミと分別するところまでが住民の責任です。

現在住んでいるところでは、今までと勝手が違い、ゴミとしての瓶は袋に詰めずに「扉が付いた金網フェンスで囲まれた頑丈な箱型のゴミ出し場」のなかの「プラスチックコンテナ」の中にバラで出す。

それから色(無色、茶色、その他)によって出せる日が違っているので同じような形の四合瓶や一升瓶でも色が違うと一緒に出せない――つまり、同じ色の瓶は月に一度しか割り当て日が来ない。透明の日に、どなたかが茶色いのを出していて、どうなるのかと心配していたら、茶色の瓶は茶色の瓶の日まで収集されずにそのままゴミ出し場の中に捨て置かれていました。規則は遵守されており、余計なサービスはしないということのようです。

その中間の策を実施している自治体もあり、瓶の収集日は決まっていて、色別に3つのコンテナを用意してあって、住民は色別に分別する。

ある地方自治体のウェブサイトに「びんはなぜ、3種類の色に分別しないといけないのですか?」「びんは、色によって異なるものにリサイクルするためです」というQ&Aコーナーがあり、その回答は

《「無色・透明のびん」は、主に再生びんの原料や、板ガラスとしてリサイクルされています。「茶色のびん」は主にリターナブルびんとして再利用されています。緑や黒や青などの「その他の色のびん」は、主に建設資材の材料としてリサイクルされています。効率的なリサイクルのため、収集コンテナに入れる時は、色別に分別してください。》

我が家では日本酒(料理用と酔っぱらうため用)や味醂や醤油や酢などはガラス瓶に詰められているものを利用していて、内容物によって瓶の色は違うので、空瓶在庫の保管が面倒です――そういうゴミを平日の昼間に地域ブロックごとの割当日以外の日に清掃センターに持ち込むという臨時手段はあるにせよ。しかし、全般的にはビールでも調味料でもその他でもガラス瓶の利用が少なくなったので、色によって月に一度の回収で回っていくのかもしれません。

 


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2022年5月10日 (火)

洋菓子屋の甘さの違い

散歩の途中で立ち寄れるパティスリー(というのか洋菓子屋というのかケーキ屋というのか、そういう店)が二軒、別の方向に離れてそれぞれあってショートケーキの好きな配偶者にとっては嬉しい限りだそうです。

ぼくは外で食べるケーキ類は必需品ではないけれど――といっても配偶者が自宅で焼く抑えた甘さのパウンドケーキはよく食べているとしても――いっしょに付き合えと言われたら選択肢はチーズケーキやシュークリームです。

ぼくたちがそこに立ち寄るときは散歩を兼ねてそこまで歩いていくのですが、両方とも車で行きやすい場所にあり駐車場も女性ドライバー向けに広くて停めやすい作りになっているのでケーキを食べたい、あるいはケーキを買いたい時間帯には両店とも年齢幅の広い女性客で混雑しています。

両方の味を較べてみたかったのでそれぞれに定番のショートケーキなどを買い自宅に持ち帰ってコーヒーといっしょに楽しんでみました。両者の甘さには隔たりがあって、その甘さの差はざっくりと例えるとグラニュー糖と和三盆の甘さの違いです。

ぼくは和三盆の二歩か三歩か後ろに引いた感じの微妙で穏やかな甘さを好みますが、陰影の少ないストレートな甘さを偏愛する方たちも少なくありません――鶏のから揚げやマヨネーズといった食欲を直接に刺激する油の味が好きな人が多いように。二軒の店はそれぞれ互いに交わらない贔屓筋を抱えて繁盛しているようです。

 


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2021年11月 5日 (金)

油は食欲を刺激するとはいうものの・・・

油は食欲を増進させます。とりあえずその質や味付け用の添加物の存在は気にしないとして、鶏のから揚げが好きな若い人が多いのは、揚げ油が若い食欲を刺激するからです。下味のついた北海道版の鶏のから揚げは「ザンギ」と呼ばれ――なぜそう呼ばれるようになったのかは知りませんが――居酒屋や惣菜コーナーの定番メニューです。

若い人はマヨネーズも大好きですが、マヨネーズも70~80%は植物油なので――その割合の植物油に卵と酢と塩胡椒を投入してミキサーでガーとかき混ぜると簡単にマヨネーズを作れます――マヨネーズがいっぱいのサラダやマヨネーズを使った炒め物が好物というのは食欲刺激力の強い油が大好きと言っていることと等価です。コンビニの棚にはツナマヨ入りのおにぎりも並んでいます。

天ぷらの決め手は油ですが、天ぷら油は階層型に流通しているそうです。高級天ぷら屋から普通の天ぷら屋、あるいはトンカツ屋、そして場末の中華料理屋といった流れです。油は業務用に大量に使う場合にはけっこうな費用がかかるのでそういう経路も宜なるかなですが、油の流通ということは油の使いまわしということで、油は使いまわすと古くなる。つまり酸化の度合いが進みます。頑張って濾しても酸化はどうにも防げない。

「やむを得ない事情」や不注意で、あるいは「わかっていてそれでもいいというような場合」にその発生を経験することができますが、質の悪い油や酸化が進んでいると思われる油を使った料理や加工食品を食べると確実に胃がもたれます。

「やむを得ない事情」とは、たとえば、お昼ごはんに、天ぷらチェーン店のファーストフード天丼を複数の元気な若い人たちと一緒に食べることになったような場合を指します。

「わかっていてそれでもいいというような場合」とは、春や夏におでんが食べたくなり、普段口にしている冬のおでん種でないところの、ぼくの胃にとっては適合性の悪そうな種類の「さつま揚げ」風のおでん種に、無理をして手を出したときです。

おでん種も、がんもやさつま揚げ系統の揚げ物は油を使っています。上質な油で上品な白身魚の練り物をサッと揚げたおでん種と、そうでない品質の油を素材に練り込んだ上にさらに同じ質の油で揚げたようなおでん種は似て非なるものです――香りが違うので二つはそもそも似ていないという意見もあり、それももっともです。

前者は軽く油抜きをすると魚の風味がほぼ直に味わえるのに対して、後者は丁寧に油抜きをしても油は去らず、油をまぶした魚のすり身を揚げたのを食べている感じです。出汁も油まみれになってしまう。後者に手を出すと、胃もたれや胸やけという予想通りの症状が結果して、すぐに後悔することになります。

以前、北海道ではないところの魚売り場で鰆(さわら)の切り身のその日の売れ残りを集めて安く売っているのに頻繁にお世話になったことがあります。そのまま食べるのではなくスプーンなどで身をそぎ落としてすり身にしたのにゴボウのササガキなどを混ぜ、「自家製さつま揚げ」を作ります。油も良質なのを使うので豪華な(しかし、あまり費用はかからない)、そして胃もたれなどは決して起こさない「鰆のさつま揚げ」ができ上がります。

オリーブオイルもそうですが、年齢に応じた油や脂の選び方があります。


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2021年10月29日 (金)

おでんの季節、おでん種

寒くなってきました。「おでん」の季節です。すじ肉なども用意してあるプロのおでん屋は年中無休ですが、家庭用のおでん種が揃うのは秋が少し深まってからです。

大根や昆布、こんにゃくや卵はいつでも手に入るとしても、おいしい大根の入っていない「おでん」が「おでん」ではないように、結び昆布のない「おでん」も「おでん」ではありません。しかし、「おでん」を「おでん」たらしめるのは、がんも、さつま揚げのような挙げ蒲鉾、魚の練り物です。

揚げ物や練り物は素材の魚によって風味と食感が大きく左右されます。おでんのときに軽く揚げ物の油抜きをするは当然の作業だとしても、揚げ物は使っている油によって味わいが、美味いから不味いまで大きく変化します。添加物や化学調味料が使われていると食欲は明らかに減退する。

こういう言い方をすると申し訳ないけれど、コンビニのおでんは、ぼくには、化学調味料の匂いが強すぎて近づく気にならない。通りを歩いているときにちょうど自動ドアが開いてコンビニからおでんの匂いが漂い出てくることがあります。食欲がそそられるタイプの匂いではありません。

魚関連のおでん種は、やはり蒲鉾の美味しい産地とお店から取り寄せたほうが――安くないクール便配送料がかかっても――結局は満足度が高いようです。別の選択肢――という曖昧な書き方にします――も何度か試しましたが、期待に添わなかったのでそれぞれ一度ずつ試しただけで終わりました。

関西、あるいは広域関西文化圏では「おでん」(つまり、汁で煮込んだ煮込み田楽)のことを「かんとだき」(漢字表記は「関東煮」ないし「関東炊き」)と呼んでいます。関東から関西に流入した食べ物は他にもありそうですが、「おでん」だけがなぜか「『関東』煮」です。

ところで、台湾の街の屋台街には台湾料理に混じって関東煮の屋台もあります。「台湾 関東煮」で画像検索すると「関東煮」の写真がぞろぞろ出てきます。「日式」と表記してあるのもある。関西文化圏出身の日本の人たちが日本統治時代の台湾(1895年から1945年)に、日本風に温泉を楽しむ習慣などと一緒に、「関東煮」を広めたそうです。それが根付いた。

ともあれ、「おでん」の季節です。月に2回以上は一杯やりながら「おでん」の晩ごはんを楽しみたいものです。毎週でもかまわない。


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2021年4月20日 (火)

久しぶりのおでんでしたが、揚げ物の油が・・

美人のダイコンが手に入ったので、先週末に、晩ごはんは久しぶりにおでんにしようと思いました。近所の農家が小規模に出荷している卵と地元産の蒟蒻(こんにゃく)はあるし、北陸の結び昆布も在庫があります。しかし肝心のさつま揚げのような挙げ蒲鉾や魚の練り物、あるいはがんもの類がない。これではおでんになりません。

小田原の蒲鉾屋あたりからおでん種を取り寄せるのがいちばんなのだけれど、今晩食べたいのでその余裕はありません。次がデパ地下の蒲鉾などの売り場ですが休日のデパ地下は、昨今の事情で何となく避けたい気分です。で、しかたなく、混雑していない近所の小売店で、欠点を承知しながらおでんの画竜点睛になるところの素材を調達することにしました。承知している欠点とは魚や豆腐の揚げ物に使われている油の質です。油がよくないと全体的な満足感が損なわれます。そういうことを覚悟の上でのおでんです。

おでんのときに揚げ物の油抜きするは当然の作業だとしても、今回はより慎重に油抜きをしました。出汁はいつものように丁寧に準備します。

おでんができ上がったので早速食べ始めました。ぬる燗の純米酒がお供です。大根や昆布、卵やこんにゃくは結構な味わいですが、がんもやさつま揚げは、やはり、それほど美味しくない。美味しくないというよりも食べ進むにしたがって食欲が損なわれていきます。もっと正確に言うと食欲が減少するというよりも、その油のせいで軽い胸やけを感じるようになってきました。そういう事態の発生を承知の上での今回のおでんだったので、揚げ物に箸を伸ばすのはそこでおしまいです。しかし、それ以外のおでん素材は最後までしっかりいただきます。

油や脂は食欲を刺激するのが得意です。だからジャンクフードには油が不可欠です。ジャンクフードではないにしても、それを使った料理レシピを次々に紹介するマヨネーズのコマーシャルは、卵と酢と塩と胡椒で風味づけされた植物油のコマーシャルとほぼ等価です。なぜなら、マヨネーズを味わうとは植物油を食べることと同じだからです。そういう意味では揚げ物も同じですが、品質の良くない植物油を使った揚げ物は、ファストフード店の天丼と同じで――かつて、時間がない外出中の昼時に同僚と一緒にそういう種類の天丼を注文してひどい目に合った――確実に胸やけを起こすことを、今回、再確認させてもらいました。

おでんはいい素材で気分よく食べたいものです。


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2020年12月11日 (金)

里芋のスープは大人の味

イモを材料にしたスープを以前から楽しんでいます。イモの種類は三つでサツマイモとジャガイモとサトイモ。ジャガイモは洋のテイスト、サトイモは和のテイスト、サツマイモもどちらかというと和のテイストです。サトイモはサトイモではなく里芋と書いたほうが「らしさ」が出るので以降ここでは里芋で通します。里芋スープがいちばん渋い大人の味になる。

里芋(さといも)は、熱帯アジアの主食であるタローイモの一種で、タローイモの中ではいちばん北の地域(たとえば日本)で栽培される種類です。里で栽培されるので、山芋に対して、里芋と呼ばれるようになったらしい――そう聞いています。日本での歴史は古く、江戸時代半ばにサツマイモが普及するまではイモといえば里芋でした。

イモの名前は、もともとの産地や伝来経路の名前を含むのが伝統のようで、だからサツマイモは薩摩イモだし、サツマイモという呼び名が一般化する前は伝来経路をさかのぼって琉球イモと呼ばれていました。サツマイモの生産が盛んなのはアジアですが、本籍地は中米です。だからグアテマライモという古称が存在したとしてもおかしくない。

ジャガイモも、生まれは日本からはずいぶんと遠い南米のアンデス山脈です。そこから、メキシコ、スペインと経由し、日本にはインドネシアのジャカルタ経由でオランダ人が持ち込みました。だからジャガタライモ、つまりジャガイモとなりました。

里芋の一種にセレベスというのがありますが、この里芋はインドネシアのセレベス島(今はスラウェシ島という名に変わっている)からやってきました。

料理の味付けで油や脂を一番欲しがるのは三つのイモのなかでは断然ジャガイモです。数年前に調べた総務省の統計によれば、日本人のジャガイモの消費量は里芋の5倍くらい多い。洋風料理のお供はジャガイモだし、ポテトサラダはジャガイモだし、ステーキにもジャガイモです。北海道のイモのデフォはジャガイモだし、ファストフード店ではフレンチフライが定番です。

里芋の煮っころがしは和風の飲み屋では定番だとしても、家庭で調理するには里芋はジャガイモよりもはるかに面倒です。

最初に戻り我が家のイモのスープに戻ると、最近はサツマイモ(鳴門金時)か、里芋です。ジャガイモに対する欲求は大幅に低下してきており、サツマイモも時には甘すぎるので、和風を大人の舌で楽しむときは、甘くないまろやかさが口に拡がる里芋に限ります。


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